デニス・テン

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Pix.gif デニス・テン
Denis Ten
Figure skating pictogram.svg
2011 Skate Canada Denis Ten.jpg
2011年スケートカナダでの演技
基本情報
代表国: カザフスタンの旗 カザフスタン
生年月日: 1993年6月13日(21歳)
出生地: アルマトイ
身長: 168 cm
体重: 55 kg
コーチ: フランク・キャロル
ラファエル・アルトゥニアン
元コーチ: エレーナ・ブイアノワ
タチアナ・タラソワ
振付師: ローリー・ニコル
元振付師: ステファン・ランビエール
タチアナ・タラソワ
イリーナ・タガエワ
ミハイル・ポチタリン
所属クラブ: Kiyal Almaty
ISU パーソナルベストスコア
トータルスコア: 266.48 2013 世界選手権
ショートプログラム: 91.56 2013 世界選手権
フリースケーティング: 174.92 2013 世界選手権
 
獲得メダル
フィギュアスケート
オリンピック
2014 ソチ 男子シングル
世界選手権
2013 ロンドン 男子シングル

デニス・ユーリエヴィチ・テンカザフ語: Денис Юрьевич Тен英語: Denis Yuryevich Ten, 1993年6月13日 - )は、カザフスタンフィギュアスケート選手(男子シングル)。

2014年ソチオリンピック銅メダリスト。2013年世界選手権2位。2010年バンクーバーオリンピックカザフスタン代表。

人物[編集]

韓国系カザフスタン人、いわゆる高麗人で、先祖に韓国独立のために戦った閔肯鎬という人物がいる[1]

1993年カザフスタンアルマトイで生まれる。好きなスケーターにアレクセイ・ヤグディンイリヤ・クーリックエヴァン・ライサチェクブライアン・ジュベールらを挙げている[2]。7歳から5年間音楽学校に通い、合唱を学んでいた。「音楽は自分にとってとても重要な存在」と語っている[3]

2009-2010シーズン時点では、3回転アクセルを含む6種類の3回転ジャンプを競技会で用いており競技会での4回転ジャンプはない。しかし練習では4回転トウループや4回転トウループ+3回転トウループのコンビネーションを成功させている。4回転ジャンプに取り組み始めたのは12歳の頃で、当初は4回転サルコウを練習していたが、上手くいかなかった為トウループの練習に変えたという[2]

続く2010-2011シーズンでも4回転ジャンプへの競技会での挑戦は無かったが、2011-2012シーズンよりフリープログラムの冒頭に4回転トウループが取り入れられた。そして同シーズンのグランプリシリーズのアメリカ大会では回転不足判定を受けたものの、続くカナダ大会では着氷に成功した。

2014年シーズンは病気や負傷に悩まされ、なかなか結果を出せなかったが、ソチオリンピックでは銅メダルを獲得した[1]

韓国系の出自のため、韓国でも名前が知られている。2013年世界選手権の時期に、日の丸鉢巻を巻いた写真が韓国で話題になり、それに怒った韓国人の中にはデニスに謝罪を求める声もある。デニス本人は、「私に流れる韓国人の血を誇りに思う」と語っている[4]

経歴[編集]

5歳の時、母親の希望によりスケートを始める。9歳の時、ロシアオムスクで行われた試合に優勝した際に、ジャッジの一人から旧ソ連地域内低年齢クラスの大きな競技会であるクリスタルスケートに招待される。この大会でエレーナ・ブイアノワと出会い、サマーキャンプに参加。ブイアノワの奨めにより、10歳の時練習拠点をモスクワに移した。2010年まで母親と共にモスクワに在住しブイアノワとタチアナ・タラソワのコーチを受ける[2][3]。2010-2011シーズンにコーチをフランク・キャロル変え、拠点をロサンゼルスに移した。

2008-2009シーズン、JGPゴールデンリンクスで優勝。同時にカザフスタンに初めて国際スケート連盟主催競技会のメダルをもたらした。世界ジュニア選手権は4位。世界選手権では8位。いずれもISUフィギュアスケート選手権におけるカザフスタン史上最高順位である。 2009-2010シーズンからシニアに上がり、ISUグランプリシリーズに参戦。2010年バンクーバーオリンピックにカザフスタン代表として出場し第11位となった。

2010-2011シーズン、NHK杯では最下位、スケートアメリカではフリースケーティングで5回の転倒をするなどして11位。世界選手権では過去最低の14位に沈んだ。

2011-2012シーズン、グランプリシリーズでは2戦とも5位。世界ジュニア選手権に2シーズンぶりに出場して4位、世界選手権では4回転トゥループを成功させ過去最高の7位に入賞した。

2012-2013シーズン、SPとFSともにローリー・ニコルの振付で、映画『アーティスト』を前半と後半に分けて演じた。[5]シーズンを通じて、右足首の怪我に悩まされていた。[6]世界選手権ではSP、FSともにパーソナルベストを大きく更新する出来で2位。カザフスタンにISUチャンピオンシップスで初めてのメダルをもたらした。

2013-2014シーズン、両足首と背中の怪我および感染症によりスケートアメリカを欠場。中国杯では4位。メラーノ杯アイスチャレンジで連続優勝。ユニバーシアードは直前の練習で負傷し、SPを滑る前に棄権した。[7]ソチオリンピックではSP9位と出遅れるも、FS3位となり総合3位で銅メダルを獲得。カザフスタンの選手としては初のフィギュアスケートのメダリストとなった。尚世界選手権は欠場を表明。

主な戦績[編集]

大会/年 2004-05 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 2009-10 2010-11 2011-12 2012-13 2013-14
冬季オリンピック 11 3
世界選手権 8 13 14 7 2
四大陸選手権 9 10 6 12 4
カザフスタン選手権 4 1 2 1
GP中国杯 10 4
GPロステレコム杯 9
GPスケートカナダ 7 5 6
GPスケートアメリカ 11 5
GPNHK杯 12
アイスチャレンジ 1
メラーノ杯 1
ボルボオープン 1
ネーベルホルン杯 9 7
イスタンブール杯 1
ゴールデンスピン 1 2
冬季アジア大会 1
NRW杯 1 J 4
世界Jr.選手権 26 16 4 9 4
JGPファイナル 5
JGPゴールデンリンクス 1
JGPクールシュヴェル 4
JGPタリン杯 10
JGPハルギタ杯 6
JGP ハーグ 10
ドラゴントロフィー 1 J
ニース杯 2 N 1 N
  • J = ジュニアクラス
  • N = ノービスクラス

詳細[編集]

2013-2014 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2014年2月6日-22日 ソチオリンピックソチ 9
84.06
3
171.04
3
255.10
2014年1月20日-25日 2014年四大陸フィギュアスケート選手権台北 5
76.34
4
150.03
4
226.37
2013年11月19日-24日 2013年アイスチャレンジグラーツ 1
88.19
1
173.19
1
261.38
2013年11月14日-17日 2013年メラーノ杯メラーノ 1
82.21
2
148.91
1
231.12
2013年11月1日-3日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 4
77.05
3
147.75
4
224.80


2012-2013 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2013年3月10日-17日 2013年世界フィギュアスケート選手権ロンドン 2
91.56
1
174.92
2
266.48
2013年2月6日-11日 2013年四大陸フィギュアスケート選手権大阪 7
78.05
17
119.21
12
197.26
2013年1月10日-13日 2012年ボルボオープンカップリガ 1
79.21
2
125.12
1
204.33
2012年11月9日-11日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 9
59.42
9
118.35
9
177.77
2012年10月26日-28日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダウィンザー 4
75.26
8
128.44
6
203.70
2012年9月27日-29日 2012年ネーベルホルン杯オーベルストドルフ 4
67.88
8
130.51
7
198.39


2011-2012 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2012年3月26日-4月1日 2012年世界フィギュアスケート選手権ニース 8
76.00
6
153.70
7
229.70
2012年2月27日-3月4日 2012年世界ジュニアフィギュアスケート選手権ミンスク 3
73.78
4
134.42
4
208.20
2012年2月7日-12日 2012年四大陸フィギュアスケート選手権コロラドスプリングス 5
77.73
7
132.30
6
210.03
2011年12月13日-18日 2011年イスタンブール杯イスタンブール 1
68.75
1
152.08
1
220.83
2011年12月8日-10日 2011年ゴールデンスピンザグレブ 1
76.36
2
144.11
2
220.47
2011年10月28日-30日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダミシサガ 5
71.40
6
140.99
5
212.39
2011年10月21日-23日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカオンタリオ 6
67.38
7
130.60
5
197.98
2011年9月22日-24日 2011年ネーベルホルン杯オーベルストドルフ 5
68.66
9
118.59
9
187.25


2010-2011 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2011年4月24日-5月1日 2011年世界フィギュアスケート選手権モスクワ 10
71.00
14
138.99
14
209.99
2011年1月30日-2月6日 第7回アジア冬季競技大会アスタナ 1
76.22
3
132.67
1
208.89
2010年11月12日-14日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカポートランド 6
64.50
11
111.61
11
176.11
2010年10月22日-24日 ISUグランプリシリーズ NHK杯名古屋 6
68.74
12
102.94
12
171.68


2009-2010 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2010年3月22日-28日 2010年世界フィギュアスケート選手権トリノ 9
77.40
15
125.06
13
202.46
2010年3月8日-14日 2010年世界ジュニアフィギュアスケート選手権ハーグ 4
68.40
15
103.46
9
171.86
2010年2月12日-28日 バンクーバーオリンピックバンクーバー 10
76.24
14
135.01
11
211.25
2010年1月25日-31日 2010年四大陸フィギュアスケート選手権全州 4
70.50
14
102.15
10
172.65
2009年12月10日-12日 2009年ゴールデンスピンザグレブ 1
75.41
2
118.83
1
194.24
2009年12月3日-6日 2009年NRW杯ドルトムント 2
78.78
8
120.19
4
198.97
2009年11月19日-22日 ISUグランプリシリーズ スケートカナダキッチナー 3
75.45
9
117.88
7
193.33
2009年10月29日-11月1日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 9
64.05
10
118.58
10
182.63


2008-2009 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2009年3月23日-29日 2009年世界フィギュアスケート選手権ロサンゼルス 17
68.54
6
142.89
8
211.43
2009年2月23日-3月1日 2009年世界ジュニアフィギュアスケート選手権ソフィア 5
64.8
4
118.97
4
183.77
2009年2月2日-8日 2009年四大陸フィギュアスケート選手権バンクーバー 10
61.32
8
123.5
9
184.82
2008年12月11日-14日 2008/2009 ジュニアグランプリファイナル高陽 7
60.59
3
119.75
5
180.34
2008年10月1日-5日 ISUジュニアグランプリ ゴールデンリンクスホメリ 1
68.36
2
119.71
1
188.07
2008年8月27日-31日 ISUジュニアグランプリ クールシュヴェルクールシュヴェル 5
54.81
5
109.06
4
163.87


2007-2008 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2008年2月25日-3月2日 2008年世界ジュニアフィギュアスケート選手権ソフィア 8
60.00
19
95.70
16
155.70
2007年11月30日-12月2日 2007年NRW杯 ジュニアクラス(ドルトムント 1
56.23
1
106.41
1
162.64
2007年9月20日-23日 ISUジュニアグランプリ タリン杯タリン 10
43.6
10
85.57
10
129.17
2007年9月6日-9日 ISUジュニアグランプリ ハルギタ杯ミエルクレア=チュク 3
53.88
6
90.45
6
144.33


2006-2007 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2007年2月26日-3月4日 2007年世界ジュニアフィギュアスケート選手権オーベルストドルフ 26
45.69
- 26
2007年2月2日-4日 2007年ドラゴントロフィー ジュニアクラス(リュブリャナ 1
48.23
1
100.56
1
148.79
2006年10月5日-8日 ISUジュニアグランプリ ハーグハーグ 14
41.52
7
96.28
10
137.80


プログラム使用曲[編集]

シーズン SP FS EX
2014-2015 Caruso
作曲:ルーチョ・ダッラ
ボーカル:ジョセフ・カレヤ
振付:ローリー・ニコル
アルバム『New Impossibilties』より
Ambush from Ten Sides for Pipa, Sheng, Guitar, Cello and Orchestra
曲:ヨーヨー・マ、ザ・シルクロード・アンサンブル
Vocussion
曲:Sandeep Das、Joseph Gramley、Dong-Won Kim、Shane Shanahan、Mark Suter
2013-2014[8][9] 死の舞踏
作曲:カミーユ・サン=サーンス
振付:ローリー・ニコル
バレエ『お嬢さんとならず者』より
ロマンス 映画『馬あぶ』より
作曲:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
振付:ローリー・ニコル
Complicated
Everything I Can't Have
曲:ロビン・シック
Warriors of Kazakhstan
演奏:Turan
Mi Mancherai
ボーカル:ジョシュ・グローバン
2012-2013 映画『アーティスト』サウンドトラックより
アーティスト序曲
ワルツ・フォー・ペピー
涙雨
燃え上がる焔
作曲:ルドヴィック・ブールス
振付:ローリー・ニコル
映画『アーティスト』サウンドトラックより
ハッピー・エンド
ジョージ・ヴァレンティン
マイ・スーサイド
ペピーとジョージ
作曲:ルドヴィック・ブールス
振付:ローリー・ニコル
雨に唄えば
ボーカル:ジーン・ケリー
Per Te
ボーカル:ジョシュ・グローバン
2011-2012 幻想的小品集 第1曲悲歌
作曲:セルゲイ・ラフマニノフ
振付:ローリー・ニコル
アディオス・ノニーノ
作曲:アストル・ピアソラ
振付:ローリー・ニコル
Per Te
ボーカル:ジョシュ・グローバン
ニュー・シネマ・パラダイス
ボーカル:ジョシュ・グローバン
2010-2011 ブエノスアイレスの春
作曲:アストル・ピアソラ
振付:ステファン・ランビエール
死の舞踏
作曲:フランツ・リスト
振付:ローリー・ニコル
2009-2010 シング・シング・シング
作曲:ルイ・プリマ
振付:タチアナ・タラソワ
パソドブレ
アランフェス協奏曲
作曲:ホアキン・ロドリーゴ
振付:タチアナ・タラソワ
ユー・アー・ナット・アローン
ブラック・オア・ホワイト
作曲:マイケル・ジャクソン
2008-2009[10] フラメンコ
映画『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』より
振付:タチアナ・タラソワ
ピアノ協奏曲第2番
作曲:セルゲイ・ラフマニノフ
振付:タチアナ・タラソワ
白鳥サン・サーンス動物の謝肉祭」より)
テクノミュージック
2007-2008 ペール・ギュント
作曲:エドヴァルド・グリーグ
振付:タチアナ・タラソワ
2006-2007 「ファウスト」による華麗なる幻想曲
作曲:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
映画『マスク』より
作曲:ランディ・エデルマン
ムーンライト・セレナーデ
作曲:グレン・ミラー
チャタヌーガ・チュー・チュー
作曲:ハリー・ウォーレン
サマータイム
作曲:ジョージ・ガーシュウィン

脚注[編集]

  1. ^ a b “男子フィギュア、テン選手を襲った困難の数々”. AFPBB News. (2014年2月12日). http://www.afpbb.com/articles/-/3008295 2014年2月16日閲覧。 
  2. ^ a b c 『フィギュアスケートDays Vol.9』 ダイエックス出版、2009年4月、p.26
  3. ^ a b 『ワールド・フィギュアスケート No.38』 新書館、2009年5月、p.66~67
  4. ^ 김철오 (2014年2月12日). “[소치올림픽 데니스 텐, 항일의병장 후손인데 일장기를… 또 불거진 논란 “사과해” 對 “악의적””] (朝鮮語). 国民日報. http://news.kukinews.com/article/view.asp?page=1&gCode=spo&arcid=0008041553&code=41161111 2014年2月16日閲覧。 
  5. ^ フィギュアスケートDays 男子シングル読本 2012 Winter P.74
  6. ^ London calling: Perfect Ten, Wagner talks triple
  7. ^ Denis Ten si ritira last minute dalle Universiadi
  8. ^ Ten in it for the long haul
  9. ^ Adios Gracias, 김연아의 겨울왕국
  10. ^ 「男子シングル」『フィギュアスケートDays vol.9』ダイエックス出版、2009年4月、pp.15-18[巻頭特集 2009世界選手権レポート]

外部リンク[編集]