目出し帽

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目出し帽
目出し帽

目出し帽 (めだしぼう)は、頭部、顔面、頸部を防寒・保温目的で着用する衣類の一種である。目・口の部分に穴を開けただけのより隠れる部分が多いものも存在し、こちらはフェイスマスクと呼ばれることもある。

概要[編集]

視界を確保する必要性から、眼の部分は空けられている。つばの付いたものもあり、帽子の一種と分類されることもある。目の部分の窓を口の下まで引き伸ばして使用する場合も多い。深さは首をすっかり覆ってたっぷり余るぐらいのものから顔と後頭部を完全に覆うに足るだけのものまであるが、概して厚手のものは深い。また、防寒具としての目出し帽には生地が表裏二重(ダブル)になったものもある。比較的暖かいときには目から下の部分を折り返し、またはまくり上げて着用される。

クリミア戦争において、この帽子が使われた地名から「バラクラバ(バラクラヴァ)」(:Balaclava)とも呼ばれる。

殺人強盗犯やテロリストといった犯罪者が顔から身元を割り出されることを防ぐため、目出し帽で顔を隠して犯罪行為を起こすことが多い。

また、漫画映画などのフィクションにおいても、特にフェイスマスクタイプのものが銀行強盗やテロリストなどを表すアイコンとして多用されてきたこともあり、「目出し帽=犯罪者の装備品」というイメージも根強い。

一方で軍隊では頭部や顔面をガラス片・金属片などから保護するために使用する場合が多く、海上自衛隊では「顔面覆」と呼んでいる。また、テロ組織犯罪組織麻薬組織・反社会的カルト団体などを相手にする警察・軍隊の特殊部隊などでは、これらの部隊に所属する個人および家族を狙った報復行為(逆恨み)を防止するため、顔を隠せる目出し帽を着用して戦闘を展開したり警備活動・捜索を行うことがある。

素材[編集]

防寒と保温、体に密着する必要性、着脱を容易にする必要性から、多くは伸縮性のある毛糸を用いる。

発祥[編集]

クリミア戦争1853年~1856年)中の1854年10月、東ヨーロッパの黒海に面した町バラクラヴァでイギリス軍とロシア軍が争ったバラクラヴァの戦いにおいて、寒冷な気候の戦地に出兵するイギリス兵のために妻たちが顔ごと覆う手編みのウールの帽子を持たせた。その帽子を被って戦った地名から「バラクラバ」と呼ばれ世界的に広まった。

関連項目[編集]