デジタルサイネージ

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デジタル・サイネージ: Digital Signage=電子看板)とは、表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や情報を表示する広告媒体である。

デジタル通信で表示内容をいつでも受信が可能で、内蔵記憶装置に多数の表示情報を保持することで必要ならば秒単位で表示内容を切り替えたり動画表示を行うなど、多様な映像広告を展開することができる。

秋葉原UDXビジョン。540インチ、縦6.52mの巨大なサイネージ
薬局でのデジタル・サイネージの例
デジタル・サイネージの例
屋外広告のデジタル・サイネージの例
台北アリーナ壁面のデジタル・サイネージ

呼称[編集]

別名として、ダイナミック・サイネージ、インタラクティブ・サイネージ、ナロー・キャスティング、映像配信、音声配信、デジタルPOP、デジタル・サイン、デジタル掲示板、デジタル表示サイネージ、デジタル・コンテンツ配信システム、電子POP、電子ポスター、電子ボード、電子情報ボード、電子ディスプレイ、電子看板システム、電子掲示板、電子広告板、流通向け情報配信、コーポレート・コミュニケーション・テレビ、イルミネーション・サイネージなどがあるが、すべて同等のシステムの呼称である。また、アウト・オブ・ホーム・アドバタイジングの別名もある。

装置の仕組み[編集]

表示装置 
プラズマディスプレイLCDLEDVFD、映像プロジェクタなどによって文字・動画・静止画を表示する。表示面積は建物の壁面サイズから自動販売機内蔵の小窓表示部サイズまでさまざまである。大型ディスプレイを多用した登場時に比べれば、2008年現在では表示部が小さくても良い広告環境での展開が多くなる傾向がある。
コントロール部 
映像表示制御部や通信制御部と共に記憶装置を備え、動画や静止画の情報を保持する。
デジタル通信路 
公衆回線等で広告配信元から表示情報を受け取り、必要なら動作確認を返す。

利点[編集]

  • テレビCMのように不特定多数に同じ広告を流すのではなく、設置場所の地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行い、その特定層に焦点を絞った広告メッセージが発信できる。
  • 通信ネットワークを使ってリアルタイムな操作が可能で、表示される広告内容を随時配信・変更が可能である。したがって、最新情報が提供できるため視聴者の注視度が高まる。また、設置地域に即したリアルタイムなキャンペーンなどの情報配信が可能となる。
  • ポスターやロール・スクリーン看板のような印刷物の取替えの手間がかからない。
  • 動画が表示できるために、視聴者の注目度が高まる。
  • 1台の表示機でも複数の広告主に対して、広告表示枠を秒単位で切り売りできる。
  • ビデオ・ウォールやイルミネーションとしての使い方にも発展させることができる。

上記の点で、従来の紙のポスターや同じ静止画を切り替えるだけのロール・スクリーン看板、同じ動画映像を(比較的小さな画面で)繰り返し再生するだけのビデオ・ディスプレイと比べて、優れた広告効果が期待できる。

設置場所[編集]

設置場所としては、ビルの壁面、デパート、スーパー、銀行、ホテル、映画館、アミューズメントスポット(パチンコ屋)、病院、空港、駅、美術館などがあげられる。 欧米では既に一般的なシステムとして成立しており、街の至るところで散見できる。また、その範囲は公共だけにとどまらず、高速道路SA、大学のキャンパス・インフォメーションから企業のオフィスにおけるデジタル掲示板としてその活用範囲は拡大している。

日本国内の例では、渋谷のスクランブル交差点に面した4つの巨大な街頭ビジョンや、JR東日本山手線等の車内のトレインチャンネルがある。

広告以外での利用[編集]

主に商業用途の広告や販促ツールとして使われているが、ホテルのコンシェルジェ(案内係)のような案内・相談ツール、駅や空港での案内板、学校や会社内、地域共同体でのコミュニケーションツールとしても使用が可能である。

最近のデジタルサイネージ[編集]

従来のデジタルサイネージ機能に加え、HDカメラ映像をリアルタイムでAR処理をし、顔認識技術により、性別や年齢を瞬時に判断、見る人に合った映像を瞬時に生成。視聴者に最適なアイテムを表示させることが可能なデジタルサイネージが増えてきている。

今後の新技術の利用[編集]

薄型テレビには無い、新たな技術の実験場となる可能性が高い。立体映像技術や映像に合わせた香りを放つ装置、視聴者の有無や人数を画像認識により感知して表示内容を変える工夫、携帯電話との情報の連携などが計画されている。広告であるため、技術に新奇性があればそれだけで人目を引くという利点がある。米NewSight社では3D表示の製品を世界市場へ向けて年間4,000台販売している[1]

脚注[編集]

  1. ^ 野澤哲生「デジタル・サイネージ」、『日経エレクトロニクス』第985巻2008年8月25日号、日経BP社、2008年8月、 ISSN 0385-1680

関連項目[編集]

外部リンク[編集]