京都スタジアム

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京都スタジアム(仮)
施設情報
位置 北緯35度01分01.9秒
東経135度35分06.1秒
座標: 北緯35度01分01.9秒 東経135度35分06.1秒
設計者 基本設計:日建設計
実施設計:東畑建築事務所[1]
建設者 竹中工務店・公成建設・長村組JV[1]
使用チーム、大会
収容能力

京都スタジアム(きょうとスタジアム)は、京都府亀岡市に建設が予定されているサッカーラグビーアメリカンフットボールなどの専用球技場である[2][3]

経過[編集]

W杯およびオリンピック開催会場としての建設計画[編集]

2002 FIFAワールドカップの開催会場に立候補した京都府は、京都府城陽市の元々は山砂利の採取地であった木津川右岸東部丘陵地西端部に43,000人規模の国際試合規格のサッカー専用スタジアムを含む京都府立木津川右岸運動公園を建設することを1995年1月に発表。1996年3月に事業認可され用地買収に着手したが、ワールドカップが大韓民国との共同開催となり、日本で開催地に立候補していた15自治体から開催地を10に絞り込む作業が行われ、1996年2月に京都府が開催地選定で落選したため、建設計画は中止された[4]

1998年9月に京都府は大阪オリンピック構想に対応するため、サッカー競技の開催地として建設計画を見直し、スタンドの規模を3万人収容に縮小して建設することを一旦発表したものの、財政難に加え、オリンピック開催地から落選したことや収益面で困難が想定されたことにより、2003年7月に木津川右岸でのスタジアム建設計画そのものが凍結された[4]

京都府内の球技場建設計画[編集]

2003年1月1日、京都新聞朝刊一面記事にて「伏見に『サンガ』スタジアム」と報道がなされた。記事において、京都市が横大路運動公園の一部を提供し、サンガ側が建設をする官民協力のパートナーシップ方式で2万人規模のスタジアムを整備すると報じられている。当時は前年8月頃からサッカースタジアム建設要望の署名活動がなされていた。また、京都サンガF.C.(当時の名称は京都パープルサンガ)が第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会2003年1月)にて優勝し、更に前述の署名が35万人集まった[5]ことも受けて、京都府と京都市は京都市内での建設を検討したが費用面で折り合いがつかず中止された。2004年には京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が「来季にJ1昇格できなくともスタジアムは着工したい」と私財を提供して3万人の専用スタジアムを作る事を公言した[6]。その後は地元経済界一体で建設費の一部65億円を提供し、京都市横大路運動公園にスタジアムを建設することが自治体と経済界の間で合意されたが、費用負担をめぐり京都市議会の同意が得られず、また稲盛も「本来行政が整備すべきもので、私が資金を出すことに誤解や反発もあるようだ」とし、私財提供を撤回した[7]。計画は中止された[8]

2005年、京都市等によるスタジアム検討委員会が設置され、京都市横大路運動公園ではアクセスの問題を解決するにあたり、京阪電鉄の新駅を建設する必要がある等の問題があり、実現は2020年頃となるであろうと発表されたが、横大路では「交通アクセスなどの面から整備は困難」、「維持管理費などで年間1億3,000万円余りの赤字が見込まれる」として新スタジアムの建設案は断念となった[9]。また、梅小路公園下京区地図)や京都府立植物園左京区地図)への整備の可能性についても、京都市は貴重な植物の移植などの問題があるとして「府市民の同意が得られない」との理由で見送った[10][11]。一方で2007年4月に京都市は伏見区に新たに伏見桃山城運動公園地図)を整備し、野球場や多目的グラウンドなどを建設した。

その後、サンガのホームスタジアムである京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場地図)の改修を目指し、可動式スタンドや2階席の新設などを行う方針を決定したが、改修期間中のサンガの代替施設の目途が立たず、立ち消えとなった[12]

2009年12月にサンガは京都府立山城総合運動公園地図)をスタジアム候補地とするよう、京都府に提案した[13]が、立ち消えとなった。

2010年、「京都市がスタジアム建設を断念」と報じられたことを機に、京都商工会議所などを中心に「京都・サッカースタジアムを推進する会」が発足。署名活動を行い、スタジアム建設を求める47万人の署名が提出された[14]のをうけて、京都府は2010年から新球場の建設検討をはじめた[15]。2011年になり敷地の無償提供を条件に候補地を募ったところ、亀岡市[16]城陽市[17]舞鶴市[18]京丹波町[18]が立候補した他、過去に建設を断念した京都市も立候補を申し出た[19]

2012年5月、京都市、城陽市、亀岡市の3自治体に絞って新スタジアムの建設地を選定すると「専用球技場用地調査委員会」(委員長・大西有三京都大学副学長)よりリリースがあった[20]。同年12月3日、委員会は各候補地は一長一短で委員の全員一致で決定することが難しいと京都府に報告し、京都府は年内中に決定するとした[21]

2012年12月26日、京都府の専用球技場が亀岡市に建設されることが正式に決定された[22]。なお、京都府は当スタジアムをサンガがホームスタジアムとして使用するよう、誘致活動を行っている[23][24]

立候補した自治体と建設候補地[編集]

自治体 住所 位置 最寄駅 出典
京都市 京都市伏見区横大路下ノ坪(京都市横大路運動公園内) 地図 京阪電鉄淀駅北東約1,600メートル [25]
城陽市 城陽市富野別所ヶ谷(京都府立木津川右岸運動公園内) 地図 JR長池駅北東約600メートル [25] 
亀岡市 亀岡市保津町上中島 地図 JR亀岡駅北約250メートル [25] 
京丹波町 京丹波町豊田下川原166-1 地図 JR園部駅(距離記載無し) [25] 
舞鶴市 舞鶴市字白屋地内(青葉山ろく公園内) 地図 JR東舞鶴駅北東約5,000メートル [25] 

建設地内定後の動向[編集]

建設予定地に内定した亀岡駅北口の遠景

毎日放送(MBS)は、2013年1月21日放送の報道番組でこの問題を取り上げた。同番組は立地面から集客は容易ではないと指摘した。これに対し、京都府は府内に一つは大規模競技場が必要であり交通アクセスの面で集客の問題はないと説明した。また、維持費の点について、黒字で運営する神戸市のスタジアム例を紹介した。さらに同番組は、アユモドキの生息への影響について指摘した。岡山では、小学生がアユモドキを水槽で人工的に飼育していることも紹介している。京都府知事はアユモドキの保護地区を設けることを説明し、維持費については体育館よりも安くなる場合があるとして費用対効果の面で府民からの納得が得られると説明した[26]

建設予定地は希少野生動植物種であるアユモドキの貴重な生息地であることから、日本魚類学会木村清志会長)が、毎日新聞で建設反対を表明した[27]が、地元自治会から無責任な学者による責任の押し付けであるという批判を受け[28]、スタジアム建設に反対しているわけではないと弁明している[29]

2013年3月11日、京都府は球技専用競技場の名称を「京都スタジアム(仮称)」とした上で、その整備素案を公表し、「フィールドと観客席の最前列を同じ高さにすること」や「観客席を屋根付きとすること」などが挙げられた。このほかスポーツジム・レストラン等も併設する。コンサート・結婚式等の催事場としても活用していく。また、指定管理者を民間委託することで京都府の運営負担額を年間2,000万円から7,000万円程度に抑えるとしている[30]

3月5日、日本魚類学会、日本生態学会近畿地区会、関西自然保護機構は、京都府亀岡市で京都府が開発するサッカースタジアムが“実効的な配慮”をせず、アユモドキが絶滅する恐れがあるとした[27]。スタジアムを誘致した亀岡市は予定地に人工の生息域を設ける予定だが、魚類学会は「効果が期待できない」と指摘し、日本魚類学会や日本生態学会近畿地区会などは、事業主の京都府と亀岡市に計画の白紙撤回を求める要望書を近く提出する運びとなり[27]、12日に、スタジアムの建設の見直しを求める要望書を京都府と亀岡市に提出した[31][32]。要請への回答は同年4月12日とされ、また回答期限が同じの、公開質問状も出され、それらの回答期限は同年4月12日である[33]

京都府と亀岡市は、4月25日の京都府議会で、来5月1日に、初の環境保全専門家会議を開く予定を明らかにした[34]。 1日に亀岡市役所で開かれた初の環境保全専門家会議は、京都大学や京都学園大学、同志社大学、大阪府立大などの魚類研究者、水工水理学者ら10人で構成する委員のうち7人が出席した。会議の座長には、京都府環境審議会委員の村上興正が選ばれ、アユモドキの保全状況の概要説明が行われた後に、JR亀岡駅北側の建設予定地を視察している[35]

4月25日、京都府より新球技場(仮称:京都スタジアム)に関する素案が発表された。亀岡市のJR亀岡駅北側に設置される都市公園内が建設地となり、敷地面積は12.8ヘクタール、入場可能数は25,000人、スタジアムの配置は長軸を南北、メインスタンドを西側とする。また、スタジアム最前列はフィールドと同じレベル(ゼロタッチ)とし、Jリーグだけでなく、ジャパンラグビートップリーグXリーグ日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)などの試合が開催出来るように、日本サッカー協会スタジアム標準やJリーグ規約、Jリーグクラブライセンス交付規則、ジャパンラグビートップリーグ規約等に即したスタジアムとすることなどが主な内容である>[36]

5月、亀岡市で自然保護活動をしている市民団体が、スタジアム建設の是非を問う住民投票実施に向けて7月中にも署名活動を始めることを決め、住民投票条例制定を直接請求できる法的に必要な有権者の50分の1(約1,500人)の署名を集める計画だと発表した[37]

5月29日、「(アユモドキの)絶滅の懸念深まった」と日本魚類学会が京都府と亀岡市に対し、計画の撤回を求める2回目の意見書を提出した。魚類学会は意見書で「環境調査は計画決定の前に行うべきで、2015年に着工し、16年に完成を目指すという事業計画は現時点で不可能」と主張した[38]

12月11日、亀岡市議会の総務文教委員会は住民投票条例案を否決。委員からは「やる意味がない」などと疑問視する声が相次いだ[39]。同月13日、亀岡市議会は同条例案を賛成7、反対18の反対多数で否決した。反対派からは条例案の分かりにくさなどが指摘された[40]

2014年3月6日、亀岡市長は市議会3月定例会の答弁で、スタジアム予定地の用地買収交渉について地権者99人の内98%から同意を得ていることを明らかにした。市は2014年度中に全地権者との売買契約締結を目指すとしている[41]

4月6日、府知事選挙が実施され、スタジアム建設を公約に掲げる現職の山田啓二が約70%の得票率で四選を果たした[42]

4月8日、亀岡市長は2019年のラグビーワールドカップの会場としてスタジアムを使うよう、京都府と協力して誘致活動を行うことを表明した。既に3月には地元スポーツ団体も府に協力を要請をしており、亀岡市も府への要請を強化していく方針である[43]

5月12日、亀岡市はスタジアム建設を含む「京都・亀岡保津川公園」の都市計画を決定した[44]

8月11日、亀岡市はスタジアムを含む公園用地の内、約11万1,500平方メートルを地権者97名から約12億3,800万円で買収する旨の議案を亀岡市議会に提出すると発表した[45]

2015年6月9日、京都府公共事業評価第三者委員会において、「本体工事に入らなければ、事業をスタートしても良い」と設計費の予算計上が認められた。着工の判断自体は環境保全専門家会議の評価がまとまってから再度第三者委員会が下す予定となった[46]

6月18日、京都府議会はスタジアムの設計費用を含む一般会計補正予算案を提出し[47]、可決された。本体工事費は154億円となる[48]

2016年2月10日、京都新聞によると、アユモドキについての影響調査分析が長引いていることを理由として、京都府は着工日を当初予定の2016年4月から少なくとも1年以上先送りする方針と報じられた[48]

4月27日、環境保全専門家会議は、アユモドキの保全とスタジアムの早期完成の両立を目指す為にも、スタジアムの建設位置を従来の京都・亀岡保津川公園から既に都市計画区域内となった亀岡駅北土地区画整理事業地に変更する事などをまとめた座長提言を府と亀岡市に提出した。[49]

5月、亀岡市は、座長提言に従ってスタジアムの早期完成とアユモドキ保全を両立させる為にも、駅北土地区画整理事業地予定地の土地を取得するかどうか検討していることを示した。また取得にあたって府に財政面での協力を求めることも示した。7月をめどに結論を出す。[50]

8月23日、京都新聞によると、新予定地の地権者全員が市への土地の提供に同意したと報じられた。[51]

8月24日、京都府は、アユモドキ保全のため当初の予定地であった桂川右岸からJR亀岡駅北側の土地区画整理事業地に変更する事を正式発表[52]。この建設地変更に伴い当初予定より亀岡駅に近接することとなったほか、当初予定したスタンド下への貯水ピットの整備や周辺整備にも変更があり、その結果、府と市の負担額を合計した枠組みが拡大することはないとし、府は亀岡市への財政面での支援を約束した[53]

12月2日、内閣府の「平成28年度PPP/PFIに関する支援」の支援対象に選定されたことが公表された[54]

2017年3月9日、京都府は京都スタジアム(仮称)運営権PFI事業導入可能性調査業務をPwCアドバイザリー合同会社に委託することを公表した[55]

3月22日、京都府議会平成29年2月定例会において、亀岡市と共同で取得する予定地取得費用13億7000万円など計19億9500万円[56](債務負担行為125億2500万円)の専用球技場整備費を含む平成29年度京都府一般会計予算が賛成多数で可決された[57]

3月27日、亀岡市議会において、予定地取得費用20億511万7000円[58]を含む平成29年度亀岡市一般会計予算が可決された[59]

3月30日、京都府亀岡市都市計画審議会において、スタジアム予定地周辺の都市計画変更案が可決された[60]。京都新聞によると、都市公園法における制約がなくなることについて、府スポーツ施設整備課の「よりスタジアムの多機能化が図れ、地域活性化にも貢献できるはず」との意見を報じている[61]

4月12日、スポーツ振興くじtotoオフィシャルサイト上で、京都府の京都スタジアム(仮称)整備事業に対する30億円のスポーツくじ助成が公表された[62]

5月17日、環境保全専門家会議において、第三者委員会に提出する調書の一部修正を前提に、工事の実施を認可した。工事中等にモニタリングで異常が認められた場合は工事を中断するなどの対策を検討する[63]

6月5日、平成29年度第1回京都府公共事業評価に係る第三者委員会において、スタジアム工事着手が認可された[64]

6月26日、亀岡市議会において、スタジアム予定地の土地を買収する市財政取得議案が可決された[65]

7月4日、京都府議会において、スタジアム予定地の土地を買収する議案が可決された[66]。一方で、「京都スタジアム(仮称)用地購入と建設着手の中止を求める決議」は反対多数で否決された[67]

7月10日、亀岡市と府は、第2回京都スタジアム(仮称)建設に係る市民説明会を開催[68]。説明会資料においてフィールド126m×84mなど施設整備に関する正式な情報が公表された。なお、当初より予定していたピッチとスタンドとの高低差を可能な限り無くす「ゼロタッチ」の導入は芝の育成環境確保などから見送られた[69]

8月15日、京都府は「京都スタジアム(仮称)新築工事(主体工事)」の入札公告を行った[70]。この際、設計図の公表が行われた[71]

9月30日、経済産業省は、地域未来投資促進法に基づいて支援を行う地方自治体の計画を公表した[72]。京都府亀岡市の「亀岡市の京都スタジアム等のスポーツ関連インフラを活用した観光・スポーツ分野」を活用した計画[73]が支援対象の1つとなった。

10月27日、「京都スタジアム(仮称)新築工事(主体工事)」の一般競争入札において、93億円(税込)で応札した竹中工務店・公成建設・長村組JVに決定した。基本設計は日建設計、実施設計は東畑建築事務所がそれぞれ担当する。なお、2018年2月1日までに着工、2019年12月末までに完成し、2020年春のオープンを予定している[1]

アユモドキについて[編集]

アユモドキ。アユモドキは絶滅危惧IA類に指定されており、変更前のスタジアム建設予定地に生息している。

絶滅危惧種のアユモドキは岡山県と京都府亀岡市の計3か所にしか生息しない日本固有の希少種である[26]。亀岡市の生息地には500〜1000匹いると推定されている[27]。2004年には種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されている。2007年には、アユモドキの生息する河川の上流部を含む地域一帯での開発事業において、本種の生存に対する“実効的な配慮”がなされない場合は本種の絶滅は避けられないと、学会誌上において報告されている[74]。京都スタジアムの誘致予定地の駅北には、天然記念物のアユモドキが棲息し、主な産卵場所[32]にしていることがわかっている。

地元自治会による要望[編集]

地元の保津町自治会は、京都府域の均衡ある発展の中心として駅近くにスタジアムができることに賛成している。アユモドキは人為的に作った農業用灌漑ダムによって産卵環境が用意されており、「原状回復」ではなく公的管理による共生ゾーンを作る現在の案を支持している。これらの負担を担ってきた農業者と保津地域の住民にとっては、アユモドキの為に将来の希望であるスタジアム建設が閉ざされることになってはいけない、としている[28][75]

日本魚類学会などの主張[編集]

日本魚類学会は要望書で、「用水路の大部分を埋め立てると、甚大な悪影響を与える」と指摘し、亀岡市計画の共生ゾーンの効果は「市の希望的な目標に過ぎない」とコメントした[27]。日本魚類学会自然保護委員長で近畿大学教授(魚類学)の細谷和海(ほそやかずみ)は「共生ゾーンの効果は未知数で、十分な検討もせずに着工すれば、取り返しがつかない。建設ありきの姿勢で進む現計画は、国有財産であるアユモドキの存在を脅かす」と指摘した[27]

3月12日、細谷は要望書提出の際に、予定地はアユモドキの主な産卵場所であると語った[32]。また日本魚類学会は、アユモドキは環境の変化に弱く、計画では産卵のため遡上(そじょう)する水路を埋め立てることになっており、このままでは絶滅も危惧されるとして、「科学的な調査が行われないままスタジアムを建設するという現在の計画は無謀」として、計画の見直しを求めた[31]。京都府との面談で、細谷和海は「生息地が破壊されれば、近畿から絶滅する」と述べた[76]

緊急要請と公開質問[編集]

2013年3月12日の要望書は、日本魚類学会の会長・木村清志が、京都府知事・山田啓二と亀岡市長・栗山正隆の両者連名で宛てたもので[33]、それぞれの首長への公開質問状も同様である[77][78]。日本魚類学会は魚類学および保全生物学の専門的見地から、京都府や亀岡市のアユモドキとの「共生」の実現性に大きな疑いをもち、一旦計画を白紙に戻し、科学的調査と合理的判断に基づき、建設の妥当性について再検討を要請した。又、アユモドキ「共生ゾーン」について関係省庁との協議を行っていない点も指摘した[33]。また、同日、関西自然保護機構は日本魚類学会・日本生態学会近畿地区会とともに以下の同様の主旨の要望書を提出した[79][80][81]

保津町自治会の見解[編集]

保津町自治会は学会による反対意見は無責任であるとコメントしている。長年、同地域は環境に配慮した農業を初めアユモドキの渇水対策や密漁対策などに取り組んできた。昭和52年には天然記念物に指定されているのだから、他地域におけるアユモドキの絶滅は「専門家」にもあると指摘している。にも関わらず、その専門家が僅か550世帯にすぎない同地域に保護の負担と責任を声高に押し付けることは無責任であり、スタジアム建設を希望と捉える同地域はやりきれない、としている[28][75]

この要望書は日本魚類学会にも送付され、後日同学会は回答書を公表した。その中では、スタジアム建設に反対しているわけではないと回答している。他地域での絶滅の責任については反省と今後の努力を表明している。しかし、回答では「貢献」「協力」「努力」などの抽象的な表現に留まり保護の為の具体的な方策は示されていない[29]

琵琶湖博物館による見解[編集]

琵琶湖博物館MBSの取材に、アユモドキは田んぼの中で繁殖する魚であり、(昔ながらの)田んぼと水路が存在し、水路に落差がないことが重要。(従来型の)開発で都市化が進めば、生態系に必須の生息環境が失われる可能性が高く、そうなれば『アユモドキ』たちの生息地が減ると考えられる、と述べた[26]

行政の対応[編集]

亀岡市は予定地の約3.6ヘクタールをアユモドキとの「共生ゾーン」とし、人工水路などを設けて生息環境を維持する方針[27][82]。2014年度に予定地内の魚類・植物などの生態を調査し、専門家の助言を得て2014年度中に保護方法を最終決定するという[27]。京都府自然環境保全課は「本格的な環境調査はこれからで、共生ゾーンに産卵場所を設けるなど、建設の影響が最小限になるよう学識者と検討していきたい」と説明した[27]

3月11日、府の整備素案では、スタジアム建設地の近くに生息する天然記念物のアユモドキに極力影響を与えない工法を採用し、(スタジアム完成後は)スタジアムを保護・発信拠点とする、と、京都府議会文教常任委員会にて公表した[30]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 93億円で竹中工務店JVが落札/京都スタジアム新築主体工事”. 建設ニュース (2017年10月30日). 2017年12月10日閲覧。
  2. ^ “大規模スポーツ施設~京都府の専用球技場~” (プレスリリース), 亀岡市, (2012年12月26日), http://www.city.kameoka.kyoto.jp/suisin/kurashi/kyoiku/leisure/sports-jigyo/daikibosupotusisetu.html 2013年5月4日閲覧。 
  3. ^ 京都スタジアム設計費容認 第三者委「アユモドキ調査後」条件 2015-06-09 京都新聞
  4. ^ a b 参考資料 「(1) 事業地の概要」、「(2) 計画の推移」、「(3) 委員会の検討経緯」、「(4) 委員会の構成」 (PDF) 木津川右岸運動公園(仮称)整備計画に対する提言 木津川右岸運動公園(仮称)整備計画検討委員会 平成16年3月 京都府山城広域振興局
  5. ^ http://miyabi-m.info/
  6. ^ 京都新聞2004年10月1日朝刊1面
  7. ^ 京都新聞2005年12月16日朝刊1面記事
  8. ^ 京都サンガ新本拠用地、京都市が無償提供発表 京阪淀駅周辺に2011/12/10 0:31 日本経済新聞 2013-3-7閲覧
  9. ^ サッカースタジアム検討委 横大路案を断念 京都新聞 2006年6月26日
  10. ^ スタジアム検討委員会の最終報告について みやびの杜 京都スタジアム推進委員会
  11. ^ サッカー新スタジアム構想 西京極競技場を全面改築へ 京都建設タイムズ、2006年6月27日
  12. ^ 西京極改築計画が暗礁 代替施設めど立たず 京都新聞 2008年5月16日
  13. ^ 京都新スタジアムは宇治市・太陽が丘候補”. 日刊スポーツ (2009年12月17日). 2013年5月4日閲覧。
  14. ^ 京都にサッカースタジアムを 署名47万人分提出 京都新聞 2011年06月14日[リンク切れ]
  15. ^ サッカースタジアム、京都市が再名乗り 京都新聞 2011年12月9日
  16. ^ 球技専用スタジアムを亀岡に~誘致団体が設立~ 亀岡市公式HP 2011年11月29日
  17. ^ 府サッカースタジアム候補地 城陽市が誘致回答 京都新聞 2011年12月9日
  18. ^ a b 府サッカースタジアム 5市町、優位性訴え 府調査委 候補地審査 京都新聞 2012年4月11日
  19. ^ 府サッカースタジアム公募 京都など5市町立候補 京都新聞 2011年12月12日 (webarchive)
  20. ^ 亀岡、京都、城陽に絞る 府の球技専用スタジアム 京都新聞 2012年5月17日
  21. ^ スタジアム選定委が報告書 京都府知事「年内に判断」2012年12月03日 22時20分 京都新聞web 2013-3-16閲覧
  22. ^ “大規模スポーツ施設~京都府の専用球技場~亀岡市に決定” (プレスリリース), 亀岡市, (2012年12月26日), http://www.city.kameoka.kyoto.jp/suisin/kurashi/kyoiku/leisure/sports-jigyo/sutajiamu-kettei.html 2012年12月27日閲覧。 
  23. ^ 府専用球技場:「亀岡に建設」知事方針 サンガホーム移転協議/京都2012年12月27日 毎日jp(毎日新聞) 記者・林哲平・入江直樹・北村弘一 2013-3-9閲覧
  24. ^ 京都・亀岡にスタジアム 球技専用、2万5千人規模2012.12.26 13:53 MSN産経ニュース 2013-3-9閲覧
  25. ^ a b c d e 専用球技場候補地の概要 京都府公式HP 2013年5月9日閲覧 (PDF)
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  28. ^ a b c 亀岡スタジアム計画、地元自治会が推進要望 2013-12-16 京都新聞(47news)
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外部リンク[編集]