凌雲会

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凌雲会
Maehara Crop.jpg
略称 前原グループ
前身 高朋会
設立年 2002年
種類 民進党グループ
メンバー 民進党所属国会議員
会長 前原誠司
関連組織 松下政経塾
日本新党
新党さきがけ
旧民主党

凌雲会(りょううんかい)は、民進党グループ。通称、前原グループ

概要[編集]

2002年9月の民主党代表選挙を契機に、民主党内の保守[1]のグループとして発足した。

対外政策では、党を代表する外交・安保の論客である前原に代表されるように、全体的には日米安保を基軸とした現実主義的な外交路線を取る議員が多い。前原・枝野はしばしば外交論さらには人権論の観点から中国脅威論を唱え、枝野はチベット問題を考える議員連盟を通じたチベット問題への熱心な取り組みで知られる。また、枝野・仙谷は日本・台湾友好議員懇談会を通じた台湾民進党との人脈が深く、こうした様々な要因から、中国韓国といったアジアの国々との関係強化を標榜しつつも、対中関係ではいわゆる親中派とは一線を画している。内政に関しては、経済政策では第三の道ないし新自由主義的な改革派が多く、市場規律を重視して旧来型の公共事業の選択と集中や、自由貿易を見据えた農業政策の見直しなどを主張する。

メンバーはマスコミを含めたビジネス界や官界・松下政経塾出身の議員が中心であり、民進党全体では一大勢力をなす労組系の議員がほとんどいないのも特徴である。

政治手法としては、花斉会(野田グループ)同様、与党と政策で勝負する対案路線[1]を掲げている。反面、政局や選挙を軽視しているとか、経験が浅くワキが甘いと批判されることも多い。小沢グループとの対立は、こうした政治手法の差に由来する部分もある。前原代表体制での党運営、特にいわゆる堀江メール問題ではこの弱点が露呈することとなった。

なお、2002年9月の代表選で支援し、凌雲会結成のきっかけとなった野田は凌雲会に参加せず、自らのグループを主宰している。また、政策的には野田グループのほうが保守色が強く、必ずしも主張が共通しているとはいえない。しかし、経済政策や外交路線で共通する部分もあり、また経歴や年齢など民主党内の立場や、いわゆる政治と金の問題や国会における対案路線など政治手法の近さから、2005年9月の代表選で凌雲会の前原誠司を一致して支援するなど、政策集団として共同歩調を取ることが多かった。このため両グループをまとめて前原・野田グループあるいは前原・枝野・野田グループと呼ぶこともあった。

沿革[編集]

凌雲会は、2002年に、仙谷由人前原誠司枝野幸男らを中心に結成された。その前身は旧新党さきがけメンバーが1999年ごろに結成した「高朋会」である。この高朋会メンバーと旧民政党出身の羽田孜らが結成した政権戦略研究会(羽田グループ)に参加していた若手議員たちとが、2002年9月の代表選で若手議員のなかから代表候補を擁立するための議員団として結束したことが、のちに、凌雲会発足の契機となった。

2002年9月の代表選では、この議員団の中から名乗りを上げた前原と野田佳彦との調整の末、野田を代表候補として支援した。野田は落選したものの、若手議員のグループとして大きく存在感をアピールすることとなった。その後議員団は「凌雲会」として正式に旗揚げする。日本新党新党さきがけ出身の議員を中心に活動し、選挙で当選してきた新人議員を取り込むことで成長していった。

2004年5月の代表選では岡田克也を無投票当選させ、2005年9月の代表選では前原を菅直人に競り勝たせる原動力となった。

2006年4月に前原が代表を辞任し、続く代表選小沢一郎が代表に就任すると、鳩山由紀夫、菅直人を取り込む形でいわゆるトロイカ体制が民主党の基盤となり、途中2009年5月の代表選で代表が鳩山に変わったが、基本的には「小鳩体制」のまま8月の第45回衆議院議員総選挙政権交代に至った。この間、小沢が党内における影響を強めていく中、反小沢的な議員が多い凌雲会はやや微妙な立場にあったが[2][3]、対立が表面化することはなかった。鳩山内閣では仙谷が行政刷新担当大臣、前原が国土交通大臣に就任し[4]、挙党一致的な体制の一角を担った。

しかし、2010年6月に鳩山が内閣総理大臣を辞任し、小沢も幹事長を離れると、続く代表選では6月3日に凌雲会として菅支持を決定し[5][6][7]、菅の当選後の党役員人事では枝野が幹事長、内閣人事では仙谷が内閣官房長官と要職につき[8][9][10]国のかたち研究会(菅グループ)、花斉会(野田グループ)とともに主流派となった。9月の代表選でも凌雲会として菅再選を支持し[11][12][注 1]、代表選後の内閣改造では前原が外務大臣に就任した。2011年1月の党役員人事では仙谷が代表代行、内閣改造では枝野が内閣官房長官に就任するなど、菅政権を支える重要な役割を担っている[15]

また、2010年から2011年にかけての「脱小沢」路線を主導し[9][16][17][18][19]陸山会事件をめぐる小沢の処遇などについて小沢グループと激しく対立した[20][21]。この間、これまで不定期で開いていた会合を毎週木曜日に定例化し、所属議員への結束を促した[22]。所属議員が一堂に会してカレーライスを食べながら幹事長室や国会対策室からの伝達事項を報告するという自民党のようなスタイルは、派閥化の象徴として話題を呼んだ[23]

2011年8月の代表選では、当初、野田が出馬した上で前原・野田両グループが一致して支援する方向で調整が進められていたが、凌雲会を野田支持でまとめきれず、結局、前原・野田ともに出馬することとなった[24]。前原は在日外国人献金問題などが響き[25][26]、1回目の投票で3位に終わったが、海江田万里対野田の決戦投票では野田グループと2位・3位連合が組まれ、これに4位の鹿野道彦の陣営(後の素交会)も加わったため、野田が代表に選出された[27][28][29]

2011年11月、仙谷由人に代わって前原誠司が会長に就くことになった[30][31]。また、役職を明確化することになり、顧問に仙谷由人[30][31][32][33]、副会長に小宮山洋子古川元久渡辺周[32]、幹事長に枝野幸男[30][31][32][33]、幹事長代理に小川勝也[30][32]、事務局長に福山哲郎[32][33]、といった者を充てる人事を決定した。また、政治団体としての代表者は仙谷由人として届け出ていたが[31][32]、これを期に前原誠司に変更することになった[31]

2012年9月の代表選では前原や仙谷が野田再選支持を表明した一方[34]、凌雲会としては9月6日の会合で自主投票の方向となったが[35][36]細野豪志の不出馬表明を受け[37]、9月11日の会合で野田再選支持を決定した[37][38][39]。10月には細野が袂を分かつ形で基本政策研究会(細野グループ)を立ち上げた[40]。12月の第46回衆議院議員総選挙では前会長の仙谷由人と副会長の小宮山洋子が落選し、解散時の党および内閣の主軸を野田グループとともに担っていたこともあって発言力を大幅に失った。続く代表選では一方の陣営への肩入れが党再生の妨げになることを懸念し、凌雲会としては自主投票とした一方、前原は現場で話を聞いてから投票先を決めるとした[41]

2013年10月、細野グループが定例会の日時を凌雲会と同じ木曜日の昼に変更し、両グループを掛け持ちするメンバーにくさびを打つ構えを見せた[42][43][44]2014年4月には細野グループは自誓会(細野派)に改組して派閥化し、凌雲会と完全に決別した[45]。12月の第47回衆議院議員総選挙後に行われた2015年1月の代表選では凌雲会は岡田支持派と細野支持派に割れ、更なる求心力の低下もささやかれた[46][47]

2016年3月に民進党が結成され、7月の第24回参議院議員通常選挙後に行われた9月の代表選では会長の前原自ら出馬したが[48]幹事長として岡田執行部の路線を支える枝野が蓮舫支持を表明するなど[49]、凌雲会内には異論もあり[50]、結果は野田グループから出馬した蓮舫の当選に終わった。

2017年9月の代表選では、凌雲会から会長の前原と幹事長の枝野の2人が立候補を表明し[51][52][53]、凌雲会としては8月7日の会合で前原支持を決定した[54][55][56](なお、事務局長の福山は枝野支持に回った[57])。前原当選後の党役員人事では、山尾志桜里が幹事長に内定したが[58][59][60]、手腕への疑問や政治経験の不足から党内で異論があり[61][62][63][64]、近く週刊誌のスキャンダル報道があることも判明したため[65][66]、代表代行への横滑りも断念されて無役となった[67][68][69]。9月7日発売の週刊文春で既婚男性との交際疑惑が報じられたことを受け、山尾は同日夜に離党届を提出し、翌日受理された[70]

2017年10月22日投開票の第48回衆議院議員総選挙に際しては党代表の前原が民進党として公認候補を擁立せず希望の党への事実上の合流を一旦は決定したものの、その後希望側が民進から合流する議員を個別審査して公認の是非を決定するとして民進内のリベラル派を排除することを宣言した。これにリベラル派とみなされた枝野が抵触したことから、枝野は2017年10月2日に民進党を離党して立憲民主党の結成を宣言する。さらに5日には福山も民進党を離党して立憲民主党に入党(同時に党幹事長に就任)したため、凌雲会は前原に従って希望の党へ移籍する主流派組と枝野と同調し立憲民主党に参加した非主流派組の2派に分裂した。

所属国会議員一覧[編集]

役員[編集]

会長 顧問 副会長 幹事長 幹事長代理 事務局長
前原誠司[注 2] 仙谷由人[注 3] 小宮山洋子[注 3]
古川元久[注 4]
渡辺周[注 5]
枝野幸男[注 6] 小川勝也[注 7] 福山哲郎[注 8]

衆議院議員[編集]

安住淳
(8回、宮城5区
黒岩宇洋[71]
(3回、新潟3区

過去の在籍者[編集]

政治資金収支報告書の記載[編集]

本年収入額 会費納入者数 備考
2003年(平成15年) 317万0104円 20人 [78]
2004年(平成16年) 655万4036円 40人 [79]
2005年(平成17年) 448万0044円 38人 [80]
2006年(平成18年) 133万0410円 42人 [81]
2007年(平成19年) 324万5796円 42人 [82]
2008年(平成20年) 686万4994円 40人 [83]
2009年(平成21年) 155万4879円 39人 [84]
2010年(平成22年) 858万5000円 90人 [72]
2011年(平成23年) 741万円 90人 [85]
2012年(平成24年) 640万1149円 84人 [86]
2013年(平成25年) 270万1540円 29人 [87]
2014年(平成26年) 237万1570円 22人 [88]
2015年(平成27年) 299万1772円 27人 [89]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2010年9月の代表選当時、凌雲会の事務局長を務めていた細野豪志は、小沢一郎支持を表明するのに先立って凌雲会に脱会届を提出した[13][14]
  2. ^ a b 2011年11月に民進党離党。その後の所属は無所属(所属会派は「希望の党・無所属クラブ」)→希望の党
  3. ^ a b 元職の国会議員。
  4. ^ a b 2017年10月に希望の党に合流。
  5. ^ a b 2017年10月に希望の党に合流。
  6. ^ a b 2017年10月に民進党離党。その後の所属は立憲民主党
  7. ^ a b 2017年11月に民進党に離党届提出。
  8. ^ a b 2017年10月に民進党離党。その後の所属は立憲民主党
  9. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  10. ^ 前原グループ離脱後の所属は細野グループ→細野派→旧細野グループ。2017年8月に民進党離党。その後の所属は希望の党
  11. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  12. ^ 2017年11月に民進党離党。その後の所属は無所属(所属会派は「無所属の会」)。
  13. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  14. ^ 前原グループ離脱後の所属は細野グループ→細野派→旧細野グループ。2017年10月に希望の党に合流。
  15. ^ 前原グループ離脱後の所属は長島グループ[77]。2017年4月に民進党除籍。その後の所属は希望の党
  16. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  17. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  18. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  19. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  20. ^ 2017年9月に民進党離党。その後の所属は無所属(所属会派は「立憲民主党・市民クラブ」)。
  21. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  22. ^ 前原グループ離脱後の所属は細野派→旧細野グループ。2017年10月に希望の党に合流。
  23. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  24. ^ 前原グループ離脱後の所属は細野グループ→細野派。2017年10月に希望の党に合流。
  25. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  26. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  27. ^ 2017年10月に民進党離党。その後の所属は立憲民主党
  28. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  29. ^ 2017年10月に希望の党に合流。
  30. ^ 2017年10月に希望の党に合流。

出典[編集]

  1. ^ a b 世界情勢を読む会 『面白いほどよくわかる政治のしくみ : 国会、政党、官僚、選挙制度…日本政治のすべてがわかる!』 日本文芸社〈学校で教えない教科書〉、2010年、197頁。ISBN 9784537257984
  2. ^ “西松建設献金事件:小沢・民主代表、続投強まる 規正法違反、捜査拡大なければ”. 毎日新聞. (2009年3月23日). オリジナル2009年3月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090325103612/http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090323ddm002040099000c.html 
  3. ^ “【民主党解剖】第2部小沢ショック(4)あらわになる党内亀裂”. (2009年3月26日). オリジナル2009年3月29日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090329085439/http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090326/stt0903262229010-n1.htm 
  4. ^ “民主役員人事で冷遇される「非小沢」系 どうなる枝野、小宮山氏ら”. 産経新聞. (2009年10月5日). オリジナル2009年10月7日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20091007231936/http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091005/stt0910052217020-n1.htm 
  5. ^ “【民主党代表選】岡田、前原、野田各氏が菅氏支持表明 樽床氏は代表選出馬の意向”. 産経新聞. (2010年6月3日). オリジナル2010年6月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100606172417/http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100603/stt1006031136009-n2.htm 
  6. ^ “菅氏を岡田氏・前原氏が支持、樽床氏も出馬表明”. 読売新聞. (2010年6月3日). オリジナル2010年6月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100606162540/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100603-00000548-yom-pol 
  7. ^ “非小沢氏系、菅氏支持で一致 小沢氏系は独自候補を模索”. 朝日新聞. (2010年6月3日). オリジナル2010年6月6日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100606164120/http://www.asahi.com/politics/update/0603/TKY201006030213.html 
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関連項目[編集]