コンポーネントステレオ

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:単品コンポによるコンポーネントステレオやミニコンポ等の画像提供をお願いします。2010年6月

コンポーネントステレオ(和製英語: Component stereo outfit、英語: Stereo component system)は、ユーザーが好みの製品(レコードプレイヤーアンプチューナースピーカーなど)を別々に購入し、組み合わせて構築する前提の設計の音響機器である。こんにちでは「オーディオ」と呼ばれることのほうが多く、「ステレオ」という名称はセパレート型の時代からの伝統的なものである。単に「コンポ」と略称することもある(ただし、この略称は現在では「ミニコンポ」を指す場合も多い)。

それぞれの機器は「単品コンポ(略称:単コン)」とも総称される。レコードプレーヤー・チューナー以外の入力機器テープCDビデオなど)はデッキと呼ばれる。

一般に、19インチラック実装の業務用機器に範をとった幅17インチ(約432ミリ)の「フルサイズコンポ」(およびそれに組み合わせることが前提のスピーカー)を特に指すことが多く、それより大きい(たとえばオープンリールテープレコーダーなど)ないし小さい単機能の機器はあまり含まない。また、同様の構成をとる音響機器で、幅を36cm程度としたもの、およびそれ以降の小型化を進めたものはミニコンポとされる。

いわゆる「オーディオマニア」の求めるいわゆる「高級オーディオ」機器は一般にコンポーネントステレオである。

歴史[編集]

セパレート型からコンポーネントへ[編集]

1960年代から1970年代の初めにかけて人気があったのはセパレート型ステレオだった。家具のようなどっしりとしたデザインで、低音も豊かな、当時としては十分な音質を楽しむことができ、コンポーネントステレオを揃えるよりも安価であった。しかし拡張性がほとんどなく(テープデッキを接続できる程度)、また、一部の機能の故障の場合でも、装置全体をばらしての修理をしなければならなかった。

1970年代になると、レコードプレーヤーに、ベルトドライブに代わってS/N比等の性能が非常によいダイレクトドライブが登場し、アンプの出力も年ごとに向上するなど、技術躍進がめざましくなり、とくにカートリッジを交換するだけで音質の変化を楽しめることも好評となり、コンポーネントステレオはセパレート型ステレオに代わるステレオセットの当時の主流になった。長岡鉄男などによるオーディオ関連の書籍も多く出版され、1977年には、NHK教育の『技能講座』で「オーディオ入門」が放映された。

システムコンポーネント[編集]

コンポーネントステレオは、自分の好みのものを構築できる反面、製品間の相性の問題があった場合には期待していた音質とはならない場合もある。そこで登場したのが「システムコンポーネント(略称:シスコン)」である。それぞれの製品を別々にも購入できるが、メーカーおすすめのセットが前提で、セットで購入すれば、デザインも統一されており、十分な音質が楽しめる商品である。当時のシスコンのカタログには、「○○シリーズはコンポーネントステレオの組み合わせの一例です」等の記載がある(例:TechnicsのyouシリーズやVシリーズなど)。これに対し単品を前提としたコンポをバラコンと呼んだ。

ミニコンポ[編集]

システムコンポのブームが一段落した後、さらに一回り小さい「ミニコンポ」や、もうひと回り小さい「ミニミニコンポ」が現れた。その後に現れた左右のスピーカーと本体という3ピース構成で、ある種のコンポ以前への先祖返りとも言える構成のオーディオシステムまで含め「ミニコンポ」とこんにちでは全てを含めて総称しており、オールインワンタイプの製品に次ぐ普及帯のオーディオ製品となっている。ミニコンポは一般にシスコンである。2010年代には、システムコンポではなく単品コンポ的なスペックとごくちいさな筐体サイズ(CDケース数枚ぶん)という新しいコンセプトの製品が、東和電子(Olasonicブランド)からNANOCOMPOという名前で登場した。

自作[編集]

単機能の機器の組合せであるコンポーネントステレオには、アンプやスピーカなど、自作に向いたどれか1つの単機能の機器のみを自作したものに取り替える、という方法で自作機器を組み入れることができるため、オーディオ自作のためのシステムとして向いているという面がある。