エースコンバットシリーズ

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エースコンバットシリーズ(ACE COMBAT)は、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)から発売されたフライトシューティングゲームのシリーズ作品。実在する軍用機を操縦できる事が大きな特徴。またエースコンバットオリジナルの“架空軍用機”も登場する。プレイヤーの操作する機体はジェット戦闘機、次いで攻撃機が多いが、作品によってはレシプロ戦闘機や旅客機、軍用ヘリコプターやガンシップなど、様々な航空機を操作する事もできる。

どの作品も、発売された時点でのそのプラットフォームにおけるプログラム技術の限界をリードするグラフィックを実現している(これはリッジレーサーシリーズとの共通点である)ことも特徴である。

ACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR以降のタイトルでは、開発チームは「PROJECT ACES(プロジェクト・エイセス)」となっており、ACESの文字をダイヤ型に並べた独特のロゴがシンボルマークである。『スカイ・クロラ Innocent Aces』にはタイトル名として冠している。1作目と『2』ではロゴグラムの背景の鳥のエンブレムが共通となっている。

略称は「エーコン」や「エスコン」。

概要

業務用大型筐体ゲームとして開発されたエアーコンバットシリーズの移植版として制作された。名前は、日本国内ではシステムソフトの『エアーコンバット』(エアーコンバット (システムソフト))が既にあったため、改めて『エースコンバット』と命名された(海外展開では第1作は『エアーコンバット』のままであった。2作目以降は日本と同名である)。

当初の対応ハードはプレイステーションであったが、シリーズ第4弾の『ACE COMBAT 04』からはプレイステーション2に変更され、PSPでも『ACE COMBAT X Skies of Deception』が発売された。2007年11月1日にはXbox 360へプラットフォームを移した『ACE COMBAT 6 解放への戦火』が発売された。2012年1月12日には、ニンテンドー3DS用に『エースコンバット3D クロスランブル』(ACE COMBAT 3D CROSS RUMBLE)が発売された。

従来のシリーズでは架空の世界が舞台となっていたが、2010年8月26日にはシリーズ初の現実世界を舞台とした携帯機版第2作『エースコンバットX2 ジョイントアサルト』(ACE COMBAT JOINT ASSAULT)が発売され、次いで2011年10月13日には初のPS3作品・Xbox 360第2作『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 (ACE COMBAT ASSAULT HORIZON)が発売された(『X2』とは世界観上の繋がりは無い)。

シリーズ作品一覧

タイトル 発売年月日 プラットフォーム 販売本数
ACE COMBAT (エースコンバット) 1995年6月30日 プレイステーション 223万本
ACE COMBAT 2 (エースコンバット2) 1997年5月30日 プレイステーション 109.2万本
ACE COMBAT 3 electrosphere (エースコンバット3 エレクトロスフィア) 1999年5月27日 プレイステーション 116.4万本
ACE COMBAT 04 shattered skies (エースコンバット04 シャッタードスカイ) 2001年9月13日 プレイステーション2 264万本
ACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR (エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー) 2004年10月21日 プレイステーション2 180.2万本
ACE COMBAT Advance 日本国内未発売 2005年2月22日※ ゲームボーイアドバンス 10万本
ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR (エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー) 2006年3月23日 プレイステーション2 79.2万本
ACE COMBAT X Skies of Deception (エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション) 2006年10月26日 プレイステーション・ポータブル 47.6万本
ACE COMBAT 6 解放への戦火(エースコンバット6 解放への戦火) 2007年11月1日 Xbox 360 107万本
ACE COMBAT Xi Skies of Incursion(エースコンバットXi スカイズ・オブ・インカージョン) 2009年12月4日 iPhone/iPod touch
ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT(エースコンバットX2 ジョイントアサルト) 2010年8月26日 プレイステーション・ポータブル
ACE COMBAT ASSAULT HORIZON(エースコンバット アサルト・ホライゾン) 2011年10月13日 プレイステーション3/Xbox 360
ACE COMBAT 3D CROSS RUMBLE(エースコンバット3D クロスランブル) 2012年1月12日 ニンテンドー3DS
累計販売本数 1136.6万本
  • 発売日は日本国内でのもの(※ACE COMBAT Advanceのみ北米)。
  • 地域別販売本数比率 日本 31.7% 北米 43.9% 欧州 23.8% アジア 0.6%
  • 第一作リリースから13年後の2008年1月30日に、全世界でのシリーズ累計販売本数が1000万本を突破したことがバンダイナムコゲームスより発表された。なお、販売本数にはザ・ベスト版(廉価版)なども含まれる(詳しくはシリーズ公式サイトの“『エースコンバット』シリーズ全世界累計1,000万本突破!”のページを参照)。

類似ジャンル内での位置付けと関係

  • フライトシューティングという点では、日本国内には同等の魅力を持つゲームが存在しない。海外にはFreeSpaceシリーズなどの非常に評価の高いシリーズがあるが、国内では無名である。
  • 家庭用ゲーム機で軍用機を操作するソフトという点では、エアフォースデルタエナジーエアフォースサイドワインダーシリーズなど、ACE COMBATシリーズの販売戦略上のライバルとなり得たソフトも存在するが、他のメーカーが広告に余り力を入れていない、ゲーム方向性の相違などの理由から、結果としてACE COMBATシリーズは累計販売本数が約1000万本(メーカー公称)という、類似ジャンルに於いて販売本数で突出する形となっている。

ゲームソフト以外への展開

  • サウンドトラック
    • 『ACE COMBAT』は、ゲームのCDをCDプレーヤーに挿入してゲーム内の曲が聴けるため、発売されていない。
    • 『ACE COMBAT2』は、ネット配信版がiTunes Storeからダウンロードできるが、CDに関してはデジキューブの予約特典と、『ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT ファミ通DXパック』特典として制作された物のみである。
    • 『ACE COMBAT3』以降の作品は、『ACE COMBAT X』『ACE COMBAT X2』を除き、全ての作品で販売されている(2011年3月現在)。
    • 『ACE COMBAT3』のみ、サウンドトラックCDの他に、ゲームでナイトレーベンが使用できるようになる追加PSソフト(アペンドディスク)が同梱されている。
  • ガレージキット、プラモデルなどの架空機の立体化
    • 企業ベースでの販売や書籍掲載のために製作されたもの
      • 1999年の夏頃に模型メーカーのハセガワから、『ACE COMBAT 3』に登場するR-101デルフィナス#1およびR-103デルフィナス#3が1/144スケールのレジンキットが発売されたが、製品の性質上から短期間で市場から姿を消した。
      • バンダイから、2006年3月末に、ゲームに登場する架空の機体「(ADF-01F)ファルケン」のプラモデルEXモデルシリーズとして発売された。スケールは同シリーズのOAV版戦闘妖精雪風や宇宙戦艦ヤマト、カウボーイビバップの航空(宙)機と同じ1/100。
      • 『ACE COMBAT 6』のDLCで販売されている『アイドルマスター』のキャラクターを描いた機体が、ハセガワから2009年9月のF-2(双海亜美)を皮切りに限定品として順次発売予定。また、SP塗装として登場する桜ペイントのF-14Dが、ハセガワからF-14D トムキャット“エースコンバット さくら”として発売された。
      • ホビージャパンの紙上で、ライターの製作による、『ACE COMBAT 04』に登場した架空機のX-02のフルスクラッチモデルと、市販されている1/48スケールのF-14のプラモデルを素材に制作された『ACE COMBAT 5』に登場するF-14A(モデックス016のプレーヤー使用機)、『ACE COMBAT ZERO』の発売後にパッケージイラストに登場したプレーヤーのF-15およびロト隊仕様のタイフーンの1/72の模型が公開された。
    • 立体物版権イベントでの販売や個人運営のHPに掲載のために製作された例
      • 複数のスケールモデル関連ディーラーから、架空機のレジンキットやゲームに登場する航空機のデカールが販売されているなど、エリア88と共に航空機関連ディーラーの貴重な客寄せアイテム化が進んでいるが、バンダイナムコゲームスの方針により東京都内での立体物版権イベントでしか販売ができない。
      • 複数の個人運営webサイトや動画サイトで、ゲーム内で登場する航空機のプラモデルなどの作例が発表されている。
  • その他
    • これまで日本語圏ではオフィシャルの小説等は出ていなかったが、アスキーメディアワークスの「電撃ホビーマガジン」(2011年12月号)で、ASF-X震電ⅡとCFA-44の戦いを描いた「エースコンバット・ショート・ストーリー Scene 00 『エンカウンター・バトル』」が発表された。その後、2012年3月28日に同社から「エースコンバット イカロス・イン・ザ・スカイ」が発売された。これが最初の公式小説となる。[1][2]コミックは2012年3月現在、出版されていない。
    • 『ACE COMBAT 3』の世界観を紹介したビデオ「エースコンバット3 エレクトロスフィア ミッションゼロ」がメディアファクトリーから発売されている。
    • フリーソフトのPC用フライトシミュレーターYSFS用私家版Modでゲーム内に登場する航空機の塗装を再現した物が配布されている。
    • エースコンバットシリーズの曲はテレビ番組でよく使用されているらしく、例を挙げるとフジテレビ系列の番組めざましテレビ内で北朝鮮問題などを話題にする時に使われることが多いという。

世界観

『ACE COMBAT』シリーズでは、『2』以降で世界設定の共有が行われているとされるが、プラットフォームをPS2に移して以降発売されたタイトルについては『ZERO』『04』『5』『6』『X』の順で明確なストーリーの連続性が存在する。なお、ファンサービスとして公表される設定を除き、商品として明確にストーリーの関係性を謳うようになったのは『5』以降の作品からである。

『X2』および『アサルト・ホライゾン(以下AH)』ではこれまでの世界観を一新し、実在の地球が舞台になる。

シリーズ間のストーリーの関連性

  • 『2』から『04』までと『3D』は、ユージア大陸を舞台にしている。各作品で共通の地名や地形、建造物が登場する。
  • 『5』から『X』の3作品は全て北・南オーシア大陸が舞台となっており、複数の作品にまたがって登場するキャラクターも存在する。
  • 『6』は『5』の設定上に登場したアネア大陸において、『04』で語られた「小惑星ユリシーズ」によってもたらされた被害から復興した二つの国が舞台となる。
  • 『X』にはシリーズ中で『2』にのみ登場した機体が再登場している。
  • 『Xi』は『X』の前日譚であり、レサスに侵攻されたオーレリア軍の抵抗が描かれている。
  • 『3』については、UGSFとの関わりが公式に表明されている。

設定年度

設定年度が存在するシリーズ各作品の年表は以下の通り。分かり易くする為に判明しているものや複数の作品に関わっている出来事も記載する。

以下の2作品にも設定年度が存在するが、上記とは世界観の繋がりが明確に公表されていないので注意。

  • 2032年 - 『Advance
  • 2040年 - 『3

舞台設定

舞台は地球。ただし、地形や国などは実在の地球とは大きく異なり、一部の科学レベルは実在の地球よりも高度であるが、生態系や文化、言語には共通点が多い。なお、『X2』および『AH』では実在の地球が舞台となっているため、舞台設定は概ね現実世界に準じたものとなっている。各シリーズ作品の舞台設定や歴史については個別記事を参照されたい。

大陸が幾つか存在し、『5』公式サイトの壁紙などで詳しい世界地図を見ることができる。

ユージア大陸
『04』『5(アーケードモード)』『3D』の舞台。大陸西部にエルジア共和国、大陸東方の海上に島国であるノースポイントが存在する。
なお、『2』『3』の舞台もユージア大陸という名称となっているが世界観の繋がりは明確ではない。
北オーシア大陸
『5(キャンペーンモード)』『ZERO』の舞台。西方にベルーサ大陸、東方にユージア大陸、南方に南オーシア大陸が位置する。大部分をオーシア連邦が占めており、大陸北東部にベルカ公国ウスティオ共和国、サピン王国などの国家群がある。また、北方には海を挟んでウェロー民主連邦国がある。
南オーシア大陸
『X』『Xi』の舞台。北方に北オーシア大陸が位置する。オーレリア連邦共和国レサス民主共和国が位置している。
ベルーサ大陸
『5(キャンペーンモード)』の舞台。北オーシア大陸よりセレス海と太平洋を挟んで西方に位置する。世界最大の領土を持つ国家ユークトバニア連邦共和国が存在する。
アネア大陸
『6』の舞台。ベルーサ大陸の北方に位置する。大陸北方のラーズグリーズ海峡を越えると北極という高緯度帯の大陸でもある。エメリア共和国エストバキア連邦、ノルデンナヴィク王国が存在する。ちなみにラーズグリーズ海峡は『5(キャンペーンモード)』で一度だけミッションの舞台となった。
なお、『5』の設定ではアネア共和国が大陸全土を統治していることになっているが、『6』では2010年の段階でエメリア、エストバキア、ノルデンナヴィクに分かれておりアネア共和国は存在していない。『6』の設定では2004年にはエメリア、エストバキア、ノルデンナヴィクを統一国家とする構想から“アネア共和国準備機構”が設立されていたが、エストバキアの情勢悪化を受けてその構想が2008年に一時凍結されたとされている。

ACE COMBAT Advance

ACE COMBAT Advance
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス(GBA)
開発元 ナムコ
発売元 ナムコ
人数 1人
メディア GBA専用カートリッジ
対象年齢 ESRB: E
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シリーズ中初めてPSシリーズ(PSPS2PSP)以外のハード専用として発売されたソフトで、3Dクロスランブルが発売されるまでは唯一の任天堂製ハード専用のソフトであった。エースコンバットシリーズ海外第6作。

北米市場でのみ発売され日本では発売されていないが、輸入店などで購入できることがある(日本版のGBAニンテンドーDSでもそのままプレイすることが可能)。

GBAであるため従来のフライトシューティングではなくメタルホークのような高度の概念があるトップビューシューティングであることが特徴。ミッション数は、全部で12。プレイヤーはU.A.D.のパイロットとして、ゼネラルリソースの行動を阻止することが目的である。ミッションは、基本的に敵部隊を全滅されることが目的であるが、一部のミッションは特殊な条件が課せられる。

敵組織の名前であるゼネラルリソースの初出は『3』であり、本シリーズ他作ほかUGSF等と共通設定にある企業名である。

あらすじ

2032年、各国のグローバル化が進み、国ごとの境界線も曖昧になりつつある世界。その結果として多国籍企業体がひしめく経済超大国へと成長していった一つの大陸。多国籍企業の一つであるゼネラルリソースは、他の企業の脅威に備えてAir Strike Force(A.S.F.)を配備しつつあった。

その中で、新国際連合は「United Air Defense」(U.A.D.)を設立。ゼネラルリソースの行動に牽制を仕掛けることになる。

登場機体

  • F-A Stealth Fighter
  • F-C Talon
  • F-E Talon II
  • F-G Hawk
  • F-H Hunter II
  • FZ-23 Stinger
  • MIS-30A
  • Si-40
  • UG-16 Hawk
  • Y-25C JSF

外部リンク

公式サイト

登場航空機一覧

( ) 表記のものは作品中で使用される略称や名称(< > のものはACE COMBAT 3 electrosphereにてコフィンシステム搭載機として登場したもの。*表記のものはACE COMBAT ASSAULT HORIZONにおいてDLC配信などキャンペーン内では入手不可能な機体)。また、愛称が作品中に表記されるのは(一部の機体説明などを除き)ACE COMBAT ZERO以降である。

単一の作品でプレイヤーが使用可能な航空機


複数の作品でプレイヤーが使用可能な航空機

カッコ内は登場作品
  • F-1 (ZERO、X、Xi、X2)
  • F-2A (JF-2) (04、5、ZERO、X、6、Xi、X2、AH、3D)




作品中で自身が操作できない航空機


作品中に登場する架空機

ACE COMBAT 3 electrosphereに登場する航空機は厳密に定義すると全て架空機だが、実在機を元にコフィンシステム化改造を施したのみの機体についてはこの一覧に含まれていない(上記< >の機体を参照)。カッコ内は登場作品。


関連項目

家庭用・携帯ゲーム機の類似ゲームソフト


エースコンバット開発チームが製作に関与したゲームソフト


エースコンバットシリーズの設定を取り込んだゲームソフト


関連する一覧記事、Templateなど

脚注

外部リンク