平成29年7月九州北部豪雨

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平成29年7月九州北部豪雨
Hakimasue Asakura City 20170707.png
赤谷川が氾濫し流木と泥に埋もれた
福岡県朝倉市2017年7月7日
発災日時 2017年7月5日 - 6日
被災地域 日本の旗 福岡県大分県
災害の気象要因 台風3号および活発な梅雨前線による集中豪雨
気象記録
最多雨量 福岡県朝倉市で586.0ミリ
最多時間雨量 福岡県朝倉市で129.5ミリ
人的被害
死者
35人
負傷者
14人
建物等被害
全壊
102棟
半壊
34棟
一部損壊
65棟
床上浸水
149棟
床下浸水
327棟
被害総額
(7月24日時点)1400億円
2017年時価)
災害救助法
適用市区町村
出典
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平成29年7月九州北部豪雨(へいせい29ねん7がつきゅうしゅうほくぶごうう)とは、2017年平成29年)7月5日から6日にかけて、福岡県大分県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨[7]

気象状況[編集]

2017年7月4日から7月7日にかけての天気図
2017年7月5日午後1時から午後9時までの雨量
氾濫により泥に埋もれた赤谷川流域(2017年7月7日福岡県朝倉市
氾濫により土手が抉り取られた北川流域(2017年7月7日福岡県朝倉市
豪雨により土砂崩れが発生した大肥川流域(2017年7月8日福岡県朝倉郡東峰村

7月4日まで北陸付近にあった梅雨前線が、7月5日から朝鮮半島から西日本付近に南下[8]。5日朝方、島根県西部で発達した雨雲が帯状に連なる線状降水帯が発生し、記録的な降水となった[9]。気象庁は5日5時55分、島根県(西部の浜田市益田市邑南町津和野町)に大雨特別警報を発表した(同日11時15分に解除[10])。

5日午後には、二方向から流れ込んだ湿った空気が福岡県朝倉市付近で合流し線状降水帯が発生、同じ場所で長時間猛烈な雨が降り続いた[11]。福岡県朝倉市、うきは市久留米市東峰村佐賀県鳥栖市大分県日田市などで1時間に100mmを超える雨量がレーダー観測から解析された[12]。特に、朝倉市付近では3時間で約400mm、12時間で約900mmの雨量が解析され[13]、気象庁以外が管轄する雨量計では、朝倉市寺内で5日15時20分までの1時間降水量169mmを観測。 また朝倉市黒川の雨量計では5日20時50分までの9時間降水量778mmを観測するなど、その降水強度は激烈を極めた。1時間値は1982年長崎大水害において長崎県長与町で観測された187mmに迫り、9時間値は平成25年台風第26号において伊豆大島で観測された789.5mmに匹敵するなど、朝倉市の山間部では局地的に9時間にわたり、気象観測史上でも最大級の集中豪雨となった。

5日17時51分、気象庁は「甚大な被害の危険が差し迫っている」として、福岡県の筑後地方筑豊地方を中心とする地域に大雨特別警報を発表した[14]。さらに19時55分には、大分県のほぼ全域にも大雨特別警報を発表した[15]。7月6日3時10分、気象庁は大雨特別警報の対象範囲として福岡県の5市2町を追加し、これで福岡県の大部分と大分県のほぼ全域が対象となった[16]

雨量の記録[編集]

1時間雨量
福岡県朝倉市朝倉:129.5mm(7月5日15時38分まで。観測史上1位を更新)[8]
大分県日田市日田:87.5mm(7月5日18時44分まで)[8]
長崎県南島原市口之津:82.0mm(7月6日6時35分まで。観測史上1位を更新)[8]
福岡県朝倉市寺内(福岡県設置の雨量計):169mm(7月5日15時20分まで)
3時間雨量
福岡県朝倉市朝倉:261.0mm(7月5日15時40分まで。観測史上1位を更新)[8]
大分県日田市日田:186.0mm(7月5日20時20分まで。観測史上1位を更新)[8]
福岡県朝倉市付近:約400mm(7月5日18時まで。解析雨量)[8][13]
9時間雨量
福岡県朝倉市黒川(北小路公民館、県設置):778mm(7月5日20時50分まで。)
12時間雨量
福岡県朝倉市付近:約900mm(解析雨量)[13]
24時間雨量[8]
福岡県朝倉市朝倉:545.5mm(7月6日11時40分まで。観測史上1位を更新)[8]
大分県日田市日田:370.0mm(7月6日10時50分まで。観測史上1位を更新)[8]
福岡県朝倉市付近:約1000mm(7月6日8時まで。解析雨量)[8][13]
福岡県東峰村付近:約600mm(7月6日8時まで。解析雨量)[8][13]
福岡県大刀洗町付近:約600mm(7月6日10時まで。解析雨量)[8]
大分県日田市付近:約600mm(7月6日8時まで。解析雨量)[8]
72時間雨量
福岡県朝倉市朝倉:616.0mm(7月7日6時0分まで。観測史上1位を更新)[8]
大分県日田市日田:447.0mm(7月7日6時10分まで)[8]

被害[編集]

氾濫により損壊した大肥川に架かる橋(2017年7月8日福岡県朝倉郡東峰村
氾濫により損壊した黒川流域の道路(2017年7月8日福岡県朝倉市

人的被害[編集]

7月19日13時00分に消防庁が発表した情報によると、福岡県で31人(朝倉市で28人、東峰村3人)、大分県日田市で3人の計34人の死亡が確認されている[17]

避難指示・孤立状態救助[編集]

7月6日午前8時30分までに福岡・大分両県を中心にした合計約51万7900人に避難指示や避難勧告が発表された[18]。また、両県の合計29地区の集落が一時孤立状態となった[19]

河川の氾濫[編集]

福岡県朝倉市では、蜷城地区で桂川が氾濫[20]添田町彦山川が氾濫した[20]。大分県日田市では大肥川の一部が溢れ、一部地区の孤立が生じた[21]。日田市では花月川も氾濫した[22]

被災地には大量の流木が見られ、河川に流れ込んだ総量はおよそ20万トン、36万立方メートルにのぼると推定されている[23]。土砂崩れでなぎ倒された杉などの木が川を流れ下り、川の流れをせき止めて氾濫させた。住宅地に押し寄せた流木によって、水流だけの場合よりも破壊力が増し、家屋に大きな被害をもたらした[24]。日田市では花月川を渡るJR久大線の橋が流されたが、流木が橋に引っ掛かり、水がせき止められたことで大きな力がかかったとみられる[25]

土砂崩れ[編集]

大分県日田市の小野地区で、6日10時半頃、大規模な土砂崩れが起きて土砂が民家に押し寄せ、1人が巻き込まれて死亡した。この土砂崩れで川がせき止められて土砂ダムができた[26]

真砂土と呼ばれる地質の山地は突然の豪雨に耐え切れず、各地で表層崩壊を起こした。表層崩壊によって杉の流木が川に流れ込み、ため池が決壊した[27][28]

住宅の被害[編集]

7月14日現在、一部損壊以上計199棟、床上床下浸水計464棟の住宅被害が確認されている[29]

文化財の被害[編集]

朝倉市にある国指定史跡かんがい施設遺産にも登録されている水車に土砂が流れ込み埋もれてしまったほか、同市普門院重要文化財である本堂の一部も土砂に埋もれているなど、福岡・大分で国および自治体が指定・登録する文化財が少なくとも20件が被災している[30]

行政の対応[編集]

行政以外の対応[編集]

メディアの対応[編集]

  • NHK総合テレビでは、福岡県及び大分県に特別警報が気象庁より発令されたことを受け、両県の豪雨災害関連のニュース・情報を伝えるため、この日の8:15 - 16:00(連続テレビ小説『ひよっこ』の再放送〈12:45 - 13:00〉は予定通り実施)まで特別報道編成を行った。これに伴い当日の『あさイチ』[58]と『ごごナマ』を休止[59]。また『ニュース7』を20時まで延長して放送し『人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!』は30分繰り下げて20:00 - 20:45に放送、この為『所さん!大変ですよ』は休止、さらに『SONGS』(22:50 - 23:15)も休止したほか、翌7日未明も4時過ぎまで大雨関連ニュースを伝えた。
  • ラジオでは、福岡県のAMラジオ局(RKBラジオKBCラジオ)は、通常の編成を休止し、特別番組を編成した。翌6日にも福岡県に大雨特別警報が発令され、RKBラジオは特別番組を編成した。なお、7月6日は福岡ソフトバンクホークスのナイトゲームが行われなかった為、RKBでは本来RKBエキサイトホークス(プロ野球中継)を放送する時間帯に特番を編成[要出典]

海外の対応[編集]

影響[編集]

道路[編集]

  • 7月9日より、土砂崩れの影響で大分自動車道朝倉 - 日田インターチェンジ間の上下線が通行止めとなった[63]
  • 7月10日17時45分より、大分自動車道朝倉 - 日田インターチェンジ間の上下線の通行止めが解除となった[64]
  • 福岡・大分両県に計40ある緊急輸送道路のうち、確認できるだけで11路線が寸断されて住民の避難経路の確保や支援物資の搬入ができなくなり、29の集落が一時孤立した。11路線のうち、7月14日時点で5路線の通行止めが続いている[19]

鉄道[編集]

崩落した花月川に架かるJR久大本線の鉄橋(2017年7月7日大分県日田市

バス[編集]

  • 福岡・大分両県を中心に多数の路線バスが運行中止となった[72]西鉄バスの甘木幹線など、一部の路線は運転再開後も迂回運行が続いている[73]
  • 高速バスでは15路線に影響が出ており、共同運行便を含めると1000便以上が運休を余儀なくされた[72]

ライフライン[編集]

  • 福岡・大分両県で一時約6,400軒が停電し、固定電話とインターネット回線が使用できなくなった[74]
ダム
  • 日田市に位置する九州電力夜明ダムの管理所が損壊・流出した[75]。ダム本体に異常はなく、九州電力社員によって監視が継続されている。

出典[編集]

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関連項目[編集]