弾性波

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連続体力学
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弾性波(だんせいは)は、弾性体中を伝わる変形波で、弾性応力波弾性ひずみ波とも呼ばれる。体積変化を伴う「体積波」と、形状変化は生じるが体積変化を伴わない「等体積波」とに大別される。一次元物体中の圧縮波引張り波は前者に対応し、剪断波、あるいはねじり波は後者に対応する。弾性波の伝わる速度弾性係数ポアソン比密度に依存する。

種類[編集]

P波
進行方向に平行に振動する波動。弾性波の中で最も早く伝播し、伝播速度 cP はλ, μをラメ定数、弾性体の密度をρとすれば、
c_P=\sqrt{\frac{\lambda+2\mu}{\rho}}
と表される。
S波
進行方向に垂直に振動する波動。伝播速度 cS
c_S=\sqrt{\frac{\mu}{\rho}}
と表される。
Head wave
観測点の位置とソースの位置にある特定の関係がある(観測点が表面付近にある)時に存在する波。伝播速度 cHcS < cH < cP の範囲にある。
レイリー波
レイリー波は表面を伝播する波であり、S波よりも遅い速度で伝播する。

運動方程式[編集]

等方性弾性体の運動方程式は次式で表される[1]

\rho\frac{\partial^2 u_i}{\partial t^2}=(\lambda+\mu)\frac{\partial }{\partial x_i}\sum_{j=1}^{3}\frac{\partial u_j}{\partial x_j}+\mu\sum_{j=1}^{3}\frac{\partial^2 u_i}{\partial x_j^2}+\rho g_i\qquad(i=1,2,3)

ここでui は変位、ρは密度、λ, μはラメ定数gi は重力加速度である。

ここで重力を無視し、変位が空間的にx1 方向にのみ依存する平面波であるとすると、上式は以下の1次元波動方程式になる。

\frac{\partial^2 u_1}{\partial t^2}=c_P^2\frac{\partial^2 u_1}{\partial x_1^2},\qquad
\frac{\partial^2 u_2}{\partial t^2}=c_S^2\frac{\partial^2 u_2}{\partial x_1^2},\qquad
\frac{\partial^2 u_3}{\partial t^2}=c_S^2\frac{\partial^2 u_3}{\partial x_1^2}

脚注[編集]

  1. ^ 井田喜明 『自然災害のシミュレーション入門』 朝倉書店、2014年、15頁。ISBN 978-4-254-16068-0 

関連項目[編集]