阿波晩茶

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:茶畑などの画像提供をお願いします。2017年7月

阿波晩茶(あわばんちゃ)とは、徳島県那賀郡那賀町(旧相生町域)と勝浦郡上勝町特産品となっている乳酸発酵総称である。

阿波番茶とも書いていたが、番茶とは使用する茶葉や製法が異なるため、阿波晩茶と書くように変わりつつある。

由来[編集]

阿波晩茶の由来は以下の説がある。[1]

製法[編集]

  1. 地元に古くから自生しているヤマチャの、新芽ではなく、夏まで大きく育てた一番茶を7月中頃以降に枝からしごき取る
    柔らかい新芽を発酵させると溶けてしまうため。摘み取る時期が遅いことから、阿波晩茶と書くようになった。(ただし、番茶もかつては同じ理由で晩茶と書いていたという説がある。)
    茶葉は1枚残らずしごき取る。昔はぼろ布を裂き、親指人差し指中指をぐるぐる巻きにして行っていた。今は厚手の軍手をはめて行っている。指先に針金を巻く人もいる[2]
    真夏の暑さを避けるため、青いビニールシートをテントのように張ってその下で茶葉を摘む。以前は各人でこうもりを差していた[2]
    加工に無駄がないよう、摘んだ茶葉は数日分を貯めておく[2]
  2. 釜ゆでした後、揉捻機や舟型の手押し茶擦り器で揉捻する
    手押し茶擦り器とは、底にシュロなどを敷いた細長い箱に煮た茶葉を入れ、洗濯板のような歯を刻んだ板の両側に把手をつけ、両側から人が押し合って茶葉をごりごり撚る道具である。那賀町では揉捻機が使用される一方、小規模生産が主流の上勝町では手押し茶擦り器がまだ健在である。人手不足のため、把手の片側にモーターをつけた半機械式の茶擦り器が流行している[2]
  3. 樽で10日~3週間漬け込み、植物性乳酸菌に嫌気発酵させる
    茶葉を嫌気発酵させる地域はかつて、他に高知県碁石茶)や愛媛県(石鎚黒茶)、中国雲南省 · ミャンマー · タイ · ラオスが接している一帯にかけた地域(ミアン)に限られていた。珍しい製法である。
  4. 乾燥させる
    1日3回裏返して、十分乾燥させる[2]

成分[編集]

発酵でできた有機酸によって分解されるため。渋味が少なくなり口当たりが良くなる。
成長した茶葉にはカフェインが少ないため。こちらも渋味が少なくなり口当たりが良くなる。
刺激の少ない甘味になる。

効能[編集]

血糖値の上昇抑制、整腸作用をはじめ、花粉症鼻炎などのアレルギー発症医薬品とは異なるアプローチで和らげる等の研究がある。[1]

産地[編集]

神田茶の里(背後の山に茶畑)
  • 徳島県那賀郡那賀町 : 相生晩茶
  • 徳島県勝浦郡上勝町 : 上勝晩茶、神田茶(じでんちゃ)

※古来から徳島県の上記地域でのみ生産されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 大塚康代「阿波晩茶いかが」整腸作用・アレルギー抑制研究『徳島新聞2016年2月17日朝刊、暮らし欄、第22面。
  2. ^ a b c d e 中村羊一郎 『番茶と日本人』 吉川弘文館1998年、45~48頁。ISBN 4-642-05446-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]