ジーグ (音楽)

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ジーグ([1][2][3][4][5][2]:gigue:ジーグ、:giga:ジーガ[1][2][3][5]西:giga:ヒガ[1])は、バロック時代組曲を構成する舞曲の形式[1][4][6]

語源[編集]

giga(古独)とよばれる中世の擦弦楽器の名称とその奏者の名前か、もしくはgiguer(古仏)の跳躍するという意味だといわれているが、明らかになっていない[2]

ジグとの混同[編集]

日本では1991年頃まで文部省「教育用音楽用語(教育芸術社)」の中でジグの項が、ジーグと一緒にされており[2]2016年に発売された『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』(ヤマハミュージックメディア)も、ジーグの項の中にジグの説明も含まれている[6]。また2009年に発売されウィーン文化芸術家協会後援となっている「正しい楽譜の読み方(現代ギター社)」ではジーグの項にアイルランドやスコットランド発祥の説が含まれている[5]

歴史[編集]

17世紀中ごろのフランスリュート曲に現れ[2]、2拍子系(単純拍子)と3拍子系(複合拍子)が存在している[1][2]。舞踊の中での固有のステップはなく、跳躍が多い。組曲の楽章として定着したのは17世紀後半からである[2]

国による違い[編集]

フランス[編集]

多くの場合、複合3拍子(8分の6拍子、4分の6拍子)が用いられ、付点リズム、跳躍などが登場し、複雑なアクセントやフーガ的書法がみられ[1][3]サラバンドのすぐ後ろに置かれる[2]

イタリア[編集]

フーガ的書法をとらず、基本和声の上に急速に駆け巡る経過句をもつ[3]。単純明快で分散和音的なつくり[1]

ドイツ[編集]

J.S.バッハは組曲の最後に用い、後半部分を冒頭の旋律の反行形で始めることが多い[2]

様式化された形式[編集]

様式化されたのは以下の2種類である[2]

フランスふう[注 1][編集]

フーガのように1声のみで始まり、ほかの旋律が模倣するなど対旋律的な書法で書かれ、リズムも複雑[2]

イタリアふう[注 1][編集]

イタリアのヴァイオリン音楽の影響を受けたもので、8分の6拍子、8分の9拍子、8分の12拍子などの早いテンポの複合拍子が多く、単純明快な構造を持つ[2]

参考文献[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 久保田慶一 監修 『アルファベットで引く 6か国語音楽用語辞典』 音楽之友社2015年、98頁。ISBN 9784276000605
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 『新訂 標準音楽用語辞典 ア-テ』 音楽之友社、1991(初版1966)、753頁。
  3. ^ a b c d 鈴木静哉、竹内ふみ子 『明解 音楽用語辞典』 ドレミ楽譜出版社、2008年、32頁。ISBN 9784810896701
  4. ^ a b 『定番 実用音楽事典』 ドレミ楽譜出版社2001年、106頁。ISBN 481089797-4
  5. ^ a b c 大島富士子 『正しい楽譜の読み方 バッハからシューベルトまで~ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート~』 現代ギター社、2009年、39頁。ISBN 978487471470-6
  6. ^ a b リンジー.C.ハーンズバーガー、八木澤教司 監修 『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』 元井夏彦訳、ヤマハミュージックメディア2016年、54頁。ISBN 978463692332-2

脚注[編集]

  1. ^ a b 出典の表記のまま

関連項目[編集]