機動警察パトレイバーの登場人物

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機動警察パトレイバー > 機動警察パトレイバーの登場人物

機動警察パトレイバーの登場人物(きどうけいさつパトレイバーのとうじょうじんぶつ)ではヘッドギアによるアニメ漫画機動警察パトレイバー』に登場する架空の人物について述べる。

作品名は以下のように表記する。

警察関係者

特車二課 第二小隊

実写版にも回想の形で登場しているため、配役に関しては「演」の後に記載。

泉 野明(いずみ のあ)
声 - 冨永みーな 演 - 岡田夏海(実写版の回想シーン)
本作の主人公の一人。第二小隊一号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査
1978年12月17日生まれ。身長155cm。スリーサイズはB79 W58 H82。血液型はA型。好きな言葉は「勇気」。好きな色は青色。
北海道苫小牧市出身。実家は酒屋で、やたらとに強いが、一旦悪酔いするとタチが悪い。
髪質はクセっ毛。高校1年の時に一度、ストレートパーマをかけて女の子らしくイメージチェンジを図ったことがあったが、(ひそかに一部の男子に好評だったにもかかわらず)ある一件からばっさり切ってしまい、それ以来、現在の髪型となる。
身体能力は高く、「究極超人ナントカ」に出てくる女の子に似ていると言われていた小学生時代は、町内ソフトボールで強打者として恐れられる。中学時代はバスケットボール部に所属し、道大会優勝の原動力となるも、身長が伸びなかったため、高校では卓球に転向し、インターハイでは3位になる。
高校卒業後は北海道を離れ、東京の警察予備学校に入学。レイバー好きが高じて警視庁に入り[1]、特車二課への配属を希望。第三管区警察学校[2]当時の成績は中程度であったが、レイバーの操縦に特筆すべきものがあり、さらに乗り物酔いとは無縁の体質であったため、警視庁警備部特車二課第二小隊配属後は本人の念願が叶い、イングラム一号機フォワードを任せられる。
警察学校在学中は、民間の警備会社「忠国警備」にアルバイトとして勤務していた[3]
レイバーの搭乗資格の他に、自動車普通免許も所有しているが、普段は50ccのホンダ・スーパーカブC50(八王子工場出向時は自転車)を通勤の足に使っている。
本質的には正義感の強い真っ直ぐな性格で、物事の分別も真面目で模範的である。しかし、のびのびと育ってきた性格形成ゆえに、思考基準は良くも悪くも単純で通俗的でもある。このため、形式的な主義や堅苦しい了見を受け入れにくい一面もあり、当時の現場での評価は極めて良好であるにも関わらず、警備の方針を巡って上司と口論することもあったため、訓戒処分三回の経験を持っている。
その他周囲との関係では、南雲や熊耳のようなエリートタイプの女性にはやや気後れしやすかったり、自分のペットにずっと「アルフォンス」と名付けていたことから、自分が搭乗するイングラム一号機にその名を付けて可愛がっていたり(アニメ版)、機体に「2の2泉野明」と書いたり(漫画版)、機体の損傷を過度に恐れるなど、ミーハーな面も見受けられる。
メカ好きであるが、技術的知識には疎い(特にソフトウェアに関しては無知・無関心)とされているが、具体的にその点が描かれているのは漫画版のみである。映像メディアでは、イングラムをはじめとするレイバーの初期設定から操作に至るまで難なくこなしている。
漫画版ではミーハーな面から一皮剥けて、一人前のレイバー乗りとしても大きく成長し、南雲から「自分の手足のようにイングラムを扱う」と感嘆されるほどに、イングラムを扱うようになった。終盤の対グリフォン戦では、性能面でイングラムを大きく上回るグリフォンを相手に善戦し、最後はBシステム(リミッター)をカットしたグリフォンをも見事に撃破した。戦いが終わった後のイングラムはボロボロであったが、グリフォンの攻撃をギリギリでかわし、致命傷を避けていた。後藤は決着後、その戦いを「泉の圧勝」と評している。
レイバーの操縦も体感で会得するタイプで、イングラムのように、操縦者とレイバー相互の「経験値」の蓄積で成長するタイプとは相性がいい一方、AVR-0のように、レイバーまたはHOSなどのソフトウェアが自動で操縦へ介入してくる、いわゆる「オートマチック」的な機構とは相性が悪いようである。AVR-0でグリフォンと戦った際は、「気持ち悪い」「こんな機体」と、開発者の実山が現場に居合わせるにも関わらず、彼を気落ちさせるのに十分な発言を連発していた。
遊馬をもっとも理解出来る人物といえるがゆえ、遊馬のプライベートに立ち会うことも多い。小説版ではその役割が極度に高く、かつキーパーソンにもなることが多い。初期OVA版およびテレビシリーズでは遊馬のことで意味深な発言をしたり、最終話で映画に誘ったり(漫画版ではかなり序盤の方で、野明が遊馬とデートで映画を見に行く話があり、その後、とある場所でバドと初対面するという、重要な話であった)と意味ありげな行動があった。
ボーイッシュでかわいい顔をしているにも関わらず、本人は自分のルックスなどについて何とも思っていないらしく、町でナンパされて断った後、待ち合わせていた遊馬に、「世の中には物好きもいるんだからね」と自分で言ってしまうほどである。漫画版においても風杜からデートに誘われている。
二課在任中には、テレビ番組「衛星ドキュメント はたらくお嬢さん」や、ラジオ番組「特車二課24時」の取材を受けたことがある。さらに彼女の職務中やプライベートの姿を追った「Live 泉野明写真集」も出版されている[4]。劇場版3の脚本準備稿では警官募集のポスターに起用されたこともあるとしている。
姓名を繋げて書くと「泉野 明」(いずみの あきら)とも読める。テレビアニメ版ではそのように読み間違えられたことがあり、小説版ではなりゆきで潜入捜査をすることになった際に偽名としてそう名乗っている。
およそ3年あまりに渡る特車二課の勤務を経て、映画、小説版では2001年秋の段階で、本庁内に新設された装備開発課に遊馬と共に転属となり、篠原重工八王子工場にテストパイロットとして出向する身である。
遊馬とはプライベートにおいてある程度親密な付き合いをしているらしいことが、小説版に描かれている。実写版では、その後篠原重工のレイバー開発部専属テストパイロットとなり、遊馬と公私に渡り親密な関係との事[5]
篠原 遊馬(しのはら あすま)
声 - 古川登志夫 演 - 黒田隆太(実写版の回想シーン)
本作の主人公の一人。第二小隊一号機バックアップ(指揮担当)(→二号機バックアップ(漫画版第14話~)→一号機、二号機兼任バックアップ(漫画版第18話~最終話))。階級は巡査。群馬県前橋市出身。
ひねくれ者で口は悪いが、野明には細やかな心遣いを見せることがある。普段は冷めた性格であるが、その反面繊細な面も持ち、きっかけ次第ではひとつの物事(特に篠原重工がらみの事柄)に、とことん突っ走ってしまう部分もある。そういった性質を、後藤に利用されてしまうこともしばしばである。
漫画版、テレビアニメ版では野明のバックアップのみが担当であるが、初期OVAや劇場版では、第二小隊全レイバー並び第二小隊の現場での作戦の指揮を担当している。しかし、太田や香貫花など暴走しやすいメンバーは、遊馬の指示に反した行動をとることもある。
レイバー製造の最大手・篠原重工の御曹司で、そのためかレイバーシステムに関する知識は第二小隊随一である。また、コンピューターやソフトウェアにも詳しい。
兄の死(自動車事故とされているが、遊馬は自殺と思っている)をきっかけに、篠原重工社長である父親と対立し続けている。女性に関してはちょっとした苦い経験があるらしい。学生時代はラグビー部に所属していた。
実家のことを話題にされるのを嫌う半面、御曹司の立場を利用して、篠原重工側(主に実山親子)に無茶な要求をすることもある。初の対グリフォン戦では、この遊馬の行動が間接的な原因となって、一号機の出動が遅れるという事態を招いている。
指揮担当なので、基本的にレイバーには載らないが、漫画版では、野明達と同じ訓練を受けているからやれる、と1度搭乗した。しかし、相手がバドの操るグリフォンだったこと、搭乗した機体が性能面でイングラムに劣る量産機(つまり廉価版(エコノミー))で、使用したのが野明の1号機の起動ディスケットだったため、機体の安物のメカニズムが、ディスケットにプログラムされた1号機の運動能力に対応し切れず上手く動かし切れなかったこと、さらには太田が発砲した銃弾をガードする盾にされてしまったことが重なって惨敗を喫し、本人も肋骨にヒビが入るケガを負った。
旧OVA版では、警察官採用試験を父親から強制で受験させられたため、答案を白紙で提出したが採用されたというエピソードがある。一方、小説版では全く逆で、父親から独立して生活するために(寮生活を送ることができるからという消極的な動機で)自らの意思で警察官になっている。漫画版では野明と同様に正確な志望動機は不明。ただ、予備校生で特車二課選抜テストに参加しているため、特車二課志望であったことは確かな事実である。
野明に対しては、非番の日にデートに誘い映画を見に行ったり、漫画版の最終話では「(グリフォン戦での頬に傷が残ってしまったため)嫁のもらい手がなくなるな。魔性の女にでもなるか」と笑う野明に、「ま、そんときゃおれが…」と思わず口走るなど、好意を持っている様子である。また、篠原重工の賄賂事件で精神的に動揺していた時期には、野明に「何でもする」と励まされた際、「抱かせろと言ったら抱かせてくれるのか」と皮肉を言い、彼女を傷つけたこともあった。
また、初期OVAでは香貫花に好意を寄せている描写も見られ、冗談をやって銃を向けられたこともあった。
太田とはとことん反りが合わず、それが太田でなければどうでもいいであろう些細なことでも噛み付く。これは太田から遊馬へも同様である。だが、「篠原重工汚職事件」により遊馬が苦悩から周囲に迷惑をかけるようになったため、「太田の指揮でもやらせれば悩む暇もなくなるだろう」という後藤の配慮から、二号機指揮に変更される。「篠原重工本社ビル立てこもり事件」に際し職場放棄(その際、よりによってグリフォンが出現し第一第二小隊が交戦する)という大失態を犯す。その後、休暇日に本社を訪ねて父と面会して醜聞が事実だと納得し、逆に居直った結果立ち直るが太田とのコンビは引き続き継続された。一連の事態に際して、あれほど遊馬につっかかっていた太田が「気持ちはわかる、だから一人で悩むな」と遊馬を気遣う本音を吐露したため、関係性は以前よりはマシになった。だが、課内の誰もが信頼を寄せていた熊耳が「辞職届」を残して失踪(内海の人質となる)したことにより、事実上両機指揮兼任となる。二課襲撃事件に際しては、買い出しに出ていて戻れなかった野明と事故処理に出動し指揮車ごと対岸に取り残された遊馬が、劉の提案で高志から提供されたAVR-0運用に際して再度コンビ復活させられる状況に陥る。グリフォンとの最終決戦ではAVR-0の無力化に際して遊馬が拘束されたため、一号機は「指揮なし」で立ち向かう状況となった。
映画、小説版では野明と共に2001年秋の段階で本庁内に新設された装備開発課に転属となり、御曹司でありながら警察側の人間として篠原重工八王子工場に出向するという、少し複雑な身の上である。それでいて、社内の食堂における食券賭博行為を組織化し、ほとんど胴元として仕切るほどの存在でもあった。またこの頃、同時に自家用車としてフォルクスワーゲン・タイプ2を所有している。なお、野明とは「清い交際」をしていることが、小説版で書かれている。実写版では、その後篠原重工のレイバー開発部主任に納まり、野明と結ばれた事が語られている[5]
『THE NEXT GENERATIONパトレイバー1 佑馬の憂鬱』においては篠原重工の専務に出世している。
後藤 喜一(ごとう きいち)
声 - 大林隆介 演 - 瀧伸(実写版の回想シーン)
特車二課第二小隊長。階級は警部補東京都台東区下谷出身。
オールバック、三白眼[6]、エラハリ、無表情が特徴。傍目に悪人面だが見た目通り「悪党」。普段は飄々としたとらえどころのない昼行灯を装っているが、かつては公安出身の「カミソリ後藤」「本庁で有名な悪(ワル)」と呼ばれる切れ者だったらしい。
全てにおいて無気力、無関心そうでいて、周囲への気配りはさりげなく行う。人的管理においては強制を好まず、各人の自主性を上手く引き出す方針が隊員たちにも伝わっているのか、人望はそれなりに厚い。漫画版では第二小隊全メンバーを事実上関係各所からスカウトし、自ら「ライトスタッフ」と認め、「ミスキャストがあったら監督は降板するぜ」と嘯くなど信頼を寄せている。平均年齢が低く未熟で純粋な部下たちについてはかなり気を回しており、慣れないフォローによる気苦労も多い。[7]基本的に放任主義だが、必要に応じては凄みをきかせて従わせる。[8]
水虫もちで隊舎内ではサンダル履き。ヘビースモーカーで所構わず煙草をくわえる。[9]記念撮影のために備品を持ち出すなどといった逸脱行為も部隊の特殊性をたてに容認する。[10]隊舎内の冷蔵庫にビールを入れているなど、やりたい放題。第二小隊員は南雲には相応の態度をとるが、後藤には特別気を遣うことはない。デリカシーの無さと臆面もなくクサい表現を口にすることには周囲が呆れるほどで、熊耳にセクハラ発言をする[11]、内海から人質の証拠として送られた熊耳のブラジャーの匂いを嗅ぐ[12]、「乙女の柔肌のように・・・」などと喩える[13]といった行為にも及ぶ。多趣味で競馬、カラオケ、釣り、ゴルフなど幅広い[14]が、反面自宅マンションは寝床とちゃぶ台だけで殺風景。
警察官としては非常に優秀で常にありとあらゆるソース(週刊誌[15]やスポーツ紙[16]にも至る)にアンテナを張り、本庁関係者とも休日の接待などで交流。また、対テロ事件専従捜査員の松井とはプライベートでも「男の子同士仲が良い」と南雲に揶揄されるほど頻繁に情報交換に勤しむ。内海の人物像についても彼が表に出て来ない段階から「子供のような男」と推察している。
同僚である南雲しのぶに対しては、少なからず好意を持っているようであるが、同僚同士としての信頼関係や友情関係の範囲を超えるものではない。また、第一小隊と南雲を当て馬扱いに利用[17]したりするなど、彼女に恨まれるようなことばかりしている。恋愛感情を匂わせる描写があるのは、劇場版2のみである。
普段から現場指揮や小隊運営は香貫花(テレビアニメ版・初期OVA版)、熊耳といった巡査部長や遊馬らに任せているが、事件解決のためには、上司である祖父江(初期OVA時)・福島(テレビアニメ版・漫画版・新OVA版)特車二課長らを恫喝・命令無視・責任問題の押しつけに利用することも厭わず、海法警備部長に至っては、責任問題をチラつかせて黙認を取り付けるなど、食えない策士な面もある。彼がどのような経緯で場末の特車二課に島流しになったのかは、一作目の劇場版中、本庁捜査課の松井警部が「だからさ、切れすぎたんだよ…」と相棒に語る場面があるが明確ではない。
本庁内部にシンパともいえる人脈を持ち、警視総監ですら恫喝するなど、時に聡明な切れ者としての一面をのぞかせる[18]
全てにおいて謎が多く、小説版ではなぜ独り者なのに独身寮でなく公団の2DKに住むことが出来るのかということで、野明と遊馬に探られたこともある[19]。初期OVA版並びに小説版では後藤真帆子という姪がいる(テレビアニメ版でも姪はいるが名前は明らかになっていない)。
テレビアニメ版では柔道は黒帯の腕前で、背後からこっそりと近づいた香貫花の気配を察知し、貫手を繰り出し当たる直前で気付いて止め、漫画版では日本刀で斬りかかってきた幽霊に対し、剣道の構えで鉄パイプで応戦しているが、劇場版2ではエレベーター内で身柄を拘束し連行する警察官に対し、制圧しようとするも失敗して南雲に助けられており、後藤が格闘において強いのかは不明、もしくはシリーズごとに統一されていない。
「銃は持たない・銃を持った相手には逆らわない」が彼の鉄則である。そのポリシーを持つようになった理由もあるようだが、やはり明かされていない。
現場の足としてターボチャージャー装着などのチューンアップがなされた警察仕様のホンダ・トゥデイ(M-JW1型改)などのミニパトを使用する。なお自家用での愛車は、ホンダ・シビック(E-EF3型)3ドア Siである。
喫煙者で愛飲のタバコはマイルドセブン
出動先ではフライドチキンなどのファストフードを好んで食べる。これは「現場で支給される弁当は概ね冷えていて不味いから」などの理由がある。
実写版ではその後太田・進士と共に小さな警備会社を設立するも、放漫経営が祟って一年足らずで倒産し、その後行方不明になっている事が語られている[5]。しかし、本人の登場こそないが、特車二課の解散が現実味を帯びてきたタイミングで南雲に手紙を送る、電話帳に「goto」という名前が登録された携帯電話を後任の後藤田継次に送りつける、などその後の二課の動向に関わる行動を取っている。
苗字は元官房長官後藤田正晴から[20]、名前は宮沢喜一からとられたものである。ただし、同じくカミソリと呼ばれた異名については、ゆうき曰く「切れ者といえばカミソリ」とのことで、後藤田は由来とはなっていない。
声を担当した大林隆介は一時期「大林隆之介」の名義で活動していたが、数年ぶりに本格的な形の新作映像作品で後藤を演じた劇場版3、『ミニパト』公開時の際、いくつかの関連資料には「大林隆之介(現・隆介)」の表記でクレジットされた。最初のアフレコに入る時点で大林に対して、直前に台本が渡されたのみで、後藤の声の演技に関しては、原作のヘッドギア側からは特別な指示は言い渡されなかったらしく、アニメにおける後藤独特の口調は、初期の段階で大林の意向がかなり反映されているという[21]
今野敏原作の「安積班シリーズ」の1作『夕暴雨』にも登場。姿は見せないが、東京ビッグサイトでの爆発騒ぎ時に、特車を起動させてパニックを鎮めるという重要な役割を担う。この作品での設定は、主人公・安積剛志警部補の同期。
太田 功(おおた いさお)
声 - 池水通洋 演 - 山口森広(実写版の回想シーン)
第二小隊二号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査。岩手県釜石市出身。
よく言えば生真面目で正義感の強い熱血漢、裏を返せば、直情径行で猪突猛進なだけの熱血馬鹿。
規律重視で融通が利かない性格ゆえに、自分よりも階級や実力が上の相手にはわりと素直に従う一方、同僚隊員(特に遊馬)と衝突することが多いが、危機には勇んで駆けつけようとする仲間思いな心根にはブレがない。漫画版の初期では、特車2課の隊員の中で唯一「正規の教育を受けた警察官」であるという自負からか、いわゆる「予備校出身の即席警官」である他の隊員を、少々見下しているようなフシがあった。
また、野明に対しては女性ゆえか比較的甘めな扱いで、照れつつ一言アドバイスをするシャイな面も見せたり、拳銃を突きつけられた課長を見て降伏するなど、優しい(?)面や人間的(?)な面も見せる[22]
意外にも相当に達筆である。
初期稿では、より大柄で太った体格の外見であった。
レイバーの操縦技術にも性格が反映され、精密な動作より力任せに突撃する主義。野明とは対照的で、即断などの思い切りはいいが、戦術的柔軟性に不足する点がある。
無闇にリボルバーカノン(レイバー用の拳銃)を撃ちたがり、バックアップの命令を無視して暴走することもしばしばで、機体の破損も絶えない(この点については上司の叱責や整備班からの苦情の種でもある)。そのため、香貫花・クランシー、熊耳武緒の両巡査部長の階級的および実力的優位によって、無差別な暴走を抑え込んでいる。
本来、レイバーの射撃に関しては見事な腕前の持ち主のはずであるが、普段の現場では、相手の致命的部位に「当たってしまう」ことすら稀れで、的を外すことが大半である。ただしこれは『コックピットに当てたことはないでしょ』との後藤の発言のように、実際に狙っているのが関節部や末端部などのかなり狙い辛い場所を狙っている為であり、実際は高い命中率を誇る事がTV版36話で明かされているほか、漫画版ではリボルバーカノンの射撃訓練の際に全弾を的の中央に命中させている。劇場版3ではたった一発しかないウィルス弾頭の射撃を任され、見事な判断とタイミングで成功させたり[23]グリフォンと戦う野明の一号機のピンチを救うなど、要所で確実に命中させた印象的なシーンも少なくない。新OVA版では銃器マニアを思わせる言動も見られた。
第二小隊では数少ない「正規の」警察教育を受けた現職警察官(機動隊より異動)である。しかしその過激な行状ゆえ、後藤からは「問題警官」、香貫花・クランシーからは「彼が警官でいられることは日本警察の奇跡」「正義の狂戦士」「歩く火薬庫」「瞬間核融合炉」「マッドポリスマン」と評されている。
漫画版では巡査になったばかりの年に飛び降り自殺の現場に遭遇して以来、なぜかむごい遺体には数多く対面したため、「一生涯分もどしちまった結果、頭脳と胃袋を分離する術を覚えた」らしく、実際に死人に遭遇することの少ない第二小隊では珍しく、遺体現場に対する抵抗力がある。
初期OVA版、テレビアニメ版ではアイドルファンとしての一面を見せている。国民的アイドル・松本可奈のファンクラブにも所属し、会員番号は「0001」であった。
映画、小説版では2001年秋の段階で、特車隊員養成学校に教官として勤務している。しかし性格は相変わらずで、劇場版2では、レイバーによる射撃が下手な生徒を叱責し、搭乗したレイバーで犯罪者の乗ったレイバーを制圧する際の見本(?)を見せる。FCS無しで移動する的を見事撃ち抜いて見せるが、「とどめを刺す事を忘れるな」という理由で、的が乗った機械まで警棒で破壊。進士に苦情を言われていた。
小説版『TOKYO WAR』では決戦に向けて旧第二小隊メンバーが招集される最中、両親に宛てたものと共に、香貫花に対しても遺書を書き綴っていた。実は香貫花とは密かに連絡を取り合っているらしく、彼女の誕生日に国際電話をかけて祝うなどしてそれなりに親密な関係らしい。実写版では後藤の警備会社の倒産後に暴力事件を起こして収監中の身である事が語られている[5]
進士 幹泰(しんし みきやす)
声 - 二又一成 演 - 古賀清(実写版の回想シーン)
第二小隊二号機バックアップ(指揮担当)。階級は巡査。静岡県藤枝市出身。
東京大学卒。第二小隊で唯一の妻帯者である。
公務員一家に生まれ、かつてはコンピュータ関連会社の優秀なサラリーマン[24]であったが、ふとした気の迷いから警察官に転職し、後藤のスカウトで特車二課に配属された。
気が弱いためフォワードの太田の暴走を止められず、胃薬を常用している。後に二号機のバックアップを交替し、後方支援(輸送車)に回るが、劇場版シリーズなどで香貫花や熊耳が不在の場合は、輸送車から二号機を指揮する姿も見られた。
身体を張る職務は苦手だが、コンピューターの扱いに長け、冷静かつ奥深い洞察力には他の隊員も一目を置く。
小説版『TOKYO WAR』では、後藤を除く旧第二小隊メンバーのなかでいち早くベイブリッジ事件の背後に複雑に絡む警察上層部の思惑を察知し、その後に起きる状況を予感していた。
普段は温厚だが、キレると眼鏡を光らせ、太田以上に暴走するようになる。この状態は香貫花に逆噴射と評されている。酒癖もかなり悪く、酔った時にもよく似た状態となる。
劇場版2では子供をもうけ、職場でも本庁総務部総務課長[25]に栄転したが、終盤では自らその椅子を蹴り、かつての第二小隊の仲間と共に最前線で戦うことを選んだ。実写版では後藤の警備会社の倒産後に友人とソフトウェア会社を設立、成功を納めたことが語られている[5]
愛妻家兼恐妻家でもある。妻・多美子(声:TARAKO安達忍)は、漫画版では名前のみの登場であり、映像作品でも登場回数は少ない。また、精神的ストレスの影響がすぐに胃腸に出るタイプのようで、よく胃薬を飲んでいる(太田の行動が原因の一つでもあるが)。そのために太田からは「うまそうに胃薬を飲むなぁ!」と怒鳴りつけられたこともある。
山崎 ひろみ(やまざき ひろみ)
声 - 郷里大輔 演 - 小日向大輔(実写版の回想シーン)
第二小隊後方支援担当。階級は巡査。沖縄県石垣島出身。通称「ひろみちゃん」。
身長2メートルを超す強面の巨漢で、レイバー操縦技能は持つが、イングラムのコクピットの狭さから搭乗できず[26]、後方支援に回る。なお警察に入った理由は、実家が漁師であるが、本人はとても船に弱い体質であるからである。
その体躯ゆえに重火器を任される場合が多い。[27]しかし、その外見に似合わず器用で、世話好きな心優しい男である。また、涙もろく恐がりであり、争い事を好まず、進士と並ぶ第二小隊の良識人である。
特車二課で最も動植物に関する理解が深く、課内で飼われているニワトリの世話や、畑での野菜栽培は彼が率先して行っている。新OVA版では野明が拾った仔猫を離乳前と見定め、それに対応した世話も心得ているなど、獣医並みの博識を見せた[28]
料理も特車二課随一といわれるほどの腕前である。また、腕前は定かではないが、漫画版ではアコースティック・ギターを弾くこともある。
性格的に控えめな分、口数が少ないというキャプションもあるが、映像メディアでは結構しゃべっている。
酒は下戸で日本酒ならお猪口1杯で酔っぱらってしまう。
劇中では二度に渡って彼にそっくりな怪物が登場している。
小説版では故郷に許婚がいる。エキゾチック美人らしい。
他のメンバーが異動した後も、トマト畑や鶏舎の鶏を気にかけ二課に残り、先輩として後輩の世話をしているようである[29]。なお、漫画版では畑や鶏舎の描写はない[30]。実写版では、その後帰郷して家業を継いだ事が語られている[5]
香貫花・クランシー(かぬか・クランシー)
声 - 井上瑤 / 天野由梨(『スーパーロボット大戦Operation Extend』) 演 - Hanaco(実写版の回想シーン)
第二小隊二号機バックアップ(指揮担当)。階級は巡査部長相当のSergeant。アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル出身。
ニューヨーク市警察から半年間、研修のため特車二課に派遣されてきた日系3世の女性警察官。太田の暴走を抑えられない進士に代わって2号機のバックアップに就いた。臨時の場合などは自らレイバーの操縦を行うこともあり、こちらも高い技術を持っている。
ニューヨークのポリスアカデミーを首席で卒業。特捜部に在任中は、マサチューセッツ工科大学に聴講生として在籍し、電子工学の修士課程を優秀な成績で修了した。
柔道四段、合気道三段、茶道裏千家師範の資格を持ち、射撃や爆発物処理にも長けている。スポーツも万能で、英語や日本語の他に、独、仏、蘭、北京語も堪能である。また、趣味として乗馬と囲碁を嗜む。
クールで現実主義者だが、太田とは本質的には同じ性格の持ち主なため、わりとウマが合うらしい。
実際は、過激な破壊行動によって手に負えなくなった市警察が研修名目で送った、事実上の島流しともいえる。もっとも太田よりは精神年齢的に「大人」で、叱りつけることが殆んど。遊馬曰く「太田は香貫花の尻に敷かれている」。
誕生日には太田と国際電話で話すなど、親密な関係を保っているようである。
コルト・ガバメントM1911A1を愛用の拳銃とし、日本でも堂々とこれを持ち歩く。米軍横田基地経由で来日したために持ち込めた代物だが、後藤いわく「言うまでもなく銃砲等不法所持」である。劇場版ではオートマグを使用した。
テレビアニメ版で登場する愛車は、桃色のポルシェ911タルガである。
描かれたエピソードは少ないが、第二小隊では野明に次ぐ酒豪である。新OVA版では熊耳との口論に夢中になり、野明をも酔い潰している。
主にアニメ版で活躍するが、漫画版でも児童人身売買に関する捜査のために、ニューヨーク市警から出張して来た刑事として登場している。
幼少の頃、両親が強盗に殺害され、以後祖母に育てられたエピソードが、数コマではあるが掲載されている。テレビアニメ版では祖父は朝鮮戦争で戦死、若かりし頃の祖母は香貫花に瓜二つだった。
熊耳 武緒(くまがみ たけお) 
声 - 横沢啓子 演 - 里中まい(実写版の回想シーン)
第二小隊二号機バックアップ(指揮担当)(→一号機バックアップ(漫画版))。階級は巡査部長兵庫県西宮市出身。通称お武さん(おたけさん)。
漫画版では2巻で初登場、進士に代わって二号機バックアップを務めることになった(この事情は漫画版あらすじ参照)。操縦技術に関しては隊内でも1、2を争うほどだが、指揮やバックアップ要員に向かずそもそもフォワードをやる以外に使い道がない太田の存在により、指揮担当となる。テレビアニメ版では帰国した香貫花の後任として、第26話で初登場。ゆうきまさみによると本来第二小隊の重石になるはずだった香貫花の代わりに急遽用意したキャラで、詳しい設定が固まらない内に登場することになったという。
文武両道に秀でた才媛で、自分にも他人にも厳しく律する性格の持ち主である。漫画版では、傍若無人な太田が恐れて敬語で接する唯一の同僚で、他のシリーズでもその面が強調されることが多い。後藤の期待を汲む形で自身を「学級委員」と位置付け、第二小隊の面々をまとめる副隊長的な存在。ただし、普段はわりと気さくに接しており、まとめ役としての気配りも行き届いている。事実上、後藤の右腕で彼女に丸投げされている業務(データ解析、訓練計画の策定など)も多い。
中国返還前の香港警察への派遣時代、シャフトエンタープライズのリチャード・王(=内海)とは、ただならぬ関係にあった。帰国後も王への特別な感情を引きずり続けているようで、王のグレイトウォール号海外脱出計画前後の彼女の心理的葛藤は見所である。その時期の出来事に関しては、小説版『香港小夜曲』に詳しい。
香港時代には「ジャックナイフ」と呼ばれていたと自分も「カミソリ」と呼ばれていた後藤が語っている。
テレビアニメ版などでは、前任者であった香貫花との対面を果たしている。ともに優秀、実力主義者でありながら、あくまでアメリカ人としての価値観を持つ香貫花と、日本的な熊耳とでは、最悪の相性であった。漫画版で香貫花が登場した際も、王との個人的な関係を詮索してくる香貫花に熊耳が露骨な嫌悪感を抱くなど両者の関係は険悪そのもの。
特車二課を離れた後は、神奈川県警察交通機動隊のレイバー隊副隊長に抜擢された。
父親は"桂花女子大"に勤める誠治、母親は専業主婦の瀧子。性格からは想像もできないが、心霊現象が好きな父親に脅かされて育ったため、怖い話や怖い物が気絶するほど苦手である。また、絵心も今一つ。番外編「太田さんのヒミツ」では、急に毎日定時にあがるようになった太田について、勝手に「女性との同棲」と結論づけて勝手に不謹慎だと盛り上がる、おちゃめな一面も。
「篠原重工汚職事件」で悩む余り、隊の士気や人間関係にまで深刻な影響を及ぼすようになった遊馬と、そんな遊馬を見ていられず落ち込む野明への配慮から、後藤の指示でバックアップ交替の措置と野明との同部屋生活を開始する。遊馬が立ち直り、後藤に野明とのコンビ復活を申し入れた後も措置は解除されていない。だが、熊耳自身が一身上の都合により辞職願いを出して失踪した事情で、遊馬が野明と太田の指揮を両方担う状況に陥る。二課襲撃事件後も熊耳が「休職中」のため彼女の現場復帰まで続くことになった。
空谷 みどり(そらたに みどり)
声 - 石村知子(旧芸名:柊美冬 → 鶴野恭子)
第二小隊三号機バックアップ(指揮担当)。階級は巡査
プレイステーション版『機動警察パトレイバー 〜ゲームエディション〜』のみに登場するキャラクター。かなりの天然ボケであり、環境テロ組織「海の家」を知らず、シバが説明した際にも「海の家」を「地球に優しいテロリスト」と笑顔で評して、シバをズッコケさせた。野明に代わって、上海亭への出前の注文係を担当するようになる。プロレスが好きで、観戦中には我を忘れる。その際近くにいると、無意識に関節技を極められることになる。
大怪我を負って道路に倒れこんでいたクリシュナ・アマルナートを助けたことで、主人公と彼女にクリシュナと奇妙な縁が出来る。伯父は東京下町で病院を営んでいる。なお、クリシュナを逮捕した際手錠を掛ける前に、関節技をかけて謝らせた。他にも、ファンだった引退プロレスラーが酒によってレイバーを乗り回して暴れた際には、その本性にショックを受け、本気でキレていた。
ゲーム中では空谷の相棒として三号機フォワードのメンバーが同時に配属されていたが、彼は劇中ではその容姿と氏名が明らかにならず、隊員からも「三号機」(空谷からは他にも「巡査」とも)としか呼ばれることが無かった。
ゲーム完成前に「東京ゲームショウ99」で事前に発表された資料では「空谷みあ」の名称で、製品版とは印象が大きく異なる容姿のイラストが添えられていた。また、三号機フォワードに関してもこの段階では「森園健」の名称と全身イラストが添えられていた。共にデザインは高田明美の手によるもの。それぞれのイラストはスタジオぴえろHP内の高田のコラムの過去ログで今も参照できる。

特車二課 第一小隊

南雲 しのぶ(なぐも しのぶ)
声 - 榊原良子(実写版の声も担当) 演 - 渋谷亜希(シルエットのみ)
特車二課第一小隊長。階級は警部補(後に警部に昇進)。東京都世田谷区成城出身。母親と2人暮らし。苗字の設定は旧日本海軍機動艦隊司令南雲忠一から。
特車二課の実質的な責任者で、第二小隊の「活躍」ぶりに、いつも頭を痛めている。
かつて、防衛庁技術研究本部第七研究所と防衛産業に携わる民間企業の新進気鋭の技術者を中心に、柘植行人によって設立された「多目的歩行機械開発運用研究準備会」(通称「柘植学校」)に警視庁より派遣され、警視庁のレイバー隊創設の礎を築いた功労者である。そんな「警視庁きっての才媛」と呼ばれた人材ではあったが、当時、妻子のいた柘植との深い関係がスキャンダルになり、警察キャリアの本流から外されてしまっている。劇場版2では特車二課課長代理(警部)に昇進していた[31]
現場では主に97式レイバー指揮車に搭乗するが、レイバー操縦の心得もあり、劇場版2においてイングラムに搭乗する姿がみられた。普段は自家用車としてフィアット・パンダ(新OVA版)やユーノス(小説版、劇場版2[32])に乗る。
自衛官の不破環生二尉は大学時代の友人。既婚者の彼女と引き続き交流を持っている。彼女から「篠原製以外の人型レイバー」について電話で尋ねられる。これを横で聞いていた後藤は後に「黒いレイバー」の呼称が登場から随分経ってから「グリフォン」だと上層部から通達された際に、「自衛隊が恥をかかされたが恥を広言できずに極秘にしていた」と語り、その時期は不破が南雲に電話をかけてきた直前だったと看破している。
劇場版などでは拳銃SIG SAUER P210を使用するが、彼女は射撃訓練の成績も優秀で、この銃の名手であるらしい。ただし職務の上で実際に拳銃を携帯して出動した経験も人に向けて発砲したことも無い。この銃は小隊長用に支給されたものであるが、後藤は「撃ったことが無い」と話す。
後藤とは数年に渡る同僚関係から、その様子はさながら年季の入った夫婦のような間柄となっており、南雲はそれなりに、後藤はかなりの満足感を抱いていた。ただしそれはあくまで擬似的なものに過ぎず、野明と遊馬の微妙な関係と同様に、あくまで職場の同僚という以上の進展は無いままの状態が続いていた[33]。劇場版2では、その状況にある種の結末が用意されている。
実写版では、(劇場版2内の事件終結後に)警視庁を辞し、難民高等弁務官事務所のスタッフとして中東の難民キャンプで働いているとの噂がシバシゲオの独白内で語られている(実際にはUNRAR [The UN Relief Agency for Refugees 国連難民救済機関] に属していた)。短編シリーズでは第7章冒頭の手紙を受け取るシーンに登場。長編では密かに帰国して後藤田と接触した[34]
五味丘 務(ごみおか つとむ)
声 - 大塚明夫
テレビアニメ・新OVA版の第一小隊一号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査部長
性格は真面目で実直、遊馬曰く典型的な「優秀なおまわりさん」。
結城(ゆうき)
声:小形満中嶋聡彦
テレビアニメ・新OVA版の 第一小隊二号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査
フルネームは不詳。見た目には第二小隊の面子と大差ない若い隊員。
石和(いさわ)
漫画版の第一小隊一号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査部長
フルネームは不詳。性格は真面目で実直かつ温厚で気さく。第二小隊の隊員たちにも偏見を持たず、模擬戦でHOS使用時の太田に一本取られるも苦笑して素直に敗戦を認めている。逆に誰もが「単に逃げ回っていただけ」と酷評した野明との一戦については「なにかある」(実際、石和機を「仮想グリフォン」に見立てて戦いを研究シミュレートする目的だった)と勘付き佐久間に相談している。
特車二課では操縦士として最高の実力を誇る。AVS-98 vs グリフォングリフォンの一戦においてはグリフォンの動きを封じて互角に展開した。その後、海中に引き摺りこまれて機体性能が著しくダウンし、太田にライアットガンで射殺されかける不運にも見舞われたが、対グリフォン戦では一勝一引き分けの野明に次ぐ戦いぶりを見せた。二課襲撃事件においても数に勝るハヌマーン部隊に数対一の状況下でも互角以上に戦う。だが、事態収束を図るため内海に福島課長を人質にとられ、太田機と同様に抵抗を断念させられた。
古賀(こが)
漫画版の第一小隊二号機フォワード(操縦担当)。階級は巡査
フルネームは不詳。五味丘と石和とは異なり、結城とはかなり印象が異なる黒縁眼鏡の男性隊員。真面目で年長者のようだが、警察官というよりはサラリーマン風の風体。
石和とは異なり第二小隊に対しては露骨に格下とみている。AVS-98導入後、野明との格闘訓練でアドバイスされても「第二小隊に教わることになるとは」と嘆いている。「篠原重工汚職事件」に際しても動揺することなく、篠原製レイバーを扱うことへの抵抗感も示さなかった。
川に引き摺り込まれて擱座し、機体を叩くなど旧式機を扱う悲哀を味わっていた。AVS-98でグリフォンと対峙するが、グリフォン側が奇襲だったため対応しきれず、リボルバー・カノンを奪われ頭部を破壊される屈辱を味わう。また、二課襲撃事件に際して、シゲと榊が「あいつの目が黒いのは10分程度」との予測に反して太田が奮闘し、石和も大健闘する中、ハヌマーン部隊に真っ先にやられてしまった。
なお、初期OVA版、および各劇場版では、南雲以外の第一小隊隊員の個々人について触れられたことはない。
浅野(あさの)
第一小隊二号機バックアップ(指揮担当)。
小説版『TOKYO WAR』における警視庁特車二課第一小隊二号機バックアップ。フルネームと階級は不詳。2002年の段階では、第二小隊同様に第一小隊もほとんどの隊員が入れ替わり、古参のメンバーはこの浅野だけとなっていた。

特車二課 整備班

榊 清太郎(さかき せいたろう)
声 - 阪脩 演 - 山田登是(遺影の写真のみ)
特車二課整備班長(劇場版1では整備課長)。神奈川県平塚市出身。
通称「おやっさん」。警視庁特車二課整備班長を務める実質的な「親分」。「レイバー隊の闇将軍」「整備の神様」といわれるほどの重鎮である。特車二課の独立愚連隊的気風の大元は、この人にあるといってよい。四角四面な立ち回りを好まない点では後藤とも馬が合う。
長年技術畑で活躍してきた存在は方々で知られているようで、本庁に出向けば部長クラスの人間が直々に玄関まで迎えに行くなど彼の人脈と功績などははかりしれないものがある。
ただしアニメ版ではコンピュータ関連には弱い(漫画版では慣れている)。終盤では、ピースメーカーに搭載されたニューロンネットワークシステムの構造が理解できないと野明に愚痴をこぼしており、劇場版1では「ハードのことはわかってもソフトはからっきし」と、次第にソフト中心になっていくレイバーシステムに取り残されたような感覚を吐露する場面もあった。
漫画版ではアニメ版ほどとっつきの悪い強面キャラではなく、比較的気さくな人物に落ち着いている。第一話の段階から物好きな野明を気に入って目をかけて可愛がっている。
劇場版2の時には既に引退し隠居生活を営んでいたが、二課壊滅の報を聞き、新旧整備班員を集めて陣頭指揮を執った。
実写版では既に故人となっており、特車二課整備班に遺影が飾られている。
愛車はACコブラ427。
口癖は、「もたもたしてると、全員海にたたっ込むぞー!」であり、整備班の若い隊員に恐れられている。一度説教が始まると最大半日続く。説教の語り癖は「俺たちの若けぇ頃はなぁ」である。
シバ シゲオ
声・演 - 千葉繁
整備班主任。千葉県松戸市出身。
通称「シゲさん」。整備班の「若頭」的存在で、班長である榊に対して崇拝といっていいほどの敬意を寄せている[35]。整備班員の実質的リーダーで、レイバー整備の現場を取り仕切っている。陽気な性格で、整備の知識、技術共に一級品。劇場版2の時には榊に代わり、整備班長に昇進していた。
漫画版によれば、漢字では「斯波繁男」と表記する[36]。実写版のノベライズでは、制服や書類もカタカナ表記で通しており、漢字表記は誰も知らないとされている。
当初アニメ版オリジナルのキャラクターであったが、やがて漫画版にも登場。その後もいくつかのゆうきまさみ作品にモブのような形で登場している。
漫画版および劇場版1では生活雑貨「(有)久保商店」に下宿しており、二階に部屋がある。また、劇場版1でのこの部屋は、二課棟にある電算室(通称冷蔵庫)の大型コンピュータとの接続環境をも備えている。遊馬とはプライベートでも親しくしており、野明のたっての願いでバドを預かっていた際、たまたま遊びに来た遊馬が鉢合わせになっている。
劇場版1では渡米しており、中盤でサングラスアロハシャツという出で立ちで登場。渡米前に導入されたHOSを疑い、OSの書き換えを行ったふりをしてHOSの起動画面を従来のOSに貼り付けるという、一枚上手な行動で第二小隊を驚かせた[37]
実写版では、劇場版2から10年以上経った2013年現在も特車二課整備班長として部隊を仕切っている。
ちなみに、千葉繁の事を高く評価していたアニメ監督の押井守が考案したキャラクターであり、わざと千葉に似せてキャラクターデザインがなされたものである。
堀込(ほりごめ)
整備班員。漫画版で特車二課が襲撃された際、車載電話がついている愛車を破壊されて泣いていた。
ぶち山(ブチヤマ)
声 - 立木文彦 演 - 藤木義勝
アニメ版ではロン毛に眼鏡の内気な青年、劇場版2ではバンカラな風体(コートを袖を通さず羽織り、雪が降っても高下駄を履いている)の強面の整備員で、ふてぶてしい笑みを浮かべながら太田に軽口を叩くほどである。後輩から「ぶち山先輩」と恐れられており、シバシゲオからは「コンビニ『買占め』部隊の応援」として送られるなど、ある程度の信頼を得ている模様。
実写版では淵山 義勝(ぶちやま よしかつ)という名前で、アニメ版と同一人物である事が証されている[38]。特車二課整備班副長として、出動やデッキアップ時に整備班を仕切るなど、シバの右腕として特車二課を支えている。

その他特車二課関係者

祖父江 守(そふえ まもる)
声 - 増岡弘村松康雄[39]
初期OVA版での特車二課課長。階級は警視正。小太りで背は香貫花より低い。登場回数がほとんどないため性格や詳細は不明。
初期OVA版から小説の流れでは初期OVA第5・6話での出来事がきっかけで左遷された(テレビアニメ版で福島が“免職された”と漏らしていた)模様。一方、テレビアニメ版では開始時にすでに福島に交替していたが、後藤の悪知恵に散々振り回された挙句に責任を全ておっ被せられて詰め腹を切る羽目になったらしく、そのことで後藤を相当恨んでおり復讐しようとした。息子に後藤を尾行させ、数々の嫌がらせや脅迫をしたものの、逆に自身の懲戒回避に利用されてしまう。そのことに怒った祖父江は、最後には手製レイバーで特車二課を襲撃するが自壊してしまい失敗する。免職後は自動車整備工場を営んでいた。
福島 隆浩(ふくしま たかひろ)
声 - 小川真司
特車二課課長。階級は警視
「特車二課長」として一般的に知られている人物。祖父江とは逆に神経質で服装ひとつにまでいちいち指導を入れる。体面や上下関係を重んじる典型的な官僚型の警察官で、特車二課の体質とは反りが合わない。本庁のオフィスにいることが多く、特車二課分署に来るのはたいてい後藤に説教しに来る時である[40]。第一小隊の存在がせめてもの拠り所で、南雲とは反目する場合もあるがある程度の信頼を置いている。
漫画版では、融通の利かない点も含めて「良識的警察官」としての役割を演じており、映像作品全般に見られる無能で保身的な警察官僚という画一的な描かれ方はされていない。後藤ほどではないが頭もキレ、察しも良い。部下の命を重んじる姿勢も見せる。それまでは週に数回程度しか特車二課を訪れなかったが、「廃棄物13号事件」の発端だった「貨物機墜落事故」に際し、「第二小隊の屋上でのひなたぼっこ」が写真週刊誌に扱われ、綱紀粛正のため二課に怒鳴り込んだことがきっかけで以降は二課での執務の機会が増える。また、「廃棄物13号事件」の背後には大がかりな陰謀があると推察し、それを含みつつ対応する後藤に協力。「時限爆弾」を打ち込むのに適切な場所として後藤が二課敷地内の使用を進言した際は部長を説得して実施に漕ぎ着けている。また、廃棄物13号が着込んでいた出所不明のレイバー(企画7課がASURA回収に使用したサイレン)について後藤が進言した際にもその調査を上に挙げる旨を了解している。あくまで「私は」と個人的見解と前置きしつつも、一連の「黒いレイバー」騒動についてもその特異な犯行状況や方法について後藤と相通じ、時折上層部の対応を非難批判する素振りを見せるなど、「現場側の人間」である。地球防衛軍のテロに際して、通信障害の発生をグリフォン出現の予兆とみなした後藤が独断で甲種装備を指示した際も、その意図を理解して追認の形で了承し部長の許可を得たのみならず、出場して現場での陣頭指揮を買って出ている。二課襲撃事件においても陣頭指揮をとり、可能な者に武装させ籠城戦を挑む。だが、突破を許して各所を制圧され、内海との交渉において柔軟さを欠いた発言により銃口を向けられて「人質」にされてしまい、果敢な抵抗を続けていた太田と石和が断念させられる結果になってしまった。
そうした反面、「大統領警護任務失敗」に際して、隊長代行として指揮を執っていた相沢警部補のキャリアに疵をつけまいという口実で、老獪な後藤に詰め腹を切らされそうになるなど、後藤の悪党ぶりには振り回される。末息子の慎一が「第二小隊の数々の失態のせいで父親が特車二課の課長と仲間に自慢できない腹いせ」で野明と遊馬に暴言を吐き、野明の水着を剥いで尻を叩かれた際には、自制に震えながらも二人を不問にする、映画撮影現場に念の為警備任務に就いた際には後藤を通じて娘へのサインを頼む、家族サービスで東京ディズニーランドに行っていた際に非常呼集で呼び出されるなど家庭人として苦労する姿や、後藤から熊耳が内海の手に落ちて人質になったと聞かされて取り乱すなどお茶目な姿も。ゆうきまさみは「描くたびに好きになっていった」と語っている。
元々は漫画版でゆうきが用意したキャラクターの1人だが、劇場版1からアニメにも登場するようになった。劇場版3では会議室のモブシーンに登場したが、動きによる演技のみでセリフはなく、設定資料上は「幹部B」という名称が割り振られていた。2002年を描いた劇場版2の時点では既に二課長の任を退いていた[41]
相沢 義衛(あいざわ よしえ)
階級は警部補。特車二課課長付。
設立を予定していた第三小隊の隊長予定者として配属された東京大学卒で国家公務員一種試験に合格した、いわゆる警察キャリアで「二課設立以来の俊才」。特車二課へは本人たっての希望らしく、曰く行政官僚で特車二課を熟知している者がいないとのこと。熱意とやる気はあるが空回りも多い。いきなり職場環境維持のための通常業務の一環として「草むしり」に参加させられる洗礼を受ける。本人のたっての希望により後藤に第二小隊長代行を任され、張り切って徹夜で訓練計画を立案するが、寝不足の状態でイングラムに搭乗して吐いている。その直後、運悪く第二小隊がバビロンプロジェクトの視察を急遽要望した米国大統領の警護任務で出動することになり、テロリスト出現後の対処がうまく指揮できず大失態を演じる。これがきっかけとなり第三小隊は設立自体が白紙となり、本人も丸の内署へ転属させられてしまった。
後藤の策略で陥れられたという見方も出来るが、装備から人員に至るまで警察機構の範疇外という特車二課では後藤は勿論のこと、福島も南雲も熊耳も出世コースから弾かれ、なにをどうしたところで批判と失敗がつきまとうババを引かされたかわりに、上の目を気にせず自身の抱く正義を追える比較的自由な立場の警察官であり、将来性があって真面目すぎる相沢には荷が重い部署であることから後藤の温情措置だったとみることも出来る。第三小隊が白紙となったおかげで第一小隊は第三小隊に配備予定だったAVS-98を導入することができた。
二課襲撃事件後にリチャード・王の手配写真が各所に回った際には丸の内署で勤務する姿が描かれている。

その他の警察関係者

海法(かいほう)
声 - 小島敏彦西村知道
警視庁警備部長。小さな目とタラコくちびるが特徴的。一見すると典型的な警察官僚だが、後藤と同様に他人を意のままに動かすことが巧みであり、用意周到に自らの保身も行う。自分の「逃げ道」が確保されている場合は、後藤の提案を容認し、子飼の祖父江や福島を切り捨てることも厭わない。後藤曰く「タヌキ親父」。特車二課を「金食い虫」(実績の割りに膨大な予算を要求するため)と名付けたのは海法だという。
劇場版2、劇場版3では警視総監に就任している。内務省復活論者であり、各県警へのレイバー隊の配備・普及を軸に、警視庁警備部への中央集権の強化と、開発費のかかる警察用レイバーのコストダウンを目指していた。
劇場版2では、警備部時代から海法の腰巾着であった青森県警本部長が、飛行禁止命令に抗議するために東京へ向かおうとしていた航空自衛隊三沢基地司令を基地ゲート前で連行してしまう。子分の勇み足で引くに引けなくなった海法は、自衛隊に矛先を向けることで警備部の発言力強化を図るが、その結果、基地司令連行に対する三沢基地の抗議の籠城は全国の自衛隊基地と駐屯地に拡大し、事態をより悪化させてしまった。
山寺(やまでら)
声 - 大森章督
劇場版2、劇場版3における警視庁警備部長。それ以前のポストは不明。海法の腹心として、警備部を仕切っている(そのため、後藤からは海法とセットで「タヌキ親父」呼ばわりされている)。
劇場版2では無断行動をした南雲を詰問するが、逆に南雲から政治的策謀を追及され憤慨した。劇場版3では海法と共に、怪物への対策会議に出席していた。
イメージ的には海法の腰巾着である。
松井 孝弘(まつい たかひろ)
声 - 西村知道
警視庁水上署にいたことも)捜査課所属の刑事(初期OVA6話では、城東署捜査一課)。階級は警部補
初期OVA版第3話で初登場。その時の経緯から、海上保安庁に顔が利く。中年太りの外観は人の良さそうなおっさん刑事だが、実際はなかなか食えないベテラン刑事。正義感も強く、後藤とは結構ウマが合う。ただし、本人は後藤の悪巧みに辟易しており、早々に縁を切りたがっている。息子がいる。
漫画版では警視庁刑事部捜査一課警部補として当初は「地球防衛軍」などのテログループの犯行予告や背後関係を洗う仕事をしていた。(このため登場は第一話から)「黒いレイバー」事件発生後は専従捜査員として香港における「地球防衛軍」のスポンサーで「熊耳巡査部長銃撃事件」の重要参考人であるリチャード・王、彼に酷似するシャフト社の内海課長を精力的に追う。だが、シャフト社という巨大企業の高い壁にぶちあたり捜査はなかなか進展せず企画7課側からも警戒される。最初の「黒いレイバー」事件発生後に知り合った後藤とその後は互いに推理を交えつつも頻繁に情報交換しながら断片をつなぎ合わせていく。
内海と徳永の決裂が決定的となった終盤、運輸会社を偽装したトラックが路上で爆発事故を起こし、その中身であったグリフォンの破片が散乱。トラックが徳永所有の別荘脇に長期間置かれていた事実から、徳永が一連の「黒いレイバー」事件の重要参考人とみるや長野県警と協力し、松井が中心となって徳永を聴取。その際に激高した徳永が「黒いレイバー」の通称として警察内部の極秘情報である「グリフォン」の名を出したため、徳永を重要参考人として逮捕する。
最終回では二課襲撃事件後に旅客船ターミナルで発生した「内海刺殺事件」で死亡した内海とリチャード・王が指紋の一致から同一人物だと確認したものの、それ以上に捜査は進展せず、黒崎たち企画7課も取り逃がし、徳永も陥落寸前だがまだ自供には至っていない旨が後藤との会話で明かされている。
片岡(かたおか)
声 - 辻谷耕史大塚明夫
警視庁捜査課所属の刑事。
劇場版1やテレビアニメ版などで松井の部下として登場する若い刑事。フルネームは不詳。人の話から似顔絵を描く特技を持つ。小説版『TOKYO WAR』によれば2002年の段階でも松井とコンビを組んでいるようだが、松井の「前途ある若者をこんなヤバい話に巻き込むわけにはいかない」という配慮で、後藤から依頼されたベイブリッジ爆破事件の裏捜査からは外されていた。漫画版では松井の台詞の中で名前だけ登場しており、松井達とは別班でグリフォンの捜査に当たっているらしい。
風杜(かざもり)
警視庁捜査課所属の刑事。
漫画版において松井の部下として登場する若い刑事で、アニメ版の片岡におよそ相当する役割を担う。特車二課配属以前の野明と事件現場で偶然出会っており、その後再会した際に彼女にモーションをかける素振りを見せていた。しかしそれ以降とくに進展していない模様。松井に「彼女は今、仕事が面白い時期だから」と諭されている。目撃者の証言を元に人物画を書き上げる才能を持っており、熊耳の証言から内海の似顔絵を書いた時には、熊耳自身から「似てる」と言われ、その後の捜査に使われるモンタージュ写真の元ともなった。
船山(ふなやま)
警視庁外事課所属の刑事。
漫画版においてパレット関連事件の重要参考人である朱永徳を追う。栗橋とコンビを組む。
佐久間(さくま)
声 - 広瀬正志仲木隆司
特車隊員養成学校(通称「レイバーの穴」)の教官として第二小隊の6名を促成栽培した(漫画版では早稲田警察予備校の教官として初登場)。後藤とは旧知の仲である。後に部下として転任してきた太田に手を焼きつつも、内心は共感を持っている。なお「レイバーの穴」は初期OVA版では富士、漫画版とテレビアニメ版では奥多摩、小説版『TOKYO WAR』では青梅とそれぞれ所在地の設定が異なる。ここの食堂は警視庁一不味いと評判らしい。
長尾(ながお)
警視庁科学捜査研究所勤務。内海(リチャード・王)のCGによる手配書を作成する。
久住 武史(くすみ たけし)
声 - 綿引勝彦
警視庁城南署所属の刑事。
劇場版3に登場する警視庁城南署の刑事。後藤とは旧知の仲である。本編では足が不自由な状態で登場するが、数か月前に骨折して治療中という設定である。妻と子供に逃げられてしまい、ひとりやもめの生活を送っている。皮肉屋で一見して無愛想な気難しい中年男に見えるが、心の奥底には熱い正義感と気概を持っている男である。趣味は音楽鑑賞。
秦 真一郎(はた しんいちろう)
声 - 平田広明
警視庁城南署所属の刑事。
久住とコンビを組む若手の刑事。いかにも刑事らしい久住とは対照的に、一見してサラリーマンのような雰囲気を漂わせている。少しミーハーで「ごく平凡な若者」然とした青年。若さゆえに甘く未熟な部分も目立ったが、「廃棄物13号」を巡る事件や好意を抱いていた女性の死を経て成長する。城南署の職員で結成された草野球チーム「ジョーナンズ」に所属し、ポジションはピッチャーでサウスポー。日常生活でも左利きである。
楠本(くすもと)
声 - 野村信次
初期OVA第7話に登場した群馬県警察本部長。ブロッケンごと盗まれたトレーラーを群馬県内で取り押さえるべく陣頭指揮を取っていた。後藤曰く「石橋を叩いて人に渡らせる」ほどの慎重な性格。

自衛隊関係者

不破 環生(ふわ たまき)
声 - 勝生真沙子
陸上自衛官。階級は二尉陸上自衛隊機械化空挺師団所属。
漫画版・テレビアニメ版に登場。搭乗する機体は97式改(漫画版のみ)、99式ヘルダイバー。既婚者。南雲とは学生時代からの友人。テレビアニメ版では野明の技量を見込んで自衛隊にスカウトしようとした。愛車は2代目トヨタ・ソアラ
甲斐 冽輝(かい きよてる)
声 - 筈見純
初期OVA第5・6話に登場。学生時代に後藤と交流があり、同志でもあった[42][43]。そのため、方法論の違いはあれど、思想や理想において通底する部分があるという。
自衛隊によるクーデターの思想的指導者(階級および所属は不明)で、核弾頭搭載の巡航ミサイル在日米軍より盗み出し、それを切り札に日本政府戒厳令の施行や、議会の解散・無期限停止などを要求する。シージャックした2隻のフェリーに偽装したランチャーを取り付け、乗員を人質とするが、山崎が搭乗した篠原重工製試作空挺レイバーによる奇襲でランチャーを破壊され決起は失敗に終わる。クーデターの計画は20年を掛けたものであったが、逮捕される直前に「生きていれば、もう一回くらいやれるさ」とも漏らす。
柘植 行人(つげ ゆきひと)
声 - 根津甚八 演 - 香川耕二
陸上自衛官。階級は二佐。劇場版2と実写版に登場。名は「告げゆく人」の意。
陸上自衛隊においてレイバーの軍事的価値にいち早く着目し、防衛庁技術研究本部第七研究所に「多目的歩行機械開発運用研究準備会」(通称「柘植学校」)を設立する。1999年、東南アジア某国(カンボジア)でのPKO活動(第二次カンボジアPKO)にレイバー小隊の隊長として参加するが、停戦協定を一方的に破棄して攻撃を仕掛けてきた反政府軍によって、レイバーが苦手とする足場の悪い湿地帯に追いやられた際に、先制攻撃を禁じられていた柘植のレイバー小隊は発砲許可を得られないまま集中砲火を浴びて全滅。ただ一人の生存者として帰国後は行方をくらまし、2002年、東京に「戦争状態」を演出した、不可視のテロリストとして、日本を震撼させることになる。
柘植学校時代は自身に妻子がいるにも関わらず、自衛隊主導でレイバー開発が行われることを嫌った警視庁の思惑で柘植学校に派遣された南雲と、公私にわたる深いパートナー関係になってしまい、後にその関係が悪意のあるスキャンダルとして取りざたされたことにより、警視庁きっての才媛と謳われた南雲が、閑職である特車二課に島流しになった原因となっている。その後、柘植は第二次カンボジアPKOに派遣される前に離婚している。
荒川と共に劇場版2におけるキーマンであり、なおかつ監督の押井守の描いた「モニター越しの戦争」を表す上での重要なファクターである。
実写版においても、劇場版への重要なキーポイントとして示されており、3代目特車二課小隊長である後藤田警部補と面会している。
荒川 茂樹(あらかわ しげき)
声 - 竹中直人
陸上自衛官。劇場版2および小説版『TOKYO WAR』、そして『ミニパト』に登場。横浜ベイブリッジ爆撃事件に関する捜査の協力を後藤に依頼してきた陸上幕僚監部調査部第二課別室の者と名乗る男。姓は大学時代に押井守が主宰した「映像芸術研究会」に所属していた荒川憲一に由来する[44]。「一度会ったら忘れられない顔」を持ち、公務員としても聊か常軌を逸した人物であるが、本人にはその自覚がないらしい。
小説版では自らコーヒー党だと語るが、その味覚は後藤に言わせれば始めから存在しないのではないかと言わしめるほどの味音痴であり、後藤の飲みかけのコーヒーも遠慮なく自分のカップに注ぐといった厚顔無恥さものぞかせる。歯に衣着せぬ言動には含蓄がある反面、とにかく他人の感情を斟酌しないことが災いし、相手の気分を害してしまうといった場面も多い。部下の面倒見は意外と良いらしく、自腹を切って昼食を奢っていた[45]
実は横浜ベイブリッジ爆撃事件とその後の「戦争」状態を演出した柘植行人の同志。柘植の思想そのものには賛同するも、柘植が本気で「戦争」を起こそうとしていることに驚愕し、さらに自身の本性が自衛隊内部に露見することを恐れて後藤に捜査協力を依頼してきた。しかし、後藤に依頼したのが災いして本性を全て暴かれ、最後は松井によって破壊活動防止法違反の容疑で逮捕された。
石原 悟郎(いしはら ごろう)
声 - 森田順平
陸上自衛官。階級は一佐。劇場版3に登場。怪物事件の収拾をはかるため、陸上および海上自衛隊と警察の共同作戦に陸自側の人間として関与する。だが、実際はそればかりでなく、東都生物医学研究所とアメリカ軍研究機関による「廃棄物シリーズ」のプロジェクトに何らかのかたちで関与していた人物である。彼の存在は自衛隊としてのプロジェクトへの直接的関与があったことを推測させるが、あくまで秘密裏によるものなので詳細は明らかとなっていない。東都研に製造させたウィルス弾頭を自衛隊で製造したものとして警察側(特車二課)に提供した。作戦中は現場の陣頭指揮をとっているが、表向きは、石原はその場にいないことになっている。
予想外の事態にも冷静に対処する有能な指揮官である。一方で、13号をおびき寄せる音波の発生装置を搭載した囮の有人潜水艇「りゅうじん」がトラブルで音波が切れず身動きが取れなくなった際には、潜水艇を攻撃させるなど、目的のためには手段を選ばない冷酷な面も持ち合わせている。

シャフト・エンタープライズ

企画7課

内海(うつみ)
声 - 鈴置洋孝
シャフト・エンタープライズ・ジャパン」企画7課課長。自称「黒の騎士」。左耳の裏にほくろがある。
切れ者であるが、基本的に享楽主義的で、自分の欲求のみに忠実な人物であり、「手段のためなら目的を選ばない」危険な男。しかし外見はへらへらした能天気感覚満載の子供のような男で、別名「悪の植木等」。非合法な活動を行う部署と思われる企画7課を率いて黒いレイバー「グリフォン」設計・建造のリーダーシップをとり、特車二課に度々戦いを挑む。ただし、血や死体を見ることを好まぬ性分でもあることから、殺人や暴力を無差別に行うタイプではなく、直接的な実行はほとんど黒崎ら部下達に任せている。後藤とは敵同士ながらウマが合うらしく、丁々発止のやり取りを繰り広げる。後藤は内海の子供っぽい性格を、内海は後藤が自分と同種の悪党であるとお互いを見抜きあっている。
シャフト・エンタープライズ・ジャパンの社員であるが、漫画版ではイングラムとグリフォンの戦いにおいて、海に脱出したバドの回収や、特殊なレイバーの使用、二課棟への突入部隊の人員手配などに於いて、シャフト・エンタープライズ・チャイナ、コリアなどのジャパン社を含む「シャフト」のアジア太平洋地域を統括する「極東マネージャー」の力を借りることが多いことから、内海は元々「極東マネージャー」配下のエージェントとして非合法的な活動を行っていたのではないかと考えられる。
香港支社時代は、リチャード・王(ウォン)と名乗っていたらしいが詳細は不明。そもそも日本人なのかどうかもはっきりしない。なお、新OVAシリーズではシャフトから逃亡しているが、漫画版では海外逃亡の直前に元シャフト・セキュリティー・システム(通称SSS、シャフト・エンタープライズグループの私兵的警備会社)の男(ジェイク)に刺された。直接的な描写こそないものの、刺された直後でありながら大量の出血をしていたこと、松井が指紋からの身元判明を話していること、熊耳が休職するほどのショックを受けていたことなどから死亡と推測される。作品外ではラジオ「ゆうきまさみ文化学院」のラジオドラマ内で、千川つとむとの会話中「実はさー僕もう死…」と言いかけ、黒崎が大声で誤魔化すシーンがあった。
香港時代の熊耳とはただならぬ関係にあったらしい。漫画版の数コマや小説版で描かれているが、全貌は明らかになっていない。熊耳は「利用されたと確信しているが精神的に断ち切れない」一方、内海は「利用するつもりで近づいたが完全に熱を上げてしまった」ようだ。部下は後述の黒崎の他、青砥、赤石(あかし)、白井、緑川、村崎(紫)とおり、全てに色の名前が付けられているのが特徴。また、緑川、青砥、赤石、白井はアニメ版にも登場する。
黒崎(くろさき)
声 - 土師孝也
内海の懐刀で、ノーフレームの丸眼鏡に切れ長の目が印象的な青年。内海に関わる汚れ仕事を一手に引き受けており、目的のためには手段を選ばぬ現実主義的で冷徹な男である(それゆえ、人畜無害な一般人に偽装したり、バドが拾ってきた犬や猫の里親募集を社内で行ったりということもやった)。漫画版では自分たちの目撃者になったアベックを殺害したり、バドに暴行を加えるなどしている。バドには度々悩まされ、相性は極めて悪い。(心情的には不本意ながら)内海すら裏切ったこともある。内海が不在の間は東京湾に沈んだグリフォンの専用OS「ASURA」回収の陣頭指揮を執り、「廃棄物13号」事件の裏で暗躍。同じく不在であったバドに代わってグリフォンの操縦まで行っていた。ただし、レイバー操縦に関してはバドほどの腕前ではないらしく、野明のイングラム1号機と遭遇するも、戦いを避けて逃走した。
上司である内海に対しては絶対の忠誠を尽くしているが、時にそれ以上の感情を抱いているようなフシもあり、漫画版終盤では拉致した熊耳武緒に対して仕事上の論理を超えた(嫉妬にも近い)嫌悪感をむき出しにしていた。内海を刺したSSSのジェイクをその場で射殺し、以後行方をくらます。
テレビアニメ版では第10、11話および第20、21話で「ファントム」にまつわる事件の黒幕として内海に先がけ登場。当初は黒崎のみが漫画版からのゲスト出演になる予定だったが、TVシリーズの延長が決定したことから、その後のストーリーは漫画版をベースとした「グリフォン」編に突入。黒崎も内海らと共に再登場を果たす。小説版には、名前は不明だが彼らしき風貌の人物が登場する。
バド / バドリナート・ハルチャンド
声 - 合野琢真 / 半場友恵(スーパーロボット大戦Operation Extend)
内海が建造したレイバー「タイプJ9グリフォン」のパイロット。年齢は10-12歳くらい、長髪の黒人少年で、なぜか下手な関西弁で喋る。容姿が整っていることを利用し女装したこともある。[46]内海にオモチャ(グリフォン)を与えられ、ゲーム感覚で特車二課に戦いを挑む。漫画版では人身売買のシンジケート(パレットの裏名簿)から内海が購入したとの疑いが持たれた。
野明のイングラムとの対戦に負けたあと、新OVA版ではインドへ強制送還されているが、漫画版では内海と別れた後、アメリカでブレディ警部に引き取られ養子となった。また、レイバー操縦用の子供として、内海の注文で性格を形成されたことが明らかになっている。漫画後半で「バドはもう用なし」という黒崎の発言を聞いた際には普段の明るさが嘘のように怯えていたため、心の底には「捨てられること」に対する恐怖心がある。

土浦研究所

磯口 豊(いそぐち ゆたか)
漫画版で登場。アニメでは「伊豆内(いずうち)」(声 - 小形満)。シャフト・エンタープライズ・ジャパン土浦研究所開発主任で、眼鏡とひげが特徴。 昭和63年度の城南工大古柳研究室員で帆場、森川らとは同期。内海の依頼でグリフォンを開発した。内海が上層部と決裂した後も、メンテナンスのため最後まで森川と共に企画7課に同行した。モデルはメカデザイナーの出渕裕
森川 政治(もりかわ せいじ)
漫画版で登場。アニメでは「河野森(かわのもり)」(声 - 平田康之)。シャフト・エンタープライズ・ジャパン土浦研究所所属の技術者で、つぶらな目が特徴。かつて古柳研究室で開発していたASURAが日の目を見なかったことに鬱屈しており、グリフォンでその優秀性を証明しようとしている。そのためか、イングラムとの決着にこだわって感情的になる面も見せた。モデルはメカデザイナーの河森正治

役員

徳永(とくなが)
声 - 立木文彦
シャフト・エンタープライズ・ジャパン専務。
内海の上司。漫画版で、内海は徳永の別荘にグリフォンを隠していて直後爆破、その件で警察で参考人として事情聴取を受けるが、その際誘導尋問に引っかかり、本来一般市民が知りえるはずの無いグリフォンの名前を出し、失脚に追い込まれることとなる。その後のはっきりした経緯は不明だが、一連のグリフォン事件の主謀者として立件されることが最終回で描写されている。
会社を喰い物にして現在の地位を確立し、内海ですらかつてはその悪党ぶりを認めていたほどだが、昇進するにつれ保身にやっきになるなど悪党としては精彩を欠きつつあった。結局内海に散々に振り回され、最後は破滅の道を辿ることとなった。ある意味では内海の被害者である。
平光(ひらこう)
声 - 梁田清之
シャフト・エンタープライズ・ジャパン取締役。
徳永とは親友。御子神を使って企画7課の資金の不正運用を調べ上げ、黒崎に敗北宣言を出させ、一度は追い詰めている。後に反撃され逃げられるが、原因は徳永の自滅である。徳永同様中々の悪党だったようで、企画7課の資金の不正運用を調べる際に「年季の違いを見せてやる」と発言している。
篠原重工と同社の新OSであるHOSの業務提携を行う。

シャフト・セキュリティー・システム

部長
徳永より内海の身柄とグリフォンの確保を命じられた指揮官。スキンヘッドで大柄の男。最終的にはグリフォンの確保には失敗し、社長自らの命令から手を引く。しかし、撤収直後に乗車する車輌に内海が爆弾を仕掛け起爆させる。以後作中には登場していないことから、死亡したと見なされる。
アニメ版では爆破そのものが発生しないが、エピソード「グリフォン墜つ」以降、SSS自体がアニメ版に絡まないため登場しない。「大佐」と呼ばれていた。
ジェイク(サメジマ)
一連のグリフォン奪還の、現場指揮を任された男。アニメ版では東京湾でのグリフォン事件までの登場であるが、漫画版では以降も内海をSSSの部下と共に密かに追い続け、海外逃亡直前のところをナイフで不意打ちに刺す。直後、黒崎に顔面を撃たれ死亡。
口数は少ない方で直接的には表さないが、内海や黒崎を少なからず知っており、非常に嫌悪している様子が言葉の端々から伺わせる。このため内海を刺したのも社命ではなく、個人的な復讐であった[47]

査察部

御子神(みこがみ)
漫画版の登場人物であり、シャフト・エンタープライズ・ジャパン査察部長。“蛇みたいな女”と呼ばれる。
査察部の部長職ではあるが、部下に任せず実際の調査作業も行う。(漫画版では企画7課とのオンラインハッキング攻防戦を戦い、寝食を忘れて没頭している)。
このハッキング攻防戦の末、企画7課のコンピューターに保存されていた裏帳簿へは土浦研究所のコンピューターを介してアクセスできることを見抜き、内海の背信行為を暴いた。
平光に肩を叩かれた際はその後で嫌悪の表情と共にハンカチでその部分を拭う描写が見られ、極度の潔癖症であると思われる。

篠原重工

篠原 一馬(しのはら かずま)
篠原重工社長。
遊馬の父だが、遊馬とは犬猿の仲。
漫画版では篠原製作所時代から多額の政治献金を行っていた疑いがもたれている。イングラムの警察導入時にも政治家に対し、贈賄を行った疑いがもたれている。
小説版では、38歳で篠原重工の社長に就任し、多くの企業買収でレイバー産業に参入したと説明されている。
篠原 一驥(しのはら かずき)
小説版にて説明。篠原一馬の長男にして遊馬の兄。篠原重工中央研究所に勤務。
1995年11月、25歳にして交通事故で死亡[48]
稲田 さおり(いなだ さおり)
小説版にて登場。
一驥の許婚で、赤城銀行の副頭取の娘。
一驥との婚約は篠原一馬による政略的なものとされている。
篠原 雄高(しのはら ゆたか)
小説版にて説明。遊馬の祖父。1945年に「篠原重工」の起源である「篠原鉄工所」を設立する。その後、1957年に「篠原自動車部品」に改称、60年代前半に工場を三つにして「篠原製作所」に改称。1980年、息子である一馬が社長に就任すると同時に「篠原重工」となると、会長として第一線から身を引く。
息子の一馬とは確執があり、どこか彼の面影が感じられる初孫・一驥にも思うところがあったせいか、遊馬のことは篠原重工を継いでほしいと願うほど溺愛してる[49]
一線にいた頃は非常に激しい気性の人物であったとされるが、遊馬に対しては至って優しい好々爺であった。
実山 剛(じつやま つよし)
声:辻村真人
篠原重工常務、八王子工場長。
遊馬を育てた人物。遊馬に対しては敬称づけで呼ぶなど終始大人しい物腰で接しているが、事実上の育ての親であるため遊馬は「じっちゃん」と呼んでおり、実の親子のように打ち解けた間柄。当然、一馬とも古い付き合いである。真面目で会社を大切にする昔気質の技術者であると同時に情にも篤い好人物。そのためか、実家の不正を追及しようとする遊馬との間で苦しんでいることもある。
作者のゆうきのコメントでは、大坂志郎をモデルにしているとのこと。
実山 高志(じつやま たかし)
篠原重工の社員(主任)。「じっちゃん」こと実山剛の息子で、「高志さん」の愛称で遊馬に呼ばれている。
大学時代は落研に入っていた。
漫画版では、開発した廉価版(エコノミー)やAVRをグリフォンに倒されている。
父と同じくエンジニアとしての気概は強く、一方で新システムHOSを熱心に売り込む宇垣専務との関係はあまり良くなさそう。
帆場 暎一(ほば えいいち)
篠原重工のプログラマー。同社の社運を賭けた新システムHOSの開発者。
劇場版1ではHOSにコンピュータウィルスを仕掛けた後、方舟より投身自殺した。その直前、カラスを空に放ったときカラスの足が一瞬光る描写が有り、クライマックスへの重要な伏線になっている。映像中では敢えて帆場の容姿をはっきりとは描かず、ほとんど後姿と口元しか画面に映らないが、実はちゃんとした設定画が存在する。犯行を計画、実行に移した動機は最後まで明かされなかった。
漫画版ではソフトウェア部門の部長。古柳教室の異端児と呼ばれ、ソフトウェアの力でハードウェアの力を最大限に引き出す、ということをモットーに研究していたらしい。こちらは事件とは無関係で2000年以降も存命。精力的に開発に従事しており、全身が描かれている。
名前は「E.HOBA」=「エホバ」から。もともとエホバは間違った呼び方で、本来はヤハウェと呼ぶのが正しいということが作中で後藤の口から語られている。
宇垣(うがき)
漫画版に登場。自社のM&Aを主導し篠原重工への売却と同時に同社の取締役に就任している。売却した会社は、SHNTECとしてHOSの開発を行っており、今も実権を握っているようだ。職人気質の実山高志が辟易するほどの商魂たくましさで、シャフトの劉極東マネージャーに新システムHOSを売り込み、シャフト・エンタープライズ・ジャパンの平光専務と事業提携を推進した。かなりのやり手である。

四菱グループ

藤倉 征四郎(ふじくら せいしろう)
四菱グループ会長。
漫画版に登場。自ら「人種差別主義者」と呼ぶほど外国人労働者を嫌っている労働鎖国主義者だが、日本人なら優遇するという訳ではなく合理化主義を推し進め、現場や下請けを圧迫している。年明け早々からレイバーをフル稼働させるような指示を出すなど、遊馬からは「特車二課じゃあるまいし」と批判されている。
非常に感情的な人物であり、労働者を説得する時に逆に悪口雑言を投げつけたり、いずも2号を盗んだ犯人の寒川に暴力をふるったりしている。後藤曰く「根がものすごく正直な人」。
「いずも計画」を推進する「レイバー産業振興協会」の会長も務めていたが、いずも2号の盗難事件を受け、協会会長を引責辞任した。その後会長職を引き継いだのは篠原一馬である。また、「週刊パトス」の記者の梶川に、これ以上篠原重工と政界との癒着疑惑の深追いをしないように忠告もしており、この忠告の後、梶川は疑惑追及をやめている。
モハメッド・アドルース
漫画版に登場。四菱グループの留学生で優秀な技術者。「いずも計画」にも参画するほどの有能な技術者で、日本語も流暢に話す。しかし藤倉会長の意向の元、しばらく「いずも計画」から外れ、工事現場での整備責任者をしていた。いずも2号の盗難事件で藤倉の偏見により犯人と疑われるが、事件後はいずも計画の設計室に復帰した。
寒川(さむかわ)
漫画版に登場。モハメッドの元同僚。「いずも計画」で設計を担当している。実家は四菱グループの下請けで部品製造工場を営んでいたが、藤倉会長の超合理化方針の影響で倒産している。その復讐のために新型レイバーの「いずも2号」を盗み出し、それをネタに藤倉会長を脅迫した。
古柳(ふるやなぎ)
漫画版に登場。四菱重工の技術顧問。かつては城南工大研究室にて「多足歩行の制御」研究をしており、その研究からレイバーシステムが生み出された。バビロン工区で後藤にASURAシステムの存在を伝えた。
グリフォンの動きを「美しい」と評したが、最終巻ではそのためのASURAシステムが機体に無理を強いたことをテレビでコメントしていた。

東都生物工学研究所

栗栖敏郎(くりす としろう)
声 - 穂積隆信
東都生物工学研究所(劇場版では東都生物医学研究所)所長。
漫画版および劇場版3に登場。廃棄物13号の開発を進める中心人物。漫画版では、西脇主任の暴走を知り心労で倒れてしまった。一方で、劇場版では自衛隊の石原一佐より引退を宣告された。
西脇冴子(にしわき さえこ)
声 - 田中敦子
東都生物工学研究所主任研究員。
ニシワキ・セルを発見した西脇順一博士の娘。漫画版および劇場版3に登場。劇場版では、同じ研究室の岬晃一と結婚しており、名前は岬冴子となっている。廃棄物シリーズの研究の功績が、元々は父・順一のものであることから、生き延びた廃棄物13号に強いこだわりを持ち、その命を助けようと奮闘するが、漫画版ではケガが原因で記憶喪失となり、しばらく後に失踪。劇場版では廃棄物13号が退治される際に投身自殺をする。
宮ノ森静夫(みやのもり しずお)
声 - 拡森信吾
東都生物工学研究所研究員。
漫画版および劇場版3に登場。漫画版では、特車二課に匿名で忠告の電話をかけるなど、比較的協力的な姿勢を見せる。
西脇順一(にしわき じゅんいち)
元東都生物工学研究所第一研究室室長。
冴子の父。廃棄物シリーズの基礎となるニシワキ・セルを発見する。漫画版および劇場版3において言及される。漫画版では癌による病死、劇場版では事故死をしたとされている。

報道関係者

桜山 桃子(さくらやま ももこ)
声 - 林原めぐみ
テレビアニメ版、新OVA版に登場。TV局の突撃レポーター。どんな困難でも物ともせず、自分のレポートを貫くが、周りの状況はあまりよく考えないで行動する。テレビアニメ版第6話のゲストキャラとして初登場して以降、34話、40話、43話と度々登場し、その個性的な活躍がクローズアップされた。また、声優は異なるがテレビアニメ版15話、劇場版3にもワンカット登場している。
梶川 誠(かじかわ まこと)
漫画版に登場。週刊パトスの記者。篠原重工社長篠原一馬と武石元通産大臣の繋がりを洗い出す。
音喜多 弘市(おときた こういち)
漫画版に登場。TTV"ニュースチェイス"担当ディレクター。内海により情報を得、グリフォンに関する取材を開始する。グリフォンによる特車二課襲撃を生中継する。
ろくちゃん
テレビカメラマン。名前は明らかにされていないが、漫画や劇場版などあらゆるところに顔を出している。音喜多とも行動を共にする。イングラム1号機とグリフォンの初対戦の際に太田に取り押さえられている。

芸能関係者

松本 加奈(まつもと かな)
声 - かないみか
テレビアニメ版に登場。国民的なアイドルで警察のキャンペーンのために特車二課に一時入隊し、レイバーの操縦の講習を受けることになる。
自分をボクと呼ぶいわゆる僕っ娘で天真爛漫かつ無邪気な性格だが、初搭乗した一号機をいきなり転倒させる[50]など周囲をヒヤヒヤさせる行為も多く、特に彼女の世話役になった野明は前述の転倒のこともあり迷惑がっていた。
操縦のセンス自体は決して悪くなく、一号機転倒の時もとっさに防御行動に移るなど香貫花にはそのセンスを認められており、自分と間違えられて誘拐された野明を救出する際には、一号機を操って主犯を捕まえている。
太田及び整備班の面々が大ファンのアイドルでもあり、彼女が特車二課に来た時には整備班は見事な連携で、太田は花束とハチマキを巻いて出迎えていた。
当の本人は一号機を転倒させたことに関して、自分を毅然と諌めた野明に対して強い好意を抱き、それを憚ることなく『愛』と明言しており、同時に他者間の『愛』に関しても意外と鋭いところを見せた。
伏木 渡(ふせぎ わたる)
漫画版11巻に登場。野明がファンのロックシンガー。部屋にもポスターを貼っている。「TOKYOシティコップ」2時間スペシャルにゲスト遠山次郎役で出演している。その撮影現場で、警備に来ていた野明に一声かけ、野明を喜ばせた。
成瀬 了(なるせ りょう)
漫画版11巻に登場。モデル上がりの俳優で人気ドラマ「TOKYOシティコップ」の主演を務める。恰好付けの癖に危険なシーンはスタント任せにしようするなど我侭で、なおかつ常に一言多く、周りを不機嫌にさせることも多い。俳優としては監督からも匙を投げられるほどの大根だが、世間の人気は高く福島課長の2人の娘も彼のファンである。ドラマの撮影のためにレイバーの免許を取得するが、彼に恨みを持っていた仁藤の策略でドラマの撮影現場で乗っていたレイバーが暴走し、特車二課に助けられる。プロフイール上は東京出身だが実は山形の出身で、子供の頃はかなりのいじめっ子だった。
矢作 誠吾(やはぎ せいご)
漫画版11巻に登場。俳優。「TOKYOシティコップ」の長部茂(通称シゲさん)役。熊耳武緒は彼のファンであり、太田は「シゲさん」を警官の鑑として尊敬している。私生活では、逃げられた奥さんが最近戻ってきたらしい。
高辺 正典(たかなべ まさのり)
漫画版11巻に登場。俳優。あだ名は「ポチ」。「TOKYOシティコップ」の久保田進役。野明にとって、ドラマの中では一番のお気に入りの俳優。
森村 聡子(もりむら さとこ)
漫画版11巻に登場。俳優。「TOKYOシティコップ」の浅井弘絵役。遊馬のごひいきである。
黒沢 要次郎(くろさわ ようじろう)
漫画版11巻に登場。俳優。「TOKYOシティコップ」の大賀係長役。野明からは後藤と比べて階級が同じ位なのに貫禄がありすぎると言われている。
仁藤(にとう)
漫画版11巻に登場。「TOKYOシティコップ」のセカンド助監督。同業者には「カズ」と呼ばれている。成瀬とは同郷で、幼少の頃に成瀬にいじめられていた(+当時好きだった女の子を取られた)ことに対する復讐のために、レイバーを暴走させるOSを手に入れる。本人はあくまで了に泣きを入れさせる程度の気持ちだったため、ロケ地である揚水実験場を狙ったテロの共犯かと言われた際には暴露している。
蒲原 渉平(かんばら しゅうへい)
漫画版11巻に登場。黒沢プロ所属のプロデューサーで「TOKYOシティコップ」担当。冗談を言うも、後藤に思いっきり受け流される。

アメリカ合衆国

マイヤー
漫画版でのアメリカ合衆国大統領。通称「外圧魔王」。訪日し、第二小隊も警護にあたったが、実は影武者だった。訪日した際の会談相手は山田首相であった。
バッケンジー
漫画版の"廃棄物13号編"に登場するアメリカ軍人。階級は大佐
劇場版3にもこのキャラクターを基にした「大佐」なる人物が登場するが、片目を覆ったアイパッチ仕様の眼鏡をかけ、漫画版よりも幾分初老の姿で、セリフは無く冷酷で無慈悲な存在として描かれている。これと比べて漫画版の大佐は「単刀直入」を「短刀を直輸入」と間違えて話すなど、どこか愛嬌のある人物として描かれている。
マーク・フォレスト
漫画版に登場。アメリカ軍人で階級は軍曹。陸上自衛隊との極秘演習中にEX-13(2号機)を操縦していたがグリフォンによって倒される。
トム
漫画版に登場。アメリカ軍人。極秘演習中にEX-13(1号機)に搭乗していたが、マークとともにグリフォンによって倒される。
ブレディ警部
漫画版に登場。香貫花・クランシーと共に来日したニューヨーク市警のベテラン刑事。子沢山らしく、香貫花が帰国後に特車二課に送った手紙の中には、彼がバドを養子にして育てると書かれていた。

テロリスト

伊藤 イネ(いとう イネ)
声 - 太田淑子
初期OVA第2話に登場。「仕掛けのイネ」の異名を持つ72歳の老婆。爆発物取締法違反などで国際手配中。前科22犯。
ニューヨーク市長来日を狙い、東京都庁前の中央公園に警視庁の移動指揮車に偽装した時限式ランチャーを設置する。篠原が一度顔を合わせているが、手配書に目を通していなかったばかりに見逃してしまう。
森友 雄一(もりとも ゆういち)
声 - 千葉繁
初期OVA第7話に登場。環境テロ組織「海の家」のシンパ「地球防衛隊独立愚連隊」の構成員で、コードネームは「南海の怒り」。SEEが密輸したTYPE-7「ブロッケン」を奪取し、第3国へ送ろうとした。
浅沼(あさぬま)
声 - 辻谷耕史
初期OVA第7話に登場。森友の同志でタイプ7を乗せたトレーラーの運転手。用を足しにガソリンスタンドに寄った際、何者かにトレーラーを奪われる。直後、通りがかった警察官が事情を聴こうとした際に逃走しようとしたため取り押さえられる。
犬走 一直(いぬばしり いっちょく)
声 - 佐藤政道
テレビアニメ版に登場。テロ組織「海の家」の構成員で、前科数犯の強者。無計画な行動が多いが、手錬れの公安官を軽くいなすほどの凄腕を誇る。酒田港に密かに入港したソ連製軍用レイバーXR-99を奪取しようとするが不運にもソビエト軍人の亡命とタイミングが重なり、負傷して失敗。XR-99を駆ってソビエト軍人への報復に打って出る。激戦の末に隙を突いて勝利するも共闘する格好となった野明の搭乗する1号機の隣にいたがために逮捕されるという、不運に不運が重なったかのような結末を迎える。のち、同志である猿滑の手によって保釈された。
猫渡 銀二(ねこわたり ぎんじ)
声 - 吉村よう
テレビアニメ版に登場。犬走と同郷の出身で、逮捕された犬走の釈放及び2人一緒にハワイに高飛びすることを望んで離陸前にハイジャック事件を起こす[51]が、たまたま隣席に同乗していた香貫花の活躍で失敗に終わり、犬走と一緒にハワイに行くことを諦め切れないまま御用となる。気弱だが仁義に篤く、素人ながら猫のような身のこなしと意外に強い腕っぷしで立ち回る。また、細目であるせいか目つき自体も鋭い。その後、犬走と同時に猿滑の手によって保釈された。
猿滑 三吉(さるすべり さんきち)
声 - 土師孝也
テレビアニメ版に登場。多くのテロリストのシンパを務める知能犯。1996年に犬走と共に霞ヶ関ビル爆破予告事件を起こしたが、時限装置の不具合で失敗する。その後、逮捕された犬走や猫渡の保釈に協力し、レイバーを使ったキャッシュディスペンサー強盗を3人で繰り返した。哲学書を好み、先人の名言を引用する癖がある。そして3年前のリベンジとばかりに再び霞ヶ関ビルに狙いを定めるも、因縁の相手である後藤に裏をかかれ犯行は失敗に終わる。最後は何とか逃走に成功し、犬走と猫渡に別れを告げ、姿を消した。

その他

平田(ひらた)
声 - 小川真司
初期OVA第3話に登場。平田生物工学研究所所長で、右目に眼帯をしているマッドサイエンティスト。
パンスペルミア説に着目し、大好きなしめサバ定食を我慢し、婚期を逸しつつ研究に没頭する。10年の歳月をかけた研究の結果、4億5千万年前の地層で発見された炭素質コンドライトの中に生きた有機物を発見、最終的にその説を実証する。しかし、隕石に付着した有機物を進化させ続けて結果、進化することを学習してしまったそれに恐怖を抱き、東京湾に捨ててしまう。
右目に眼帯をしているが、有機物を顕微鏡で観察する際に眼帯を外すシーンがあり、そのシーンをコマ送りすると右目が開いているのが分かる。
後藤 真帆子(ごとう まほこ)
声 - 兵藤まこ
初期OVA第4話および小説版に登場。後藤の姪で、養成学校での幽霊騒ぎに協力し、死亡した少女を演じる。
オッチャン(姓名設定なし)
声 - 吉村よう
初期OVA第7話に登場。季節労働者。新潟に向かうため、森友・浅沼の乗るトレーラーを盗み出す。
土方、島崎(正式な姓名設定なし)
声 - 設定なし(セリフ無)
テレビアニメ第38話の終盤に東京湾埋立地で働く季節労働者としてワンカットのみ登場。ランニングシャツに首からタオル掛けをしており、正面中央に春風組(春風高校土木研究会)を表す「春」と書かれた作業ヘルメットを被っている。両名ともゆうきまさみ作品である「究極超人あ〜る」からのモブキャラクター

脚注

  1. ^ 漫画版では、正確な志望動機は「いずれ作者が書く」と後藤が言及していたが、語られることなく謎のまま
  2. ^ 漫画版では正規の警察学校ではなく、早稲田にある警視庁予備校に通っている(遊馬も別の警視庁予備校に通っている)、その後、後藤の「名刺の裏」計画で特機研修校へ転校となるため、彼女は正規の警察官教育を受けていないことになる。同様に進士・山崎も別の警視庁予備校から後藤が引き抜いているため、第二小隊で正規の警察教育を受けているのは、他部署から第二小隊に異動してきた太田と熊耳の2人のみである。そのためか、漫画版初期の太田は野明たち予備校出身組を「この予備校上がりが」と半ば馬鹿にしている言動が目立つ。
  3. ^ この頃から既に後藤にはその才を見込まれていた。このため自分に「働きどころを与えた」後藤を尊敬する人物のひとりに挙げている。
  4. ^ 実際、このような設定に基づく全編描き下しのセルイラスト集とイメージCDアルバムが発売された。
  5. ^ a b c d e f 押井守. THE NEXT GENERATION パトレイバー「エピソード0 栄光の特車二課」 (日本語). 東北新社.
  6. ^ 究極超人あ~るのR.田中一郎との共通点。後藤がRと入れ替わるコマもある
  7. ^ 第18話 パレットのカタログで見たバドのことが頭を離れず隊長室前をウロウロする野明に「一人では背負いきれないから警察官全員で背負う」、「警察官は風邪薬で予防は出来ない。だから出番はいつも手遅れになってからだ」、「子供の運命に一番責任を感じているのは専従捜査員なんじゃないか」と説き伏せた後、滅多に疲れたと言わない後藤がハンガーから戻った南雲に「疲れちゃって疲れちゃって」とボヤき机に突っ伏している
  8. ^ 第12話 無人式の爆弾レイバーを止めた太田が爆破に巻き込まれて脳しんとうを起こした後、太田が「自分はもう平気であります」と言ったのに対して、後藤は「行け。」、「俺は部下の二階級特進など納得せんからな。」と医者に行かせた。
  9. ^ 「吸う」のは隊舎廊下の喫煙所か窓辺を利用するが、「くわえる」のはどこでも。
  10. ^ 第5話 野明の成人式にて
  11. ^ “閑話休題”完結編 幽霊にビビった熊耳が後藤に抱きついた際「この辺なら赤坂プリンスかな」
  12. ^ 第19話 野明が香水の匂いで熊耳のものだと指摘した後
  13. ^ 第16話 柔道場で「青春」する遊馬と太田を眺め。榊から「言ってて恥ずかしくないのか」とツッコまれている。
  14. ^ ただし、釣りやゴルフは上司への接待で身についたものともとれる。
  15. ^ 第14話で「篠原重工汚職疑惑」が連載された「週刊パトス」は掲載以前から後藤が愛読している。
  16. ^ 主に競馬欄を見ていることが多いが細かい記事もチェックしている
  17. ^ 第一話 他にもあり
  18. ^ 後藤のキャラクターデザインの経緯については、ゆうきまさみの公式ホームページにおいて語られており、それによると、本作の企画段階で、隊長の初期キャラクターデザインを監督の押井守と脚本の伊藤和典にダメ出しされた時に、最初に浮かんだイメージが岡本喜八の映画『殺人狂時代』の主人公「桔梗信治」(「表向きはだらしなくとぼけている」+「実は不気味にかっこいい」という雰囲気のキャラクター)だったという。さらに、後藤が警察官ということで、黒澤明の『天国と地獄』に登場した戸倉警部の風貌に先述の「桔梗信治」の性格を乗せた感じの絵を描いてみたところ、OKが出たという。つまり、後藤のキャラクターは、戸倉警部の風貌+だらしなさそうで不気味にかっこいい「桔梗信治」の性格というイメージを合成したもので、後藤のモデルは、その両者を演じた仲代達矢である。初期の名台詞「みんなでしあわせになろうよ」は、映画版『熱海殺人事件』で仲代が演じた役の台詞。水虫持ちである設定は前述の「桔梗信治」と共通している。また、一見呆とした雰囲気には、ゆうきの作品『究極超人あ〜る』のR・田中一郎の要素が加わっている(Rが隊長と間違えて登場するひとコマが漫画版にある)。ただし、押井守が監督を務めイニシアティブをとった劇場版などの諸作品に関しては、ゆうきらの込めた思惑やニュアンスとは別に、押井自らの姿を投影した代弁者ともいうべき要素が大きく、押井自身もそれを認めている。そのエッセンスはのちに執筆された『BLOOD THE LAST VAMPIRE〜獣たちの夜〜』に登場する自称刑事の「後藤田」なるキャラクターへと連なる。
  19. ^ 小説版では後藤は妻と死別している。
  20. ^ なおOVA版6話で松井に連絡を取る際に、後藤田の偽名を使用していた
  21. ^ 一方で、シリーズを録り進めて行く過程で、作画や演出上の後藤の演技から大林が学ぶことも多く、相互に影響を与えつつ、アニメの後藤像が形作られていったという。ゆうきまさみ曰く、「あこがれのオジさんを描くスタンス」で描かれた(ゆうきまさみのはしたないものがたり完結編より)
  22. ^ ゆうきまさみによると最もマンガ的に描けるキャラだったので終始動かすのは楽だったとコメントしている。
  23. ^ 漫画版では、弾頭は2発存在、成功させたのは主人公の泉野明であり、太田の弾丸は勢い余って弾丸が貫通し失敗している。
  24. ^ 小説版『TOKYO WAR』では地元で役所勤め。また、小説版『ブラック・ジャック(前編)』では総合商社に勤務。
  25. ^ 因みに、現実における警視庁総務部に総務課なる課は存在せず、架空の部署である。
  26. ^ ドーファンにも搭乗できない。
  27. ^ 通常なら腹這いで撃たなければならない様な強力な反動があるライフルすら立射できる。リボルバーカノンさえも撃つことができる。
  28. ^ クジラなど海洋生物にも詳しい。
  29. ^ 折り合いはあまり良くなかった。
  30. ^ 連載終了後のゆうきのコメントでは、進士と同じくもっと出番を増やしてあげればよかったと述べている
  31. ^ 第一小隊長は引き続き兼務しておりそのまま小隊長室で執務していたが、警視庁の政治的策謀である、陸上自衛隊練馬駐屯地への、自衛隊を刺激しかねない警備出動を巡って後藤と揉めた際は、課長室に移動している
  32. ^ ただし車種は架空であり、実際の世界では、その後、ブランド名は消滅している。
  33. ^ これに関しては南雲役を演じた榊原良子は「なぜ後藤は南雲を好きなのかを考えて役作りをした」とコメントしている
  34. ^ 米軍基地の敷地内に留まっていた(後藤田との会話はフェンス越しに行われた)ため、記録上は帰国したことになっていない。
  35. ^ 劇場版2では一時的に戦線復帰した榊に班長帽を譲渡している
  36. ^ なお、この漢字表記は、PSP版『かむばっくミニパト』にも表記されている
  37. ^ 帰国前に国際電話で後藤には報告しており、調査のモチベーション維持のためとは言え、この事を知らされなかった遊馬は「呪ってやるーっ!」と絶叫した。
  38. ^ 実写版長編のパンフレットなどに記載
  39. ^ 初期OVA版とテレビアニメ版の両方に登場する特車二課関係者のうち、唯一両者間の声優が異なる。
  40. ^ 漫画版では毎週決まった曜日に顔を出しているが、第二小隊員からの印象は極めて薄い。
  41. ^ 小説版によると、どうやら更迭されたらしい。
  42. ^ 映画『天国と地獄』にちなんで、後藤が仲代達矢をモデルにしたのに対し、甲斐は山崎努をモデルにしている
  43. ^ 映画『けんかえれじい』に登場する北一輝(緑川宏)も甲斐のモデルとなっている。そのため、「二課の一番長い日(前編)」の最後は、『けんかえれじい』のオマージュとなっている。
  44. ^ 映像芸術研究会に所属していた当時は一橋大学の学生だった。映画制作当時は防衛大学校助教授(『アニメージュ』1993年8月号「防衛大助教授の現職自衛官が語る「PKOと押井さんのこと」」)。
  45. ^ もっとも奢ったのは立ち食いソバで、しかも狭い店にぎゅうぎゅう詰めだったので「小学生の歓心を買うことすら難しい」と後藤に評された。
  46. ^ TVアニメ版 第35話「グリフォン堕つ!」より
  47. ^ 連載終了後のゆうきのコメントでは「内海に散々コケにされて、黙ってはいられなかった」と動機が述べられている。
  48. ^ 父からの転属命令を嫌がっての自殺とも言われている。この点は父・一馬もかなり気にしているらしく、小説版で遊馬に偶然指摘された際に思わず激高して彼を殴打してしまい(一馬自身も予想だにしていなかったらしく、遊馬を殴ってしまった自分に対して強いショックを受けたことが地の分で示唆されている)、両者の確執を決定的にする原因にもなった。遊馬と再会した際に再度指摘された際も一瞬動揺していたことから、未だに引き摺っていることが伺える。
  49. ^ そのため、遊馬から警察官になる旨を報告された際はかなり複雑な表情になった。
  50. ^ ただし、計器操作時の不慮のミスで「機械誘導を使用しないでレイバーをキャリアに乗せる」という、ベテラン操縦者でもかなり困難とされる行為になってしまったが故の偶然の結果である。
  51. ^ 機長は離陸前の犯行に不満を漏らしたが、これは当人が高所を苦手としているため。

関連項目