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{{読み仮名|'''や座'''|やざ|{{Lang-la|Sagitta}}}}は、[[星座#国際天文学連合による88星座|現代の88星座]]の1つで、[[トレミーの48星座|プトレマイオスの48星座]]の1つ{{R|Ridpath}}。[[矢]]をモチーフとしている{{R|Ridpath|IAU_constellations}}。[[みなみじゅうじ座]]、[[こうま座]]に次いで、全天で3番目に小さい。北から時計回りに[[こぎつね座]]、[[ヘルクレス座]]、[[わし座]]、[[いるか座]]の4星座に囲まれている。
'''や座'''(やざ、矢座、Sagitta)は、[[トレミーの48星座]]の1つ。

全天で[[みなみじゅうじ座]]、[[こうま座]]についで3番目に小さい。この[[星座]]が占有する南北の角度は最も小さい。なぜなら、矢の形を模しているので、星座自体が横に長く、小さくまとまっているからである。や座は、北から時計回りに[[こぎつね座]]、[[ヘルクレス座]]、[[わし座]]、[[いるか座]]の順に囲まれる。


== 主な天体 ==
== 主な天体 ==
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=== 恒星 ===
=== 恒星 ===
{{See also|や座の恒星の一覧}}
{{See also|や座の恒星の一覧}}
&alpha;・&beta;・&gamma;・&delta; の4星が形作る細長いY字形が「矢」を想起させる{{R|Hara}}。&alpha; と &beta; が矢羽、&gamma; と &delta; が矢柄の部分を形作る。


[[2023年]]11月現在、[[国際天文学連合]] (IAU) によって3個の恒星に固有名が認証されている{{R|iaucsn}}。
* [[や座アルファ星|&alpha;星]]:シャム(Sham)は、視等級4.38等の黄色輝巨星。
* [[や座アルファ星|&alpha;星]]:太陽系から約427 [[光年]]の距離にある、[[見かけの等級|見かけの明るさ]]4.38 等、[[スペクトル分類|スペクトル型]] G1III の黄色巨星で、4等星{{R|simbad_alpha}}。[[アラビア語]]で「矢」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''シャム'''{{R|StellaNavigator11}}(Sham{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。これは、アラビア語でこの星座を意味する ''al-sahm'' が、のちに&alpha;星の名前とされたものである{{R|Kunitzsch2006}}。
* &beta;星:4.37等。
* [[HD 231701]]:太陽系から約354 光年の距離にある、見かけの明るさ8.97 等、スペクトル型 F8V 型の9等星{{R|simbad_HD231701}}。IAUの100周年記念行事「IAU100 [[NameExoWorlds]]」で[[イラク共和国]]に命名権が与えられ、主星はUruk、太陽系外惑星はBabyloniaと命名された{{R|NameExoworlds2019}}。
* [[HAT-P-34]]:太陽系から約826 光年の距離にある、見かけの明るさ10.40 等、スペクトル型 F8 型の10等星{{R|simbad_HAT-P-34}}。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」で[[マルタ共和国]]に命名権が与えられ、主星はSansuna、太陽系外惑星はĠgantijaと命名された{{R|NameExoworlds2019}}。
このほか、以下の恒星が知られている。
* &beta;星:太陽系から約442 光年の距離にある、見かけの明るさ4.38 等、スペクトル型 G8IIIaCN0.5 の黄色巨星で、4等星{{R|simbad_beta}}。
* [[や座ガンマ星|&gamma;星]]:太陽系から約288 光年の距離にある、見かけの明るさ3.47 等、スペクトル型 M0-III の[[赤色巨星]]で、3等星{{R|simbad_gamma}}。や座で最も明るく見える。
* &delta;星:太陽系から約547 光年の距離にある、見かけの明るさ3.81 等、スペクトル型 M2II+B0V の[[分光連星]]で、4等星{{R|simbad_delta}}。
* [[や座R星|R星]]:太陽系から約5,980 光年の距離にある、スペクトル型 G8Ib の{{仮リンク|post-AGB星|en|Post-AGB star}}{{R|simbad_R}}。post-AGB星は、激しく質量放出しながら[[漸近巨星分枝|漸近巨星分枝星]](AGB星)から[[白色矮星]]へと進化しつつある恒星で、[[太陽]]のような中小質量星の進化の最終段階である{{R|DoA_AGB}}。変光星としては「[[おうし座RV型変光星]] (RV Tau)」に分類され、70.77 日の周期で8.0 等から10.4 等の範囲でその明るさを変える{{R|GCVS_R}}。
* V星:太陽系から約7,780 光年の距離にある{{R|simbad_V}}、白色矮星と[[主系列星]]からなる[[連星#連星の分類|近接連星系]]。[[1902年]]にモスクワ天文台の女性天文学者 Lidiya Tseraskaya が発見した{{R|Ryves1932}}。伴星の主系列星から主星の白色矮星に対して盛んな質量移動が起きており、主星の周囲には伴星由来の物質によって生じた[[降着円盤]]が存在する{{R|HachisuKato2003}}。白色矮星と主系列星が双方の共通重心を約0.514 日の周期で公転しており、地球からは約0.514 日の周期で明るさを変える[[食変光星]]として観測される{{R|AAVSO_V}}。[[1990年代]]後半には[[天の川銀河]]内に数例しか発見例がなかった{{仮リンク|超軟X線源|en|Super soft X-ray source|label=超軟X線源天体}}({{Lang-en-short|Super soft X-ray source, SSS}}) であることがわかって以降、観測的研究が進展した{{R|HachisuKato2003}}。食による変光以外に、約11 等で約180日間続く高光度状態と約12 等で約120日間続く低光度状態を交互に繰り返しており、低光度状態にあるときのみ軟X線が観測されることがわかった{{R|HachisuKato2003}}。この超軟X線は、主星表面に降着した水素が安定して[[核融合]]していることから生じたものと考えられており、このような天体は CBSS (Close-binary supersoft source) と呼ばれている{{R|AAVSO_V|Greiner2000}}。このまま伴星からの質量移動が進むと、今後100万年以内に主星の質量が[[チャンドラセカール限界]]を超えて[[超新星爆発|Ia型超新星爆発]]が生じるものと予測されている{{R|Zang2022}}。
* [[や座FG星|FG星]]:太陽系から約1万1600 光年の距離にあるpost-AGB星{{R|simbad_FG}}。「Final Flash (FF)」あるいは「Secular variables」と呼ばれる、[[桜井天体|櫻井天体]] (V4334 Sgr) と[[わし座V605星]]の3天体のみの非常に珍しい変光星のグループに分類されている{{R|AAVSO_FG}}。[[惑星状星雲]] Hen 1-5 の中心星で、[[1894年]]の[[写真乾板]]に13.6 等{{efn2|[[写真等級]] (m{{sub|pg}})。当時の写真乾板は青の波長に感度が高かったため、現在のBバンドに近い。}}で写っていた星が、[[1965年]]にはB等級で9.6 等になるまで約70年かけて徐々に増光していた{{R|Herbig1968|Okazaki1994}}。[[1955年]]には B4I であったスペクトルは1967年には A5Ia まで変化{{R|Herbig1968|Okazaki1994}}。その後もスペクトルは徐々に低温側へと変化し、1980年代には K0I まで変化してオレンジ色に見えるようになった{{R|Okazaki1994}}。この100年近い期間の光度の変化は、AGB期を終えて[[白色矮星]]への進化の途上にあったpost-AGB星の内部のヘリウム殻で「遅れた熱パルス{{R|Saio2009}}{{Lang-en-short|late thermal pulse}}{{R|vsot_FG}})」と呼ばれる暴走的な核融合反応が生じたことによるものと考えられている{{R|vsot_FG|Kaler2006}}。[[1992年]]には、突然5等級も減光した後に光度が回復、しかしまた暗くなるという変光が生じ、これが[[21世紀]]に入っても続いている{{R|vsot_FG|Kaler2006}}。この間欠的に起こる深い減光は、恒星が放出した物質に含まれる[[炭素]]が冷やされて凝縮してできた「すす」が恒星の光を遮る「[[かんむり座R型変光星]]」の減光と同じ機構で生じているものと考えられている{{R|vsot_FG|Kaler2006}}。
* PSR J1959+2048:太陽系から約7,340 光年(2,250 [[パーセク]])の距離にある{{R|Clark2023}}、近接連星[[ミリ秒パルサー]]。[[中性子星]]と[[褐色矮星]]による近接連星で、[[1988年]]に[[食連星]]のミリ秒パルサーとして史上初めて発見された{{R|Fruchter1988}}。変光星としては「や座QX星」と呼ばれ、約9.2時間(0.038日)の周期で変光する{{R|Fruchter1988}}。主星の中性子星からの強烈な[[恒星風|パルサー風]]によって伴星の外殻が吹き飛ばされており、その様子をメスが交尾し終わった後のオスを捕まえて食べる習性のある[[クロゴケグモ]]に喩えた「[[ブラックウィドウパルサー|ブラックウィドウ]] (Black Widow{{R|simbad_QX}})」という通称で知られている{{R|Eichler1988|Ray2017|Clark2023}}。[[2023年]]の研究では、主星の質量は{{val|1.81|0.07|ul=solar mass}}([[太陽質量]]){{R|Clark2023}}、伴星の質量は{{val|24.0|1.0|ul=Jupiter mass}}([[木星質量]]){{R|Kandel2022}}と推定されている。


=== 星団・星雲・銀河 ===
&alpha;星と&beta;星で矢の矢羽の部分を形作る。
[[18世紀]][[フランス]]の天文学者[[シャルル・メシエ]]が編纂した『[[メシエカタログ]]』に挙げられた[[球状星団]]が1つ位置している{{R|SEDS_Messier}}。
* [[M71 (天体)|M71]]:太陽系から約1万3000 光年の距離にある[[球状星団]]{{R|simbad_M71}}。[[1746年]]から[[1747年]]にかけての観測で[[スイス]]の天文学者[[ジャン=フィリップ・ロワ・ド・シェゾー]]が発見した{{R|SEDS_M71}}。密集度の小さいまばらな球状星団であるため、[[ハーロー・シャプレー|ハーロー・シャプリー]]や[[ロバート・トランプラー]]といった[[20世紀]]前半の星団の研究者たちからは密集度の高い[[散開星団]]に分類されていた{{R|SEDS_M71}}。M71の星々は、一般の球状星団と同様に約90億 - 100億歳と年老いた星が多い{{R|spacetelescope20100823}}。
[[File:Messier 71, an Unusual Globular Cluster.jpg|thumb|center|360px|[[ハッブル宇宙望遠鏡]]の[[掃天観測用高性能カメラ|掃天観測用高性能カメラACS]]の観測データから合成された[[球状星団]][[M71 (天体)|M71]]の画像。]]
== 流星群 ==
や座の名前を冠した[[流星群]]で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものはない{{R|NAOJ_meteor}}。


== 由来と歴史 ==
* [[や座ガンマ星|&gamma;星]]:や座で最も明るい恒星。[[赤色巨星]]、視等級3.47等
[[File:Antinous Delphinus Sagitta et Aquila - Mercator.jpeg|thumb|360px|[[16世紀]][[ネーデルランド]]の地理学者[[ゲラルドゥス・メルカトル]]の[[天球儀]] (1551) に描かれたや座。Sagitta の他に Telum や Ὀϊςός という名称が確認できる。]]
* &delta;星:スペクトル型 M2II + A0V、視等級3.82等。
[[紀元前3世紀]]前半の[[マケドニア]]の詩人[[アラトス|アラートス]]は、詩篇『ファイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』の中で、この星座に「矢」を意味する '''Ὀϊστός''' という呼称を用いた{{R|Ridpath}}。[[帝政ローマ]]期の2世紀頃の[[クラウディオス・プトレマイオス]]の天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース ({{Lang-grc-short|ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας}})』、いわゆる『[[アルマゲスト]]』でも、この'''Ὀϊστός''' という呼称が使われている{{R|Ridpath}}。これに対して、紀元前3世紀後半の天文学者[[エラトステネス|エラトステネース]]は、天文書『[[カタステリスモイ]] ({{Lang-grc-short|Καταστερισμοί}})』の中で「弓」を意味する '''Τόξον''' という呼称を用いた{{R|Ridpath|Schaubach1795}}。[[18世紀]]以前の[[ラテン語]]では、ダーツや槍を意味する '''Telum''' という呼称が多く使われていた{{R|Ridpath}}。
* &epsilon;星:恐らく4つの恒星から成る[[二重星]]。合成スペクトルG8III、視等級5.66等。


や座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や[[1世紀]]初頭の[[古代ローマ]]の著作家[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス]]の『天文詩 ({{Lang-la-short|De Astronomica}})』では4個、プトレマイオスの『[[アルマゲスト]]』では5個とされた{{R|Condos1997}}。
&gamma;星と&delta;星と&epsilon;星で、矢を表す。


[[1922年]]5月に[[ローマ]]で開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は '''Sagitta'''、略称は '''Sge''' と正式に定められた{{R|IAU_list}}。
* &eta;星:視等級5.1等、スペクトル型K2III。[[ヒアデス星団|ヒアデス運動星団]]に属している。
{{-}}
* [[や座R星|R星]]:[[おうし座RV型変光星]]。
=== 中国 ===
* [[や座FG星|FG星]]:非常にユニークな[[変光星]]。1800年代終わりは14等の青白い星だったがその後徐々に増光し、1967年には10等まで明るくなり色も黄色くなり、以降9〜10等で小さな変動をしていた。スペクトルや色の変化から、FG SgeはHR図上をセファイド変光帯に向かって左から右へと移動していたことが分かっている。その後1.5〜2等暗くなり、現在はオレンジ色に輝いている。
[[File:Imperial Encyclopaedia - Officialdom - pic0016 - 河鼓三星圖.svg|thumb|240px|[[18世紀]][[清|清代]]初期に編纂された『[[古今図書集成|欽定古今図書集成]]』「河鼓三星圖」。中段の「左旗」にや座の特徴的なY字形が見て取れる。]]
ドイツ人宣教師{{仮リンク|イグナーツ・ケーグラー|en|Ignaz Kögler}}(戴進賢)らが編纂し、[[清|清朝]][[乾隆帝]]治世の[[1752年]]に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、や座の &alpha;・&beta;・&delta;・&zeta;・&gamma;・VZ・11・14 の7星が、[[二十八宿]]の[[玄武|北方玄武]]七宿の第二宿「[[牛宿]]」にある「左の軍旗」を表す[[星官]]「左旗」に配されていたとされる{{Sfn|伊世同|1981|pp=162-163}}{{R|Osaki1987_1}}。
{{-}}
== 神話 ==
アラートスの『ファイノメナ』では「矢が1本あるのみで弓もない」とだけ述べられており、それ以上のことは伝えていない{{R|Ito2007}}。1世紀頃の古代ローマの軍人[[ゲルマニクス]]は、アラートスの『ファイノメナ』をラテン語訳した際に「美少年[[ガニュメーデース]]を捕らえてゼウスの下に連れてきた鳥が守るゼウスの矢を表す」という話を付け加えている{{R|ItoSagawa1999}}。エラトステネースは天文書『カタステリスモイ』の中で、[[紀元前5世紀]]の劇作家[[エウリピデス|エウリーピデース]]の伝える話として「息子[[アスクレーピオス|アスクレピオス]]を[[キュクロープス]]の作った雷撃で[[ゼウス]]に撃ち殺されたことを恨んだ[[アポローン]]が、キュクロープスを撃ち殺した矢である」とする話を紹介した{{R|Ridpath|Condos1997|Hard2015}}。アポローンは極北の地[[ヒュペルボレイオス]]にある神殿にこの矢を隠し、アポローンの罪がゼウスに許されるとすぐに彼の手に戻ったとされる{{R|Condos1997|Hard2015}}。そして、アポローンは自分の戦いを記念するために矢を星座として星々の間に置いたとされる{{R|Condos1997|Hard2015}}。[[ヒュギーヌス]]はエラトステネースと同じ話を伝えるとともに、「コーカサスの山に繋がれて鷲に肝臓をついばまれている[[プロメーテウス]]を見た[[ヘーラクレース]]が、鷲を殺した矢である」とする話も伝えている{{R|Ridpath|Condos1997|Hard2015}}。


== 呼称と方言 ==
=== 星団・星雲・銀河 ===
世界で共通して使用されるラテン語の学名は Sagitta、日本語の学術用語としては「'''や'''」とそれぞれ正式に定められている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。平仮名1文字の星座名は、[[ほ座|ほ]]・[[ろ座|ろ]]・「や」の3つのみである{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。


明治初期の[[1874年]](明治7年)に[[文部省]]より出版された[[関藤成緒]]の天文書『星学捷径』では「'''サヂッタ'''」という読みと「'''箭'''」という解説が紹介された{{R|Sekito1874}}。また、[[1879年]](明治12年)に[[ノーマン・ロッキャー]]の著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「'''アロウ'''」と紹介された{{R|Rakushi}}。それから30年ほど時代を下った明治後期にはすでに「'''矢'''」と呼ばれていたことが、[[1908年]](明治41年)4月に創刊された[[日本天文学会]]の会報『天文月報』の第1巻3号に掲載された「六月の天」と題した記事で確認できる{{R|AH190806}}。この訳名は、[[東京天文台]]の編集により[[1925年]](大正14年)に初版が刊行された『[[理科年表]]』にも「'''矢(や)'''」として引き継がれ{{R|Rika_1925}}、[[1944年]](昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「'''矢'''」が継続して使用されることとされた{{R|1944jutsugo}}。戦後も継続して「矢」が使われ{{R|Rika_1949}}、[[1952年]](昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=316}}とした際に Sagitta の日本語名は'''や'''と定まり{{R|AH195210}}、以降も継続して '''や''' が用いられている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。
* [[M71 (天体)|M71]]:まばらな[[球状星団]]。昔は密集した[[散開星団]]に分類された。


現代の中国では、'''天箭座'''{{Sfn|伊世同|1981|p=131}}{{R|Osaki1987_2}}と呼ばれている。
=== その他 ===


== 脚注 ==
* [[ブラックウィドウパルサー]]:や座QX星とも。伴星を蒸発させている[[パルサー]]。
{{脚注ヘルプ}}


== 由来と歴史 ==
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
[[クラウディオス・プトレマイオス|トレミー]]の48星座の1つである。トレミーは&gamma;星を矢じりに見立てていたが、[[ジョン・フラムスティード]]や[[ヨハン・ボーデ]]は&eta;星を矢じりに見立てていた{{R|ridpath}}。


=== 出典 ===
この星座の[[アラビア語]]での呼び名 ''al-sahm'' は、&alpha;星シャムの名の由来となっている{{R|Kunitzsch}}。
{{Reflist|25em|refs=


<ref name="Ridpath">{{Cite web
== 神話 ==
| last=Ridpath | first=Ian | authorlink=イアン・リドパス
や座には明るい星がないが、多くの文明で矢として認識された。この星座を矢と見たのは、ペルシア人、ヘブライ人、ギリシア人、ローマ人などで、それらの文明に由来する様々な物語がある。近くにあるヘルクレス座やわし座がこの星座に関連すると考えられた。
| title=Sagitta
| website=Star Tales
| url=http://www.ianridpath.com/startales/sagitta.html
| access-date=2023-11-19}}</ref>


<ref name="IAU_constellations">{{Cite web
[[カタステリスモイ|偽エラトステネス]]は、[[アポロン]]が[[キュクロープス]]を撃ち殺した矢であるとした。キュクロープスの作った雷撃の矢で、アポロンの息子[[アスクレーピオス|アスクレピオス]]が[[ゼウス]]に撃ち殺されたことを恨んでのことである<ref name="ridpath" />。[[ヒュギーヌス]]は、毎日鷲([[わし座]])に肝臓をついばまれている[[プロメーテウス]]を見た[[ヘーラクレース]]([[ヘルクレス座]])が、鷲を殺した矢であるとした<ref name="ridpath" />。[[ゲルマニクス]]は、ゼウスを[[ガニュメーデース]]に夢中にさせた、愛の神[[エロース]]の矢であるとした<ref name="ridpath" />。エロースの矢は、当たった者を恋の虜にさせる力があるという。
| title=The Constellations
| publisher=[[国際天文学連合]]
| url=https://www.iau.org/public/constellations/#sge
| access-date=2023-11-19}}</ref>


<ref name="boundary">{{Cite web
== 出典 ==
| title=Constellation boundary
| publisher=[[国際天文学連合]]
| url=https://www.iau.org/static/public/constellations/txt/sge.txt
| access-date=2023-11-19}}</ref>

<ref name="Nenkan2016">{{Cite book | 和書
| author=山田陽志郎
| title=天文年鑑2016年版
| chapter=星座 | date=2015-11-26 | isbn=978-4-416-11545-9 | pages=290-293}}</ref>

<ref name="NAOJ_meteor">{{Cite web | 和書
| title=流星群の和名一覧(極大の日付順)
| website=[[国立天文台]] | date=2022-12-31
| url=https://www.nao.ac.jp/new-info/meteor/table-ls.html
| access-date=2023-11-19}}</ref>

<ref name="Hara">{{Cite book | 和書
| author=原恵 | author-link=原恵
| title=星座の神話 - 星座史と星名の意味

| publisher=[[恒星社厚生閣]] | date=2007-02-28 | edition=新装改訂版第4刷 | isbn=4-7699-0825-3 | pages=170-171}}</ref>

<ref name="iaucsn">{{Cite web
| last=Mamajek | first=Eric E.
| title=IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)
| publisher=[[国際天文学連合]] | date=2022-04-04
| url=https://www.pas.rochester.edu/~emamajek/WGSN/IAU-CSN.txt
| access-date=2023-11-19}}</ref>

<ref name="StellaNavigator11">{{Citation | 和書
| publisher=AstroArts
| title=ステラナビゲータ11
| edition=11.0i}}</ref>

<ref name="Kunitzsch2006">{{Cite book
| last=Kunitzsch | first=Paul | last2=Smart | first2=Tim | author-link=パウル・クーニチュ
| title=A Dictionary of Modern Star Names - A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations.
| publisher=Sky Publishing | location=Cambridge | date=2006 | isbn=978-1-931559-44-7 | pages=51}}</ref>

<ref name="simbad_alpha">{{Cite simbad
| title=alp Sge | access-date=2023-11-19}}</ref>

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<ref name="NameExoworlds2019">{{Cite web
| title=2019 Approved Names
| website=NameExoworlds
| url=https://www.nameexoworlds.iau.org/2019approved-names
| access-date=2023-11-19}}</ref>

<ref name="simbad_beta">{{Cite simbad
| title=bet Sge | access-date=2023-11-19}}</ref>

<ref name="simbad_gamma">{{Cite simbad
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<ref name="simbad_delta">{{Cite simbad
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<ref name="simbad_R">{{Cite simbad
| title=R Sge | access-date=2023-11-19}}</ref>
<ref name="DoA_AGB">{{Cite encyclopedia
| title=asymptotic giant branch star
| encyclopedia=A Dictionary of Astronomy
| editor=Ian Ridpath | editor-link=イアン・リドパス
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2023年12月2日 (土) 07:34時点における版

や座
Sagitta
Sagitta
属格 Sagittae
略符 Sge
発音 英語発音: [səˈdʒɪtə] Sagítta, 属格:/səˈdʒɪtiː/
象徴[1][2]
概略位置:赤経  18h 57m 21.3919s -  20h 20m 44.8677s[3]
概略位置:赤緯 +21.6436558° - +16.0790844°[3]
20時正中 9月中旬[4]
広さ 79.923平方度[5]86位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
19
3.0等より明るい恒星数 0
最輝星 γ Sge(3.47
メシエ天体 1
確定流星群 なし[6]
隣接する星座 こぎつね座
ヘルクレス座
わし座
いるか座
テンプレートを表示

や座やざラテン語: Sagitta)は、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[1]をモチーフとしている[1][2]みなみじゅうじ座こうま座に次いで、全天で3番目に小さい。北から時計回りにこぎつね座ヘルクレス座わし座いるか座の4星座に囲まれている。

主な天体

恒星

α・β・γ・δ の4星が形作る細長いY字形が「矢」を想起させる[7]。α と β が矢羽、γ と δ が矢柄の部分を形作る。

2023年11月現在、国際天文学連合 (IAU) によって3個の恒星に固有名が認証されている[8]

  • α星:太陽系から約427 光年の距離にある、見かけの明るさ4.38 等、スペクトル型 G1III の黄色巨星で、4等星[9]アラビア語で「矢」を意味する言葉に由来する[10]シャム[11](Sham[8])」という固有名が認証されている。これは、アラビア語でこの星座を意味する al-sahm が、のちにα星の名前とされたものである[10]
  • HD 231701:太陽系から約354 光年の距離にある、見かけの明るさ8.97 等、スペクトル型 F8V 型の9等星[12]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でイラク共和国に命名権が与えられ、主星はUruk、太陽系外惑星はBabyloniaと命名された[13]
  • HAT-P-34:太陽系から約826 光年の距離にある、見かけの明るさ10.40 等、スペクトル型 F8 型の10等星[14]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でマルタ共和国に命名権が与えられ、主星はSansuna、太陽系外惑星はĠgantijaと命名された[13]

このほか、以下の恒星が知られている。

  • β星:太陽系から約442 光年の距離にある、見かけの明るさ4.38 等、スペクトル型 G8IIIaCN0.5 の黄色巨星で、4等星[15]
  • γ星:太陽系から約288 光年の距離にある、見かけの明るさ3.47 等、スペクトル型 M0-III の赤色巨星で、3等星[16]。や座で最も明るく見える。
  • δ星:太陽系から約547 光年の距離にある、見かけの明るさ3.81 等、スペクトル型 M2II+B0V の分光連星で、4等星[17]
  • R星:太陽系から約5,980 光年の距離にある、スペクトル型 G8Ib のpost-AGB星英語版[18]。post-AGB星は、激しく質量放出しながら漸近巨星分枝星(AGB星)から白色矮星へと進化しつつある恒星で、太陽のような中小質量星の進化の最終段階である[19]。変光星としては「おうし座RV型変光星 (RV Tau)」に分類され、70.77 日の周期で8.0 等から10.4 等の範囲でその明るさを変える[20]
  • V星:太陽系から約7,780 光年の距離にある[21]、白色矮星と主系列星からなる近接連星系1902年にモスクワ天文台の女性天文学者 Lidiya Tseraskaya が発見した[22]。伴星の主系列星から主星の白色矮星に対して盛んな質量移動が起きており、主星の周囲には伴星由来の物質によって生じた降着円盤が存在する[23]。白色矮星と主系列星が双方の共通重心を約0.514 日の周期で公転しており、地球からは約0.514 日の周期で明るさを変える食変光星として観測される[24]1990年代後半には天の川銀河内に数例しか発見例がなかった超軟X線源天体英語版(: Super soft X-ray source, SSS) であることがわかって以降、観測的研究が進展した[23]。食による変光以外に、約11 等で約180日間続く高光度状態と約12 等で約120日間続く低光度状態を交互に繰り返しており、低光度状態にあるときのみ軟X線が観測されることがわかった[23]。この超軟X線は、主星表面に降着した水素が安定して核融合していることから生じたものと考えられており、このような天体は CBSS (Close-binary supersoft source) と呼ばれている[24][25]。このまま伴星からの質量移動が進むと、今後100万年以内に主星の質量がチャンドラセカール限界を超えてIa型超新星爆発が生じるものと予測されている[26]
  • FG星:太陽系から約1万1600 光年の距離にあるpost-AGB星[27]。「Final Flash (FF)」あるいは「Secular variables」と呼ばれる、櫻井天体 (V4334 Sgr) とわし座V605星の3天体のみの非常に珍しい変光星のグループに分類されている[28]惑星状星雲 Hen 1-5 の中心星で、1894年写真乾板に13.6 等[注 1]で写っていた星が、1965年にはB等級で9.6 等になるまで約70年かけて徐々に増光していた[29][30]1955年には B4I であったスペクトルは1967年には A5Ia まで変化[29][30]。その後もスペクトルは徐々に低温側へと変化し、1980年代には K0I まで変化してオレンジ色に見えるようになった[30]。この100年近い期間の光度の変化は、AGB期を終えて白色矮星への進化の途上にあったpost-AGB星の内部のヘリウム殻で「遅れた熱パルス[31]: late thermal pulse[32])」と呼ばれる暴走的な核融合反応が生じたことによるものと考えられている[32][33]1992年には、突然5等級も減光した後に光度が回復、しかしまた暗くなるという変光が生じ、これが21世紀に入っても続いている[32][33]。この間欠的に起こる深い減光は、恒星が放出した物質に含まれる炭素が冷やされて凝縮してできた「すす」が恒星の光を遮る「かんむり座R型変光星」の減光と同じ機構で生じているものと考えられている[32][33]
  • PSR J1959+2048:太陽系から約7,340 光年(2,250 パーセク)の距離にある[34]、近接連星ミリ秒パルサー中性子星褐色矮星による近接連星で、1988年食連星のミリ秒パルサーとして史上初めて発見された[35]。変光星としては「や座QX星」と呼ばれ、約9.2時間(0.038日)の周期で変光する[35]。主星の中性子星からの強烈なパルサー風によって伴星の外殻が吹き飛ばされており、その様子をメスが交尾し終わった後のオスを捕まえて食べる習性のあるクロゴケグモに喩えた「ブラックウィドウ (Black Widow[36])」という通称で知られている[37][38][34]2023年の研究では、主星の質量は1.81±0.07 M太陽質量[34]、伴星の質量は24.0±1.0 MJ木星質量[39]と推定されている。

星団・星雲・銀河

18世紀フランスの天文学者シャルル・メシエが編纂した『メシエカタログ』に挙げられた球状星団が1つ位置している[40]

ハッブル宇宙望遠鏡掃天観測用高性能カメラACSの観測データから合成された球状星団M71の画像。

流星群

や座の名前を冠した流星群で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものはない[6]

由来と歴史

16世紀ネーデルランドの地理学者ゲラルドゥス・メルカトル天球儀 (1551) に描かれたや座。Sagitta の他に Telum や Ὀϊςός という名称が確認できる。

紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスは、詩篇『ファイノメナ (古希: Φαινόμενα)』の中で、この星座に「矢」を意味する Ὀϊστός という呼称を用いた[1]帝政ローマ期の2世紀頃のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』でも、このὈϊστός という呼称が使われている[1]。これに対して、紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースは、天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμοί)』の中で「弓」を意味する Τόξον という呼称を用いた[1][44]18世紀以前のラテン語では、ダーツや槍を意味する Telum という呼称が多く使われていた[1]

や座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (: De Astronomica)』では4個、プトレマイオスの『アルマゲスト』では5個とされた[45]

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Sagitta、略称は Sge と正式に定められた[46]

中国

18世紀清代初期に編纂された『欽定古今図書集成』「河鼓三星圖」。中段の「左旗」にや座の特徴的なY字形が見て取れる。

ドイツ人宣教師イグナーツ・ケーグラー英語版(戴進賢)らが編纂し、清朝乾隆帝治世の1752年に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、や座の α・β・δ・ζ・γ・VZ・11・14 の7星が、二十八宿北方玄武七宿の第二宿「牛宿」にある「左の軍旗」を表す星官「左旗」に配されていたとされる[47][48]

神話

アラートスの『ファイノメナ』では「矢が1本あるのみで弓もない」とだけ述べられており、それ以上のことは伝えていない[49]。1世紀頃の古代ローマの軍人ゲルマニクスは、アラートスの『ファイノメナ』をラテン語訳した際に「美少年ガニュメーデースを捕らえてゼウスの下に連れてきた鳥が守るゼウスの矢を表す」という話を付け加えている[50]。エラトステネースは天文書『カタステリスモイ』の中で、紀元前5世紀の劇作家エウリーピデースの伝える話として「息子アスクレピオスキュクロープスの作った雷撃でゼウスに撃ち殺されたことを恨んだアポローンが、キュクロープスを撃ち殺した矢である」とする話を紹介した[1][45][51]。アポローンは極北の地ヒュペルボレイオスにある神殿にこの矢を隠し、アポローンの罪がゼウスに許されるとすぐに彼の手に戻ったとされる[45][51]。そして、アポローンは自分の戦いを記念するために矢を星座として星々の間に置いたとされる[45][51]ヒュギーヌスはエラトステネースと同じ話を伝えるとともに、「コーカサスの山に繋がれて鷲に肝臓をついばまれているプロメーテウスを見たヘーラクレースが、鷲を殺した矢である」とする話も伝えている[1][45][51]

呼称と方言

世界で共通して使用されるラテン語の学名は Sagitta、日本語の学術用語としては「」とそれぞれ正式に定められている[52]。平仮名1文字の星座名は、・「や」の3つのみである[52]

明治初期の1874年(明治7年)に文部省より出版された関藤成緒の天文書『星学捷径』では「サヂッタ」という読みと「」という解説が紹介された[53]。また、1879年(明治12年)にノーマン・ロッキャーの著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「アロウ」と紹介された[54]。それから30年ほど時代を下った明治後期にはすでに「」と呼ばれていたことが、1908年(明治41年)4月に創刊された日本天文学会の会報『天文月報』の第1巻3号に掲載された「六月の天」と題した記事で確認できる[55]。この訳名は、東京天文台の編集により1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも「矢(や)」として引き継がれ[56]1944年(昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「」が継続して使用されることとされた[57]。戦後も継続して「矢」が使われ[58]1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[59]とした際に Sagitta の日本語名はと定まり[60]、以降も継続して が用いられている[52]

現代の中国では、天箭座[61][62]と呼ばれている。

脚注

注釈

  1. ^ 写真等級 (mpg)。当時の写真乾板は青の波長に感度が高かったため、現在のBバンドに近い。

出典

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座標: 星図 19h 50m 00s, +18° 40′ 00″