ダブル・ミーニング
ダブル・ミーニング (Double meaning) または両義語(句)(りょうぎごく、Double entendre)とは、話し言葉の句が2通りに理解できる駄洒落に似た修辞技法のこと。2つの相容れない意味を持つ句ほどシンプルなものだと、それは気の利いた言葉遊びになる。
- もっとも危険なゲーム (The Most Dangerous Game) - リチャード・コーネル (Richard Connell) の短編(1924年。The Most Dangerous Game参照)およびギャビン・ライアルの小説(1964年、The Most Dangerous Game (Gavin Lyall novel)参照)のタイトル
この句は、もっとも危険な「狩りをするための」ゲーム(ジビエ)と、もっとも危険な「遊ぶための」ゲームのどちらにも解釈することができる。
時としてダブル・ミーニングは、よく知られた句に似た文を作る同音異字として存在することもある。また、比較広告の方法として競合他社・製品の名前を出すのが忌避される場合に使われる(表面上は何でもないキャッチコピーや登場人物だが、それらが暗にライバルを指している)こともある。
きわどい性的な要素がダブル・ミーニングの核である場合もある。オックスフォード英語辞典は、ダブル・ミーニングを次のように定義している。「ダブル・ミーニング (A double meaning);二重の意味を持つ語句のこと。とくに下品な意味を伝えるのに使われる」。この場合、最初の意味は無邪気なものだが、2つめの意味はきわどい (risqué) か、少なくとも皮肉なもので、聴き手にはいくらかの知識が求められる。逆に、伝えようとしていた真意はごく普通のありふれたモノだがその言葉の使い方やシチュエーションで性的な意味であると受け手や他の登場人物にミスリーディングさせるというパターンもある。
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[編集] 構造
文中で「ほのめかし (Innuendo)」が使われる時、隠された意味に通じていない人はそれは気付かず、また変だとも思わない(理由はわからないがユーモラスだと気付く人はいるかも知れない)。ほのめかしは、隠された言外の意味をわからない人には不快感を与えないため、子供たちが目にするシチュエーション・コメディなどの喜劇でも広く使われている。子供たちがその喜劇を可笑しいと思っても、ほのめかしの隠された意味への理解を欠いているために、大人たちの可笑しさとはまったく異なるものとなる。このことから、ダブル・ミーニングは社会的に容認しかねる性的なユーモアを生むのに使われる。たとえば、ウィリアム・シェイクスピアの『空騒ぎ』では、エリザベス朝の「noticing」のスラングに「nothing」を使う駄洒落と同じレベルの仕掛けが使われた。
[編集] 例
サー・トマス・モアの『ユートピア』(1516年)はギリシャ語から派生した同じ発音の2つの語のダブル・ミーニングである。モアの綴り「Utopia」は「どこにもない場所」[1](サミュエル・バトラーの1872年の『エレホン(Erewhon)』と呼応している)。しかし「Eutopia」と綴ればそれは「良い場所」という意味を持つ。
現代ではダブル・ミーニングは映画やテレビで、大人のユーモアとして使われている。中でも『007』シリーズにはその種のユーモアが詰まっている。具体的に例を挙げれば、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)で、ジェームズ・ボンドがデンマーク人女性とベッドにいるところにミス・マネペニー (Miss Moneypenny) から電話がかかってくる場面で、ボンドが自分のデンマーク語を磨いていたところだと言い訳すると、ミス・マネペニーがすかさずこう切り返す。
- You always were a cunning linguist, James.(あなたって昔からずる賢い言語学者だったわね、ジェームズ)
「cunning linguist(ずる賢い言語学者)」が「cunnilingus(クンニリングス)」に聞こえれば、これはダブル・ミーニングになる。
『羊たちの沈黙』(1991年)でのハンニバル・レクターの台詞「having an old friend for dinner(ディナーのための旧友を持っている)」もダブル・ミーニングである(「旧友とディナーをとっている」と「ディナーに旧友を食べる」)。
[編集] 関連項目
- ダブルスピーク
- 婉曲法
- 駄洒落
- 語音転換
- 空耳 (言葉遊び)
- 曖昧
- ロシア的倒置法
- 掛詞
- ダブルミーニングを使った作品
- Albur(メキシコのダブル・ミーニングを使った下ネタの駄洒落)
- (Åh) När ni tar saken i egna händer(通称「高らかにオナニー」):アフターダークの楽曲。元々ダブルミーニングである上に日本語の空耳としても性的な歌詞として聞こえる。
- イフ・ユー・シーク・エイミー:ブリトニー・スピアーズの楽曲。タイトルが"F-U-C-K me"と聞こえるダブルミーニングであると騒ぎになった。
- 空飛ぶモンティ・パイソン:「スパムの多い料理店」では「スパム(SPAM:ランチョンミート→SPERM:精液)」や「エッグ(鶏卵→卵子)、ソーセージ」など、ダブルミーニングと取れる単語が多く使われている。この回はあまりにスパムと連呼することから、スパムメール(迷惑メール)の語源ともなったとされる。
- 西友:家庭用品のCMフレーズ「西友にとりあえず行けや」、家電 (TV) のCM登場人物(ヤマダ、コジマ、タカタ、ビック)がライバル他社を指しているように聞こえる。