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恵泉女学園大学

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恵泉女学園大学
大学設置 1988年
創立 1929年
学校種別 私立
設置者 学校法人恵泉女学園
本部所在地 東京都多摩市南野2-10-1
学部 人文学部人間社会学部
研究科 人文学研究科平和学研究科
ウェブサイト http://www.keisen.ac.jp/
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恵泉女学園大学(けいせんじょがくえんだいがく、英語: Keisen University)は、東京都多摩市南野2-10-1に本部を置く日本私立大学1929年創立、1988年大学設置。

創設者は河井道リベラルアーツ(教養教育)主義の大学であるが、現代社会と密接に結び付いた実践的で広い視野からの教育に定評がある。また、少人数教育や教員と学生の距離が近いことなどから、入学した学生が伸びる大学として知られている[1]

建学の精神や理念を生かし、重要な社会問題に学長が先頭に立って意思表示ができる日本で唯一の大学である。例えば、安保関連法に関しては、法案に反対するアピールを2015年7月28日に、また法制定後の10月8日には「安保関連法の廃止を求める恵泉からのアピール」を学長および教職員有志として発表した。[2]

恵泉女学園園芸短期大学2005年廃止になった。)

建学の精神

3つの柱「聖書」「国際」「園芸」が建学の精神であり、それぞれ創立者である河井道の以下の言葉で、その内容が説明されている。

  • 聖書:自己を尊重し、人種や階級に関わりなく他人を尊重すること
  • 国際:日本女性が世界を知り、偏見をなくし、それに対峙すること
  • 園芸:自然を慈しみ、生命を尊び、人間の基本的なあり方を学ぶこと[3]

大学の教育理念

「自立した女性を育てる」:

<恵泉女学園大学が目指す3つの自立>

1) 精神的自立(価値観・世界観):「イエスとノーをはっきり言える人間に」と説いた河井道の教えを源とする価値観や世界観をもつことで可能となる自立

2) 孤立ではない自立(協調性・社会性):人間性の根幹に触れるキリスト教教育、広く多元的な視野をもった国際教育、人間関係形成にも重点を置いた園芸教育、さらにこれを生かした体験学習を通して培われる自立

3) 経済的自立(就業意識・キャリアデザイン):社会人になるための自覚や就業意識の教育を通して、知識、教養、技術を一人の社会人として身に着ける自立

<5つの特徴>

1) 伝統ある女性教育、2) 手厚い就職支援、3) 一人ひとりを大切に、4) 豊富な実体験学習、5) 「いのち」を育む教育

<参考:初代学長の村井資長が、河井道の教えから掲げた言葉>

  • 考える大学:学問の出発は、考えること、疑問を持つこと、批判することにあるとして、真剣に自分で考え活発に討議しあう、考える大学
  • 平和を目指す女性の大学:平和と共存を担うものとして、社会で活躍する女性を育てる大学
  • 地球大学:地球規模でものを考え、欧米やアジアに焦点をあわせた文化・語学を学べる大学

大学の特色

⇒体験学習の総プログラム数:110(国内プログラム:67カ所、海外プログラム:43カ所)、総参加学生数:1035名(2014年度実績)

  • 「生活園芸」を中心とする園芸科目では、学生がキャンパスに隣接した広大な農場で無農薬・化学肥料を使わない有機園芸を体験する。

⇒12種類の野菜や花を栽培する教育農場の広さは7,000平方メートルで、教育機関としては日本で初めて、有機JAS認証(有機農業であることを証明する国の基準認定)を取得し、定期的に厳しい検査をクリアしている。(「生活園芸」は、文部科学省の2007年度「特色ある大学教育支援プログラム」に選ばれた。)

  • 就職に関しては、正課授業(キャリアデザイン、就業力基礎、起業論、インターンシップ、ビジネスマナーなど)とキャリアセンターによる支援(就職進路ガイダンス、学内合同企業説明会、社会人マナー講座など)が丁寧にかつきめ細かく行われ、就職決定率は91%である。(2014年実績)(2013年には「就職に力を入れている女子大学」全国6位にランクされている[4]。)
  • イスラムや仏教などとの宗教間対話や普遍的な人間性の教育に力を入れる一方、学内にはチャペルキリスト教センターがあり、聖歌隊などの活動が活発である。いわゆるミッションスクールではなく、信仰や毎日学内で実施される礼拝への出席を強制されることはない。
  • 学生による自治制度もしっかりしており、学生自治会にあたる信和会が活発に活動している。また、秋の学園祭に当たる恵泉祭は、学生が中心となる恵泉祭実行委員会中心で企画運営されている。
  • 敷地内にはさまざまな花壇が設けられ、一年を通して色とりどりの花々が咲き乱れる。キャンパス内にあるハーブガーデンでは、35種類のハーブが楽しめる他、前庭花壇、ウッドランドガーデン、三日月花壇、キッチンガーデン、ロックガーデン、シェードガーデンなどがあり、草花の苗を育てるガラス室がある。
  • レンガ色の校舎と色とりどりの花が咲き乱れる美しいキャンパスは、「公共の色彩賞-環境色彩10選」[5]に1989年選定され、こうした点から、テレビや映画のロケ地として数多く使用されている。

沿革

  • 1929年4月10日 - 恵泉女学園を東京都新宿区神楽坂にて創立
  • 1950年4月1日 - 恵泉女学園短期大学(英文科・園芸科)を東京都世田谷区に開学
  • 1987年12月23日 - 大学設置認可を取得
  • 1989年4月1日 - 教育課程(国語・英語)を新設
  • 1990年4月1日 - 日本語教員養成課程を新設
  • 1992年4月1日 - 国際交流プログラムを開始
  • 1995年4月1日 - 日本語教員養成課程(主専攻)を新設
  • 1997年4月1日 - 平和文化研究所を開所
  • 1997年5月12日 - 多摩キャンパス、情報・園芸・研究棟を起工
  • 1998年4月1日 - 国際社会文化学科開設
  • 1999年4月1日 - 短期フィールドスタディ(FS)始まる
  • 2000年4月1日 - 長期フィールド・スタディ(FS)始まる
  • 2001年4月1日 - 人間環境学科・大学院(人文学研究科)開設
  • 2002年3月8日 - 大学基準協会による相互評価を受け、適合認定を取得
  • 2003年4月1日 - 園芸文化研究所開所
  • 2005年4月1日 - 人間社会学部を開設、2学部5学科でスタート:人文学部日本語日本文化学科英語コミュニケーション学科文化学科)と人間社会学部国際社会学科人間環境学科
  • 2005年4月1日 - コミュニティ・サービス・ラーニング(CSL)始まる
  • 2006年8月4日 - 「専門性をもった教養教育としての体験学習」が特色GPに採択される
  • 2007年4月1日 - 大学院に人間社会学研究科開設
  • 2007年8月6日 - 「教養教育としての生活園芸」が特色GPに採択される
  • 2009年4月1日 - 大学院人間社会研究科を廃止し、平和学研究科を開設、同研究科は日本で初めて「平和学」で修士号を取れる大学院となる
  • 2013年4月1日 - 人間社会学部社会園芸学科を開設、人文学部文化学科を歴史文化学科へ名称変更
  • 2014年4月1日 - 人間社会学部人間環境学科を現代社会学科へ名称変更

学部

<各学科の教員が担当する体験学習プログラム>

大学院

<大学院進学の特徴>

専門の学びを深めるようとする学生、卒業生、社会人に対し、人文学研究科(文化共生専攻)と平和学研究科(平和学専攻)の2つの研究科が設けられており、進学に関しては以下の特徴がある。

  • 小論文で受験が可能である:筆記試験は、英語か小論文の選択制だが、希望者は両方を受験することができる。
  • 長期履修制度がある:通常2年のコースに従って学費納入の義務があるが、3年修了・4年修了を希望すれば、学費をその期間に分けて納入することができる。
  • 大学卒業資格がなくとも入学できる道がある:大学卒相当の実社会経験を審査し、パスすれば、受験が認められる。
  • 奨学金返済免除制度がある:学園が貸与する奨学金に関しては、卒業後、社会福祉団体、NGO・NPO、国際協力機関などに就職した場合、一部あるいは全額を免除することがある。

<各研究科の特徴>

  • 人文学研究科:日本語教員養成のスキルアップと日本文化へのより深い理解を図る「日本語教育」科目群とグローバル化とともに必要性が高まる異文化間の交流や摩擦に理解を深める「文化交流論」科目群で構成されている。国語の一種免許状の保持者は、この研究科で中学・高校の専修免許状を取得することができる。
  • 平和学研究科:民主主義の崩壊、対テロ戦争の拡大、地球環境の悪化、経済格差や雇用不安、差別や人権侵害、宗教的・文化的不寛容など現代社会が抱える不安や矛盾を総合的に分析し、実践的な解決手段を探る研究を行う。日本で初めて「平和学」の修士号が取得できるようになった大学院として注目されており、人権、開発・貧困、環境、核問題、公共政策などを広い視野から学ぶことができる。

対外関係

主要な教員・卒業生

(創設者)

(学長)

(専任教員)( )内は主要担当科目 <人文学部>

<人間社会学部>

(主な非常勤教員)

(卒業生)

(名誉教授)

学生生活・行事

<年間行事>

<クラブ・サークル>

  • 48団体

ソフトボール部、スキー部、バドミントン部、軽音部、茶道部、華道部、能楽部、園芸部、チアリーディング部、硬式テニス部、ジャズダンスSylphy、ユースホステル部、ECO多摩部、天文部、Amigas del Charango、恵話会、シェアリング部、ポニーボランティアTails、芸術創作部夢追人、IBM(イラスト・文章・マンガ)、留学生会など

資格・検定支援

<取得可能な資格>

<取得支援している資格>

<各種検定支援>

地域貢献

併設施設

  • 恵泉女学園中学・高等学校:
  • 恵泉蓼科ガーデン:
  • 恵泉園芸センター:恵泉女学園が運営するフラワーショップとフラワースクール
  • 恵泉花と平和のミュージアム:

テレビドラマ・映画などでのロケの使用

関連項目

外部リンク

  1. ^ 「入学後、生徒を伸ばしてくれる女子大学」全国第3位:『大学探しランキングブック2015』
  2. ^ 「安全保障関連法に反対する学者の会」・「各大学の取り組み一覧」
  3. ^ KEISEN UNIVERSITY CAMPUS GUIDE 2016
  4. ^ 「大学探しランキングブック2013」
  5. ^ 環境デザインの点から公共空間を考えるために、専門家によって1981年に設立された民間団体「公共の色彩を考える会」が日本各地における優れた環境色彩を顕彰する制度として始めた。