1994年の台風

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1994年の台風
軌跡の地図
最初の台風発生 4月1日
最後の台風消滅 12月25日
最も強かった
台風
台風24号29号 – 910 hPa,
110 kt (10分間平均)
熱帯低気圧の総数 52
台風の総数 36
総死亡者数 1,287
総被害額 8.14 億ドル (1994 USD)
年別台風
1992, 1993, 1994, 1995, 1996

1994年台風太平洋北西部で発生した熱帯低気圧)のデータ。この年の台風の発生数は36個で、1951年の統計開始以降では1967年の39個に次いで、2番目に多い記録である。さらに、日本に接近した台風の数は15個(上陸した3個を含む)で[1]、こちらは統計史上7番目に多い接近数となった。

台風の発生数[編集]

台風の年間発生数
発生数が多い年 発生数が少ない年
順位 発生数 順位 発生数
1 1967年 39 1 2010年 14
2 1994年 1971年 36 2 1998年 16
4 1966年 35 3 1969年 19
5 1964年 34 4 2011年 2003年 1977年 1975年
1973年 1954年 1951年
21
6 1989年 1974年 1965年 32
9 2013年 1992年 1988年 1972年
1958年
31

台風の日本接近数[編集]

台風の年間日本接近数(上陸数を含む)
接近数が多い年 接近数が少ない年
順位 接近数 順位 接近数
1 2004年 1966年 1960年 19 1 1973年 4
4 2012年 17 2 1995年 5
5 2018年 1955年 16 3 1977年 6
7 2019年 2000年 1997年 1994年
1965年 1961年 1958年
15 4 2010年 1983年 1979年 7
7 2017年 2009年 1998年 1969年
1964年 1951年
8

月別の台風発生数[編集]

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
1 1 2 7 9 8 6 2 36

「台風」に分類されている熱帯低気圧[編集]

台風1号(オーウェン)[編集]

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 4月1日 – 4月9日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
980 hPa

台風2号(ペイジ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 5月13日 – 5月18日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風3号(ラス)[編集]

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 6月4日 – 6月9日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
985 hPa

台風4号(シャロン)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 6月23日 – 6月25日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

台風5号(ティム)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月8日 – 7月11日
ピーク時の強さ 95 kt (10分間平均) 
930 hPa

台風6号(ヴァネッサ)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 7月9日 – 7月11日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風7号(ウォルト)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月16日 – 7月25日
ピーク時の強さ 100 kt (10分間平均) 
915 hPa

7月16日夜にフィリピンの東で発生。発達しながら日本の南海上を北東に進み、19日には大型で中心気圧915hPaの非常に強い勢力となった。21日以降は勢力が衰え、22日頃からは紀伊半島の南で西寄りに進路を変え、その翌日には四国沖へ進んで速度が遅くなった。この台風の影響で西日本の太平洋側では暴風と高波の影響が出始め、台風はゆっくりと次第に進路を四国方面に変えて7月25日14時過ぎに高知県足摺岬に上陸した。その後は高知県から愛媛県を通過して周防灘へ進み、25日深夜から26日朝にかけて関門海峡を通過して福岡県沖の玄界灘へ抜け、福岡市沖で熱帯低気圧に変わった。

1994年の7月は記録的な猛暑と少雨で西日本を中心に顕著な渇水となっていたため、水不足の地域では恵みの雨となった。四国を中心にまとまった雨量となったものの、水不足はほとんど解消されず、台風消滅後は再び太平洋高気圧に広く覆われたため、渇水は8月にかけても続いた。

台風8号(ジーク)[編集]

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月18日 – 7月24日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
985 hPa

台風9号(ユンヤ)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 7月18日 – 7月19日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風10号(エイミー)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 7月29日 – 7月31日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
985 hPa

台風11号(ブレンダン)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 7月29日 – 8月2日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
992 hPa


台風12号(ケイトリン)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月2日 – 8月4日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風13号(ダグ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月2日 – 8月12日
ピーク時の強さ 100 kt (10分間平均) 
925 hPa

8月1日にマリアナ諸島の西の海上で発生し、5日には大型で非常に強い勢力となって、8日に与那国島の西海上を経て、東シナ海を北上した。この台風により、日本では全壊・流失19棟、半壊・一部破損552棟の被害が生じた[2]

台風14号(エリー)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月8日 – 8月16日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風15号(リー)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月13日 – 8月14日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
994 hPa

台風16号(フレッド)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月15日 – 8月22日
ピーク時の強さ 100 kt (10分間平均) 
925 hPa

8月19日に沖縄の南の海上で大型で非常に強い勢力となり、その後北西に進路を変え、20日に石垣島付近を通過し、22日には華中で弱い熱帯低気圧へと変わった。この熱帯低気圧は、進路を次第に北から東北東に変え、24日には華北で温帯低気圧に変わり、27日に北海道の西の日本海にて消滅した。この台風により、日本では負傷者29人、全壊・流失6棟、半壊・一部破損94棟の被害が出た[3]

台風17号(グラディス)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月24日 – 9月2日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
955 hPa

8月20日に南鳥島の南の海上で発生した熱帯低気圧が、25日に南鳥島の東海上にて台風に昇格した。31日に沖縄地方の南海上で強い勢力となり、南西諸島の南海上を経て、9月2日に中国大陸に上陸した[4]

台風18号(ハリー)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月26日 – 8月29日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風19号(アイビー)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月28日 – 9月4日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
960 hPa

台風20号(ジョン)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 8月28日 – 9月8日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
945 hPa

当初はハリケーンとして、西経域である太平洋北東部を西に進んでいたが、一時的に東経域に入って台風扱いとなり、越境台風となった。3日間楕円状のルートを通っており、2回も再発達した。なお、熱帯低気圧としての生存期間は4週間以上にのぼり、観測史上最も長寿となった熱帯低気圧でもある。さらに、移動距離も熱帯低気圧としては観測史上最長であった。

台風21号(キンナ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月6日 – 9月12日
ピーク時の強さ 75 kt (10分間平均) 
960 hPa

9月6日に父島付近で発生し、11日には八丈島の近海を進んだ[5]

台風22号(ジョエル)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 9月5日 – 9月7日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風23号(ルーク)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 9月8日 – 9月13日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
990 hPa

台風24号(メリッサ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月11日 – 9月19日
ピーク時の強さ 110 kt (10分間平均) 
910 hPa

台風25号(ナット)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 9月17日 – 9月21日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
992 hPa

台風26号(オーキッド)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月18日 – 9月30日
ピーク時の強さ 100 kt (10分間平均) 
925 hPa

9月19日にグアム島の南西海上で発生。勢力を強めながら北北西に進み、24日頃に最盛期を迎えて中心気圧925hPa(最大風速50m/s)の大型で非常に強い勢力となった。台風は27日に南大東島の東海上を北進した後、進路を北北東に変えて速度を速めつつ、四国沖を北上後の29日19時30分に和歌山県南部に上陸した。上陸時も台風の勢力は強く、中心気圧は950ヘクトパスカル、最大風速は40m/sであった。その後は近畿地方から北陸地方西部を横断し、30日15時には日本海へ進んで温帯低気圧に変わった。

台風27号(パット)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー2 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月21日 – 9月28日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
965 hPa

台風28号(ルース)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 9月25日 – 9月26日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

台風29号(セス)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月3日 – 10月12日
ピーク時の強さ 110 kt (10分間平均) 
910 hPa

10月2日にマーシャル諸島の西海上で発生し、8日には大型で猛烈な勢力となってルソン島の北東海上に達した[6]。9日には南西諸島の南海上を北上し、大型で非常に強い勢力で西表島付近を通過した。その後は東シナ海を北北東へ進み、朝鮮半島を通過して日本海に入り、温帯低気圧へと変わった。この台風により、日本では死者1人、負傷者5人、全壊・流失4棟、半壊・一部破損94棟、床下浸水8棟の被害が生じた[7]

台風30号(テレサ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月17日 – 10月26日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
955 hPa

台風31号(ヴァーン)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月18日 – 11月1日
ピーク時の強さ 80 kt (10分間平均) 
950 hPa

長寿台風であった。

長寿台風(台風でなかった期間を除く)
順位 名称 国際名 台風期間 発生日時 消滅日時
1 平成29年台風第5号 Noru 19日0時間 2017年7月20日 21時 2017年8月8日 21時
昭和47年台風第7号 Rita 1972年7月7日 21時 1972年7月26日 21時
3 昭和42年台風第22号 Opal 18日6時間 1967年8月30日 9時 1967年9月17日 15時
4 昭和61年台風第14号 Wayne 17日18時間 1986年8月18日 15時 1986年9月6日 21時
5 昭和47年台風第9号 Tess 15日12時間 1972年7月9日 3時 1972年7月24日 15時
6 平成9年台風第28号 Paka 14日12時間 1997年12月8日 3時 1997年12月22日 15時
平成6年台風第31号 Verne 1994年10月18日 9時 1994年11月1日 21時
昭和26年台風第20号 Amy 1951年12月3日 9時 1951年12月17日 21時
9 平成4年台風第30号 Gay 14日6時間 1992年11月16日 3時 1992年11月30日 9時
10 平成15年台風第2号 Kujira 14日3時間 2003年4月11日 9時 2003年4月25日 12時
長寿台風(気象庁基準)
順位 台風 国際名 台風期間 発生日時 消滅日時 備考
1 昭和61年台風第14号 Wayne 19日6時間 1986年8月18日 15時 1986年9月6日 21時 期間のうち1日12時間は熱帯低気圧
2 平成29年台風第5号 Noru 19日0時間 2017年7月20日 21時 2017年8月8日 21時
昭和47年台風第7号 Rita 1972年7月7日 21時 1972年7月26日 21時
4 昭和42年台風第22号 Opal 18日6時間 1967年8月30日 9時 1967年9月17日 15時
5 平成3年台風第20号 Nat 15日18時間 1991年9月16日 15時 1991年10月2日 9時 期間のうち2日3時間は熱帯低気圧
6 昭和47年台風第9号 Tess 15日12時間 1972年7月9日 3時 1972年7月24日 15時
7 昭和49年台風第14号 Mary 15日6時間 1974年8月11日 15時 1974年8月26日 21時 期間のうち3日12時間は熱帯低気圧
8 平成21年台風第17号 Parma 14日18時間 2009年9月29日 15時 2009年10月14日 9時 期間のうち1日は熱帯低気圧
9 平成9年台風第28号 Paka 14日12時間 1997年12月8日 3時 1997年12月22日 15時
平成6年台風第31号 Verne 1994年10月18日 9時 1994年11月1日 21時
昭和26年台風第20号 Amy 1951年12月3日 9時 1951年12月17日 21時

台風32号(ウィルダ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月20日 – 11月1日
ピーク時の強さ 90 kt (10分間平均) 
935 hPa

台風33号(ユーリイ)[編集]

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 10月23日 – 10月25日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

台風34号(ゼルダ)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 10月31日 – 11月8日
ピーク時の強さ 105 kt (10分間平均) 
910 hPa

台風35号(アクセル)[編集]

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)
発生期間 12月17日 – 12月24日
ピーク時の強さ 85 kt (10分間平均) 
950 hPa

台風36号(ボビー)[編集]

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 12月19日 – 12月25日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
985 hPa

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 気象庁|台風経路図1994年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月19日閲覧。
  2. ^ 令和元年台風第5号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2019年10月20日). 2020年5月1日閲覧。
  3. ^ 令和元年台風第9号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2019年9月9日). 2020年5月1日閲覧。
  4. ^ 平成30年台風第8号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2018年12月4日). 2020年5月1日閲覧。
  5. ^ 令和元年台風第10号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2019年10月20日). 2020年5月1日閲覧。
  6. ^ 1994年 台風第29号 (Seth) : TY9429”. tydb.bosai.go.jp. 2020年6月7日閲覧。
  7. ^ 令和元年台風第5号と類似した経路の過去の台風 - 水土砂防災研究部門”. web.archive.org (2019年10月20日). 2020年5月1日閲覧。