2001年の台風

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2001年の台風
軌跡の地図
最初の台風発生 5月11日
最後の台風消滅 12月27日
最も強かった
台風
台風25号 – 915 hPa,
105 kt (10分間平均)
熱帯低気圧の総数 45
台風の総数 26
総死亡者数 1,287
総被害額 2.3 億ドル (2001 USD)
年別台風
1999, 2000, 2001, 2002, 2003

2001年台風(2001ねんのたいふう、太平洋北西部で発生した熱帯低気圧)のデータ。

月別の台風発生数[編集]

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
1 2 5 6 5 3 1 3 26

各熱帯低気圧の活動時期[編集]

「台風」に分類されている熱帯低気圧[編集]

台風1号(シマロン)[編集]

200101・03W・クリシング

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 5月11日 – 5月14日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
985 hPa

台風2号(チェービー)[編集]

200102・04W・エモン

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 6月20日 – 6月24日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風3号(ドリアン)[編集]

200103・05W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 6月30日 – 7月2日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
970 hPa

台風4号(ウトア)[編集]

200104・06W・フェリア

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月2日 – 7月6日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
960 hPa

統計開始以降9番目に大きい強風域を持つ台風であった。

強風域が大きい台風(直径順)
順位 名称 国際名 強風域最大直径 (km)
1 平成9年台風第13号 Winnie 1997年 2360
2 昭和62年台風第13号 Freda 1987年 2220
平成2年台風第12号 Yancy 1990年
平成9年台風第25号 Keith 1997年
5 令和3年台風第18号 Kompasu 2021年 2200
6 平成7年台風第12号 Oscar 1995年 2130
7 昭和61年台風第10号 Sarah 1986年 2040
平成2年台風第23号 Kyle 1990年
平成8年台風第9号 Herb 1996年
10 昭和56年台風第24号 Gay 1981年 1940
平成13年台風第4号 Utor 2001年


台風5号(チャーミー)[編集]

200105・07W・ゴリオ

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 7月10日 – 7月11日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
994 hPa

台風6号(コンレイ)[編集]

200106・09W

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月22日 – 7月29日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
955 hPa

台風7号(イートゥー)[編集]

200107・10W・フアニン

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月23日 – 7月26日
ピーク時の強さ 55 kt (10分間平均) 
975 hPa

台風8号(トラジー)[編集]

200108・11W・イサン

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月27日 – 7月30日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
960 hPa

台風9号(マンニィ)[編集]

200109・12W

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月2日 – 8月9日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
955 hPa

台風10号(ウサギ)[編集]

200110・13W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月10日 – 8月11日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
992 hPa

台風11号(パブーク)[編集]

200111・14W

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月14日 – 8月22日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
960 hPa

8月14日にマリアナ諸島近海で発生し、日本の南海上を北西からのち北東へ進み、21日19時過ぎに和歌山県田辺市付近に上陸。上陸直前の勢力は中心気圧970hPa・最大風速30m/sで、当時の階級で「大型で並の強さ」であった。22日4時過ぎに三重県南部(志摩半島付近)を通過し、12時頃に静岡県沼津市付近、14時過ぎに神奈川県藤沢市付近、15時半頃に千葉県船橋市付近にそれぞれ再上陸した後に東北地方の三陸沿いに進み、23日3時に三陸沖において熱帯低気圧に変わった[1]

台風12号(ウーティップ)[編集]

200112・16W

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月27日 – 9月3日
ピーク時の強さ 90 kt (10分間平均) 
930 hPa

台風13号(セーパット)[編集]

200113・17W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月27日 – 8月30日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風14号(フィートウ)[編集]

200114・18W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月30日 – 8月31日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風15号(ダナス)[編集]

200115・19W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月4日 – 9月12日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
945 hPa

9月4日に南鳥島近海で発生し、日本の南東海上を発達しながら北上。9月7日頃から次第に進路を西寄りに変え始めた。最盛期には945hPaで「大型で強い勢力」にまで発達した。9月8日頃には小笠原諸島を暴風域に巻き込み、9月10日には東日本方面に方向を変えて紀伊半島の南海上にまで進んだ。この頃の勢力は最盛期に比べると衰えていたが、依然として「強い勢力」を保っていた。その後、静岡県伊豆半島付近で「強い勢力」では無くなり、9月11日9時30分頃に970hPa、最大風速30m/sの勢力で暴風域を維持したまま神奈川県鎌倉市付近に上陸した。上陸後は東京都から茨城県を通過して衰えながら茨城県日立市へ抜け、翌12日には北日本に接近、同日中に北海道の南海上で温帯低気圧に変わった。

台風16号(ナーリー)[編集]

200116・20W・キコ

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月6日 – 9月20日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
960 hPa

9月6日沖縄県石垣島近海で発生。当初は東進していたが、太平洋高気圧の壁に阻まれて進路が定まらなくなり、9月7日7時半頃に沖縄県沖縄本島南部を通過し、9月7日から8日にかけて暴風にさらされた。9月8日3時半頃、沖縄県沖縄本島中部を通過後は進路を西寄りに変えて9月9日には遠ざかったが、東シナ海で再び沖縄本島方面へ進路を変え9月11日に強い勢力で再び接近した。台風は9月11日から13日にかけて沖縄近海でほぼ停滞し、沖縄本島や久米島慶良間諸島では長時間にわたり暴風にさらされた。9月13日3時半頃、沖縄県久米島付近を通過。その後は南西諸島から遠ざかったが、東シナ海をゆっくりとした速度で南西進するなど複雑な動きを続け、9月16日台湾に上陸して熱帯低気圧に変わったが、9月20日に再び発達して台風の勢力となり中国華南に上陸して消滅した。

台風17号(ウィパー)[編集]

200117・21W

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月18日 – 9月21日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
975 hPa

台風18号(フランシスコ)[編集]

200118・22W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月20日 – 9月25日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
945 hPa

台風19号(レキマー)[編集]

200119・23W・ラブヨ

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月22日 – 9月27日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風20号(クローサ)[編集]

200120・24W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月4日 – 10月9日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
950 hPa

台風21号(ハイエン)[編集]

200121・25W・マリン

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月12日 – 10月18日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
960 hPa

10月16日から17日にかけて沖縄地方を通過して、18日21時に日本の東海上で温帯低気圧になった。この台風によって、負傷者1人、全壊・流失1棟、半壊・一部破損29棟、床上浸水157棟、床下浸水775棟の被害が発生した[2]

台風22号(ポードル)[編集]

200122・26W

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月20日 – 10月28日
ピーク時の強さ 100 kt (10分間平均) 
925 hPa

台風23号(レンレン)[編集]

200123・27W・ナナン

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 11月6日 – 11月12日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
940 hPa

台風24号(カジキ)[編集]

200124・30W・ケダン

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 12月5日 – 12月8日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
996 hPa

台風25号(ファクサイ)[編集]

200125・33W

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 12月16日 – 12月26日
ピーク時の強さ 105 kt (10分間平均) 
915 hPa

この年に発生した台風の中で最も勢力が強い台風となった。

台風26号(ヴァーメイ)[編集]

200126・32W

トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 12月27日 – 12月27日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
1006 hPa

12月27日9時(JST)にシンガポールの東で発生し、アジア名「ヴァーメイ(Vamei)」と命名された[3]。1年の中で、統計史上4番目に遅い日時における発生であった。台風はその後マレー半島に上陸して、マレーシアやシンガポールに大きな被害をもたらした[4]

この台風は北緯1.4度(赤道から150km)の地点で発生したため[4]、史上最も赤道に近い地点で発生した台風となった[5]。本来、赤道付近は台風が発生しづらいため、こうした台風が出現する確率は、100年から400年に1度ともいわれている[6]。またこの台風は、シンガポールを襲った観測史上唯一の台風となった[7]

脚注[編集]

  1. ^ 台風第11号 平成13年(2001年) 8月20日~8月22日”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月26日閲覧。
  2. ^ 平成30年台風第6号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2019年6月7日). 2020年5月1日閲覧。
  3. ^ デジタル台風:台風200126号 (VAMEI) - 詳細経路情報(Google Maps版)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月29日閲覧。
  4. ^ a b またしても 台風26号に続き27号もフィリピンに上陸 (森さやか) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 個人. 2020年5月29日閲覧。
  5. ^ 史上最強スーパー台風「ハイエン」フィリピン上陸から5年 (森さやか) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 個人. 2020年5月19日閲覧。
  6. ^ Typhoon Vamei”. web.archive.org (2012年7月23日). 2020年5月29日閲覧。
  7. ^ シンガポール留学支援センター. “シンガポールに台風は来るの?”. シンガポール英語留学・ワーホリ・就職ブログ. 2020年5月29日閲覧。

外部リンク[編集]