町田市立陸上競技場

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町田市立陸上競技場
"野津田競技場"
改修後メインスタンドを望む
町田市立陸上競技場の位置(東京都区部および多摩地域内)
町田市立陸上競技場
施設情報
所在地 東京都町田市野津田町2035
位置 北緯35度35分33.0秒
東経139度26分20.5秒
座標: 北緯35度35分33.0秒 東経139度26分20.5秒
開場 1990年10月
修繕 2011年12月
所有者 町田市
運用者 日本体育施設株式会社・一般財団法人町田市体育協会共同事業体
グラウンド 天然芝
ピッチサイズ 107m×71m
使用チーム、大会
FC町田ゼルビア(Jリーグ)
キヤノンイーグルストップリーグ
第68回国民体育大会2013年
収容能力
10,600人 (メインスタンド1,666席、バックスタンド他8,034席)

町田市立陸上競技場(まちだしりつりくじょうきょうぎじょう)は、東京都町田市野津田町町田市立野津田公園内にある陸上競技場である。施設は町田市が所有し、日本体育施設株式会社および「一般財団法人町田市体育協会」との共同事業体「スポーツパークパートナーズまちだ」が指定管理者として運営管理を行っている。野津田競技場(のづたきょうぎじょう)とも呼称される。

概要[編集]

400メートル・8コースの全天候型ウレタントラックと芝生のフィールド(7,600㎡)を備えた日本陸上競技連盟第3種公認の陸上競技場である。電光表示装置などの設備があり、収容人員は10,600人 (メインスタンド1,666席、バックスタンド他8,034席 ゼルビア公式サイトより)である。ゼルビアのJリーグ参入に際し、大規模な改修が行われている(後述)。

2009年4月より、日本体育施設株式会社と町田市スポーツ振興公社が共同事業体「スポーツパークパートナーズまちだ」名義で指定管理者として運営する。 町田市スポーツ振興公社が2010年3月31日に解散したため、2014年4月1日からは一般財団法人町田市体育協会が運営に加わる。

歴史[編集]

ゼルビアのJリーグ挑戦以前[編集]

この町田市陸上競技場は、1998年まで行われたジャパンフットボールリーグ(旧JFL)では東京ガスサッカー部(現:FC東京)が準本拠地として使用し、国士舘大学サッカー部も試合を開催していた。また、1996年のJFLではコンサドーレ札幌コスモ石油四日市FCとの主管試合をここで行ったことがある。

また、1991年にプロサッカーリーグ(後のJリーグ)が1993年に開始されると発表された際、日本サッカーリーグ (JSL) ・全日空横浜サッカークラブが町田市をホームタウン、この町田市陸上競技場を本拠地としてJリーグに参入する事を目指した時期がある。この交渉は実らず、全日空横浜は横浜フリューゲルスとして神奈川県横浜市がホームタウン、横浜市三ツ沢球技場(現・ニッパツ三ツ沢球技場)を本拠地としてJリーグに参加したが、この経験が後に町田市サッカー協会を自らチーム、ゼルビアでのJリーグ挑戦に向かわせる事になった[注 1]

2001年のJリーグでは2001年11月10日J2第43節の川崎フロンターレアルビレックス新潟が行われた。これが当競技場における最初のJリーグのトップチーム公式戦開催試合[注 2]で、同時に現在に至るまでゼルビア主催以外で唯一の開催事例となっている。

ゼルビアのJリーグ参入前後[編集]

1977年に前身となる少年サッカーチームが作られた「FC町田」のトップ(第1種=社会人)チームとして1989年に設立された「FC町田トップ」は1997年に「FC町田ゼルビア」となり、徐々に強化されていた。2007年に関東サッカーリーグで優勝すると、チームは翌2008年からプロ契約選手を加えてJリーグ参入の意向を明確に示すようになった。

しかし、当時からゼルビアの主催試合を開催し、同時にJリーグ参入時には本拠地となる町田市陸上競技場は、収容人数や各種設備の面でJリーグの開催規準を全く満たしておらず[注 3]、大規模な改修・増築が必要だった。そこで町田市はゼルビアのJリーグ入りを支援するため、芝生席であったバックスタンドを鉄骨製の座席にし、ナイター照明設備を新設するなどの改築を検討した。2013年に予定されていた第68回国民体育大会のサッカー競技を当競技場で行う事になっていたため、それに向けての改修を前倒しで実施する事になった。

ゼルビアは2009年日本フットボールリーグ(JFL)に昇格し、同年2月にはJリーグ準会員として承認されていたが、同年9月には当競技場の改修工事の遅れなどを理由に翌年のJ2参入(昇格)を断念した。これを受け、2010年には町田市によって照明設備設置やバックスタンドの全面改修・座席化が進められた。これを踏まえ、ゼルビアの同年9月以降のホームゲーム全4試合は東京都内の江戸川区陸上競技場江戸川区)・西が丘サッカー場北区)・多摩市立陸上競技場(多摩市)、及び神奈川県相模原市相模原麻溝公園競技場で行われた。しかし、9月5日にJリーグからゼルビアに対し、更衣室等一部がJリーグの入会基準を満たしていないという予備調査結果の指摘が出された。これは2010年7月まで行われた設計がJリーグの2009年度規準に準拠したのに対し、Jリーグは2010年度規準として更衣室の設備面積等を明示しており、設計案ではこの新基準に対応できないという理由だった。この結果、ゼルビアは9月7日に2011年度のJ2昇格を事実上見送るという声明を発表した。一連の事態に対してはゼルビア代表の守谷代表が「心の整理がつかない、クラブとしても総括できていない」と述べる状況となった[3]。ゼルビアのJFL最終順位は2位となり、成績面での条件は満たしたが、このスタジアム要件の欠格が理由となってJ2参入は見送られた。

一方、市による当競技場への改修を批判した少年野球の指導者が「町田市をサッカー中心の街にしない」と訴えて[2]同年2月21日投票の町田市議選に立候補したが落選し[4]、同日に実施された市長選挙では現職の石阪丈一が再選され、市による当競技場の改修は継続された。

2011年も町田はJFLで上位に付け、Jリーグ参入の成否は当競技場の改修が大きなポイントとなった。9月、J2入会のための予備調査の結果「同競技場改修のための代替開催地の確保」が求められ、改修工事の前倒しが行われることになった[5]。その後、メインスタンド改修期間中でも町田で開催できる可能性を模索するため、メインスタンドのトラック付近に仮設棟を設置し、そこにJリーグ基準を満たすベンチ・ロッカールームや放送・記者席を設置する計画があることが示され(2011年11月8日発売「週刊サッカーマガジン11月22日号」より)、同11月の審査でそれをJリーグが容認した[6]。この結果、JFLで3位に入ったゼルビアは12月12日のJリーグ臨時理事会で2012年のJ2参入(昇格)が認められた。

2012年のゼルビアのJ2の主催試合は、仮設棟竣工の遅れのため第2節・3月11日にあるアビスパ福岡戦が駒沢オリンピック公園陸上競技場世田谷区)に振り替えとなったものの、続く第4節・3月20日ロアッソ熊本戦から第42節(最終節)・11月11日湘南ベルマーレ戦まで全20試合が当地で開催された。ゼルビアはこの湘南戦で0-3と敗れてシーズン最下位(22位)が確定し、2013年シーズンでのJFL降格が事実上決定した。一方、勝った湘南は2位に浮上し、J1への昇格を決めた。全日程終了後、陸上トラックの張替えと、それに付随した仮設棟撤去作業を行った。

2013年はメインスタンドの工事が完成し、ほぼ当初の改修案に沿った形で試合開催が可能となった。ゼルビアは3月10日の第1節・福島ユナイテッドFC戦から11月10日の第32節・ツエーゲン金沢戦まで、第34節(最終節)SC相模原戦を除くJFLホームゲーム16試合を当競技場で開催し、最終順位は4位となったが、同年のJ2参入条件は最低でもJFL2位以上だったため、ゼルビアは1年でのJ2復帰を逃して2014年から新設されるJ3リーグに参加する事になった。一方、当競技場は予定通りに第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)のサッカーの会場となり、9月29日9月30日に成年男子の試合が行われた。金沢戦終了後には町田市による芝生の改修工事が始められ、2014年2月まで会議室を除く当競技場の一般利用はできなくなった[7]

また、スタジアム内の電光掲示板は動画再生不可能な電球式であるが、2016年のゼルビアJ2再昇格を機に2018年までをめどにこれを大型映像装置に更新する予定としている[8]。この更新事業の事業費の一部にはふるさと納税制度による寄付金を充当する予定としている[9]

なお、現在の施設ではJリーグクラブライセンス制度におけるスタジアム基準に照らして、収容人員等においてJ2基準相当の規格しか満たしていない。これについて、石阪町田市長は2016年のゼルビアの好成績を受けて「何とかJ1仕様でやりたいと考えており、今は見通しを立てる作業をしている」と言及。増築する場合にはバックスタンド側に観客席を増やし、屋根も設置しなければならないことも明らかにした[10]

具体的な改修計画[編集]

当初の発表計画[編集]

  • 照明塔4基設置(2010年春季に完成)
  • バックスタンドの座席設置(2011年度完成)
    • 計画では、恒常的なコンクリート打ちのスタンドではコストがかかるため、芝生席を一度整地した上で鉄骨パイプ製のスタンドを業者からリース契約する形で設置する(かつての市原臨海競技場と同方式)。リース料は年1億円程度。一応の計画としてJ2基準(座席10,000人以上収容)を満たすものを目指すが、J1基準(座席15,000人以上収容)への改修等は未定。
  • トイレ増設
以上出典 町田ゼルビア公式サイト「野津田競技場の改修発表」町田市「2009年度当初予算案」(PDF)

その後の修正[編集]

  • 2009~2010年度 芝生席改修(常設スタンド設置)
  • 2010年度 メインスタンド改修、2階バックスタンド設置
    • 当初計画では鉄骨製スタンドを建てる予定となっていたが、工法などを再検討した結果、本格的なコンクリート打ちのスタンド(2階席を含め8000人収容)に変更した。なお照明塔は予定通り2010年春季に完成している。
    • 先述・メインスタンドの改修に関する諸問題のため、バックスタンドの増築を含め改修は凍結されている。
以上出典 町田市「2009年度補正予算案」(PDF)
  • 2011~2012年度 メインスタンド増築と、それに付随する仮設棟の建設、陸上トラック張替え(J2リーグ全日程終了後)

主な使用例[編集]

  • FC町田ゼルビアの試合(サッカー)
  • キヤノンイーグルスの試合(ラグビー)
  • 大学・高校等の各陸上競技
  • 市民マラソン等の市主催関連催事等

アクセス[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 一連の経緯の詳細は、ゼルビアの守谷代表が2009年8月のインタビューの中で語っている[1]
  2. ^ 翌年の2002 FIFAワールドカップ(W杯日韓大会)に向け、フロンターレの本拠地である川崎市等々力陸上競技場が長期改修に入っていた為の処置だった[2]
  3. ^ 上記の川崎-新潟戦は等々力改修に伴う特例措置だった。

出典[編集]

  1. ^ Number04 FC町田ゼルビア代表 守屋 実”. 東京フットボールマガジン. 2016年11月6日閲覧。
  2. ^ 公式記録”. J. League Data Site. 2016年11月6日閲覧。
  3. ^ 町田経済新聞、2010年09月07日付、「FC町田ゼルビア、「Jスタジアム2010年度基準」未達で昇格ならず、2014年1月7日閲覧。
  4. ^ 「ザ・選挙」、2010年町田市議会議員選挙 結果。最下位得票者が当該人物。
  5. ^ 朝日新聞2011年9月8日、「ゼルビア、昇格へ一歩前進か 具体的課題検討へ 東京」、アーカイブ化、2014年1月7日閲覧。
  6. ^ 町田ゼルビア公式サイト、[1]、リンク切れ
  7. ^ 町田市公式サイト「陸上競技場」内、「陸上競技場芝生フィールド改修工事のお知らせ」、2012年10月25日更新、2014年1月7日閲覧
  8. ^ “町田ゼルビアJ2昇格 市が競技場に大画面”. 東京新聞. (2015年12月30日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201512/CK2015123002000105.html 2016年5月28日閲覧。 
  9. ^ “競技場の環境整備、浮世絵の購入で「ふるさと納税」活用 町田市”. 町田経済新聞. (2016年3月29日). http://machida.keizai.biz/headline/2155/ 2016年11月29日閲覧。 
  10. ^ “町田市競技場の増築視野”. 読売新聞東京多摩版. (2016年11月22日). http://www.yomiuri.co.jp/local/tokyotama/news/20161122-OYTNT50213.html?from=yartcl_outbrain1 2016年11月29日閲覧。 
  11. ^ a b アクセス”. 町田市立野津田公園. スポーツパークパートナーズまちだ. 2016年11月29日閲覧。
  12. ^ a b c スタジアム・練習場”. FC町田ゼルビア. 2016年11月29日閲覧。

外部リンク[編集]