南くんの恋人
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漫画:南くんの恋人 | |
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作者 | 内田春菊 |
出版社 | 青林堂 文藝春秋 青林工藝舎 |
掲載誌 | 月刊漫画ガロ |
発表期間 | 1985年 - 1987年 |
巻数 | 全1巻 |
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『南くんの恋人』(みなみくんのこいびと)は、内田春菊の漫画作品およびそれを原作としたテレビドラマ。
概要
平凡な高校3年生の南くんと、突然身長16cmになってしまったちよみの恋と同棲生活を描いた連作。
『写真時代ジュニア』1985年4月号掲載の読切漫画「言いなりになりたい」(単行本『春菊』に収録)を元に、1985年『アニメージュ増刊OZ』で第1話「悲しんだりもしたい」を掲載。第2話から舞台を『ガロ』に移して2年にわたり不定期連載され、書き下ろしの最終話を加えた単行本が1987年7月に青林堂から刊行された。1998年7月には文藝春秋より文春文庫として刊行、2004年6月には青林工藝舎より「改訂版」が刊行された。
原作
原作漫画はドラマ版と違い、掲載誌の性質上寓話的な要素が強い。また、原作は登場人物も少なく、ドラマのストーリーも「小さくなった恋人との同棲生活」程度の共通点しかない。また、漫画の内容は決かなして「プラトニックな恋愛」を描いた訳ではなく、あくまで「ガロ系のラブストーリー」といったものであり、青年期の生々しい心情描写や大胆な性描写などが描かれ、恋愛漫画における綺麗事を一切排除した特殊な恋愛作品となっている。
最終話は南くんとちよみが温泉旅行に出かけるが、旅行の帰り際に転落事故に遭い、南くんはかすり傷で済んだものの、ポケットの中にいたちよみが死亡してしまう残酷であっけないものだった。最後のページには「ちよみは小さいから生きられなかった」という本作の構造に対しての皮肉も描かれている。また、「なぜちよみが小さくなったのか」といった理由や説明が本編で明示される事は一切なかった。
作者の内田春菊は『ガロ』のインタビューで、残酷な結末を描いた経緯について次のように回想している。
「 | こーんな小さなちよみの子宮の中で生理が起こってる、とかいうのもいつまでもやっていたらおかしくなるな、と思ってこの話を終わらそうと決心したんですよ。それから話を思い出すたびにシクシク泣いて、やめればいいのにね。自分で勝手に世界を作って自分でそれを壊すことを決めて、でもそれに自分が悲しんでってもうおかしいよねぇ。なんてナルシスティックな商売なんだろう。あの頃、私は子どもを産める気がしていなかった、ちよみを殺してしまったのなんかは、子どもを諦めようという一連の作業だったんじゃないのかもしれない。 | 」 |
また、彼女は「あとがき」で、「この作品、自分は『小美人ポルノ』だと思ってたのに、読者からは『これってプラトニックな恋ですよね?』と手紙が来る」と述べており、読者と自分の認識のギャップを語っている。
続編
『ガロ』連載終了から実に25年を経て『Cocohana』(集英社)誌上で2013年1月号より6月号にかけて続編『南くんは恋人』が連載された。
本作では『南くんの恋人』とは立場が逆転しており、高校生のちよみと、突然小さくなってしまった南くんの恋と同棲生活を描いた連作となっている。第1話冒頭に於けるちよみのモノローグにより、本作中設定では、『南くんの恋人』はちよみの見た夢であったことが示唆されている。
- 内田春菊『南くんは恋人』 集英社〈愛蔵版コミックス〉単巻
- 2013年8月28日第1刷発行(2013年8月23日発売)ISBN 978-4-08-782707-1
テレビドラマ
ドラマ |
本作は4度テレビドラマ化されており、本記事ではそれぞれ第1作 - 第4作とする。
エピソードとして、ドラマ版を知った後に原作漫画を読み、残酷な結末に衝撃を受けた視聴者が続出した逸話がある。これに関して内田自身の「ちよみは本来存在すべきでない」という持論に対しても賛否両論があり、内田に対しても批判があった。内田の弁によると「もうあのページはノリで貼り付けてやりたい」という投書まで送られてきたという。
内田によれば、TBSからドラマ化の依頼があった際にフジテレビからも映画化の企画が内田の元に来たというが、フジテレビの依頼を断ったという。内田はその経緯を『ガロ』のインタビューで次のように明かしいる。
「 | フジのほうはハイビジョンを全編に使って、ヒロインも募集して大事業みたいにするって言うのね。でもずっと話をしていても、作品に対する話というのが出てこないんですよ。TBSのほうはその辺はすごく愛情を持ってくれていたんだけれど、でも好きでやってくれるんだったら両方受ければいいか、と思ってたんですけどね。でもフジの人が「ちよみは処女じゃないといやだ」って言い始めましてね。で、そのうち「うちだけに使わせろ」みたいな話になってきて、でもそこまで言うのに作品に対する手こだえっていうものがなかったんですよ。それでフジのほうは断ったんです。 | 」 |
このようにフジテレビ側の印象が当時の内田にとって決して良いものでなかった事が窺える。
1994年1月、高橋由美子・武田真治主演によるテレビドラマ(第2作)がテレビ朝日月曜ドラマ・イン枠で放映され、高視聴率を獲得。 しかし、月曜20時台という時間帯の関係で主たる視聴者層が低年齢化し、主に子供達から「(最終回の結末を踏まえて)ちよみがかわいそうだ」との投書が寄せられた。それを契機として原作にないアナザーストーリーを追加することとなり、1995年4月にスペシャルドラマ「もうひとつの完結編」が放映された。
2004年7月、深田恭子主演によりテレビ朝日系列の木曜ドラマ枠でリメイクされた(第3作)。同一放送局による10年振りのテレビドラマ化された。
2015年5月、山本舞香・中川大志 を主演に、『南くんの恋人〜my little lover』(第4作)のタイトルで4度目のドラマ化が決定[1]。11月からフジテレビ系で放映。
第1作
- 1990年4月28日、TBS系列、土曜日22:00-23:54(JST)、ドラマチック22枠(単発ドラマ)。視聴率は13.3%。
- ちよみが小さくなるのは家系(ちよみのおばあちゃんも若いころ小さくなった)で、ラストは行方不明になったちよみが風船につかまって戻ってくる。
キャスト(第1作)
スタッフ(第1作)
- 脚本:斎藤博
- 演出:原隆仁
- プロデューサー:田辺隆史、竹本克明、片島謙二
- 制作:ギャラクシーワン、TBS
第2作
- 1994年1月10日 - 3月21日、テレビ朝日系列、月曜日20:00-20:54(JST)、月曜ドラマ・イン枠。
- 1995年4月10日、「南くんの恋人スペシャル もうひとつの完結編」が20:00-21:48に放送された。
キャスト(第2作)
- 堀切 ちよみ - 高橋由美子
- 南 浩之 - 武田真治
- 南 涼子 - 中村綾:浩之の姉
- 野村 リサコ - 千葉麗子:浩之のクラスメート、何かというと浩之に色目を使う
- 堀切 信太郎 - 草刈正雄:ちよみの父。『男はな、南くん』が口癖。
- 榎本先生 - 石塚英彦:浩之・ちよみの担任
- 竹原 直人 - 岡田秀樹:浩之の友人、ちよみに片思い
- 南 隆之 - 高田純次:浩之の父
- 南 暁子 - 岡本麗:浩之の母
- 東山 真理絵 - 西田ひかる
- 朝倉 真知子 - 響野夏子
スタッフ(第2作)
- 脚本:岡田惠和
- 演出:中山史郎、今井和久
- プロデューサー:高橋浩太郎、黒田徹也、照喜名隆
- 音楽:寺嶋民哉
- 主題歌:高橋由美子『友達でいいから』
- ビジュアルプランナー:樋口真嗣
- 技術協力:テイクシステムズ
- 制作:渡辺企画、テレビ朝日
サブタイトル(第2作)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 | ||
---|---|---|---|---|---|
Lesson 1 | 1994年1月10日 | 誕生日に、あげる | 18.0% | ||
Lesson 2 | 1994年1月17日 | 15センチのおさな妻… | 15.0% | ||
Lesson 3 | 1994年1月24日 | 悲しい別れの決意 | 14.7% | ||
Lesson 4 | 1994年2月7日 | バレンタインに誓って… | 15.9% | ||
Lesson 5 | 1994年2月14日 | 南くん倒れる! | 16.5% | ||
Lesson 6 | 1994年2月21日 | わたしもとに戻りたい! | 15.8% | ||
Lesson 7 | 1994年2月28日 | ヒミツが明かされた日… | 14.0% | ||
Lesson 8 | 1994年3月7日 | ずっと一緒にいたいのに | 14.4% | ||
Lesson 9 | 1994年3月14日 | 二人きりの卒業式 | 16.0% | ||
Final Lesson | 1994年3月21日 | 望みが全部かなった日に | 15.7% | ||
平均視聴率 15.6%(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ社調べ) | |||||
スペシャル | 1995年4月10日 | 南くんの恋人スペシャル もうひとつの完結編 |
15.6% (108分) |
関連商品(第2作)
- オリジナル・サウンドトラック
- 南くんの恋人~オリジナル・サウンドトラック(1994年2月21日、ソニー・ミュージックエンタテインメント)SRCL-2841 製作:寺嶋民哉
- VHS
- 南くんの恋人 Vol.1~5(1994年6月17日~8月19日、ポニーキャニオン) それぞれ2話ずつ収録
- 南くんの恋人スペシャル もうひとつの完結編(1995年8月23日、ビクターエンタテインメント)
- DVD
第3作
キャスト(第3作)
- 南 進 - 二宮和也(嵐)
- 堀切 ちよみ - 深田恭子
- 日下部 征一郎 - 田辺誠一:ちよみ、進の担任教師、ちよみのいとこ
- 野村 麗花 - 宮地真緒:ちよみ、進の同級生
- 南 桜 - 安倍麻美:進の妹
- 大原 幸作 - 石井智也:ちよみ、進の同級生、進の親友
- 小久保 尚子 - 荻野なお:ちよみ、進の同級生、ちよみの親友
- 坂井 真澄 - 石橋奈美:国語教師
- 堀切 千次 - 北村総一朗:ちよみの祖父
- 南 謙一 - 西村雅彦:進の父
- 南 竹子 - 名取裕子:進の母
スタッフ(第3作)
- 企画プロデューサー:高橋浩太郎(テレビ朝日)
- 脚本:中園ミホ
- 音楽:住友紀人(FILL IN)
- 音響効果:阿比留奈穂子
- デザイン:きくちまさと
- 美術プロデューサー:杉川廣明
- 制作担当:菖蒲昌弘
- プロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)・照喜名隆、布施等(ザ・ワークス)
- 監督:佐藤嗣麻子、新城毅彦(5年D組)、木内麻由美(テレビ朝日)、大垣一穂(ザ・ワークス)
- 制作協力:ザ・ワークス
- 制作著作:テレビ朝日
サブタイトル(第3作)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 | ||
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 2004年7月8日 | 彼女は身長16センチ | 11.2% | ||
第2話 | 2004年7月15日 | 涙の電話 | 9.0% | ||
第3話 | 2004年7月22日 | 浮気発覚 | 10.1% | ||
第4話 | 2004年7月29日 | 新婚初夜 | 10.5% | ||
第5話 | 2004年8月5日 | 浴衣で愛して… | 10.4% | ||
第6話 | 2004年8月12日 | 海がくれたキス | 9.4% | ||
第7話 | 2004年8月19日 | 幸せになる誓い | 8.1% | ||
第8話 | 2004年8月26日 | 運命の家族写真 | 7.4% | ||
第9話 | 2004年9月2日 | 恋敵との対決… | 8.0% | ||
第10話 | 2004年9月9日 | 最期の望み、純白の花嫁 | 8.4% | ||
最終話 | 2004年9月16日 | 二人分の心臓 | 10.9% | ||
平均視聴率 9.4%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
関連商品(第3作)
- DVD
- 南くんの恋人 第1巻~第5巻(2004年12月23日、メディアファクトリー) それぞれ2話ずつ(第5巻のみ3話分)収録
- 南くんの恋人 DVD-BOX(2004年南くんの恋人 DVD-BOX、メディアファクトリー) 上記5巻をまとめたもの
第4作
『南くんの恋人〜my little lover』(みなみくんのこいびと マイリトルラバー)のタイトルで、2015年11月からフジテレビにて放送(全10話予定)[1][2]。
これにさきがけ、同年9月9日早朝(『Tナイト』枠の最終パート)に関東ローカルで特別番組『身長差163センチの恋!「南くんの恋人〜my little lover」に密着!』を放送予定[2]であったが、前夜のバレーボール中継の大幅延長に伴い、『Tナイト』の最終パートがカットされるため、後日振替放送予定。
主人公の南くんは、原作ではおっとりした性格だが、本作では成績優秀なイケメンというキャラクター設定となる。また、ラストシーンは原作から変わることが開始前より明言されている[1]。
キャスト(第4作)
- メインキャスト
- 館山第一高校
- 高木 睦 - 鈴木身来:ちよみのクラスメイト。
- 野村 さより - 中山絵梨奈:野村病院の一人娘。
- 御木本 あみ - 佐々木萌詠:ちよみの親友。
- 矢吹 翔 - 島丈明:剣道部員。
- 大野先生 - 渡辺舞:ちよみの担任。古典の先生。
- 佐々木先生 - 草野イニ:剣道部顧問。
- 南家
- 堀切家
- カフェ「花泥棒」の常連客
- 堺沢 - 富岡晃一郎:地元の駐在さん。
- 佐野 元太郎 - 今奈良孝行:居酒屋「元太郎」店主。佐和子の夫。
- 佐野 佐和子 - 新井友香:居酒屋「元太郎」おかみ。元太郎の妻。
- 板倉 次郎 - 山田伊久麿
- 矢沢 - 森啓一朗
- 内海 - 眼鏡太郎
サブタイトル(第4作)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
第1話 | 2015年11月10日 | 閉じ込めていた幼い恋 | 0.8% |
第2話 | 2015年11月17日 | いきなり同棲生活 | 0.9% |
第3話 | 2015年11月24日 | 恋の打ち出の小づち | 0.5% |
第4話 | 2015年12月1日 | 負けないで南くん | 2.6% |
第5話 | 2015年12月8日 | ちよみの大冒険 | 2.1% |
第6話 | 2015年12月15日 | 私じゃダメだってわかってる | 2.0% |
第7話 | 2016年1月12日 | 18年目のプロポーズ | |
第8話 | 2016年1月19日 | 青いフェアリー | |
第9話 | 2016年1月26日 | 二人きりの温泉旅行 | |
最終話 | 2016年2月2日 | グッバイちよみ グッバイ南くん | |
平均視聴率 %(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
スタッフ(第4作)
- 原作 - 内田春菊「南くんの恋人」(青林工藝舎刊)
- 脚本 - 新井友香[3]
- 監督 - 小中和哉[3]
- オープニングテーマ - 天月-あまつき-「虹の向こうへ」
- エンディングテーマ - 上野優華「ただ、あなたのそばで」[4]
- 制作 - 「南くんの恋人〜my little lover」製作委員会(エスピーオー/フジテレビジョン/博報堂DYメディアパートナーズ/AOI Pro.)[3]
脚注
- ^ a b c “「南くんの恋人」11年ぶりドラマ化!南くんは超イケメンキャラに変身”. シネマトゥデイ (2015年5月27日). 2015年5月27日閲覧。
- ^ a b ドラマ「南くんの恋人」ちっちゃな恋人に悶絶!9月8日に特番放送決定 シネマトゥデイ 2015年9月3日閲覧。
- ^ a b c “「南くんの恋人」4度目のTVドラマ化!南役は中川大志、ちよみ役は山本舞香”. コミックナタリー (2015年5月27日). 2015年5月27日閲覧。
- ^ “上野優華、新作はドラマ&映画のWタイアップ”. 音楽ナタリー (2015年7月27日). 2015年7月27日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 南くんの恋人~my little lover | オフィシャルサイト - テレビドラマ第4作の公式サイト
テレビ朝日 月曜ドラマ・イン | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
愛してるよ!
(1993年10月11日 - 12月20日) |
南くんの恋人(第2作)
(1994年1月10日 - 3月21日) |
クニさんちの魔女たち
(1994年4月11日 - 6月27日) |
テレビ朝日 木曜ドラマ | ||
電池が切れるまで
(2004年4月22日 - 6月24日) |
南くんの恋人(第3作)
(2004年7月8日 - 9月16日) |
松本清張 黒革の手帖
(2004年10月14日 - 12月9日) |