柴橋正直

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柴橋 正直
しばはし まさなお
内閣府地方創生推進室より公表された肖像
生年月日 (1979-07-03) 1979年7月3日(44歳)
出生地 日本の旗 日本 京都府京都市中京区
出身校 大阪大学文学部
前職 UFJ銀行行員
学習塾講師
衆議院議員
所属政党民主党野田G)→)
無所属
公式サイト しばはし正直 公式サイト

当選回数 2回
在任期間 2018年2月24日 - 現職

選挙区 岐阜1区
当選回数 1回
在任期間 2009年8月31日 - 2012年11月16日
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柴橋 正直(しばはし まさなお、1979年昭和54年〉7月3日[1] - )は、日本政治家岐阜市長(2期)。衆議院議員(1期)、民主党岐阜県連代表などを歴任。

来歴[編集]

京都市中京区新京極生まれ。2歳で兵庫県神戸市に移り住む[2]1988年、8歳で岐阜県本巣郡北方町に転居[3]。岐阜県は父親が牧師になってからの最初の赴任地であった[2]。同郡糸貫町で育つ。糸貫町立一色小学校(現・本巣市立一色小学校)、糸貫町立糸貫中学校(現・本巣市立糸貫中学校)卒業。1998年岐阜県立岐阜高等学校卒業。2002年大阪大学文学部人文学科卒業後、UFJ銀行入行[4]

2003年1月、小沢一郎政治塾に3期生として入塾[4]2004年8月、小沢塾を修了。同年10月、UFJ銀行を退職し、11月、民主党岐阜県連の衆議院議員岐阜1区候補者公募に応募。生計を立てるため、学習塾講師として勤務[5]

2005年3月、審査の結果、6人の応募者の中から公認候補者の内定を得る[要出典]。同年9月11日に行われた第44回衆議院議員総選挙に民主党公認で岐阜1区から立候補するも、野田聖子佐藤ゆかりの刺客騒動に完全に埋没し[6]、落選(小泉劇場)。

2009年8月第45回衆議院議員総選挙で現職閣僚であった野田を破り、初当選を果たした(野田も比例復活で当選)。2010年民主党代表選では菅直人を支持。民主党岐阜県連副代表に就任[7]

2011年8月26日、菅直人首相が民主党代表辞任を正式に表明[8]。菅の辞任に伴う代表選挙(8月29日投開票)では野田佳彦の推薦人に名を連ねた[9]

2012年12月第46回衆議院議員総選挙では野田に敗れ、比例復活も出来ずに落選。2013年8月3日、「政治活動の原点に戻りたい」として、民主党岐阜県連代表を辞職して民主党を離党することを表明した[10]。同年9月2日、県連に離党届を提出[11]。10月6日、県連は柴橋の離党を受理[12]

2014年岐阜市長選挙[編集]

2014年2月2日に行われた岐阜市長選挙に無所属で立候補するも、現職の細江茂光市長に僅差で破れ次点で落選[13]

※当日有権者数:331,195人 最終投票率:38.93%(前回比:pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
細江茂光65無所属51,713票40.47%
柴橋正直34無所属50,206票39.29%
浅野裕司59無所属25,861票20.24%

同年春、学習塾ひかりキッズを設立[14]。また、一般社団法人岐阜創発研究会代表理事、岐阜県ジョギング協会会長、岐阜城山上石垣整備推進協議会副代表、NPO法人わかばスポーツライフ理事などに就任[15]

2018年岐阜市長選挙[編集]

2018年1月28日に行われた岐阜市長選挙で6人の候補者を破り初当選した[16]。経緯は以下のとおり。

2017年
  • 3月28日 - 柴橋は岐阜市内で開いた後援会の会合で、翌年の市長選への出馬の意向を表明[17]
  • 6月1日 - 自民党県連青年局長をつとめる県議会議員の長屋光征が市長選への出馬の意向を固めたことが明らかとなった[18]
  • 6月6日、製菓会社社長の中西謙司が市長選への意向を表明。自民党籍のある中西は同党に推薦を依頼する考えを示した[19]
  • 8月28日 - 柴橋は市役所で記者会見し、無所属で立候補する意向を正式に表明。政党の推薦は求めないと述べた[20]
  • 9月12日 - 自民党岐阜市支部は市長選の推薦候補者を決める選考委員会開いた。かつて野田聖子衆議院議員の秘書を務めた長屋であったが、その長屋に野田側は出馬再考を促した[21]
  • 9月29日 - 現職の細江茂光市長が定例会見で不出馬を表明[22]
  • 9月30日 - 自民党岐阜市支部は中西を県連に推薦依頼することを決定。これにより同党候補は一本化され、長屋は立候補を断念した[23]
2018年
  • 1月28日 - 岐阜市長選挙執行。候補者は過去最多の7人。自民党と県農政連の推薦、公明党の支持を受けた中西を約3万4000票差で下し、初当選を果たした。投票率は36.35%[24]
  • 2月1日 - 自民党推薦候補が大差で敗れたことを受け、自民党岐阜市支部執行部会役員7名が辞任届を提出[25]するも、玉田和浩会長は「責任は全員にある」として不受理とし、自身の辞任も否定した[26]
  • 2月24日 - 市長就任[27]

※当日有権者数:336,969人 最終投票率:36.35%(前回比:-2.58pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
柴橋正直38無所属64,598票53.39%
中西謙司56無所属30,074票24.86%(推薦)自由民主党、(支持)公明党
棚橋保之37無所属8,263票6.83%
吉田里江52無所属7,017票5.80%
小森忠良59無所属5,140票4.25%
森下満寿美57無所属4,566票3.77%(推薦)日本共産党
中根理記69無所属1,329票1.10%

2022年岐阜市長選挙[編集]

2021年9月13日、市議会本会議で翌年行われる市長選挙への立候補を表明[28]

2022年1月30日告示、2月6日投開票の市長選挙では自民・公明・立憲国民各党の推薦を受け新人3候補を大差で下し再選を果たした。

※当日有権者数:336,969人 最終投票率:24.82%(前回比:-11.53pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
柴橋正直42無所属71,436票87.36%自由民主党・公明党・立憲民主党・国民民主党推薦
丹原美穂67無所属6,449票7.89%
黒岩潤41無所属2,781票3.40%
中根理記73無所属1,107票1.35%

政策・主張[編集]

  • 日本軍の「慰安婦」強制を否定[29]
  • 永住外国人への地方参政権付与について、反対の立場をとる。議員当選以前から「付与により結果的に得をする団体が存在し、その団体がこれ以上拡大することは日本にとって望ましくない」[30]、「どちらかと言えば反対」[31]と主張。また国会議員としても「参政権が欲しければ帰化すればよい」[32]、「憲法違反。重要な地域で国益に反する行動がとられる危険性がある」[33]と主張するなど、付与法案成立反対の立場を貫いている。
  • 韓国の戦争被害者の補償について、反対の立場をとる。2010年7月7日、仙谷由人官房長官記者会見で、日韓戦後処理は不十分であり、日韓請求権協定により個人の請求権は消滅したものの、戦争被害者への個別補償を行うべきだとの考えを示した際[34]、自身のブログで「1965年の日韓基本条約で解決済みにもかかわらず、わざわざ個人補償まで検討する理由は何なのか?」と批判した。また、「今回の“おわび”は、後世に禍根を残す重大な変更であり、断じて看過できない。外国人参政権、夫婦別氏に続いての“おわび”を見るにつけ、我が党の諸先輩に向かって苦言を呈したくはないが、日本をどうしたいのか?と迫りたくもなる」と主張した[35][36]
  • 2019年6月6日、旧岐阜市立徹明小学校の校舎を利用して、不登校の中学生対象の特例校を2021年春に開校する計画案を明らかにした。特例校は全国に12校あり、県内には私立校が1校あるが(揖斐川町西濃学園中学校)、公立は初めてとなる[37]。学校の名称はその後、岐阜市立草潤中学校に決まった[38][39]
  • 2019年9月3日、市議会定例会において、市内の小中学校などの体育館にエアコンを設置すると発表した[40]。72館すべてにエアコンを導入する方針。2020年度末までに15館に整備する予定[41]

人物[編集]

  • 父親は会社員で岐阜県本巣市の単立イエス・キリスト本巣教会の牧師[42][43]
  • 柴橋自身もキリスト教信者である。2012年の衆院選の落選について、「もともと、神様がやれと言ったのでこの仕事に入ったが、あまりに反応が悪いので、『こんなに一生懸命やって理解されないのなら、やってられない』とも思った」「神様との一致がなかった」と述べた[44]
  • 兵庫県高砂市に本部がある「日本を愛するキリスト者の会」の理事を務める[45][46]
  • 高校から大学時代は歴史学者になる事を志していた。漫画日本の歴史を読んだ事がきっかけ[47]
  • 2009年、当時党代表であった小沢一郎西松建設事件で揺れた際、当時の柴橋は浪人中の一候補者の身でありながら、5月7日、小沢と直接対談し、代表辞任を求めた[48][49][50][51]。その4日後の5月11日、小沢は代表辞任を表明した。
  • 2010年9月14日に行われた民主党の代表選挙では、小沢塾出身者でありながら、菅直人を支持することを自身のブログで表明した。また、2009年に小沢に代表辞任を求めた以後、小沢の側近から「パージ」され、以後会合に呼ばれなくなった[51]ことを明かした。さらに、「率直な意見すら許されない、意に反する者はパージする。菅総理の意見交換会に顔を出すなというグループの指令は、そのグループの体質を如実に表しています。自分たちの復権のために、国民不在の政局にひた走るグループに、日本の再建は任せられません。」と、小沢グループを強く批判した[50]

脚注[編集]

  1. ^ 『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年、214頁。
  2. ^ a b 第35回 民主党 柴橋正直 衆議院議員”. みわちゃんねる突撃永田町!! (2012年6月13日). 2019年6月13日閲覧。
  3. ^ 「しごと」の話を聞こう会blog(2006年8月9日エントリー)
  4. ^ a b 「7例目の再選挙になるか? 7人立候補表明で混戦の岐阜市長選挙」選挙ドットコム1/16(火) 7:01配信
  5. ^ 「柴橋 正直 (しばはし まさなお)」読売新聞
  6. ^ 選挙プランナーの三浦博史は著書「ネット選挙革命」において、『テレビで保守分裂選挙ばかりが注目されたため、「野田聖子 VS 佐藤ゆかり」の岐阜1区の民主党候補を覚えている人は皆無に近いだろう』と書いている。
  7. ^ 「柴橋 正直(しばはし まさなお)」読売新聞
  8. ^ “菅直人首相が退陣を正式表明、民主代表選が事実上スタート”. ロイター. (2011年8月26日). https://www.reuters.com/article/idJPJAPAN-22883120110826 2021年11月27日閲覧。 
  9. ^ 2011年8月29日投票 民主党代表選挙 推薦人一覧”. 江田五月 - 新たな出発. 2021年11月27日閲覧。
  10. ^ 岐阜県連代表が離党表明=民主 時事通信 2013年8月3日閲覧
  11. ^ “柴橋氏が離党届を提出 民主県連は扱い保留”. 岐阜新聞. (2013年9月3日). http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20130903/201309030918_20841.shtml 2013年11月22日閲覧。 
  12. ^ “岐阜市長選、柴橋氏が立候補表明 前民主衆院議員”. 朝日新聞. (2013年10月22日). http://www.asahi.com/politics/update/1022/NGY201310220002.html 2013年11月22日閲覧。 
  13. ^ “岐阜市長に細江氏5選”. 日本経済新聞. (2014年2月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDE02001_S4A200C1PE8000/ 2017年12月25日閲覧。 
  14. ^ [1]ガッツ家庭教師
  15. ^ 柴橋正直 岐阜市長 Twitter
  16. ^ “岐阜市長に柴橋氏 38歳、自民系に大差”. 中日新聞. (2018年1月29日). https://www.chunichi.co.jp/article/3217 2020年11月22日閲覧。 
  17. ^ “柴橋氏が正式出馬表明 岐阜市長選”. 岐阜新聞. (2017年3月19日). http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170319/201703190831_29244.shtml 2018年2月2日閲覧。 
  18. ^ “岐阜市長選、長屋県議が出馬意向”. 岐阜新聞. (2017年6月2日). http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170602/201706020842_29775.shtml 2018年2月2日閲覧。 
  19. ^ “岐阜市長選 中西氏出馬表明 現職出馬なら応援 /岐阜”. 毎日新聞. (2017年6月7日). https://mainichi.jp/articles/20170607/ddl/k21/010/058000c 2018年2月2日閲覧。 
  20. ^ “岐阜市長選 柴橋氏が出馬表明 「成長都市」へ重点八作 /岐阜”. 毎日新聞. (2017年8月29日). https://mainichi.jp/articles/20170829/ddl/k21/010/271000c 2017年12月25日閲覧。 
  21. ^ “岐阜市長選 自民「めど」まで2週間 候補者選び難航 /岐阜”. 毎日新聞. (2017年9月13日). https://mainichi.jp/articles/20170913/ddl/k21/010/049000c 2018年2月2日閲覧。 
  22. ^ “細江氏、次代に発展託す 岐阜市長選不出馬”. 岐阜新聞. (2017年9月30日). http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170930/201709300902_30621.shtml 2018年2月2日閲覧。 
  23. ^ “岐阜市長選 自民が候補一本化”. 産経新聞. (2017年9月30日). http://www.sankei.com/west/news/170930/wst1709300095-n1.html 2018年2月2日閲覧。 
  24. ^ “柴橋氏当選、「草の根」保守層切り崩す…岐阜市長選”. 読売新聞. (2017年1月30日). https://web.archive.org/web/20180130102454/http://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/news/20180130-OYTNT50047.html 2018年2月2日閲覧。 
  25. ^ 「岐阜市長選、自民大敗の余波 7人役員辞任届」岐阜新聞2018年02月02日07:49
  26. ^ 「自民党岐阜市連 総務会で会長が改めて辞意否定 /岐阜」
  27. ^ 市町村長名簿 市町村長・議員任期一覧 平成28年5月26日現在
  28. ^ “柴橋岐阜市長が再選出馬表明”. 岐阜新聞. (2021年9月13日). https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/16331 2022年2月1日閲覧。 
  29. ^ しんぶん赤旗 2013年1月6日
  30. ^ 正直通信(2008年8月30日コメント欄)
  31. ^ 朝日新聞社による候補者アンケート(2009年7月調査)
  32. ^ 正直通信(2010年1月12日エントリー)
  33. ^ 産経新聞社による国会議員アンケート(2010年2月14日)
  34. ^ 日韓戦後処理は不十分=「改めて決着必要」-官房長官
  35. ^ なぜ“おわび”?-正直通信(2010年7月29日エントリー)
  36. ^ この国のかたち-正直通信(2010年8月12日エントリー)
  37. ^ “岐阜市教委 不登校特例校設置へ 中学生対象、県内公立校で初 /岐阜”. 毎日新聞. (2020-11-). https://mainichi.jp/articles/20190607/ddl/k21/100/181000c 2020年11月22日閲覧。 
  38. ^ 岐阜市立草潤中学校 学校案内” (PDF). 岐阜市役所. 2020年11月22日閲覧。
  39. ^ 北村希 (2020年11月12日). “<#不登校> 岐阜市立特例校、開校前に説明会”. 中日新聞. https://www.chunichi.co.jp/article/152647 2020年11月22日閲覧。 
  40. ^ 令和元年9月定例会 市長提案説明/広報広聴課/岐阜市公式ホームページ
  41. ^ 『中日新聞』2019年8月31日、「体育館にもエアコン導入へ 岐阜市教委、全小中学校で」。
  42. ^ 正直通信(2005年7月20日エントリー)
  43. ^ 正直通信(2005年10月8日エントリー)
  44. ^ 中田朗 (2013年2月15日). “落選翌日から街頭に立つ柴橋正直前衆議院議員”. クリスチャン新聞. https://クリスチャン新聞.com/?p=556 2020年11月22日閲覧。 
  45. ^ 理事紹介” (PDF). 日本を愛するキリスト者の会. 2020年11月22日閲覧。
  46. ^ 日本を愛するキリスト者の会
  47. ^ 「イケメン政治家名鑑」(廣済堂出版、2013年1月5日発行)に記載。
  48. ^ 正直通信号外No.135
  49. ^ 名古屋テレビ メ~テレドキュメント「かえなきゃ、かわらない。」2009年12月13日放送
  50. ^ a b 闘うリーダーを望む(2010年8月26日エントリー)
  51. ^ a b 小沢氏に敬意と反発 県選出の新人4人が真っ二つ中日新聞 2010年9月2日

外部リンク[編集]

公職
先代
細江茂光
岐阜市旗岐阜県岐阜市長
2018年 -
次代
現職