ウォーターマーク

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ウォーターマーク英語: watermark)は、本来、紙の透かし(すかし)のことを指すが、著作権表示などのために静止画像動画に写し込まれる小さな図案や文字を指すことが多い。本項目ではこういった映像に加えられるマークについて説明する。

権利保護[編集]

著作権者が著作権を保有する著作物では、一般にその権利の存在を著作物に付随して明示されることで担保される。

著作権のある静止画像や動画像などの画像では、権利の明示のために元画像に著作権表示を大きく加えることは鑑賞者にとって不快な効果をもたらすために、小さく目立たないように加えられる場合があり、多くが半透明の図案や文字によるロゴマークである。

また、このような可視的な「ウォーターマーク」の他に、著作物である元画像に不可視な2次元信号を重層しておいて正当な利用以外の漏出時に流通経路を特定したり再生を阻害したりするための「電子透かし」と呼ばれるデジタル技術応用の手法も存在する[1]

テレビ放送[編集]

テレビ放送でチャンネルを表示する「ウォーターマーク」は「ロゴマーク」や「チャンネルロゴ」「局ロゴ」などと呼ばれる。

放送局名やチャンネル名のロゴマークやテレビ局のマスコットキャラクターなどが、画面の右上や右下、左上などに常時表示される方式が多く、民放でのCM中は消され、番宣スポット中も消される場合が一般的である。映像の視聴を阻害しないように小さく半透明なものが多い。常時表示するのではなくCM後の番組再開直後に3秒程度、大きなロゴを表示する局もある(テレビ朝日・テレビ東京のリモコンキーID告知))。表示方式1つとっても「提供クレジット表示中は非表示」、「表示は自社製作番組のみ」、「CM入りの1秒前から消す(局によっては提供クレジット表示1秒前からも)[2]」など各局さまざまである。

日本の地上波やBS放送は上記の方式で、半透明の透かし表示が多いが、日本以外の地上波や衛星放送では常時カラー表示することもある上日本の地上波より大きく表示していることもある。

NHK神戸放送局の総合テレビでは、アナログ放送終了までは放送局区別のために風見鶏を数秒間表示していた。

また、日本国外の放送局も日本と同様の理由でウォーターマークを採用している。

衛星放送[編集]

  • 2000年開始のBSデジタル放送では当初はNHKの3チャンネルと一部の民放が表示していたが、2008年5月3日BSフジが表示を開始したことによって有料系を除く全てのチャンネル(2000年以降に開局したチャンネルを含む)が表示している。有料系で唯一ウォーターマーク表示を行っていなかったWOWOW(WOWOWプライム、同ライブ、同シネマ)も、2011年10月1日よりウォーターマークの常時表示を開始している。
  • CS放送でも大半の局が表示している。
  • 日本で唯一[要出典]国際放送を行っているNHKでは海外向けテレビ番組配信および在外邦人向けテレビ国際放送のNHKワールド・プレミアムで3つのたまごが付いた「NHK」ロゴのウォーターマークが画面左上に表示されている。

BSアナログ放送[編集]

  • NHKの衛星アナログテレビでは、1998年8月から「BS1」「BS2」と表示していた(※2011年3月31日まで)。
  • 「アナログ」の表示を一足早くBSアナログハイビジョンで2006年4月4日から(2007年9月30日の放送終了まで)、BS1・BS2でも2008年5月1日から表示されている。それぞれ従来表示していたチャンネルロゴの下部に小さく表示されている(フォントは地上アナログ放送と異なる)。
    • 2011年4月1日からBS1・BSプレミアムのアナログ放送は地上アナログ放送と同じフォントで「アナログ」と表示され、同月18日より「アナログ」表示の左側にチャンネルロゴが表示されるようになった。なお、大きさは地上アナログ放送の総合・教育の2倍となっている。 

地上デジタル放送[編集]

  • 2003年に始まった日本の地上デジタルテレビ放送では、デジタルデータであるために元の品質を損なわずに海賊版などの複製が比較的簡単に行える。このため、著作権保護の目的からウォーターマークを表示する局がある[要出典]が、複製される可能性の低い、報道番組テレビショッピングなど一部で表示されない番組もある。
    • 特に、ローカル局での放送が少なく、インターネットへアップロードされた際の被害が大きいテレビアニメでは全作品で必ず表示されるようになった[3]
  • 2008年7月から始まったダビング10に合わせるように、同年4月頃からウォーターマークを表示させる局が全国で急増し、2011年の時点で独立局の一部を除く全ての民間放送局で表示が行われている。
  • 2009年1月12日より民放のアナログ放送では「アナログ」テロップの常時表示を開始したのに伴い、ウォーターマークの表示を開始した局が見られる。
  • 現在ワンセグのみ非表示の局も今後、同放送でウォーターマーク表示を行う可能性もある。

ウォーターマークを表示している局[編集]

NHK
全ての放送波で導入されているが、総合・Eテレにおいて首都圏放送センターを除く地方局のローカル放送(全国放送番組の時差放送も含む)は非表示。
Eテレのワンセグでは非表示である。
日本テレビ系列
系列30局(クロスネット局を含む)全てで導入。
日本テレビ(NTV)、中京テレビ(CTV)、読売テレビ(ytv)、長崎国際テレビ(NIB)のワンセグでは非表示。
テレビ岩手(TVI)、福岡放送(FBS)、日本海テレビ(NKT)、くまもと県民テレビ(KKT)は提供表示時では非表示。
マルチ編成における日本テレビはサブチャンネル(042)のみ非表示、メインチャンネル(041)は表示されていた。
日本海テレビのは変わり種で、ぶぅの鼻を基調とする「日」マークに「1ch」の文字が添えられたものを表示する(「日本海テレビ」ロゴは大きく3パターンあるがいずれも未使用、「NKT」ロゴは現在は社屋などで用いられる程度)。
テレビ朝日系列
系列24局(クロスネット局を含まず)全てで導入。
新潟テレビ21(UX)のワンセグと提供表示時および長崎文化放送(ncc)と熊本朝日放送(KAB)の提供表示時では非表示。
TBS系列
地上デジタル放送開始時より系列28局全てで導入、かつ全局でCMを除き常時表示。
北海道放送(HBC)、青森テレビ(ATV)、東北放送(TBC)、CBCテレビ(CBC)、毎日放送(MBS)、テレビ山口(tys)のワンセグでは非表示。
テレビ東京系列
系列6局全てで導入。
テレビせとうち(TSC)のワンセグおよびTVQ九州放送の提供表示時では非表示。
フジテレビ系列
系列28局(クロスネット局を含む)全てで導入。
フジテレビ(CX)、仙台放送(OX)、高知さんさんテレビ(KSS)、サガテレビ(sts)、テレビくまもと(TKU)、鹿児島テレビ(KTS)のワンセグでは非表示。
独立局
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)、※テレビ埼玉(TVS)、千葉テレビ放送(CTC)、※群馬テレビ(GTV)、※とちぎテレビ(GYT)、岐阜放送(GBS)、三重テレビ(MTV)、びわ湖放送(BBC)、京都放送(KBS、一部の番組を除く)、サンテレビジョン(SUN)、テレビ和歌山(WTV)、奈良テレビ(TVN、一部の番組を除く)の以上12局で導入。
(※の放送局のワンセグでは非表示)
非表示局は、テレビ神奈川(tvk)のみ。
クロスネット局
福井放送(FBC)、テレビ大分(TOS)、テレビ宮崎(UMK)の以上3局全てで導入。

※そのほか、放送大学(UD)もアナログ・デジタルともにウォーターマークを表示している。ロゴマークの右に地上デジタル・スカパー!・ケーブルテレビ局向け配信では「放送大学」、地上アナログでは「アナログ」の文字を表示している。

アナログ放送[編集]

  • 日本の地上アナログ放送では、1953年のNHKテレビ放送開始から民放を含めてウォーターマークの表示は特にはなかった。NHK総合・教育テレビ(→ Eテレ)のアナログ放送では、2011年7月24日アナログ放送が完全終了することに関連して、2008年7月24日からは画面右上に「アナログ」の文字が常時表示されるようになり、チャンネルロゴは表示されていない。地上波デジタルTV放送とは事情が異なり、本来の著作権保護の目的だけではなく、地上波アナログTV放送では視聴している番組が「アナログ/デジタル」のいずれであるか識別するためのマークを表示することでデジタルへの移行を促していると考えられ、ローカル放送でも多くの番組で表示されている
  • NHKの総合テレビでは、かつて未明~早朝に放送の「映像散歩」放送中にNHKのロゴマークを画面右上部に表示していた。
  • NHKの教育テレビでは、かつてはレターボックス放送で黒帯が出る時は「アナログ」の文字の位置は下と左に動いていたが2010年2月11日より移動しなくなった。総合テレビ、BS1・BS2では黒帯が出るときでも常に4:3放送時の位置で固定されている。
  • 2009年6月頃から総合テレビが、2010年2月11日から教育テレビでアナログマークが不透明になっている。また、2010年3月からBS1・BS2では濃い灰色、黒の太い縁取りのマークになった。
  • アナアナ変換の際、一部中継局で視聴者がチャンネル変更作業を行う場合のために中継局単位でチャンネル識別用のウォーターマーク[4]スーパー[5]を挿入していた。
  • 岩手・宮城・福島3県の地上波民放局では2011年7月25日よりアナログ画面でもウォーターマーク表示を開始した(NHKは従来通りアナログ画面のウォーターマーク表示無し。画面は2011年7月25日より全局がCM中も含め完全強制レターボックス化され、アナログ放送終了告知テロップはCM中でも常時表示。時刻表示は4:3SD位置への移動を廃止して16:9HD位置に常時固定のうえデジタル画面と同一の書体・デザインに変わり、数字の切り替わり方もデジタル画面と同様の方式に変更)。

民放での表示[編集]

  • 当初民放では2008年7月24日より19時から23時の間、TBS、テレビ東京はNHKと同じサイズ、他局はNHKで表示される「アナログ」ロゴを3倍ほど大きくした文字が番組冒頭に数秒程度表示されていた。開始時刻が19時前にまたがる場合は18時台に表示されることもあった。
    • ただしウォーターマークではなく白文字での表示だった。なおTOKYO MX、チバテレビなどサイズは3倍の大きさながらウォーターマーク並みに薄い白文字の局もあった。
    • 本格的な表示開始(後述)に先駆け、テレビ愛媛では1月5日から自社製作番組の一部(テレチュー2・5hなど)の番組内でアナログロゴの常時表示を始めていた。
    • 秋田テレビが同日から2009年1月9日にAKTスーパーニュースのローカル枠開始時に「アナログ」マークの表示を独自フォントで行っていた。
  • そして2009年1月12日からはNHKに続き、多くの民放各局でも画面右上に常時「アナログ」の文字がウォーターマークで表示されるようになった。
    • サイズはNHKでの表示より3倍ほど大きくした文字となっている。レターボックス放送を行った際に上部の黒帯にちょうどかかる大きさとなっている。
  • 先述の教育テレビと同様に、2009年7月までのABCテレビなど一部のテレビ朝日系列局(以上、自局送出の番組)とTOKYO MXでは、レターボックス画面になると「アナログ」の文字の位置は下と左に移動する。
  • 独立局の一部では現在も常時表示は行われていないが、当時表示していなかった局のうち東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)とKBS京都を除く独立局では、2009年1月12日の「全国高等学校サッカー選手権大会」の決勝中継において基幹局である日本テレビの映像をそのまま放送したため、当該時間のみ常時表示された。
  • KBS京都やサンテレビなど一部の放送局では、アナログ放送でもHD番組ではデジタル放送同様のチャンネルロゴを表示している局もある。

表示が入らないケース
  • NHKで災害・地震・津波などの全波一斉放送の臨時ニュースがあったとき(デジタル放送と同様、全チャンネルでチャンネル名やアナログのマークが非表示。但し、NHKワールド・プレミアムでは通常通りNHKのロゴを表示する)
  • 民放でのCM(生CMではそのまま表示が入る)・テレビショッピングキー局全局ほか一部の地域では入る)や一部番組では入らない
    • スポットを含めた番組宣伝では局・時間帯によって入る場合と入らない場合の両方がある。
    • アナログ放送終了告知画面やアナログ放送終了告知スーパー、フィラーテストパターン・黒画面・局名告知を流す。
    • 福島放送で放送されているヤン坊マー坊天気予報ウェザー情報(予報のみ)
    • 札幌テレビで土曜日9:25と11:54に放送される道南地方、道北・オホーツク地方、道東地方向けのローカル番組放送時(2011年7月はアナログ放送のみ終了のカウントダウン表示とともに「アナログ」のウォーターマークが表示されている)。

脚注[編集]

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  1. ^ ウォーターマークとは - PC online(日経BP社webページ。原出典は『日経パソコン用語辞典2009』(2008年12月12日閲覧))
    著作権法令研究会編著『実務者のための著作権ハンドブック』第6版、著作権情報センター、2005年、p229
  2. ^ 東芝製マスターを使用している局に多い。
  3. ^ ただし、テレビアニメでもNHK地方局のローカル放送扱いの場合は表示されない場合がある(例:NHK総合鳥取で放送された「Free!」「Free!-Eternal Summer-」(製作局:ABC))。
  4. ^ 栃木県 チャンネル変更表(ARIB)(リンク切れ)
    地上デジタルのためのアナログ地上波チャンネル再設定 - Landscape
  5. ^ 地上デジタル放送に向けたアナログ周波数変更の受信対策 - 3月9日に岐阜日野中継局(船伏山)及び八百津中継局(大洞山)が終了 - - 平成15年3月6日 総務省(他地域でも実施)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]