比較広告

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比較広告(ひかくこうこく)は、自社や競合する他社の商品と比較して優位性をアピールする広告の手法で、価格や性能などの数値を引き合いに出して商品をアピールするもの。コンパリゾン・アドとも言う。

欧米型の代表的なものとして、相手の商品と比較する広告が多い。日本では新商品と自社の旧商品を比較する広告(当社前身商品の型番比、当社比などと表現される)が多く用いられる。

欧米や欧米型として記述しているが、欧州では比較広告は法的規制や公的な議論となることが多くアメリカのような自由は少ない。ドイツなどは大変厳しい、イギリスでも大きな議論となる。そのため欧米や欧米型という記述で米国と欧州をあわせて全体を同質では見ることはできない。

比較広告のパターン[編集]

  • 直接的にデータや顧客の反応を利用して比較するモノ。
  • ダブルミーニングダジャレなどを利用したもの。
  • 対象を想起させる何かを利用したモノ。
  • 他社製品にはみられない特徴を前面に打ち出し、アピールするもの。
  • 状況から比較広告的な側面が読みとれるもの。

アメリカの比較広告[編集]

ペプシチャレンジの一環で行われたアメリカの広告キャンペーンは歴史に残るものとなった。1980年代にペプシコーラは全国各地でブラインド・テストによる公開試飲調査を行い、ここでコカ・コーラよりも美味しいと回答した人が半数を超えたことを宣伝した。これは大きな話題を呼び、シェアを拡大することに成功した。ペプシ社は結果の知れないチャレンジに挑んだのではなく、事前調査により得られた「一口目はコカ・コーラよりも甘いペプシを選ぶ傾向がある」ことを利用したものとされるが、具体的な調査についてペプシ社は明らかにしていない。[1](後に、このブラインド・テストは日本でも再現されることになる。)

公的なデータが示されたモノとしては、三菱・ギャランの衝突回避性能アピールがある。これは「併走するギャランとトヨタ・カムリの目の前に様々な障害物を投下し、衝突回避性能を試す」というもの。CMの流れとしては「前を走るトラックから投下される障害物を避けるにつれ両者の挙動は対照的(ギャランは終始安定しているが、カムリはだんだん不安定になっていく)になり、最後にクルマが投下されるとギャランは避けきって走り続けるがカムリは避けきれず止まってしまった。そしてその後『新型ギャラン、衝突回避性能でカムリを破る』と言うテロップが出る」というモノである。

また、ライバルの名は出さないがあからさまにわかってしまう、というケースもある。1990年に放送されたヒュンダイのCMでは2台の白いクルマが映し出されており、一方には「ヒュンダイ・ソナタ」と、もう一方には「対抗車種」と出ている。しかしながら、その「対抗車種」にはボカシなどがいっさい入っておらず、すぐに比較対象はトヨタ・カムリだとわかってしまう。内容としては各メディアのソナタに対する賞賛の声が次々と紹介(ここでも対抗車種の名前は出てこない)され、それにつれて「対抗車種」が緑になっていく(日本語で言うところの「青ざめた」状態)というものである。またこの型のソナタのCMには、「ホンダ・アコードはいいクルマだ・・・」と始めておきながら、次第にアコードが無数のソナタに取り囲まれてしまう(でもみんなアコードよりソナタを選んでいるぞ、と言う意味と思われる)・・・と言った内容のモノもある。

またアメリカ合衆国大統領選挙で多く用いられ、相手陣営の急所を突く批判広告とそれに対応する自陣営の対案の宣伝がテレビで頻繁に放送される。

日本の比較広告[編集]

1971年の日産“サニー1200”のCMで「隣りのクルマが小さく見えまーす」というキャッチコピーが使われ、トヨタカローラに対する優位性を主張したように、他社との比較は昔から行われてはいた。しかし日本に於いては誹謗のおそれがあることから、具体的な相手名を名指しするような行為は忌避されていた。1980年代に入り、外資系企業から自由な広告営業への圧力が強まると、1986年公正取引委員会から俗に言う「比較広告ガイドライン[2]」が発表された。このガイドライン景品表示法において比較広告は禁じられていないことが確認され、内容が客観的に実証されていることとその事実を正確かつ適正に示すことが求められるようになり、これを受けて一部の業種で比較広告が行われるようになった。

ペプシコ・ジャパンが、「ペプシチャレンジ」と称した比較広告を展開した後、コカ・コーラとの比較広告でラップ歌手のM.C.ハマーなどを起用して極めて欧米型の比較広告を展開した。さらにクレームが寄せられた後も、コカ・コーラのロゴに大袈裟なモザイクをかけて放送し続けるなど、視聴者に更なるインパクトを残すことに成功している。なお同社はCM放送終了後に視聴者アンケートを実施し、感想の回答者全員に無修正版のCMとアメリカ本国で放送している別の比較CM2本を収録したVHSビデオテープをプレゼントするという企画を実施した。

相手への攻撃と取られないように客観的なデータの提示を行うものも多い。代表的な例が、後発電話会社(いわゆる新電電)の広告で、ある地域にかける電話料金について、NTTグループの料金と比較した優位性をアピールするものである。

2009年には、トヨタの“新型プリウス”のカタログで、ホンダの“インサイト”(具体的な車名は載せてはいないが、比較対象となる市販のハイブリッド車は当時は他には無かったのですぐにわかる)との優位性を強調したものがあったが、あまりにも露骨かつ蔑ました内容(自車の優位性を自転車に例えてトヨタはアスリート2人、“他社”の方は普通のお父さんと子どもが漕いでいる、というもの)のため、ホンダ側の申し入れにより刷り直し分からは特に通知もなく削除された。

政治においては2009年衆議院総選挙で、自由民主党による「保守色」を前面に押し出したウェブサイト、アニメCM他での民主党への比較広告作戦が展開されたが、選挙戦では敗北した。

サムスン電子Galaxy S5アップルiPhone 5s):ALSに対する支援のパフォーマンスとしてアイス・バケット・チャレンジが世界中に広がりを見せていた中、サムスン電子のイギリス法人は自社の防水スマートフォンGalaxy S5に氷水を浴びせ、iPhone 5sなど他社製の防水でない端末を次のチャレンジ者として指名したが、チャリティ活動を単に自社の広告のために利用したと批判されている[3]

SKYACTIV-D:「ディーゼルの本気を、日本は知らない。」 CX-5ディーゼル(FF車)はHVを含めた全SUVの中で一番低燃費だとしている。また、尿素SCRシステムのような後処理システムが不要(=安価で楽)という点も言われている。更に日本はガソリン車への依存度が高く原油を輸入しておきながら軽油を輸出していると言う現状に触れ、「ディーゼル車の普及により(中略)貴重な輸入資源を無駄なく使う」とも主張している[4]

脚注[編集]

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  1. ^ New York Magazine, 1981年10月5日 p21-22
  2. ^ 比較広告に関する景品表示法上の考え方(消費者庁)
  3. ^ “Samsung turns Ice Bucket Challenge into ad mocking iPhone” (英語). CNET. (2014年8月22日). http://www.cnet.com/news/samsung-turns-ice-bucket-challenge-into-ad-mocking-iphone/ 2014年8月24日閲覧。 
  4. ^ 【MAZDA】ディーゼルエンジンの魅力/エンジン/SKYACTIV TECHNOLOGY

外部リンク[編集]