ΖΖガンダム

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ΖΖガンダム(ダブルゼータガンダム)は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の兵器。

エゥーゴ可変モビルスーツ (TMS)。本項目では、その他映像作品やゲーム、雑誌企画に登場する派生機、系列機の解説も記述する。

開発背景

U.C.0080年代後半に、MS開発は激動期を迎えた。ムーバブルフレーム構造を採用した第2世代から、変形機構を備えた第3世代、さらにニュータイプ (NT) 対応機能を備えた第4世代といった、MS数世代分の進化がこの時期に集中している。一年戦争以降進められてきた公国系と連邦系の技術融合の恩恵もあり、MSの単機あたりの性能は大きく向上した。しかし、性能向上に伴う付加機能の方が脚光を浴び始め、MSには本来の白兵戦用途の範疇を超える多様な機能が搭載されていった。このため、MSは徐々に巨大化を余儀なくされたのである。この時点でMSは進化の袋小路に入り込み、恐竜的進化を遂げつつあったとされている。

この時期、アナハイム・エレクトロニクス社が進めていたΖ計画において、圧倒的な戦闘能力を秘めた1機のガンダム・タイプのMSが完成する。それがMSZ-010 ΖΖガンダムである。

開発経緯

ΖΖガンダムは、その機体名称に「Ζ」のコードを冠するといった理由から、当時アナハイム・エレクトロニクスにおいて進行中であったΖ計画の所産として捉えられている。しかし、エゥーゴは当機をΖガンダムの後継機種として発表したが、実際にはΖΖガンダムの機体構想そのものは、Ζガンダムの完成よりも2年前のアナハイム内部において「G計画」として存在していたとされる[1]

Ζ計画発足当初、アナハイム社内における次世代フラグシップ機の素案として、二つのTMSの構想が存在していたと言われる。一つは、エゥーゴが計画していたジャブロー攻略を主眼においた、宇宙空間から地上までの連続運用を可能とする大気圏突入能力を有する機体案。そしてもう一つは、多数のジェネレーター直結式メガ粒子砲を搭載した高火力型の機体案である。これらの開発における技術的難関は容易には解決されず、特に後者は性能の要求水準が高かっただけに、計画が一時棚上げされた。

しかし、そこに連邦軍の開発によるガンダムMk-IIがアナハイム社内に持ち込まれたことで事態は一変する。ガンダムMk-IIは基本構造こそ第2世代に達していない機体だったが、アナハイムの技術陣はその柔軟なムーバブルフレーム構造に着目した。これに独自に開発を進めていたブロック・ビルド・アップの概念を融合させることで、格段に堅牢かつ自由度の高いムーバブルフレームの開発に成功したのである。

このムーバブルフレーム技術の恩恵により大気圏突入形態への可変機構が成立し、MSZ-006 Ζガンダムが完成した。しかし、試作機が実戦投入されたグリプス戦役中期の時点では、既にMSは第4世代に繋がる重装甲・重火力機への転換期に差し掛かっており、Ζガンダムの性能的な優位性は長続きしなかった。そこで凍結中であった高火力機の構想を発展させ、さらなる長期的展望のもとに新型TMSの開発が開始される。

開発過程の初期においては、複数の開発チームによる設計案が検討されていた。そのうちの一つとして、Ζガンダムの変形機構をさらに推し進め、分離・合体という要素を加味した新機軸の機体であるMSZ-009の設計プランが提出され、正式な開発認可を与えられた。MSZ-009はΖガンダムを超えるスペックを達成していたが、エゥーゴの要求する性能水準を満たすことは出来なかった。

このため、さらに開発コードを刷新した新規設計の機体が検討され、MSZ-010 θガンダム及びMSA-0011 ιガンダム(後のSガンダム)の設計プランが新たに提出される。両機は並行して開発が進められ、最終的にθガンダムがエゥーゴのフラグシップ機として採用される。このθガンダムが、後にMSZ-010 ΖΖガンダムとして、第一次ネオ・ジオン抗争時に名を馳せることになるTMSである。

θガンダムは、RX-78 ガンダムの再現のみならず、Gアーマーを加えた運用システムを単体で再現しようとしたものである。A、Bパーツそれぞれにジェネレーター及び変形機構を搭載することで別個の戦闘メカニズムとしての運用を可能とし、効率的な展開能力を付与された。Ζガンダムでは可変機構の成立に用いられたムーバブルフレーム技術は、θガンダムでは機体構造そのものを強化する目的で導入された。これによって可動部の強度が飛躍的に向上し、大出力ジェネレータの搭載が可能となった。

MSZ-009は単純にA、Bパーツの分離・合体方式であったが、θガンダムではさらにコア・ブロック・システムが導入される。理由の一つとしては、全天周囲モニターを兼ねた脱出ポッドの回収率が当初の見積もりよりも低かったことが挙げられる。これは人的資源に乏しいエゥーゴにとっては大問題であり、コア・ファイターによる生還率は一年戦争時から高かった。

もう一つの理由は、火力の充実である。大型艦艇をも凌駕する重火力MSに対抗するために、エゥーゴ首脳陣はアナハイムに50MWクラスの大出力ビーム兵器の搭載を要求した。また、機動性維持の観点及びエゥーゴの艦艇規格に適合させるため、全高を20m以内に収める要求も提出された。アナハイムの技術陣は小型・高出力のジェネレーターを開発したが、それでも要求水準を達する為には3基分の出力を必要とした。2基で搭載するにはMSの全高が25m以上必要だったため、A、B、コア・ブロックの3分割方式とされた。

θガンダムの開発に際しては、様々な技術的難関が山積していたと言われている。しかし、そこにはΖガンダム及びその派生機群の開発で培われた多くのノウハウが投入され、結実されていった。最終的にθガンダムは戦艦級の火力を備えると共にサイコミュを搭載し、NT対応能力を備えた当時最高水準の性能を持つ機体として完成した。そして、宇宙世紀0088年3月のロールアウト時において「Ζガンダムを超えるガンダム」との意味合いを込め、ΖΖガンダムの機体名称[2]を与えられたのである。実戦投入から第一次ネオ・ジオン抗争終結に至るまで長期に渡ってアップ・デートが継続されており、更なる性能向上が図られていったという。

エゥーゴの最高位機種として誕生したΖΖガンダムは、ハイ・メガ・キャノンと多数の高出力メガ粒子砲の搭載、さらに複数個に分離しての航空展開能力を備え、第3・第4世代双方の機能を有し、単機のMSに万能の性能を求めた機体であった。MSはRX-78 ガンダムによって兵器として確立され、Ζガンダムの世代に劇的な性能向上と機能拡張がなされた。それらの集大成となったΖΖガンダムは当時のMS技術の一つの到達点であり、かつてのRX-78が備えていたのと同等の完成度を、その戦果をもって示したのである。

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機体解説

諸元
ΖΖガンダム
ΖΖ Gundam / Double Zeta Gundam
型式番号 MSΖ-010
全高 22.11m
頭頂高 19.86m
本体重量 32.7t
全備重量 68.4t
装甲材質 ガンダリウムγ
出力 7,340kW
推力 21,700 kg×2
14,400 kg×4
(総推力)101,000kg
センサー
有効半径
16,200m
武装 ダブルバルカン
ハイ・メガ・キャノン
ハイパー・ビーム・サーベル
(ダブル・キャノン)×2
21連装ミサイルランチャー×2
ウイング・シールド×2
2連装メガ・ビーム・ライフル
搭乗者 (メインパイロット)
ジュドー・アーシタ
(一時的に搭乗)
ビーチャ・オーレグ
エルピー・プル
ルー・ルカ
モンド・アガケ(小説版)
イーノ・アッバーブ
その他 推力重量比(1.48)
Gフォートレス
G-FORTRESS
全長 30.13m
全幅 18.52m
推力 16,300kg×2
21,700kg×2
14,400kg×4
17,300kg×2
(総推力)168,200kg[3]
武装 ダブルキャノン
21連装ミサイルランチャー×2
ダブルビームライフル
その他 推力重量比(2.45)
コア・ファイター
型式番号 FXA-07GB
全長 11.62m
全幅 15.89m
全備重量 11.6t
推力 5,240kg×4
(総推力)20,960kg
センサー
有効半径
15,480m
武装 機銃
2連装ミサイルランチャー×2
その他 推力重量比(1.81)
コア・トップ
全長 19.91m
全幅 18.52m
本体重量 19.3t
全備重量 30.9t(コア・ファイター含む)
推力 16,300kg×2
5,240kg×4(コア・ファイター)
(総推力)53,560kg
武装 2連装メガ・ビーム・ライフル
その他 推力重量比(1.73(コア・ファイター含む))
コア・ベース
全長 12.86m
完備全長
22.06m(コア・ファイター含む)
全幅 15.93m
本体重量 37.5t
全備重量 49.1t(コア・ファイター含む)
推力 21,700kg×2
14,400kg×4
17,300kg×2
(総推力)135,600kg[4]
武装 機銃(コア・ファイター)
2連装ミサイルランチャー×2
(コア・ファイター)
ダブル・キャノン×2
21連装ミサイルランチャー×2
その他 推力重量比(2.76)

ΖΖガンダムはΖガンダムの直系の発展型[5][6] として、[Ζ計画の末端に位置しているが、開発コンセプトとしてはRX-78 ガンダムの発展系と形容した方が正しい機体である。全領域での運用能力、機動力の強化は勿論のこと、一方で重装甲・大火力志向の強い機体でもあり、これらの要素を同時に成立させている。

機体各部には、新開発の熱核ジェット / ロケット・ジェネレーターが複数搭載されている。このジェネレーターは機体の主動力源としての役割に加え、熱核ジェット / ロケット・エンジンとしての共用機構を備えており、大気圏内外において高性能のスラスターとして機能する。従来のものよりも小型化されているが、単基でもMS一機を十分に稼動可能である。合体形態時には総てのジェネレーターが直列に接続され、機体全体ではΖガンダムの3倍強に達する出力となる。この破格の出力が複数の高機能デバイスの搭載を可能とし、本機に全高20m級というサイズを越えた性能を付与している。

機体各部に分散配置されるジェネレーターの中でも、バックパックに搭載されるものは特に出力が高く、通常のMSのレベルを凌駕する出力を有する。バックパック・モジュールは本機において最も大きな内部容積を有する部位であり、搭載される熱核エンジンは本来であれば航宙艦艇に積載されるクラスのもので、単基でその艦艇の全電力を賄えるとされている。MS形態時には加速用のメインバーニアユニットとして機能し、大型の航宙艦艇並みの推進力を機体にもたらす。さらにMA形態では腕部及び脚部のジェネレーターに直結したノズルが全て展開され、推力・航続距離ともに高速巡洋艦並みの能力となる。

MA形態からMS形態へと移行する際、腕部・脚部の大口径ノズルは機体内部に格納され、MS形態時におけるスペック・ノート上の比推力はΖガンダムよりも抑えられる形となる。しかし、実際には余剰出力が全身に分散配置された姿勢制御スラスターへと供給されており、推力を多方向に分散させているに過ぎない。つまり、MSの格闘戦には複雑かつ応答の速い機体機動が必要となるため、推力ベクトルを分散させた方が効率が良いためである。姿勢制御スラスターはΖガンダムの4倍に相当する32基を搭載し、可変ベーンによる推力偏向が可能。設置数・分散率において同時期のMSと比較して突出している。その他の機動ユニットとしては、腕部のフレキシブル・ウイングバインダーや大型のショルダースラスター・バインダー等を搭載しており、機体の姿勢変換、運動性能を向上させる。

本機は大出力エンジンと機動デバイスによって優れた空間戦闘能力を有してはいたが、それに比例して機体の操縦難度も高く、パイロットへの負荷は大きい。本機のパイロットを務めたジュドー・アーシタは巧みな機体操作によって無数のファンネルによる弾幕を突破する機動を機体に行わせている。しかし、これは彼の技量に負う面も大きく、ルー・ルカらがパイロットを務めた際は砲撃戦を主とした運用が行われた。

変形・合体機構を有する都合上、ムーバブルフレームは構造的に複雑にならざるをえなかったが、本機のそれは「MS+航空 / 航宙機+大出力火器」という複数の要素を満たすべく、様々な試行錯誤が結実している。Ζガンダムのムーバブルフレームは既存の構造と比較にならない程高い強度を備えていた。本機はコア・ブロックを導入した点を除けばΖ系MSとほぼ同等の変形機構を有しており、複雑な変形をほぼ瞬間的に行うことが出来る。また、構造材であるガンダリウムは、試作段階の機体であるFAΖΖのものよりも品質が向上し、ムーバブル・フレームの信頼性を高めている。重層的な構造を持つ可動モジュールと装甲は、マグネット・コーティングを標準で施された各部のヒンジやスライドレールによって分離しつつ堅固に結びつき、本来矛盾する機能である“柔軟さ”と“堅牢さ”を同時に実現する。

本機の四肢は熟成されたムーバブル・フレーム技術の粋が集約された複合的なモジュールであり、巨大なベクタード・ノズルとして、さらにAMBACユニットとしても十全に機能する。腕部は携行火器としてはやや大型の部類である2連装メガビームライフルを容易に取り回すことが可能であり、マニピュレーターは、上昇しようとするMS用エレベーターを強引に牽引するトルク性能がある。一説には、模擬戦において重装甲を誇るドム系MSを殴打によって沈黙させる程の強靭なフレーム構造を有するとされ、「連邦系において最もタフな機体」とテストパイロットに賞賛されたという。また、脚部は走行・跳躍といった人型機動兵器としての基本的な機能を備えた上で多数のスラスターを搭載し、歩行/機動ユニットとして高い完成度を有している。

機体構造は高度にユニット化が進められており、改修や換装への対応に万全を期している。各部のユニットは複雑且つ繊細な設計であったが、機体全体としては極めてシステマティックな構造を有していた。メンテナンスの所要時間は、機体全体のオーバーホールと並行した場合でも数時間程度であったとされている。また、通常の機体であれば数日間を要する規模の改装であっても、本機の場合は基本的に各部のモジュールを換装するのみで仕様変更が可能である。一方、補充・予備部品等の供給体制の面においては、テスト不十分のまま送り込まれてくる新型部品やアップデートが重なり、機体整備においては多大な負担となったようである。少人数の部隊で運用された事情もあり、時にはメンテスタッフのみでは人手が足りず、パイロット自身も機体の整備作業に参加する場面も見られた。

装甲はガンダリウムγを使用した多重空間構造であり、耐弾性に優れ、いずれの形態においてもMA級に匹敵する機体強度を備えている。耐水圧性能も高く、至近距離でのMSの爆発にも耐えられるという。メガ粒子ビームの直撃を完全に防御することは不可能だが、バインダーはシールド並みの強度があり、万一の場合はこれを用いてコクピットへの被弾を防ぐ。後にフッ素樹脂による耐ビームコーティングが施され、低出力のビームであれば数秒間程度の直撃に耐えることも可能とされた。しかし、コーティング層はビームの熱エネルギーによって気化するため、あくまで緊急避難的措置としての意味合いが強い。

本機は便宜的には重MSに分類されているが、構造材の軽量化等の効果もあり、実際の乾重量はΖガンダムの4t増し程度である。パワーウェイトレシオは余裕を持って設定され、武装追加も可能だった。追加兵装とのマッチング等もあらかじめ視野に入れた設計が為されており、フルアーマーシステムの装着時にも機体バランスを崩すことはない。FAΖΖが運用したハイパーメガカノンの様な大型兵装も問題なく運用可能である。

本機は、本来はNT能力を有するパイロットへと供与される予定であったため、機体管制システムにはNT対応のインターフェースとして、サイコミュシステムの一種が搭載されている。このデバイスはΖガンダムに搭載されたバイオセンサーと呼ばれる簡易サイコミュの発展型であり、パイロットの思惟を機体制御に反映させることが可能であった。本機のシステムは双方向通信機能を有する武装としてのサイコミュとは異なり、純粋に機体のコントロール・システムの補佐を行うデバイスとして機体管制に導入されている。通常のサイコミュは主にコクピット周辺に搭載されるが、本機のそれはコア・ブロックのメインプロセッサーを中心として機体各部に端末が分散配置されている。このシステムはサイコミュのコンパクト化・高密度実装化の点で有利であり、機体の追従性並びに運動性向上に対する効果は、フル・スペックのサイコミュと同等以上のレベルに達している。また、コア・ブロックにはRX-78の教育型コンピューターに相当する機構として、一種の学習プログラムが搭載されていた。これは、サイコミュがパイロットの操縦傾向・脳波パターンに合わせて機体応答を改良するもので、反応性や精度の面において機体の側からパイロットに「歩み寄る」特性を備えていたという。パイロットを変更する場合には、コア・ブロックの換装によって容易にセッティング変更が可能であり、システムの親和性が向上している。但し、NTパイロットの搭乗を前提とした機体追従性は、本機の操縦難度を非常識な程に高いものとしてしまっている。このため、非NTパイロットの搭乗を考慮してリミッターが設けられ、サイコミュは封印された状態であったとされている。

本機は戦闘用MSに求められたあらゆる要素を高いレベルで実現させたが、それらはまた、危ういバランス上に成立したものでもあった。

非常に高性能な機体である反面、操縦難度はΖガンダム以上に高く、一般兵では操縦が困難だった。また、多機能性を追求した結果、操縦システム自体も複雑化している。分離・変形システムは空中換装も可能にしたが、交戦中の合体には各機パイロットによる高度な連携・状況判断が必要とされた。機体内部にはハイメガキャノンやサイコミュデバイス等の複雑な機構を有する部位が多数存在し、メンテナンス・スタッフにも高度な技術が必要とされた。

これらの要因から、本機は制式機として普及させることが極めて困難であった。本機はその機体能力のみが突出した、いわば恐竜的な機体であり、性能向上に伴うパイロットへの負荷の増大はほぼ考慮されておらず、前線への配備を前提とした兵器としては大きな問題を残していたのである。エゥーゴの旗機として多大な戦果を挙げたものの、それはパイロットの資質に依存した結果論でもある。

U.C.0090年代以降、MSはその技術的限界からシンプルな設計が主流となっていく。RX-93 νガンダム等の機体では、本機の様な突出した戦闘能力よりも整備性やコストパフォーマンスを重視した仕様となっている。こうした機体と比較し、後年本機の設計思想を揶揄する声も少なくはなかった。

しかし、本機が開発されたU.C.0080年代末期はMSの万能化 / 高性能化が積極的に推し進められた時期であり、また各勢力陣営は人的資源の問題から少数精鋭体制を採らざるを得なかった。それらの要因を考慮すれば、本機の単一戦闘能力に偏向した機体コンセプトは、当時の戦略環境から導き出された要求の当然の帰結であったとも言える。

実戦投入された本機は1Gの重力下は勿論のこと、砂漠や水中、果ては木星圏の高重力下といったMSにとって過酷な環境下においても十全に稼動したとされており、その性能を遺憾なく発揮した。大電力を消費する高出力デバイスを多数搭載しており、熱核反応炉の発熱量も通常の機体より大きかった。しかし、当時のMSはいずれの勢力の機体も同傾向にあったこと、そして搭乗者であるジュドーの操縦技術もあり、機体運用に支障をきたすことはなかったとされる。実際、敵地潜入等の長時間任務にも幾度となく投入され、作戦を遂行しており、機体の活動可能時間は相対的には十分なものが確保されていたのである[7]。本機は一説には設計時のスペックを超える性能を発揮したとも言われており、搭乗者の資質とも相まって第一次ネオ・ジオン抗争をエゥーゴの勝利に導いている。

なお、後のRGZ-95リゼルの形状がΖΖガンダム、フルアーマーΖΖガンダムまたはFAΖΖ(ファッツ)などMSZ-010系の影響が多分に見られる事から、設計やノウハウが引き継がれていると考えられている。

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分離・合体

本機は旧来の可変MSにドッキングという要素を加えた新機軸のMSであり、変形システムはΖガンダム同様VMsAWrs(ヴァモーズ、Variable Mobile-suit And Wave-rider system)と呼称されている。

MS / MA形態時における機能分化はより徹底したものとなっており、各形態時に使用しないモジュールは、極力、最終装甲内に格納されるよう配慮されている。この機能は、いずれかの形態において損傷を被った場合、モード変換を行うことで機能を補うフェイルセーフ効果を機体に付与している。腕部・脚部のスラスター・ユニットはMS形態時には収納されるため、一見総合推力が減少されるように見えるが、実際には機体各部に分散配置された小型スラスターが新たに稼動し、推力の分散によって効率的な機体機動が可能となるため、MSとしての機動力は向上する。逆に、MA形態時には推力が単一方向に集中するため、加速能力が飛躍的に向上する。

変形機構の採用による機体の複雑化というデメリットはあったものの、サブ・フライト・システムの支援を受けずに航空作戦へと移行し、距離的に隔絶した戦域への迅速な移動を単独で可能とする機能は、戦術兵器として以上に戦略的にも大きな意味を有していた。大気圏内において有力な地上戦力の支援が望めないエゥーゴにとっては、本機の母艦に制限されない作戦行動範囲と艦砲級の火力による拠点制圧能力は多大なメリットとなったのである。

巡航形態はGフォートレスと呼ばれ、ウェイブライダーの様な大気圏突入能力は持たないものの、火力・航続距離共に小型の巡洋艦クラスの性能を備え、強力な重戦闘爆撃機としての機能を持つ。Gフォートレス形態は機体構造上、コア・ブロックが機体下面に露出するため、後の改修によってコクピット周辺に追加装甲が施されている。

分離後の各パーツはいずれも共通の制御ユニットとしてコア・ブロックを兼用する設計であり、コア・ファイターを接続することで、それぞれコア・トップコア・ベースと呼ばれる戦闘機として運用可能である。これらの機体はコア・ファイターを中核として一年戦争時のGアーマーを参考にした運用体系を持つ。分離後の推力配置はコア・ベースに比重が置かれており、強力な推進力を有する同機は、かつてのコア・ブースターとほぼ同一コンセプトのユニットである。コア・トップは推力そのものはコア・ベースに譲るが、その分軽量であり、翼面積も大きく空戦性能に秀でる。

コア・トップには戦闘機としての、コア・ベースには攻撃機としての異なる機能が盛り込まれており、多角的な運用を可能とする。また、コア・ファイターを含め、各々が優れた空戦能力を有する高性能な航空 / 航宙戦闘機であり、3機でハイザック1個小隊に相当する戦力を持つとされている。3機が同時行動を取る際には合体形態の方が効率が良いため、コア・トップ及びコア・ベースは状況に応じてドッキングし、GフォートレスまたはMS形態へと移行する。

システムとしての本機を構成するパーツ・ユニット群は基本的に一機のMSとして完結しており、変形及び合体に際し、外付け式のオプションを必要としない。また、分離形態時の飛行ベクトルと合体形態時の機動軸が一致するため、戦闘空域における換装をスムーズに行うことが出来る。分離式MSによる実戦レベルでの“空中換装”は本機をして初めて実現された機能である。出撃時に分離形態であれば各パーツの操縦システムとなる3機のコア・ブロックは、合体起動時にはA・Bパーツのパイロットが不要となるため、余剰となる2基のコクピット(コア・ブロック)は中核となる1基を残し、戦線を離脱する。

ドッキングしたコア・ブロックは、合体形態時にはメインフレームと結合し、バックパック基部のドッキング用ムーバブルフレームと共に、機体全体の応力負担の一部を担う設計である。

コア・ブロックの兼用は開発スケジュールを短縮する上での苦肉の策でもあり、合体後にさらに分離を行った場合、分離後のA・Bパーツの個別運用は基本的に不可能となる。しかし、不要なコクピットを分離式とした設計はデッドスペースの省略化に寄与し、機体の大型化に歯止めを掛けている。競合機であるSガンダムでは、A・Bパーツそれぞれに専用のコクピットを設け、分離後の運用を可能としたが、機体は大型化し、システムは本機以上に複雑なものとなっている。

A・B・コアブロックは各々が独立した機動兵器であり、合体形態時には必然的に一部の機能やシステムが重複することとなる。このため、たとえ一つのパーツが不調であったとしても残りのパーツによる機能代替・補完がある程度可能であり、機体全体としては稼動することが可能である。

MSの変形に分離 / 合体という新要素を加えた機体運用システムは、非常に柔軟且つ多彩な戦術を可能とした。こうした設計は本機がワンオフを前提としたフラッグシップ機であり、コストパフォーマンスを度外視した実験機的な存在であるがゆえに成立したものである。

Gフォートレス

本機の巡航形態であり、重力下での長距離飛行能力を有する重戦闘爆撃機としての運用が可能である。武装が前面に、推進器が後方に集中しており、MS形態時と比べ、航続距離及び加速性能が飛躍的に向上する。Gフォートレスは直線的な移動を目的とした形態であるため、対MS戦闘時におけるこの形態での運用例は多くはなく、搭乗者の発言によれば、旋回性能の点ではΖガンダムのウェイブライダーに譲るとされる。しかし、Gフォートレスはその圧倒的な火力・加速能力に加え、重力下でのSTOL機動や水中航行を可能とする破格の汎用性を持つ超高性能のMAでもあり、その戦闘能力は巡洋艦クラスに匹敵する。

設計時には武装追加案(スーパーGフォートレス)も検討されていた。

コア・ファイター

コア・ファイター (CORE-FIGHTER) は、本機の運用システムの中核をなす機体であり、A、Bパーツの共通の制御ユニットとしても機能する。ガンダム用のコア・ファイターと区別するため「ネオ・コア・ファイター」或いは「コア・ファイターΖΖ」とも呼ばれる。(型式番号:FXA-07GB)

ドッキング時には主翼・垂直尾翼を収納、及びエンジンナセルを引き込み、機首を180°回転することでコア・ブロックに変形する。コクピット・ブロックは球形コクピットと同等の機能を有し、単体での生存性が十分に確保されている。サイコミュのメインプロセッサー、及び通常であれば頭部に搭載されるコ・プロセッサーもこのユニットに搭載されており、当時最高水準の演算能力を備えていた。

試作機であるFAΖΖでは、操縦システムに新開発のアームレイカーが採用されていた。しかし、アームレイカーはコクピットに衝撃が加わった際にパイロットの手から外れ易いため、本機では確実な操縦操作を期して、運用実績のある従来のスティックタイプに戻された。

機首及びエンジンブロック下部にランディングギアを有する。武装は2連装ミサイルランチャー(装弾数4発)2門と機銃。機体下部には2基のトリモチ・ランチャーを備え、コロニー内等での戦闘にも配慮がなされている。

本機を構成する3基のユニットにおいては最も小型であるが、搭載する機銃は的確な運用であれば、MSを行動不能に追い込むことも可能である。ダカール郊外の戦闘においては、推進器を狙撃することで重MSドライセンを撃破している。

明貴美加によるコアブースターも非公式ながらデザインが存在する。劇中ではコアベースがコアブースターと一部で呼ばれるなど役割が重複し、ΖΖへの変形にもデッドパーツ化するためオプション的なデザインだった。

コア・トップ

2連装メガビームライフル及び上半身、コア・ブロックから構成される戦闘機形態をコア・トップ (CORE-TOP) と呼ぶ。コア・ブロックを接続した状態での運用が基本であり、本来のコクピットはコア・ブロックのものを使用する。機首にも予備のコクピットが設置されており、有視界戦闘が可能である。但し、MS形態時にはライフルの一部となり危険が伴うため、こちらはあくまで緊急用とされている。シールドは主翼に、腕部はメインノズルとして展開し、機首と上腕部にランディングギアを有する。翼面積が大きく、また腕部を展開したスラスターは可動式のベクタードノズルとしても機能するため、3機の中でも特に空戦能力に秀でている。腕部ノズルに加えてコア・ブロックのメインノズルも使用可能であり、Aパーツ単独の状態に比べ、加速力が向上する。武装として2連装メガビームライフルを配し、火力の面においても並のMSを凌駕する威力がある。

書籍『ガンダムMSグラフィカ』によれば、本機のコクピット配置には「強力なビームの指向性制御と精度の問題」が関わっているとされるが詳細は不明である。

『マスターグレード ZZガンダム』解説には、急遽開発中の航宙戦闘機をメガビームライフルユニットへ改装したものであるという説が記載されている。

コア・ベース

コア・ブロック及び下半身、バックパックによって構成される戦闘機をコア・ベース (CORE-BASE) と呼ぶ。一年戦争時におけるGスカイ及びコア・ブースターと同一コンセプトの機体であり、高機動・重武装を備える。コア・トップと異なり、コア・ファイターなしでは運用できない。股間部と膝アーマーにランディングギアを有する。質量が大きく戦闘機としては大型の部類に入るが、前後2対のVG翼を持ち、飛行能力は高い。また、ペイロードも非常に大きい。武装はビームキャノン2基、21連装ミサイルランチャー2基を装備し、コア・ファイターの武装もそのまま使用可能。3機の中で最も火力に優れ、一撃離脱を基本としたピンポイントでの打撃力に優れる。

後述の3DCGアニメ『GUNDAM EVOLVE../10』には新たな機体が登場する。

武装

本機は戦艦級の火力を有している。多数の高出力火器を同時にドライブすることが可能であり、長距離射撃から白兵戦闘にまで対応した機能を備える。

ハイメガキャノン(出力50MW)
機体のジェネレーターが生み出す莫大なエネルギーの大部分を、新開発のメガコンデンサーによって凝縮、高密度のメガ粒子を開放する広域エネルギー放射兵器である。その出力はコロニーレーザーの約20%に相当するとされ、MSが最終装甲内に装備する武装としては最強クラスの威力を有する。一射ごとのエネルギー消費量が大きく、連続使用は不可能である。至近距離の標的に対する殲滅能力に比重を置いた武装であり、ショート・バレルを採用したこともあり、強力な出力と比較して射程は短い。額部に砲口が設置されているため、頭部ユニットの旋回によって照射角の微調整が可能であり、命中精度を向上させることができる。また、一説には発射時の反動を軽減するため、襟部分から支持アームが起き上がる機構が搭載されていたともされている。
ΖΖガンダムの就役時点ではハイメガキャノンは調整が不十分な状態のまま実戦投入されていたため、使用時におけるコンデンサージェネレーターへの負荷が問題点となっていた。実際、実戦においてハイメガキャノンの初使用の際、機体出力が一時的に低下し、機能回復に数分程度を要するトラブルが発生したとされている。しかし、これは機体を受領して間もないパイロットの機能理解の不備による操作ミスという人為的理由によるものとも考えられている。ジェネレーターが発生させたエネルギーが適切な昇圧手順を踏まずに急激にコンデンサーへと流入し、機体全体に過剰な負荷が掛かったためである。
本機の頭部ユニットは就役後も頻繁に改修を施された部位であり、ハイメガキャノンの性能自体も逐次更新され、容量やエネルギー効率の改善が図られている。第一次ネオ・ジオン抗争後期の時点では、ハイメガキャノンの使用による出力低下の問題は、ほぼ解消されていた。キュベレイとの交戦時や、木星宙域におけるドーベン・ウルフ隊との交戦時には、ハイメガキャノン使用後も機体の出力低下を起こすことはなくなっていた(但し、小説版では異なる)。
ネオ・ジオンの旗機であるキュベレイとの交戦時には、パイロットのテンションの上昇に応じてハイメガキャノンの出力が定格性能を超えて増大する事例が見られたが、原因は明確にされていない。その際に砲口周辺の装甲が溶解しているが、これはあくまでイレギュラーな事態によって生じた現象であり、ハイメガキャノンの設計自体に欠陥がある訳ではない。
従来であれば、大型戦艦の主砲クラスの兵装でなければ実現し得なかった大出力火器をMSの内蔵兵器として搭載したという点では画期的なデバイスであり、これに近似したコンセプトの兵装が後のサザビーにも採用されている。MSとしては極限とも言える威力を有しつつも極めてコンパクト化されており、高機動・重火力の両立という本機の機体コンセプトを象徴する兵装である。
2連装メガビームライフル(10.6MW×2)
本機の主兵装。別名ダブルビームライフル。極稀にダブルメガビームライフル。デバイス内に複数のジェネレーターを持ち、更にMS本体からのエネルギー供給を受ける(構造的に腕部エンジンと直結する)ことで、MS用手持ち携行火器のサイズに収まりつつもメガバズーカランチャーに匹敵する威力を有し、更に連射を可能とする非常に強力な兵装となっている。ライフルと銘打っているものの、その実態はジェネレーター直結式の連装メガ粒子砲と呼ぶべき兵装である。砲身は200射程度の使用が可能であるとされている。
大火力の兵装だが、マニュアル操作で出力及びビームの収束率の調整が可能であり、運用に柔軟性を持たせている。ロング・バレルによって効率的なエネルギー収束が可能であり、一定レベルでの狙撃能力をも備えていた。
携行火器としては破格の威力を備えており、一度の砲撃でMS数機を破壊し、 かすめただけでもガンダリウム製の装甲を溶解させる威力がある。ビームの減衰が激しい大気中においてもその威力は健在であり、一射でドライセンを爆砕したほか、大型MSであるザクIIIの半身を吹き飛ばしている。
Gフォートレス及びコア・トップ形態時には機首となり、専用のコクピットも設置されている。但し、MS形態時には乗員に危険が及ぶことから、こちらは専ら整備用 / 緊急用とされている。しかし、外観的に最も「コクピット」と捉えやすい事もあってか、実際の運用例においては、この部位にパイロットが搭乗する場面も多々見られた。
ビームキャノン / ハイパービームサーベル(10MW/1.1MW×2)
バックパックにマウントされた、ビームキャノン(別名ダブルキャノン)とビームサーベルの共用機構を備える兵装。
キャノンモードでは2連装メガビームライフルに匹敵する出力があり、長射程を有する。マウント部の自由度は高く、砲身を自在に操作できるため、固定武装としては広範な射角を有している。
サーベルモードでは一般的なビームサーベルに比して50%増しのサイズのビーム刃を形成する能力があり、高級なガンダリウム・コンポジット装甲であっても容易に破断することが可能である。MS程のサイズもある隕石を丸ごと両断した他、重MSであるドーベン・ウルフ数機を一振りでなぎ払う程の威力がある。ジュドーはその出力を活かし、斬撃によって敵機のビーム射撃を相殺している。この武装も、頭部ハイメガキャノン同様に定格性能以上の出力増大が確認されているが、詳細は不明である。
21連装ミサイルランチャー×2
一基あたりAMA-13Sミサイル21発を搭載する。このミサイルは熱誘導式であり、照準時に標的のスラスターの噴射熱を記憶するため、太陽やフレア弾などに妨害されることがない。
当時はビーム兵器の高出力化に伴って耐ビームコート、Iフィールド等の防護装備も高度化していた。これらに対しては実体弾攻撃が有効であったため、攻撃手段の選択肢を拡大し、柔軟な戦闘を可能とするために装備された。
ダブルバルカン×2
頭部に内蔵されているが、実装部位や砲門数が資料によって異なる。2門1対のバルカン砲で、計2門とする資料や計4門とする資料もある。この武装は頻繁に改修を施され、時期によって口径や装弾数、果ては実装部位まで変化していたと考えられている。MSの装甲に対してはさほど有効ではないが、主に牽制時に威力を発揮する。劇中では使用している場面は確認出来ないが、『GUNDAM FRAG.』において確認できる。この時のダブルバルカンは2門であった。
ウイングシールド×2
両前腕部にはウイング・バインダーを装備し、Gフォートレスおよびコア・トップ形態時には主翼となる。このバインダーはシールドとしての使用も可能であり、特にウイング部を二枚重ねにした場合には、単機能のシールドに勝る強度を備えている(取り付け基部にビームが直撃した際には破損している)。また任意で着脱が可能であり、投擲兵装としても使用できる。ただし、主翼と兼用であるため、損傷した場合には大気圏内飛行性能に影響が生じる。緊急避難的意味合いから、重要部分への被弾を避けるためにシールドとしての機能を備えているが、これはあくまで変形機構に伴い機体全体をシステムと捉えた上での善後策として付与されたものである(コクピットへの直撃を避けるために、ライフル等の装備品を盾代わりに用いることは珍しいことではない)。本来の機能としては、主翼 / バインダーとして稼動し、ダメージコントロール用の兵装として、運動性の向上による被弾率の低減に主眼が置かれたものである。両肩部ラッチには10連装ミサイル・ポッドを増設する仕様も存在する。

フルアーマー・システム

ドッキング部位の接合強度を向上させ、さらなる多機能化を計るためのフルアーマー・システムも機体と同時進行で開発されている。本機のフルアーマー・システム(フルアーマーΖΖガンダム)はMS形態における機能向上に主眼を置いた追加パーツであり、装甲強化に加え火力及び機動力の増強を兼ねる複合的な強化ユニットとして機能する。さらにビームコーティングもされている。バンダイのMGフルアーマーダブルゼータガンダムの説明書にはIフィールドも搭載と説明されている。この追加パーツは本体フレーム及びコア・ブロックの応力負担を補佐する設計であり、装着時には機体剛性が大幅に向上する。変形機構には制限を受けるものの、MSとしての機体バランスは非常に良好であり、空間戦闘に特化した仕様としては、むしろフルアーマー形態こそが真の完成形と言える。また、システムは任意の強制排除も可能であり、MS形態のまま継戦、あるいは分離・変形への移行が可能である。

仕様変更

第一次ネオ・ジオン抗争終盤、本機は全面チューンアップが施され、若干の仕様変更が為されている。この仕様を強化型ΖΖガンダムと呼ぶ。また、その状態から更に重火力支援システムを追加装備した仕様をフルアーマーΖΖガンダムと呼ぶ(詳細は後述を参照のこと)。

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劇中での活躍

第一次ネオ・ジオン抗争

グリプス戦役終結後、エゥーゴの巡洋艦アーガマはサイド1・1バンチのコロニー「シャングリラ」へと寄港する。その際、疲弊した戦力を補う為、ジュドー・アーシタを始めとするシャングリラの少年少女達を新たなクルーとして招き入れる。同時にアーガマはΖΖガンダムの中枢であるコア・ファイターをラビアンローズより受領する。出航後、更にBパーツであるコア・ベースを受領、配備する。その後の戦闘で、アクシズ士官マシュマー・セロの搭乗する重MSハンマ・ハンマの攻撃でΖガンダムが稼動不能となる。この際、ジュドーの仲間であるイーノ・アッバーブが最後のパーツであるコア・トップを搬送しつつ、戦闘空域に到着する。ジュドー搭乗のコア・ファイターは、戦闘中にコア・トップ及びコア・ベースとの合体を実施し、新型MSΖΖガンダムへと変形する。この初戦でΖΖガンダムは圧倒的な威力でハンマ・ハンマを撃破した。以後、ΖΖガンダムはいわゆるガンダム・チームの中核として、第一次ネオ・ジオン抗争下で実戦運用される。

実戦配備されたΖΖガンダムは、主席パイロットとなったジュドーの才覚もあり、R・ジャジャバウといったアクシズのエース機を次々と撃破していく。ジュドーはΖΖガンダムを巧みに操り、ネオ・ジオンのニュータイプ少女エルピー・プルが搭乗するニュータイプ専用MSキュベレイMk-IIとの交戦時には、ファンネルによる攻撃にも怯まず応戦している。アクシズ随一のベテランパイロットであるラカン・ダカラン駆るドライセンによる急襲を受けた際には、ジュドーはラカンの卓越した技量の前に苦戦するものの、仲間の助けもあり、これを退けている。

地上へと降下した後、ΖΖガンダムはネオ・ジオンによって制圧された連邦議会都市ダカールを目指し、ガンダム・チームと共に砂漠を横断する。途中、幾度か旧ジオン残存兵力の手錬達の操る局地戦用MS部隊による襲撃を受けるものの、ΖΖガンダムは過酷な環境下においても戦い抜き、これらを打ち破っていく。

ネオ・ジオンはダブリンにコロニー落としを実行し、避難民救出の為にコア・ファイターにて出撃したジュドーは、ラカン・ダカラン率いる制圧部隊と遭遇する。新型の重MSザクIIIを操るラカンは合体中の隙を突いてジュドーのコア・ファイターに迫る。その際、カラバを指揮するハヤト・コバヤシの援護により、ΖΖガンダムは辛くも合体に成功するが、ハヤトの機体はラカンによって撃墜される。ジュドーは怒りを爆発させ、ラカンとの壮絶なドッグ・ファイトを展開する。しかし、直後にコロニーが地表に落下し、周囲は閃光に包まれる。爆風の中、ラカンは尚もΖΖに襲い掛かるが、ジュドーの気迫はラカンを圧倒し、これを退ける。それと前後し、ネオ・ジオン巡洋艦サンドラよりサイコガンダムMk-IIがアーガマ追討の為に出撃する。そのコクピットにはエルピー・プルの双子の姉妹と言うべき強化人間プルツーが座していた。ΖΖガンダムはサイコガンダムMk-IIとの空中戦を展開するが、熱核反応炉の過熱が限界値に達し、出力が低下し始める。徐々に劣勢に追い込まれ、サイコガンダムMk-IIの一斉砲撃がΖΖガンダムを襲った際、プルのキュベレイMk-IIが両機の間に介入する。キュベレイMk-IIはΖΖガンダムの盾となって直撃を受け、爆散してしまう。プルを失ったジュドーの怒りに応じてΖΖガンダムのパワーは上昇し、サイコガンダムMk-IIを撃破した。

再び宇宙へと上がったΖΖガンダムは、新造戦艦ネェル・アーガマを新たな母艦とする。ジュドーはパイロットとして成長を遂げ、高機動の新型MAジャムル・フィンや、サイコミュ兵装及び重火力を有する重MSゲーマルクを退ける。

ネオ・ジオン勢力の内紛もあり、凄絶な殲滅戦の様相を呈する第一次ネオ・ジオン抗争終盤、その決戦を控えた時期にΖΖガンダムはフルアーマーΖΖガンダムへの換装を受ける。ラカン操るインコム・システム搭載の重MSドーベン・ウルフを一蹴、プルツーの搭乗するニュータイプ専用巨大MSクィン・マンサと対峙したフルアーマーΖΖはその攻撃を封じ、沈黙させる。

第一次ネオ・ジオン抗争最終局面において、ΖΖガンダムはネオ・ジオンの指導者ハマーン・カーンの搭乗する旗機キュベレイとの一騎打ちに臨む。互いの持つ全ての能力と戦術を駆使する両者は一進一退の死闘を演じ、時には生身の戦闘をも展開していく。最終的に両者のビームサーベルが交錯し、ΖΖガンダムはキュベレイを撃墜する。その後、爆炎に包まれるコア3を脱出する際、ΖΖガンダムは上半身とコア・ブロックを残し大破するが、ネェル・アーガマに収容されたプルツーの導きにより、ジュドーは無事に帰還する(『機動戦士ガンダムΖΖ』)。

その後

第一次ネオ・ジオン抗争終結後、ΖΖガンダムが運用された公式な記録は存在しない。しかし、回収されたΖΖガンダムは修復後、木星へと旅立つジュドーとともにジュピトリスIIに搬入され、木星圏にて運用されたと言われている。ハマーンとの決戦時にΖΖガンダムは上半身とコア・ブロックを残し大破したため、コア・ベース部はジュピトリスII内ドック製の、仮設のメカニズムを使用していた(通称ΖΖ-GR)。後にコア・ベース部を新規に製造したものが届けられ、ΖΖガンダムは本来の性能を取り戻すこととなる。

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デザイン

  • テレビアニメの企画時、ガンダムMk-III、オメガガンダム、ネオガンダムなどのネーミング案が存在した。さらに、その後劇中では、「ガンダムΖΖ(ガンダムダブルゼータ)」という作品タイトルと同じ呼び名が使われたのに対し、月刊「ニュータイプ」をはじめとする各種メディアやプラモデルの製品名は「ΖΖガンダム(ダブルゼータガンダム)」が正式名称になるという混乱が見られた。
  • ΖΖガンダムのデザインには、小林誠の他に明貴美加、岡本英朗、出渕裕永野護藤田一己大河原邦男ビシャールデザインなどが参加。主にΖガンダムと同様の単機変形デザイン群の中、明貴案のコアガンダムにコアトップとコアベースを装着するというアイデアが採用される。そこから合体をお題目に再コンペを経て最終的に小林のデザインが採用され、北爪宏幸、岡本、明貴のクリンナップを経て完成している。特に小林はバンダイとのプレゼンテーションの際に、自作のΖΖガンダムのフルスクラッチ完全変形モデルを持参し望んでいる。またデザインは「頭には波動砲を付けて強そうに。MS形態は初代ガンダム、飛行形態はGアーマーに見える様に描いた」としている。上半身は構造から装甲までほぼ小林案のままだが、コア・ファイターと下半身は完全に明貴デザインの別物に変更された。明貴によれば時間との厳しい戦いだったと語っているが、これはスポンサーであるバンダイプラモデル設計スケジュールの都合であった。また、バンダイ『模型情報』によると、クリンナップしたのは北爪であるとされ、この校了がプラモデルの設計開始に間に合わず、プラモデル「1/144 ΖΖガンダム」の胸部形状が設定と異なってしまったと報じている。なお準備稿では、Gフォートレスに機首が無く、憤慨した小林がバンダイに抗議して機首を追加させた逸話がある(既に変更可能だったのは武器のみであり、ビームライフルの尾部という危険な部位にコクピットがあるのはこの名残)。
  • 小林誠は大量のデザイン案を残しており、後述するMSVなどにはこれらの準備稿デザインが参考にされている。また永野の没案は、自身の漫画『ファイブスター物語』に登場する予定のモーターヘッド「ワイツ・ミラージュ」としてリサイクルされたが、後の設定変更で結局抹消されている。
  • 機体色はTV劇中では「ごく薄く緑の混ざった白と薄めの青」でガンプラでもその色が再現されていたが、マスターグレードでは「明度の高い白と強い青」にアレンジされている。型式番号はMSΖ-0010やMS21010などと誤記されたこともある(講談社発行の雑誌「ガンダムマガジン」など)。また、一部の資料にコア・ベース時の全備重量を22.06tとしたものがある。

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バリエーション

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フルアーマーΖΖガンダム

諸元
フルアーマーΖΖガンダム
FULL ARMOR ΖΖ GUNDAM
型式番号 FA-010S
全高 23.14m
頭頂高 19.86m
本体重量 32.7t
全備重量 87.2t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 7,340kW
推力 31,200kg×4
(総推力)124,800kg
センサー
有効半径
16,200m
武装 スプレーミサイルランチャー×2
16連装ミサイルポッド×2
8連装ミサイルポッド
腹部ハイ・メガ・キャノン
(増加装甲の搭載分のみ)
その他、強化型ΖΖガンダムと同じ
搭乗者 ジュドー・アーシタ
その他 姿勢制御バーニア×44

ΖΖガンダムをS型へと仕様変更した上で、更なる機能向上を図る目的で追加パーツを装着した形態。FAΖΖ(ファッツ)による試験運用結果を基に、さらに改良されたプランに基づいて設計されている。

ΖΖガンダムのフルアーマー化に際し重視されたのは、追加装備による換装重量の増加があっても機動力を損なわないことであった。バックパックのメインスラスターは新規設計の熱核ハイブリッドエンジン4発に換装され、各ユニット上には合計44基のスラスターが増設されている。全備重量90t近い重装型の仕様となったが、機動力は極めて高い水準に仕上がっており、特に加速性能の点では既存の機体を大幅に凌駕するものとなっている。

追加ユニットはガンダリウムコンポジットによる多重空間装甲であり、内部はマイクロミサイルポッドやプロペラントタンク、あるいはスラスター等の搭載に有効利用される。装甲表面には耐ビームコーティングが施され、標準的な出力のビーム兵器であれば直撃にも3秒間耐えられるとされている。

これらは頭部・バックパックを除き、ほぼ全身に搭載されており、四肢の可動部位を保護し、また変形用の可動部に架せられる応力を分散させ、機体強度を向上させている。一部のアーマーは各関節部の最大可動域に影響しないようフローティング装甲とされ、機体の駆動性に最大限配慮した設計となっている。但し、慣性重量が増加した分、四肢のレスポンス低下は避けられず、近接戦闘には不向きである。搭乗者であるジュドー・アーシタはこの点を技量で補い、ラカン・ダカランの駆るドーベン・ウルフを格闘戦で圧倒、撃破している。

増加パーツは戦闘中に不要と判断されれば、任意に強制排除が可能であり、ユニット内のプロペラント及び弾薬を全て消費した際にはノーマル形態のΖΖガンダムへと移行することで継戦時間の延長が可能である。

多量のミサイルポッドや簡易型のハイメガキャノンに加え、FAΖΖの主兵装であったハイパー・メガ・カノンの搭載も可能であり、火力はノーマル時よりも数段向上し、当時の最新鋭のネオ・ジオン製第4世代MS群を凌駕する圧倒的な戦闘能力を備えている。

本機のフルアーマー仕様は、機体の設計段階からシステムの一部として盛り込まれており、良好な機体バランスを維持したままに飛躍的な性能向上を可能とする。追加ユニットは増加装甲としての機能も有するが、実際には機動・火力面を含めた複合的な機能向上ユニットであり、単機能のMSとして特化した仕様としては、このフルアーマー形態がΖΖガンダムの真の完成形であるとされている。

追加武装
各部ミサイルランチャー
高出力ビーム兵器の多用によるエネルギー消費を抑えるため、多数の実弾兵器も搭載されている。不要と判断されれば、ユニットごと排除することが可能。バックパック、胸部、肩部、腕部に存在。
劇中ではドーベン・ウルフ(ラカン機)、クイン・マンサに多数直撃させたが、そのどちらにも目に見える損傷を与えることは出来ず、牽制程度にしかならなかった。
腹部ハイメガ・キャノン(出力50MW)
頭部に装備されるものと同等の威力を持つが、簡易的なメカニズムの為、一度の発射で砲身が使用不可能となる。必要な電力はバックパックの増設ジェネレーターより供給され、使用後も機体のパワーダウンを引き起こすことはない。
劇中では使用されておらず、設定のみ。
ハイパー・メガ・カノン(出力79.8MW)
オプション兵装として、ハイパー・メガ・カノンを装備する案も検討されていたが、実戦において運用されることはなかった。FAZZが運用したハイパー・メガ・カノンと同一の兵装。変形機構に対応しており、Gフォートレス形態時にも使用が可能である。ゲーム『機動戦士ガンダム EXTREME VS.』においては、この兵装が実装されたフルアーマーZZガンダムが参戦している。
備考
メカニックデザインは明貴美加。
原作では46話にのみ登場。
バンダイより発売されたプラモデル「1/100 マスターグレード フルアーマーΖΖガンダム」には、FAΖΖに搭載されているハイパー・メガ・ランチャー(ハイパー・メガ・カノン)が付属する。公式設定や劇中への登場こそしなかったが、元々ハイパー・メガ・ランチャーは明貴美加がGフォートレスとフルアーマーΖΖのイラストとして角川書店に寄稿したアレンジデザインが初出であり、後付設定のFAΖΖから逆輸入的に取り入れられた物ではない。LD-BOXジャケットイラストのフルアーマーZZが装備しているのはこのためである。
設定の変遷
当時、大日本絵画の雑誌モデルグラフィックス」における小説及び模型の連動作品『ガンダム・センチネル』はまだ企画段階であり、詳しい設定は固まっていなかった。また、モデルグラフィックス編集部とバンダイとの関係もそれほど良好ではなかったため、プラモデル「ガンダム・センチネル」シリーズは発売されるかどうかは不透明な状態であった。そのため、まずは第1弾として前倒しでフルアーマーΖΖガンダムが発売されることとなったが、バンダイの要望でFAΖΖではなくテレビアニメ版のフルアーマーΖΖガンダムとして発売されることとなり、紆余曲折の上、強化型ではない「1/144 ΖΖガンダム」に、FAΖΖと同じホワイトで塗装された増加装甲とハイパー・メガ・カノンが装備された、中途半端な存在として発売されてしまった。このカラーリングの元となったのは牛久保孝一による当時の1/100キット改造作例である。
その後FAΖΖ(ファッツ)の設定が固まり、デザインが変更された上に型式番号がFA-010Aとなった。さらにテレビアニメ版のフルアーマーΖΖガンダムの型式番号はFA-010Sとなり、区別されるようになった。そのため、プラモデル版のフルアーマーΖΖガンダムはFAΖΖでもフルアーマーΖΖガンダムでもない謎のMSとなってしまい、現在でも特に設定は起こされていない。
胸部にIフィールド発生機構を装備するとの資料もあり、2000年にバンダイより発売されたプラモデル「1/100 マスターグレード フルアーマーΖΖガンダム」及び「FAΖΖ」に付属のインストには、フルアーマーΖΖガンダムとFAΖΖはEx-Sガンダムと同様のIフィールド・ジェネレーターの搭載となっている。ガンダムエースの付属ポスターにおいても左肩にIFシステムが搭載されたイラストが描かれたことがあるが、本編登場のΖΖガンダムとは外見が相違している上に、特に説明文もなく、あくまでイメージイラストである。

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強化型ΖΖガンダム

諸元
強化型ΖΖガンダム
Amplified ΖΖ Gundam
型式番号 MSΖ-010S(MSΖ-010B)
全高 23.14m
頭頂高 19.86m
本体重量 32.7t
全備重量 68.4t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 7,340kW
推力 31,200kg×4
(総推力)124,800kg
推力重量比(1.74)
センサー
有効半径
16,200m
武装 ダブルバルカン
ハイ・メガ・キャノン
ハイパー・ビーム・サーベル
(ダブルキャノン)×2
18連装2段階ミサイルランチャー×2
シールド×2
2連装メガ・ビーム・ライフル
搭乗者 ジュドー・アーシタ
その他 姿勢制御バーニア×36

ΖΖガンダムをフルアーマーΖΖガンダムに換装するため、バランス調整を行ったマイナーチェンジ・バージョン。一部装甲の追加やバックパックの大型化、ジェネレーターの高出力化などの改修が施されている。

追加装甲による乾重量の増加を考慮し、ショルダースラスターバインダーをより高性能なものに換装した他、各部のスラスターも強化されており、脚部後面ノズルには推力強化パックが追加されている。バックパックのメイン・エンジンは新型の熱核ジェット / ロケット4発に換装、機動力は大きく向上し、Gフォートレス形態時では総推力192,000kgに達する。また、武装である21連装ミサイルランチャーは18連装2段階ミサイルランチャーに変更され、ハイパー・ビームサーベルの形状にも若干の変更が見られる。

デザイン
メカニックデザインは明貴美加。当初はMSΖ-010Bという型式番号であったが、フルアーマーΖΖガンダムの型式番号がFA-010BからFA-010Sに変更されたことに伴い、MSΖ-010Sに変更されている。詳しくはフルアーマーΖΖガンダムの項を参照。
アニメ第47話に登場するΖΖガンダムは、この強化型ΖΖガンダムであるとする説と、ノーマルのΖΖガンダムであるとする説の2通りの説が存在する(設定上は外見に差異があるはずだが、47話のそれに目立った変化はない。なお『ΖΖ』の公式HPでは、強化型であったとしている)。なお、プラモデル「1/144 ハイグレード ΖΖガンダム」組み立て説明書内のイラストでは、ハマーンのキュベレイとビームサーベルで切り結ぶ強化型ΖΖガンダムが描かれている。

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ΖΖ-GR

(ズィーズィー・ジーアール)

3DCGアニメ『GUNDAM EVOLVE../10』に登場。型式番号MSZ-010S。

第一次ネオ・ジオン抗争終結後、回収されたΖΖガンダムの失われていたコア・ベースに代り、新たに用意されたBパーツをドッキングさせたもの。ジュドーが木星圏にて使用した。『ガンダムファクトファイル』によると装甲形状の違いは戦後の改修によるもの。

コア・トップ及びコア・ファイターの熱核反応炉のみで稼動しているが、戦闘は可能。但し、バックパックは仮設のメカニズムを使用しているため推進剤に余裕が無いようで、宇宙での長距離の移動にはサブ・フライト・システムを用いていた。

90年10月10日、ジュピトリスIIの護衛中に発生したネオ・ジオン残党との戦闘で推進剤が無くなり、ジュピトリスに帰還不能になってしまうが、付近に接近していたジュドー宛のバースデー・コンテナに積載されていたコア・ベース2号機と下半身の換装に成功。ΖΖ本来の力を発揮し、追撃してきたドーベン・ウルフ隊を一掃する。

本作ではコクピットが全天周囲モニターとリニアシートとなっていた。

メカニックデザインは一式まさと

スーパーGフォートレス

諸元
スーパーGフォートレス
SUPER G-FORTRESS
型式番号 FX-010A
FA-010X(MS形態)
所属 エゥーゴ
生産形態 試作機
全長 30.58m
全幅 18.52m
全備重量 97.78t
推力 16,300kg×2
21,700kg×2
14,400kg×4
17,300kg×2
(総推力)168,200kg
武装 ダブルキャノン
21連装ミサイルランチャー
2連装メガビームライフル
ハイパーメガキャノン
肩部10連装ミサイルランチャー×4
プロペラント部ミサイルランチャー×4
改良型ダブルビームライフル
60mmバルカン砲×4

プラモデル「1/100 ΖΖガンダム」付属組立説明書に登場。Gフォートレスに、ハイパー・メガ・ランチャー、ミサイルポッド、及び長距離巡航用プロペラントタンクを追加した武装強化形態。ΖΖガンダム単体での作戦能力を向上させるために考案された。航続距離及び火力は大幅に向上しており、高速巡洋艦クラスの能力を獲得することに成功している。

ミサイルポッドを除装することでMS形態への変形が可能であり、その際にはランチャーはFAΖΖの扱い方と同じく銃の様にホールドする。しかし、実戦投入された機体はMS形態での運用が多く、同形態に比重を置いたフルアーマーΖΖガンダムの方が有効であると判断され、スーパーGフォートレスは廃案となっている(スーパーGフォートレスはあくまでノーマルのGフォートレスに追加装備を施した仕様であり、強化型ΖΖガンダムが変形したものではない)。

追加武装
ハイパー・メガ・ランチャー(ハイパー・メガ・カノン)
バックパックにオフセットされる。増加試作機FAΖΖ(ファッツ)にて試験運用が行われたハイパー・メガ・カノンを改良した兵装。フルアーマーΖΖガンダムにもオプションとして装備される予定であったとされる。
ミサイル・ポッド
肩部にはAMA-35S型ミサイル10発を内蔵するミサイルポッド計4基の他、プロペラントタンクにAMF-37H型ミサイルを内蔵するミサイルランチャーを片側2基ずつ、合計4基を装備する。
その他にコア・トップの主翼にもミサイルランチャーの装備が可能であり、また機首である2連装メガビームライフルには60mmバルカン砲4門を装備する。

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FAΖΖ(ファッツ)

諸元
FAΖΖ(ファッツ)
型式番号 FA-010A
全高 22.11m
頭頂高 19.86m
本体重量 45.4t
全備重量 94.6t
装甲材質 ガンダリウム・コンポジット
出力 8,070kW
推力 118,800kg(推力重量比1.26)
センサー
有効半径
16,200m
武装 60mmバルカン砲×2
背部ビーム・カノン×2
AMA-13S 8連ミサイル・ポッド
スプレー・ミサイル・ランチャー
18連装2段階ミサイルランチャー×2
ダブル・ビーム・ライフル
ハイパー・メガ・カノン
搭乗者 シン・クリプト
ジョン・グリソム
ロバート・オルドリン
その他 姿勢制御バーニア×22

雑誌企画『ガンダム・センチネル』に登場。ΖΖガンダムの増加試作機に重火力支援システムを固定装備した試験機。同機はあくまでフルアーマー状態での性能のみを検証するのが目的の機体であるため、増加ユニットは全て固定式とされ、稼動時におけるユニットの強制排除機能は備えていない。そのため、基礎構造には試験に必要な部分以外は[8]ΖΖガンダムのMS形態のみを再現した汎用フレームが使用されており、Gフォートレスへの変形や分離機構は省略されている。コア・ブロックも存在せず汎用型イジェクションポッドタイプのコクピットとなっている。

検証機であるが故の設計の簡素化が随所に見られ、頭部及び腹部のハイメガ・キャノンは機体重量バランスを検討するためのダミーであり、発砲は不可能。構造材にはガンダリウム合金が使用されMSの構造材として高級な部類であるが、実際のΖΖガンダムよりも品質の劣る材料が使用されている(これをα任務部隊の教官マニングスは「ハリボテ」と酷評している)。なお、一部資料では胸部装甲にフルアーマーΖΖガンダム同様にIフィールドバリア発生装置を装備しているとの記述がある。

後に第一次ネオ・ジオン抗争にて活躍することになるフルアーマーΖΖガンダムと外観は酷似しているが、根本的にはコンセプトから異なった存在である。ガンダムタイプには分類されるものの、純然たる重火力支援機として捉えるべき機体であり、格闘戦には不向きだが、長距離からの火力戦闘においては高性能を発揮する。バックパックに装備されるハイパー・メガ・カノンはΖΖガンダムの頭部ハイメガ・キャノンよりも強力であり、MSが単体で携行できる兵装としては、当時最高水準の出力を誇る。

コクピットには新開発のアームレイカーが搭載され、複雑な火器管制システムの簡便化を図っている。また、試験が目的の機体であり、機体性能自体もオリジナルのΖΖガンダムに比べ抑えられているため、新兵など比較的未熟練の要員にも操縦は可能である。

なお、FAΖΖには頭部やバックパックなどにフルアーマーΖΖガンダムとの外観上の差異が若干存在するが、変形機構やコア・ブロック・システム、頭部ハイメガキャノン等の省略のため機体の完成は早く、ΖΖガンダムの半年近く前であった。

同機は16機が建造[9]され、ニュー・ディサイズ決起の際の実戦配備時に3機分が部品として分解[10]、3機がα任務部隊に配備され、戦力として用いられると共に実用評価試験が行われた。エアーズ市の攻防戦においてガンダムMk-Vと遭遇、同機のパイロットブレイブ・コッドの圧倒的な技量の前に全機が撃墜された。この際、04号機のシン・クリプトは脱出に成功したものの、05号機のジョン・グリソム、06号機のロバート・オルドリンの両名が戦死している。なお、名前は〔Full Armor ΖΖ〕の頭文字からとられ、「太っちょ」の愛称であるファッツ〔fats〕と発音される。

武装
ダブル・ビーム・ライフル
ΖΖガンダム / フルアーマーΖΖガンダムの主兵装となるダブル・ビーム・ライフルは、FAΖΖでは副砲としての機能を担う。オリジナルに比べて出力は抑えられている模様である。手持ちでの運用は想定されておらず、右前腕にコネクターを利用して接続する方式になっているが、これはハイパー・メガ・カノン射撃時に砲身を右腕で保持する必要があるための措置である。
背部ビーム・カノン(出力12MW)
エネルギーCAPを用いた大口径ビーム兵器。比較的コストパフォーマンスが高く、Sガンダムに装備されるものと同一のもの。但し、フルアーマーΖΖガンダムとは異なり、ビームサーベルとしての機能は持たない。
ハイパー・メガ・カノン(出力79.8MW)
FAΖΖの主兵装である強大な火器。ΖΖガンダムの頭部ハイメガキャノンの約6割増しの出力を持ち、数秒のインターバルで連射が可能。ただし、発射可能数は多くなく、機体のジェネレーターにかかる負担も大きい。戦況によっては基部ごと排除し、ダブルビームライフルをメインとした高機動戦闘に移行することも可能。
デザイン
メカニックデザイン(クリーンアップ)はカトキハジメ[11](頭部デザインのみあさのまさひこ)で、ΖΖガンダムに白装束を着せたようなデザインとなっている。当初はフルアーマーΖΖガンダムと明確に区別されていなかったため、FA-010Bという型式番号であったが、後に変更されている。詳しくはフルアーマーΖΖガンダムの項を参照。なお、プラモデル「マスターグレード FAΖΖ」はΖΖガンダムの金型を流用しているため、設定にない変形構造が存在している。
設定の変遷
フルアーマーΖΖガンダムの項を参照。

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プロトタイプΖΖガンダム

諸元
プロトタイプΖΖガンダム
PROTOTYPE ΖΖ GUNDAM
型式番号 MSΖ-009
頭頂高 19.02m
本体重量 29.5t
全備重量 60.3t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 3,140kW
推力 100,300kg
センサー
有効半径
15,480m
武装 ダブル・キャノン
シールド×2
搭乗者 イブン
アイン・ラベル
マイク・シュミット

メカニックデザイン企画『M-MSV』(大河原邦男コレクション)に登場。

エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社による共同開発計画「Ζ計画」の一環として開発された機体。後続機であるΖΖガンダムの前身と言える機体であり、Ζガンダムの設計思想を進めた合体・変形機構を有する。

本機はコア・ファイターをシステムに組み込んでおらず、Gフォートレスが上下に分離しGトップ0型、Gベース0型の2機の戦闘機となる。試験機であるため、武装はバックパックに装備されたビームキャノン2門のみである。2機が製造され、うち1機はB型へと換装された。

劇中での活躍
講談社の雑誌「ガンダムマガジン」第3号掲載の漫画『ガンダム伝説第3話 始動せよ!ΖΖガンダム!!』(みやぞえ郁雄著)では、アナハイム・エレクトロニクス社のレシル博士により開発。テストパイロット・イブンにより初の有人実験が行われるが、制御できず暴走。イブンはコア・ファイターで駆けつけた整備士である兄アーリーの手により救出された。この実験結果により、ΖΖガンダムにはコア・ブロック・システムが搭載されることになったが、設計を大幅に見直したため開発が遅れてしまい、グリプス戦役中の実戦投入は不可能となってしまった。
また、「SDクラブ」掲載の短編小説『モビルスーツコレクション・ノベルズ』Act.3「宇宙の咆哮」では、エゥーゴのアイン・ラベル准尉とマイク・シュミット中尉によるテスト中にティターンズの部隊と遭遇。戦闘の最中にドッキングするが、武器を持っていなかったため格闘戦を行う。新型のビームライフルを受け取るが試作品のため、わずか4度の射撃で右腕とともに爆発をしてしまった。
デザイン
小林誠のデザインしたΖΖガンダムの初期設定を基に大河原邦男がデザインした。型式番号はMS21009と誤記されたこともある(講談社の雑誌「ガンダムマガジン」)。

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プロトタイプΖΖガンダム B型

諸元
プロトタイプΖΖガンダム B型
PROTOTYPE ΖΖ GUNDAM B-Type
型式番号 MSΖ-009B(MSΖ-009-2)
頭頂高 19.02m
本体重量 31.7t
全備重量 63.0t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 7,200kW
推力 100,300kg
センサー
有効半径
15,480m
武装 ハイ・メガ・キャノン
ハイパー・ビーム・サーベル
(ダブル・キャノン)×2
シールド×2
ダブル・ビーム・ライフル

プロトΖΖガンダムの2号機に新型ジェネレーターを搭載した機体。これにより、機体を大型化することなく、出力は倍以上の7,200kWにまで向上した。これに併せ各種武装が追加され、運用試験が行われた。頭部は試作型のハイメガキャノンを装備したものに、バックパックのビームキャノンはハイパービームサーベルとしても使用可能なものに換装された。更に試作型のダブル・ビーム・ライフルを携行する。

型式番号は本来MSΖ-009Bであるが、2号機を使用しているためにMSΖ-009-2とされることもある。型式番号はMSΖ-009-Zと誤記されたこともある(講談社の雑誌「ガンダムマガジン」)。

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量産型ΖΖガンダム

諸元
量産型ΖΖガンダム
ΖΖ GUNDAM MASS PRODUCT TYPE
型式番号 MSΖ-013
頭頂高 18.5m
本体重量 29.2t
全備重量 53.5t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,210kW
推力 97,500kg
センサー
有効半径
11,300m
武装 50mmバルカン砲×2
簡易ハイメガ・キャノン
拡散メガ粒子砲
マイクロミサイル
ミサイル・ポッド×2
ビーム・サーベル×2
ハンド・グレネード×2
ビーム・ライフル
オプション・ウェポン・ポッド
(マイクロ・ミサイル、ビーム・キャノン)

メカニックデザイン企画『M-MSV』(大河原邦男コレクション)に登場。

ΖΖガンダムからコア・ブロック・システム及び変形機構を排除し、生産性を高めるべく設計された機体。ΖΖガンダムの設計思想を受け継ぎ、全身に多数の高出力ビーム兵器を装備、量産機としては破格の火力を備える。しかし、その兵装群を稼動させる為には高出力のジェネレーターを搭載せざるを得ず、コストの高騰については解消されていない。機体は試作機が4機製造されたにとどまり、量産化は見送られている。

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メガゼータ

漫画機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場(型式番号:MSΖ-009M)

プロトΖΖガンダムの改修機。形状や武装、変形機構はΖΖガンダムを踏襲している。劇中のアムロ・レイの台詞によれば、出力はΖΖガンダムの2倍とされる。[12]プロトタイプΖΖガンダムをベースとしているため、2機のメカ(Aメカ:Gソニック、Bメカ:Gアタッカー)による変形合体を行なう。Gソニックにはアムロ・レイ、Gアタッカーにはジュドー・アーシタが搭乗し、合体後も2人で操縦する。

脚部はΖΖガンダムよりもRX-78 ガンダムに近く、曲面で構成されたふくらはぎが存在し、追加のスラスターのような装備はない。頭部のハイメガキャノンはΖΖガンダムよりもひとまわり大きくなり、劇中では連射も可能であった。また肘から先の前腕部をサイコミュハンド(いわゆるサイコミュで制御された「ロケットパンチ」) として射出し、遠隔操作が可能。 なお、コクピットはコア・ブロックシステムは搭載されていないにも拘らず、全天周囲モニターとリニアシートやΖΖガンダムの様な、コクピットの内壁をモニター化させたものではなく、パネル式のモニターを使った第1世代MSと同じ仕様のコクピットになっていた。

劇中での活躍
ジュドーがその出力の高さに驚き、連邦きってのニュータイプと言われた鉄面皮らが扱えないなどかなり先鋭的でピーキーな機体として描かれていた。アムロ用にチューンされていたとも推測されるサイコミュ・ハンドも手伝って、高い戦闘力を発揮する。最終局面でジュドーとミネバ・ラオ・ザビの救出にサイコミュ・ハンドを使い2人の居たコクピットブロックを抉り出した後、シャア・アズナブルスザクと共同で巨神へ攻撃、撃退に成功する。
なお、劇中サイコミュ・ハンドを初使用した際はハイパービームサーベルからビームを出力させたまま、射出し、多くの敵機を撃破する。ダブルビームライフルは使用前に敵の攻撃で失っており、代わりに撃墜されたネオ・ジオンの機体のビームライフルを拾って使っていた。
メカデザイン
メガゼータはΖΖガンダムのメカデザイナーであった小林誠の描いた準備稿のΖΖをベースとしている。共通点は額のハイメガキャノンが大型であること、脚部にふくらはぎが存在することなどである。しかしモデラーでもあった小林の製作により先行発表された準備稿のデザインとは微妙に異なっている。最大の相違は脚部の変形である。
  • 準備稿 脚部は90度外側に開き足の裏同士をくっつけて変形する。
  • メガゼータ 脚部は膝パーツ裏のステーを中心にスネ部で180度回転、ノズルが露出する。
  • 作者の長谷川裕一によれば、その名前の由来は「ΖΖ(ダブルゼータ)」=「WΖ」の「W」の字を上下引っ繰り返して「MΖ」、転じて「メガゼータ」と読ませたと語っている。


ガンプ

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝 スカルハート』や『機動戦士Vガンダム外伝』に登場。

木星ヘリウム輸送船団のMS。船団のリーダーである「木星じいさん」ことグレイ・ストークが搭乗。ジャンクパーツや他の機体の流用パーツで一見外見がわからないほど改造されているが、作者の長谷川裕一によれば、その元になった機体はメガゼータである。グレイはガンプに愛着を持っているらしく、彼曰く「60年間付き合ってくれた」「兄弟」らしい。

グレイの風貌や言動などから彼の素性はジュドーである可能性が匂わされているが、ここまで愛着を持ってΖΖ系MSに乗っている人間(しかもニュータイプ)がジュドー以外に考えられない、と言う意味でもその可能性を補強する存在である。

機体性能の面では、木星帝国残党のMS程度なら互角以上に渡り合うことが出来る性能を、ベース機の落成から実に半世紀近く経過した後でも留めていた。しかし、分離合体可変機構は既に失われており、作中では一度も合体変形機構に関して触れられることはなかった。モニターはベース機の様な、コクピットの内壁をモニター化させたものではなく、パネル式のモニターを使っており、内装も第1世代MSの様な仕様となっている。


劇中での活躍
「最終兵士」で木星帝国残党討伐のため、グレイ・ストークが持ち込んだMS。クロスボーン・ガンダムに比べて一回り大型の機体である。木星帝国残党との戦闘中、トビア・アロナクスのX1改・改“スカルハート”をかばい、脚部を破壊されている。『機動戦士Vガンダム外伝』に登場した際には、その部分がまた別のジャンクパーツで修復されている姿を見ることができる(初出は『Vガンダム外伝』が先)。この義足めいた部分にはマシンガンが組み込まれている。
『機動戦士Vガンダム外伝』においてはザンスカール帝国軍と交戦。しかし宇宙空間ではゾロアットの機動性に翻弄されるなど、時代の変化に機体が追いつけない描写も見られた。敵の攻撃を受けて中破したものの最後に頭部のカバーが解放され、ハイメガ・キャノン搭載のプロトタイプZZガンダムB型の頭部が出現、そしてウッソ・エヴィンを援護するためハイメガ・キャノンを発射。損傷でジェネレーター出力が低下していたため目くらまし程度にしかならなかったが、敵機の位置を影として映し出し勝利に貢献した。それと同時に限界が来ていた機体も爆発してしまうが、コクピットブロックは離脱に成功している。

武者ΖΖガンダム

諸元
武者ΖΖガンダム
型式番号 MSΖ-010(TYPE-M)
全高 27.8m
本体重量 40.4t
全備重量 86.6t
出力 8,890kw
武装 ハイギガキャノン
60ミリバルカン
サイコミュソード「クモキリ」

「SD戦国伝」シリーズとは別に、宇宙世紀の世界観上で展開されたコミックボンボンのオリジナルストーリー『プロジェクトMUSHA』に登場(1989年4月号掲載)。

木星の宇宙海賊掃討を目的として始動した連邦軍の「プロジェクトMUSHA」機体群の内のひとつ。ΖΖガンダムをベースに開発された突撃型MSである。同プロジェクトのシリーズ中で唯一の可変機構を持ち、突撃形態に変形。一撃離脱戦法を得意とする。その名が示すとおり、旧世紀の日本の鎧武者を模した外観が大きな特徴となっている。なお、この機体はプロトタイプと位置づけられており、さらに改良を加えたパーフェクト武者ΖΖが計画されていたといわれている。

ΖΖガンダム試作機

ホビージャパン発行の雑誌「ゲームぎゃざ」の読者参加型ゲーム『機動戦士ガンダム G-STRATEGY』に登場。

MSΖ-010としては最初に生産された機体である。ジュドーの搭乗したΖΖガンダムと同一であるかどうかは不明。少数配備されたようである。 肩部アーマーが簡略化され、百式と同型のビーム・ライフルを装備したアムロ専用機と思しき機体も確認されている。

スーパーΖΖガンダム

小林誠の漫画『機動戦士ガンダム外伝 Gの伝説』に登場。小林自身の原型による「小林版ΖΖ」のガレージキットが基になっている。

全高が40mを超える非可変機体であり、専用の空中キャリアにより戦場へ移送される。核融合炉がミノフスキー・シールドされておらず、強力な放射線を撒き散らす「動く原子炉」であり、操縦は「耐放射能ニュータイプ」が行う。

ΖΖII

(ダブルゼータ・ツヴァイ) (型式番号:MSΖΖ-000)全高が40mを超える非可変機体であり、APC(兵員輸送機)としても使用可能である。大気圏内用であるが、装備の変更のみで宇宙でも使用可能である。 元々は雑誌Model Graphixの別冊『Gundam WARS II: Mission ΖΖ』の表紙用に小林誠が製作した1/48胸像モデルであり、小林誠独自の世界観に基づく機体である。

脚注

  1. ^ 『マスターピース・ダブルゼータガンダム』における独自設定は以下の通り。当機の原案は一年戦争終戦後に、ティターンズにより立案された拠点防衛用の大型兵器「モビルフォートレス」計画における近接戦闘用「随伴機」である。当時最高水準の量産機であったジム・スナイパーIIの改造派生型に「モビルフォートレス」と同等の大型メガ粒子砲を搭載した増加装備を装着し、これを本体と有線接続する計画であったようだ。しかし、自重の増大による機動性能の低下は著しく、また近接戦闘時にはこのウェポンシステムを排除しなければならず、本末転倒の結果となった。そこで、有線接続を廃し「モビルフォートレス」本体と独立したパワープラントを備えた専用機へと計画は移行する。この機体に求められた機能は、「標準サイズの機体に大出力のメガ粒子砲と重装甲を搭載し、尚且つ高機動戦闘を可能とする」という破天荒なものだった。まずジム系の機体にシステムを装備したテスト機が用意され、更には“次期ガンダム”(詳細は不明)をベースとしたテスト機が製作されるものの、大型ジェネレーターの搭載によるフレームへの過負荷が問題となり、前述の機動性低下の問題を解決するには至らなかった。結局、U.C.0087年初頭に「モビルフォートレス」は単機でMS形態へと変形可能なサイコガンダムとして完成を迎えたため、この時点でティターンズ主導による「随伴機」計画は断念される。しかし、計画に参加していた民間企業、アナハイム・エレクトロニクスは“次期ガンダム”開発に並々ならぬ意欲を示しており、以降の計画の一切を同社が継承することとなる。そして、要求性能である「標準サイズの機体による大火力、重装甲そして高機動戦闘能力」というオーバースペックともいえる機能は新型ガンダム開発計画の目標として適用され、Ζ計画へと導入される。
  2. ^ しかしエゥーゴにとって「ダブル・ゼータ」とはゼータガンダムの「ボディ・ダブル=替え玉」としての意味合いもあり、ΖΖガンダムの開発スタッフにとっては、一方で屈辱的な意味合いもあったとされる。
  3. ^ Gフォートレス形態時の総推力は16,300kg×2(腕部ノズル)+21,700kg×2(バックパック大型ノズル)+14,400kg×4(バックパック小型ノズル)+17,300kg×2(脚部ノズル)=168,200kgとなる筈であるが、何故か多くの資料において69,700kg、或いは139,400kgと表記されている。
  4. ^ コア・ベース形態時、バックパックの小型ノズル4基が全て稼動するならば、総推力は21,700kg×2(バックパック大型ノズル)+14,400kg×4(バックパック小型ノズル)+17,300kg×2(脚部ノズル)=135,600kg(推力重量比2.76)ということになるが、資料等においては106,800kgと表記されている。
  5. ^ 「MG ΖΖガンダム」組み立て説明書より。
  6. ^ メディアワークス『データコレクション機動戦士ガンダムΖΖ』
  7. ^ サイコガンダムMk-IIとの交戦時には、重力下において長時間戦闘を継続した影響から、熱核反応炉が過熱状態となった。このため、機体出力が低下し、一時的にビーム兵器が使用不能となる現象が発生した。
  8. ^ 「MG FAΖΖ」組み立て説明書より。
  9. ^ 『マスターピース ダブルゼータガンダム』より。この供述はゲームブック『エニグマ始動』において、第一次ネオ・ジオン抗争末期に連邦に13機のΖΖガンダムが配備されていたという設定に、センチネル本編登場のFAZZ3機の数を考慮したうえでの描写であると思われる。なお「MG FAΖΖ」組み立て説明書の供述によればFAΖΖは内部にΖΖの機構が一部存在するため、それを利用して本来のΖΖガンダムへの改造が可能という。
  10. ^ 当該機が再組み立てされ、ΖΖ化本改造されたことを全否定する描写ではない事に注意。またマスターピース本誌でもその供述をあえて「UC0096年当時の古い資料」として扱い、センチネルおよび「エニグマ始動」を否定するスタンスではない描写である。
  11. ^ 元デザインが明貴美加デザインのフルアーマーΖΖガンダムのリファインである為、9割は明貴のデザインと見てよい。
  12. ^ 単純計算で14,680kWになる。

参考文献

  • バンダイ「1/144 ΖΖガンダム」付属解説書
  • バンダイ「1/144HG ΖΖガンダム」付属解説書
  • バンダイ「1/100 ΖΖガンダム」付属解説書
  • バンダイ「1/100MG ΖΖガンダム」付属解説書
  • バンダイ「1/100MG フルアーマーΖΖガンダム」付属解説書

及び関連機体のバンダイ製プラモデル・キット

関連項目