音波
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音波(おんぱ、英: acoustic wave)とは、狭義には人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性波をさす。広義では、気体、液体、固体を問わず、弾性体を伝播するあらゆる弾性波の総称を指す。狭義の音波をヒトなどの生物が聴覚器官によって捉えると音として認識する。
人間の可聴周波数より高い周波数の弾性波を超音波、低い周波数の弾性波を超低周波音と呼ぶ。
本項では主に物理学的な側面を説明する。
概念・用語[編集]
- 媒質
- 音波は、真空中では伝播せず、必ず気体・液体・固体のいずれかの媒質を介する必要がある。
- 指向性
- 音波の指向性は指向角で表すことができる。指向角は波長と振動子の大きさで決まり、波長が短い超音波は指向角が小さく(指向性が高く)、波長の長い可聴音は指向角が大きい(指向性が低い)。超音波は指向角が小さくビーム状に音波が伝わり、可聴音は指向角が大きく、たとえば人の声は全方位に伝わる。
- 音波同士がぶつかった場合
「重ね合わせの原理」と「波の独立性」の物理法則に従う。同じ方向の音波が重なった場合の振幅は足し算となり(重ね合わせの原理)、音波同士がぶつかった場合は、お互いに影響を受けず、何事もなかったかのように元の波形を保ったまま伝播する(波の独立性)。
音波の利用例[編集]
- 医療分野では、産科や内科での胎児診断や内臓検査に医療用超音波センサーを使うことで、患者の体内を簡易に画像化出来る。また結石などを開腹手術をせずに音波による衝撃波で破砕することで体外への排出を容易にできる。
- 軍事用途や漁業においては、ソナーと呼ばれる水中音波を使って水中の敵潜水艦や魚群を探知している。
- 超音波センサーはあらゆる物流関連の現場で物体の有無を容易に捕らえることが出来るために利用されている。製造業や保守関連の産業では超音波を使った探傷検査が行なわれている。またSAWフィルタ(表面弾性波フィルタ)と呼ばれる電子部品もある。
- イルカを含む鯨類の一部は、メロン器官やメロン体と呼ばれる頭部の組織を音波レンズとして利用することで、指向性を持った水中超音波の送受信に利用している。このように音波を使って周囲を知る方法は反響定位やエコーロケーション(Echolocation)と呼ばれている。一方、マッコウクジラなどは超低周波水中音波を遠く離れた仲間との会話や歌に使用している。
- コウモリは、口から超音波を放ちながら反射音によって周囲の状況を捉え、暗闇でも飛行することが出来る。エサである虫の位置を知ることもできる。
- 噴霧された溶融粒子に粒径に応じた固有振動数の周波数の音波を当てる事で粒径一定に揃える事が出来る。
- 音波浮遊炉では浮遊状態での材料の保持に使用される。電磁浮遊炉では浮遊できない酸化物等の非導電性材料の浮遊が可能となる。
参考文献[編集]
- ^ 吉川茂; 藤田肇 『基礎音響学』 講談社サイエンティフィク、2002年、81頁。ISBN 4-06-153972-8。
- ^ 吉川茂; 藤田肇 『基礎音響学』 講談社サイエンティフィク、2002年、152頁。ISBN 4-06-153972-8。
- ^ 大野進一; 山崎徹 『機械音響工学』 森北出版、2010年、6頁。ISBN 978-4-627-66751-8。