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'''黒い三連星'''(くろいさんれんせい、''Black Tri-Stars'')は、 [[アニメ]]『[[機動戦士ガンダム]]』に登場する架空の部隊。[[#ガイア|ガイア]]、[[#マッシュ|マッシュ]]および[[#オルテガ|オルテガ]]の3名からなる[[モビルスーツ]] (MS) 小隊である。
'''黒い三連星'''(くろいさんれんせい、''Black Tri-Stars'')は、 [[アニメ]]『[[機動戦士ガンダム]]』に登場する架空の部隊。[[#ガイア|ガイア]]、[[#マッシュ|マッシュ]]および[[#オルテガ|オルテガ]]の3名からなる[[モビルスーツ]] (MS) 小隊である。


作中の敵側勢力である[[ジオン公国]]軍所属。[[ドム]]に搭乗し、[[地球連邦軍]]の[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]を操る主人公[[アムロ・レイ]]を[[#ジェットストリームアタック|ジェットストリームアタック]]という三位一体の連携戦法で翻弄する。
作中の敵側勢力である[[ジオン公国]]軍所属。[[ドム]]に搭乗し、[[地球連邦軍]]の[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]を操る主人公[[アムロ・レイ]]を「'''[[#ジェットストリームアタック|ジェットストリームアタック]]''' (JSA)」という三位一体の連携戦法で翻弄する。


劇中でも、過去の[[一年戦争#ルウム戦役|ルウム戦役]]で連邦軍の[[レビル]]将軍を捕虜にしたことが語られるが、その後のメカニックデザイン企画『[[モビルスーツバリエーション]] (MSV)』などで過去の乗機や経歴が設定された。また、漫画・アニメ『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』では作者の[[安彦良和]]独自の解釈も加えられながら、過去からガンダムとの対戦まで(後者は漫画版のみ)の姿が描かれた。
劇中でも、過去の[[一年戦争#ルウム戦役|ルウム戦役]]で連邦軍の[[レビル]]将軍を捕虜にしたことが語られるが、その後のメカニックデザイン企画『[[モビルスーツバリエーション]] (MSV)』などで過去の乗機や経歴が設定された。また、漫画・アニメ『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』では作者の[[安彦良和]]独自の解釈も加えられながら、過去からガンダムとの対戦まで(後者は漫画版のみ)の姿が描かれた。


== 設定解説 ==
== 設定解説 ==
制式名称は[[ジオン公国]]軍の[[ザビ家#キシリア・ザビ|キシリア・ザビ]]率いる突撃機動軍第7師団第1MS大隊司令部付特務小隊<ref name="msv2-190">『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、190-192頁。</ref>。ガイアを中心に、[[一年戦争]]以前に教導機動大隊第2中隊D小隊に在籍していたマッシュとオルテガで構成されている<ref name="msv2-190" />。ガイアたちは、その能力の高さから軍内での立場を優遇されていたという<ref name="eb39-142">『ENTERTAINMENT BIBLE .39 機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』バンダイ、1991年12月、142頁。</ref>。教導機動大隊では [[ザクI#ザクI(後期生産型)|ザクI]]を乗機としており、一年戦争に至るまで数回に渡りメンバーチェンジがわれるが、[[宇宙世紀]]0079年に勃発した一年戦争初期の[[一年戦争#ルウム|ルウム]]直前よりガマッシュ、オルテガの3人固定され(こ当時乗機[[ザクII#ザクII(C型)|ザクII C型]])<ref name="msv2-190" />。
制式名称は[[ジオン公国]]軍の[[ザビ家#キシリア・ザビ|キシリア・ザビ]]率いる突撃機動軍第7師団第1MS大隊司令部付特務小隊<ref name="msv2-190">『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、190-192頁。</ref>。ガイアを中心に、教導機動大隊第2中隊D小隊に在籍していたマッシュとオルテガで構成されている<ref name="msv2-190" />。ガイアたちは、その能力の高さから軍内での立場を優遇されていたという<ref name="eb39-142">『ENTERTAINMENT BIBLE .39 機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』バンダイ、1991年12月、142頁。</ref>。教導機動大隊では [[ザクI#ザクI(後期生産型)|ザクI]]を乗機としており、数回に渡りメンバーチェンジがおこなわれる<ref name="msv2-190" />。[[宇宙世紀]]0079年に勃発した[[一年戦争]]開戦時の[[一年戦争#一週間|一週間]]では、サド5方面攻略部隊に参加しJSAより活躍すが、メンバー揃っていない<ref name="msv2-190" />。同部隊の作戦は失敗し、サイド3に撤退している<ref name="msv2-190" />。


ガイアたちは[[#ジェットストリームアタック|ジェットストリームアタック]]」と呼ばれる三位一体の攻撃フォーメーションで[[地球連邦軍]]艦隊を攻撃し、その総司令であった[[レビル]]中将(当時)の座乗する旗艦[[マゼラン (ガンダムシリーズ)|アナンケ]]を撃沈したうえ、脱出を図ろうとした彼を捕虜にする。この功績によって名が広く知られるとともに、[[ザクII#指揮官用ザクII(S型)|ザクII S型]]を与えられる<ref name="msv2-190" />。「黒い三連星」の異名は、ザクII S型以降のガイアたちの乗機が黒を基調としたパーソナルカラーに塗装されていたことによる{{efn2|資料によっては、ルウム戦役の乗機から黒のパーソナルカラーであったとされる。後述の「ルウム戦役での搭乗機」を参照。}}とも、彼らが着用していた揃いのノーマルスーツが黒であったことによる<ref>『アニメック16号 機動戦士ガンダム大事典』ラポート、1981年3月、106頁。</ref>とも言われる。
続く[[一年戦争#ルウム戦役|ルウム戦役]]の直前よりガイア、マッシュ、オルテガの3人に固定される(この当時の乗機は[[ザクII#II(C型)|II C型]])<ref name="msv2-190" />。JSAによって[[地球連邦軍]]艦隊を攻撃し、その総司令であった[[レビル]]中将(当時)の座乗する旗艦[[マゼラン (ガンダムシリーズ)|アナンケ]]を撃沈したうえ、脱出を図ろうとする中将を捕虜にする。この功績によって名が広く知られるとともに、[[ザクII#指揮官用ザクII(S型)|ザクII S型]]を与えられる<ref name="msv2-190" />。「黒い三連星」の異名は、ザクII S型以降の乗機が黒を基調としたパーソナルカラーに塗装されていたことによる{{efn2|媒体によっては、ルウム戦役の乗機から黒のパーソナルカラーであったとされる。後述の「ルウム戦役での搭乗機」を参照。}}とも、着用していた揃いの[[ノーマルスーツ]]が黒であったことによる<ref>『アニメック16号 機動戦士ガンダム大事典』ラポート、1981年3月、106頁。</ref>とも言われる。


宇宙世紀0079年3月、乗機のザクII S型のオーバーホールに伴い、1週間の後方勤務を命令されて古巣の教導機動大隊の特別演習に参加する。この際には、動態保存されていたかつての愛機のザクIが当時のパーソナルカラーに再塗装され、教官機として用意されている{{efn2|『マスターグレードモデル MS-05B ザクI黒い三連星専用機』で設定された。}}。その後[[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]を受領して宇宙で戦績を上げるが0079年11月には地球のオデッへ援軍として差し向けられ、[[ム]]を与えられる{{efn2|キシリア少将が「ドムを回しましたか? 三連星に問いに「すべて臨機応変にな」と答えており、三連星急な人事異動に伴う融通無碍的なMS供与であったこが明言されている。『[[MS戦記 機動戦士ガンム0079外伝]]は、月ドム受領後にザンジバルで一緒に降下している。}}。しかし同月オデッサ衛線おいてオデッサの後方撹乱を命じられていた[[ホワイトベー]]隊と交戦した結果、ガンダムにジェットストリームアタックをられてマッシュが戦死したえ、撤退後の再アタックにおいてガイアとオルテガもガンダムに敗れ、全滅している。なお、映画『哀・戦士編』は一度の戦闘で全滅している。
3月、乗機のザクII S型のオーバーホールに伴い、1週間の後方勤務を命令されて古巣の教導機動大隊の特別演習に参加{{Sfn|MGザクI三連星|1999|p=8}}。この際には、動態保存されていたかつての愛機のザクIがパーソナルカラーに再塗装され、教官機として用意されている{{Sfn|MGザクI三連星|1999|p=8}}。その後[[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]を受領し、7月にサイド3宙域に侵入してきた連邦軍教皇偵察艦隊の[[マゼラン (ガンダシリーズ)|マゼラン級]]戦艦1隻と[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#セイバーフィッシュ|セイバーフィッシュ]]の編隊殲滅{{Sfn|MGザクII三連星|1999|p=8}}。9月下旬[[宇宙世紀施設地名#グラナダ|グラナダ]]でMSの重力下の戦闘訓練おこなっている最中に付近宙域で作戦行動を展開する連邦軍パトロール艦隊迎撃に空隊ととも参加、マゼラン級1隻撃沈、[[サラミ (ガンダムリーズ)|サラミス級]]巡洋艦2隻大ち2隻までの戦果を挙げている{{Sfn|MGザクII三連星|1999|p=8}}


撃墜スコアは艦船14隻であるが、個人単位では1/3とされて4.6隻となり(個々人の戦績は無視されている)、ぎりぎり「エース・パイロット」には届かない計算となる<ref name="eb39-142" />{{efn2|通常、エースの算定は「敵機」の撃墜数で計測するが、この時点の連邦軍には航宙機としてセイバーフィッシュなどが存在しているだけであったため、「敵艦」の撃沈数で判定するシップス・エースという独自の概念が生まれている。}}。だが、ガイアたちはあくまでチームとしての戦果をすべてとしており、その点に関する不満はなかったという。また、[[ニュータイプ研究所#フラナガン機関|フラナガン機関]]による調査では、ガイアたちはニュータイプの素養ありとの結果が出ているとも言われる<ref>『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編大百科』勁文社、1981年9月、247頁。</ref>。
撃墜スコアは艦船14隻であるが、個人単位では1/3とされて4.6隻となり(個々人の戦績は無視されている)、ぎりぎり「エース・パイロット」には届かない計算となる<ref name="eb39-142" />{{efn2|通常、エースの算定は「敵機」の撃墜数で計測するが、この時点の連邦軍には航宙機としてセイバーフィッシュなどが存在しているだけであったため、「敵艦」の撃沈数で判定するシップス・エースという独自の概念が生まれている。}}。だが、本人たちはあくまでチームとしての戦果をすべてとしており、その点に関する不満はなかったという。また、[[ニュータイプ研究所#フラナガン機関|フラナガン機関]]による調査では、3名ともニュータイプの素養ありとの結果が出ているとも言われる<ref>『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編大百科』勁文社、1981年9月、247頁。</ref>。

== 劇中での活躍 ==
テレビ版第24話で初登場。0079年11月に地球のオデッサへ援軍として差し向けられ、[[ドム]]を与えられる{{efn2|キシリア少将が「ドムを回しましたか? 三連星に」の問いに「すべて臨機応変にな」と答えており、三連星の急な人事異動に伴う融通無碍的なMS供与であったことが明言されている。漫画『[[MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝]]』では、月でドムを受領後に[[ザンジバル (ガンダムシリーズ)|ザンジバル]]で一緒に地球へ降下している。}}。しかし、同月のオデッサ防衛戦において、後方撹乱を命じられていた[[ホワイトベース]] (WB) 隊と交戦した結果、ガンダムにJSAを破られてマッシュが戦死したうえ、第25話での再戦においてガイアとオルテガもガンダムに敗れ、全滅している。なお、映画『哀・戦士編』では一度の戦闘で全滅している。


=== 機動戦士ガンダム THE ORIGIN ===
=== 機動戦士ガンダム THE ORIGIN ===
漫画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』では、兵卒からの[[たたき上げ]][[士官]]・[[准士官]]として登場。[[ザビ家#ドズル・ザビ|ドズル・ザビ]]が指揮するMS開発計画において[[ランバ・ラル]]とともにテストパイロットとして携わり、宇宙世紀初のMS同士の戦闘「雨の海会戦」もガイアたちと[[シャア・アズナブル]]によって行われる。ラルは昇進したガイアたちに会った際に「あの兵隊やくざどもが士官?」と驚いており、過去の素行の悪さがうかがえる。ただ、士官学校を出ていないことが[[コンプレックス]]でもあるようで、一時一兵卒に降格されながらも功績により早々に再任官されたシャア(士官学校卒)に対し、(オルテガは特に)ライバル意識を抱いている。
漫画・アニメ『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』(過去編)では、兵卒からの[[たたき上げ]][[士官]]・[[准士官]]として登場。[[ザビ家#ドズル・ザビ|ドズル・ザビ]]が指揮するMS開発計画において[[ランバ・ラル]]とともにテストパイロットとして携わり、宇宙世紀初のMS同士の戦闘「雨の海会戦」もガイアたちと[[シャア・アズナブル]]によって行われる。ラルは昇進したガイアたちに会った際に「あの兵隊やくざどもが士官?」と驚いており、過去の素行の悪さがうかがえる。ただ、士官学校を出ていないことが[[コンプレックス]]でもあるようで、一時一兵卒に降格されながらも功績により早々に再任官されたシャア(士官学校卒)に対し、(オルテガは特に)ライバル意識を抱いている。


漫画版の「ジャブロー編」においては、中立地帯でアムロたちWBのクルーと生身で対峙する場面もある。原作と同様ににマッシュを失い、「オデッサ編」で再登場した際には8機のドムで編制された部隊となっている(MSは3機で1個小隊であり、これは定数外の変則的な編制である)。WBの艦載機([[スレッガー・ロウ]][[コア・ブースター]][[セイラ・マス]][[コア・ファイター#機動戦士ガンダム|コア・ファイター]])出現の報に勇んで出撃し、撃墜されたセイラの救援に出動したアムロのガンダムと遭遇。復仇の念に燃えて'''Wジェットストリームアタック'''(ガイアとオルテガを小隊長にした2方向からのJSA)を敢行するが、ニュータイプとして覚醒し始めたアムロの敵ではなく、瞬く間に全機撃破される。
同作アニメ版でも同様の展開だが、ラルがガイアと面会する場面では驚きつつも和やかな雰囲気が見られる。ガイアに対しては真っ当な軍人として接するが、マッシュとオルテガに対してはやはり兵隊やくざと切り捨てる。同作では、ルウムにおける乗機は高機動型ザクIIになっている(ただしジョブ・ジョンがルウム戦役の話をするシーンのイメージカットではザクI)。また「ジャブロー編」において、中立地帯でアムロたちホワイトベースのクルーと生身で対峙する場面もあった。

にマッシュを失い、「オデッサ編」で再登場した際には8機のドムで編制された部隊となっている(MSは3機で1個小隊であり、これは定数外の変則的な編制である)。木馬の艦載機(スレッガーのコア・ブースターとセイラのコアファイター)出現の報に勇んで出撃し、撃墜されたセイラの救援に出動したアムロのガンダムと遭遇。復仇の念に燃えて'''Wジェットストリームアタック'''(ガイアとオルテガを小隊長にした2方向からのジェットストリームアタック)を敢行するが、ニュータイプとして覚醒し始めたアムロの敵ではなく、瞬く間に全機撃破される。


=== その他の作品 ===
=== その他の作品 ===
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漫画『[[機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ]]』では、レビル将軍の脱出後にその責を負ってグラナダに赴任してきた[[モビルスーツバリエーションの登場人物#シン・マツナガ|シン・マツナガ]]、ランバ・ラルと反目し、3対3の模擬戦を行う。しかし、月を攻撃してきた連邦軍に対しては協力して迎撃戦を行った。
漫画『[[機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ]]』では、レビル将軍の脱出後にその責を負ってグラナダに赴任してきた[[モビルスーツバリエーションの登場人物#シン・マツナガ|シン・マツナガ]]、ランバ・ラルと反目し、3対3の模擬戦を行う。しかし、月を攻撃してきた連邦軍に対しては協力して迎撃戦を行った。


ゲーム『[[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡]]』では、「もし三連星がWB隊に勝利していたら」というIFストーリーがあり、レビルを叩け!!(オデッサ作戦)」「ジャブロー攻略作戦」「ルナツー掃討作戦の3つのミッションが用意されている。ゲーム『[[ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079]]』の「闇夜のフェンリル隊」メンバー・ニッキ、シャルロッテ、マニング、レンチェフがゲスト出演し、三連星と共に任務を遂行していく。ジャブローでは同じく『ジオニックフロント』より[[ガンダム (架空の兵器)#ガンダム6号機(マドロック)|ガンダム6号機]]搭乗のエイガーも参戦する。さらに、ルナツーではふたたびアムロが登場し、[[ガンダム (架空の兵器)#G-3ガンダム|G-3ガンダム]]を駆って三連星らに戦いを挑む。
== ジェットストリームアタック ==

ジェットストリームアタックとは、黒い三連星が使用した攻撃フォーメーションの名であり、もともとは宇宙での対艦船戦闘用に考案されたものである。三者三様に異なるガイアたちのパイロット特性を、最大限に活かすかたちでフォーメーションが構成されている。
== ジェット・ストリーム・アタック ==<!--『機動戦士ガンダム』公式ウェブでは中黒が入っている-->
黒い三連星が使用する攻撃フォーメーションの名であり、もともとは宇宙での対艦船戦闘用に考案されたものである。三者三様に異なるメンバーのパイロット特性を、最大限に活かすかたちでフォーメーションが構成されている。


この技の攻撃手順は、まずメンバーそれぞれが搭乗したMSが縦一列に重なって並び、真正面から対峙した敵に1機のみが向かっているように見せかける。そのまま攻撃対象に向かって接近し、1機目が対象に攻撃を加えてすぐに列から離れ、直後に2機目が同様の箇所に攻撃を加える。これを3機目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。もっとも、これは進入角度を選んで対宙砲火による被弾率を最小限に抑えられる場合(ガンダムはこのとき、ビーム・ライフルを携行していなかった)のパターンであり、漫画『THE ORIGIN』では他に複数のフォーメーションが存在する描写がなされている。
この技の攻撃手順は、まずメンバーそれぞれが搭乗したMSが縦一列に重なって並び、真正面から対峙した敵に1機のみが向かっているように見せかける。そのまま攻撃対象に向かって接近し、1機目が対象に攻撃を加えてすぐに列から離れ、直後に2機目が同様の箇所に攻撃を加える。これを3機目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。もっとも、これは進入角度を選んで対宙砲火による被弾率を最小限に抑えられる場合(ガンダムはこのとき、ビーム・ライフルを携行していなかった)のパターンであり、漫画『THE ORIGIN』では他に複数のフォーメーションが存在する描写がなされている。


こうした時間差攻撃は、ガイアたちの死後もMS戦における古典的な戦術手段として使用されている<ref>漫画『機動戦士ガンダム カタナ』、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還 ―逆襲のシャア外伝―』、漫画『THE DOG OF WAR U.C.0092』より。</ref>。また、ゲームブック『[[機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争#ゲームブック|機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT]]』では、サイクロプス隊がゲルググやザクといった混成の機体群でジェットストリームアタックを行っており、『[[機動戦士ガンダムUC]]』においてもトリントン基地攻撃作戦において同様の光景が見られた。
こうした時間差攻撃は、ガイアたちの死後もMS戦における古典的な戦術手段として使用されている<ref>漫画『機動戦士ガンダム カタナ』、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還 ―逆襲のシャア外伝―』、漫画『THE DOG OF WAR U.C.0092』より。</ref>。また、ゲームブック『[[機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争#ゲームブック|機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT]]』では、サイクロプス隊がゲルググやザクといった混成の機体群でJSAを行っており、『[[機動戦士ガンダムUC]]』においてもトリントン基地攻撃作戦において同様の光景が見られた。


=== アニメ版での攻撃 ===
=== アニメ版での攻撃 ===
アニメ版第24話でガンダムに対してかけたジェットストリームアタックは2回で、その内容は以下のとおりである。
アニメ版第24話でガンダムに対してかけたJSAは2回で、その内容は以下のとおりである。
* 1回目
* 1回目
# 先のガイア機がサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイア機は上へ逃げる
# 先のガイア機がサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイア機は上へ逃げる
# 次鋒のマッシュが空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュ機は左へすれ違う
# 中央のマッシュが空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュ機は左へすれ違う
# 中堅のオルテガ機がさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガ機は上へ逃げる
# 最後尾のオルテガ機がさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガ機は上へ逃げる
# 大将(2撃目)マッシュ機が背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
# ふたたびマッシュ機が背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
* 2回目
* 2回目
# ガイア機が胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
# ガイア機が胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
# マッシュ機が身をかがめたガイア越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイア機を'''踏み台'''にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュ機を突き刺し、さらに縦斬り。これでマッシュ機は沈む
# マッシュ機が身をかがめたガイア越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイア機を'''踏み台'''にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュ機を突き刺し、さらに縦斬り。これでマッシュ機は撃破される
# オルテガ機が上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる{{efn2|ゲーム『[[ガンダム無双]]』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため、攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもジェットストリームアタックをかけてくる。}}
# オルテガ機が上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる{{efn2|ゲーム『[[ガンダム無双]]』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため、攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもJSAをかけてくる。}}


オルテガはミデアの操縦席を[[マチルダ・アジャン]]ごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。
オルテガ、身を挺して自身を地面に叩きつけようとするミデアの操縦席めがけてドムの両手組んで打ち下ろし、[[マチルダ・アジャン]]ごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。


== 隊員 ==
== 隊員 ==
=== ガイア ===
=== ガイア ===
; Gaia{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / Guyya{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGザクI三連星|1999|p=8}}
'''Gaia'''{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / '''Guyya'''{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGザクI三連星|1999|p=8}}

声 - [[政宗一成]](テレビ版{{efn2|『[[SDガンダム GGENERATION|GGENERATION]]』(F/PORTABLE)、「[[スーパーロボット大戦シリーズ]]」でも担当。}}) / [[徳丸完]](劇場版・特別版{{efn2|政宗一成が声を担当していないゲーム作品のうち、2012年までの全ゲーム作品で声を担当。}}) / [[一条和矢]]([[機動戦士ガンダム THE ORIGIN|THE ORIGIN]]{{efn2|『[[ガンダムジオラマフロント]]』『[[ガンダムバーサス]]』でも声を担当。}})
声 - [[政宗一成]](テレビ版{{efn2|『[[SDガンダム GGENERATION|GGENERATION]]』(F/PORTABLE)、「[[スーパーロボット大戦シリーズ]]」でも担当。}}) / [[徳丸完]](劇場版・特別版{{efn2|政宗一成が声を担当していないゲーム作品のうち、2012年までの全ゲーム作品で声を担当。}}) / [[一条和矢]]([[機動戦士ガンダム THE ORIGIN|THE ORIGIN]]{{efn2|『[[ガンダムジオラマフロント]]』『[[ガンダムバーサス]]』でも声を担当。}})


小隊長で、髭面の男。階級は大尉。常に攻撃の先頭に立つ役目を担う。自ら先駆けて敵機の技量や能力を分析し、瞬時に有効な手段を判断する。テレビ版第24話で[[ガンダム (架空兵器)|ガンダム]]にジェットストリームアタックをかける際、先頭を切ってガンダムに向かっていくが、乗機ドムはジャンプしたガンダムの「踏み台」にされてしまい攻撃はかわされてしまう(この際に口走ったセリフ「おお? 俺を踏み台にした!?」は有名マッシュ機撃墜され、即座撤退する。
小隊長で、髭面の男。階級は大尉。常に攻撃の先頭に立つ役目を担う。自ら先駆けて敵機の技量や能力を分析し、瞬時に有効な手段を判断する{{要出典|date=2022年10月}}。第24話の2回目JSAで口走った「おお? 俺を踏み台にした!?」という台詞は有名である第25話でオデッサ戦の最中、オルテガととも再度ガンダムに挑む、オルテガも眼前で倒されてしまう。怒りに燃えてガンダムを[[Gファイター#Gスカイ|Gスカイ]]イージーから蹴落とし上空からヒート剣を振りかぶって襲いかかるが、交錯した際ビーム・サーベルで機体を貫かれ、2人に詫びながら戦死する。


劇場版第2作『哀・戦士編』では、テレビ版よりも早く[[アムロ・レイ]]のニュータイプ描写が現れる関係で、ガイアが「ニュータイプ」の存在について[[マ・クベ]]に語るシーンや、ガンダムとの対戦ではアムロをニュータイプと認知するセリフが追加され、そこからガイアは2人にJSAを仕掛ける旨を指示する、というように若干変更されている。また、ハモンのランバ・ラル弔い合戦と順序が逆転している上にホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、2度目JSAの直後にガンダムのビームサーベルに貫かれ戦死している。その最期の台詞も、「たった1機のモビルスーツに……」に改められている。
そして第25話でオデッサ戦の最中、オルテガと共に再度ガンダムに挑むが、オルテガも眼前で倒されてしまう。怒りに燃えてガンダムを[[Gファイター#Gスカイ|Gスカイ]]イージーから蹴落とし、上空からヒート剣を振りかぶって襲いかかるが、交錯した際にビームサーベルで機体を貫かれ撃破される。


『MSV』では「A・ガイア」と表記されるが<ref>『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブックI』バンダイ、1983年3月、9頁。</ref>、漫画『THE ORIGIN』では「ミゲル・ガイア」とされている。最後はオルテガがやられたため、半ば自棄気味にガンダムに[[一騎討ち]]を仕掛けるも、ひと突きを受け絶句しているところに止めを刺されており、原作とは異なり死に際の描写もセリフもないまま戦死する。
一年戦争開戦時の一週間戦争では、サイド5方面攻略部隊に小隊で参加し、ジェットストリームアタックにより活躍するが、後の「三連星」のメンバーは揃っていない<ref name="msv2-190" />。同部隊の作戦は失敗し、サイド3に撤退している<ref name="msv2-190" />。その後のルウム戦役において、戦闘指揮を執っていたレビル中将(当時)が乗っていた旗艦「アナンケ」を撃破、そのとき脱出を試みたレビル中将を捕獲し、捕虜としている。


同作アニメ版ではラルと旧知の間柄と思わせる描写があり、[[モビルス#モビルワーカー01式|モビルワーカー]]模擬戦の勝敗を冷静に見極めるなどリーダーとしての風格が強調されている。
劇場版第2作『哀・戦士編』では、テレビ版よりも早く[[アムロ・レイ]]のニュータイプ描写が現れる関係で、ガイアが「ニュータイプ」の存在について[[マ・クベ]]に語るシーンや、ガンダムとの対戦ではアムロをニュータイプと認知するセリフが追加され、そこからガイアは2人にジェットストリームアタックを仕掛ける旨を指示する、というように話の流れが若干変更されている。また、ハモンのランバ・ラル弔い合戦と順序が逆転している上にホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、ガイアは上記24話に当たる戦闘の後にガンダムのビームサーベルに貫かれ戦死している。その最期のセリフも、他の2人への詫びの形から「たった機のモビルスーツに……(自分たちが敗れるとは)という意味の言葉に改められている。

『MSV』では「A・ガイア」と表記されるが<ref>『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブックI』バンダイ、1983年3月、9頁。</ref>、漫画『THE ORIGIN』では「ミゲル・ガイア」とされている。最後はオルテガがやられたため、半ば自棄気味にガンダムに[[一騎討ち]]を仕掛けるも、突きを受け絶句しているところに止めを刺されており、1stアニメ版とは違い死に際の描写もセリフもないまま戦死する。

同作アニメ版ではラルと旧知の間柄と思わせる描写があり、[[ザクシリーズのバリエション#モビルワーカー01式|モビルワーカー]]模擬戦の勝敗を冷静に見極めるなどリーダーとしての風格が強調されている。


漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、主人公フレデリック・ブラウンと地球降下中のザンジバル艦内で出会う。ブラウンがルウム戦役の生き残りだと知ると好意的に扱い、ドムのコクピットに乗せてやったりと、好人物に描かれている。その後のオデッサ作戦時点では既に戦死が知られているらしく、ブラウンが「あの黒い三連星や赤い彗星も歯が立たなかった白いやつ」と言及している。
漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、主人公フレデリック・ブラウンと地球降下中のザンジバル艦内で出会う。ブラウンがルウム戦役の生き残りだと知ると好意的に扱い、ドムのコクピットに乗せてやったりと、好人物に描かれている。その後のオデッサ作戦時点では既に戦死が知られているらしく、ブラウンが「あの黒い三連星や赤い彗星も歯が立たなかった白いやつ」と言及している。


=== マッシュ ===
=== マッシュ ===
; Mash{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / Mush{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGザクII三連星|1999|p=8}}
'''Mash'''{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / '''Mush'''{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGザクII三連星|1999|p=8}}

声 - [[永井一郎]](テレビ版{{efn2|「[[機動戦士ガンダム vs.シリーズ]]」でも声を担当。}}) / [[佐藤正治 (声優)|佐藤正治]]([[スーパーロボット大戦シリーズ]]{{efn2|「スーパーロボット大戦シリーズ」以降のゲーム作品のうち、2012年までのほぼすべてで声を担当。}}) / [[戸谷公次]]([[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡|戦士達の軌跡]]・[[ガンダムバトルタクティクス]]) / [[水鳥鐵夫]](PERFECT ONE YEAR WAR) / [[土屋トシヒデ]](THE ORIGIN・ガンダムバーサス)
声 - [[永井一郎]](テレビ版{{efn2|「[[機動戦士ガンダム vs.シリーズ]]」でも声を担当。}}) / [[佐藤正治 (声優)|佐藤正治]]([[スーパーロボット大戦シリーズ]]{{efn2|「スーパーロボット大戦シリーズ」以降のゲーム作品のうち、2012年までのほぼすべてで声を担当。}}) / [[戸谷公次]]([[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡|戦士達の軌跡]]・[[ガンダムバトルタクティクス]]) / [[水鳥鐵夫]](PERFECT ONE YEAR WAR) / [[土屋トシヒデ]](THE ORIGIN・ガンダムバーサス)


隻眼のメンバー。失った眼は縫合されており開かない。階級は中尉。中距離戦闘を得意とし、傾向の異なるの2人の技能を有機的に連帯させる、いわばコンビネーション攻撃の調整役である。第24話でガンダムにジェットストリームアタックをかけた際、2にガンダムに攻撃を仕掛けるが、マチルダ中尉ミデアが割って入った際にスキを突かれ、前列のガイア踏み台したガンダムの[[ビームサーベル]]によっ乗機のドムを刺し貫かれた後、そのまま一刀両断され戦死する。
隻眼のメンバーで、のまぶたに縦に傷があり開かない。階級は中尉。中距離戦闘を得意とし、傾向の異なるほかの2人の技能を有機的に連帯させる、いわばコンビネーション攻撃の調整役である{{要出典|date=2022年10月}}。第24話で、前述の通り2目のJSAの際に戦死。第25話ではオデッサ防衛戦最中に、ガイアはその冥福祈りつつ、オルテガとともに[[弔砲]]としてドムのバズーカ空へ数発打ち上げる。


台詞ひと言だけ(ガイアの「思ったよりすばやいぞ! いいな!」に応える「おう!」のみ)。映像でもガイアやマ・クベの陰に隠れるかたちで明瞭に描かれず、ドム搭乗後もガイアやオルテガにはたびたび入るカットインがマッシュにはなかった。
第25話ではオデッサ戦の最中に、ガイアはその冥福を祈りつつ、オルテガと共に[[弔砲]]としてドムのバズーカを空へ数発打ち上げる。


漫画『THE ORIGIN』の「ルウム編」では、シャアへのあてつけから嫌味を垂れるなど、見た目通りの粗暴な言動をとるが、「ジャブロー編」では怯えるハヤトを見てオルテガを諫めるなど、歴戦の勇士らしい器の広さを見せる。
声優永井一郎だが、セリフは一言だけ(ガイアの「思ったよりすばやいぞ! いいな!」に応える「おう!」のみ)。映像でもガイアやマ・クベの陰に隠れるかたちで明瞭に描かれず、ドム搭乗後もガイアやオルテガには度々入るカットインがマッシュにはなかった。


漫画『THE ORIGIN』では、「ルウム編」ではシャアへのあてつけから嫌味を垂れるなど、見た目通りの粗暴な言動をとるが、「ジャブロー編」では怯えるハヤトを見てオルテガを諫めるなど、歴戦の勇士らしい器の広さを見せる。アニメ版ORIGINではモビルワーカーの模擬戦でラルと渡り合い、互いに死の危険が迫った恨みで演習終了後にもラルと殴り合う、「ルウム編」では撃沈された連邦艦隊旗艦アナンケから退艦する乗員の脱出艇を狙撃するなど、粗暴な面が強調されている。
同作アニメ版ではモビルワーカーの模擬戦でラルと渡り合い、互いに死の危険が迫った恨みで終了後にもラルと殴り合うほか、「ルウム編」では撃沈された連邦艦隊旗艦アナンケから退艦する乗員の脱出艇を狙撃するなど、粗暴な面が強調されている。

漫画『MS戦記』は前述の事情でセリフの無かったマッシュが、一言だけとはいえ初めてセリフを喋った作品である。


=== オルテガ ===
=== オルテガ ===
; Ortega{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / Ortiga{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGドム|1999|p=10}}
'''Ortega'''{{Sfn|ORIGIN公式Web英|2015}}{{Sfn|公式Web|2006}} / '''Ortiga'''{{Sfn|OFFICIALS|2001|p=816-819}}{{Sfn|MGドム|1999|p=10}}

声 - [[二又一成]](テレビ版{{efn2|松本大が声を担当していないほぼすべてのゲーム作品で声を担当。}}) / [[仲木隆司]](劇場版) / [[松本大 (声優)|松本大]](特別版{{efn2|『[[機動戦士ガンダム 一年戦争|一年戦争]]』『[[ガンダム無双]]』「GGENERATIONシリーズ」(WORLD以降)でも声を担当。}}) / [[松田健一郎]](THE ORIGIN・ガンダムバーサス)
声 - [[二又一成]](テレビ版{{efn2|松本大が声を担当していないほぼすべてのゲーム作品で声を担当。}}) / [[仲木隆司]](劇場版) / [[松本大 (声優)|松本大]](特別版{{efn2|『[[機動戦士ガンダム 一年戦争|一年戦争]]』『[[ガンダム無双]]』「GGENERATIONシリーズ」(WORLD以降)でも声を担当。}}) / [[松田健一郎]](THE ORIGIN・ガンダムバーサス)


一番の巨漢。階級は中尉。コンビネーション攻撃の「とどめ」の役を担う。第24話でガンダムにジェットストリームアタックをかけた際、3番目にガンダムに攻撃を仕掛けようとするが、[[マチルダ・アジャン]]の乗るミデア輸送機がフォーメーションの最中に突撃を敢行、彼のドムに体当たりされ、攻撃を阻まれる。激昂した彼は、身を挺して自身を地面に叩きつけようとするミデアの操縦席めがけてドムの両手を組んで打ち下ろし、これを撃破。しかしマッシュが戦死したことで2機は後退。その後第25話でガイアとに再びガンダムに挑むが、Gスカイイージーに乗ったガンダムにビームサーベルで胴斬り敢えなく戦死する。
一番の巨漢。階級は中尉。コンビネーション攻撃の「とどめ」の役を担う{{要出典|date=2022年10月}}。第25話でガイアとともに再びガンダムに挑むが、Gスカイイージーに乗ったガンダムにビームサーベルで胴体を横斬られ戦死する。


劇場版ではホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、オルテガはガイア機と組み合ったガンダムを狙い停止したところを、上空から初陣である[[セイラ・マス]][[コア・ブースター]]撃によって撃される。
劇場版ではWB隊との戦闘は2回から1回に減らされ、オルテガはガイア機と組み合ったガンダムを狙い停止したところを、上空から初陣であるセイラのコア・ブースターの撃によって撃される。


漫画『THE ORIGIN』では、エリートであるシャアに強いライバル心をいだいており、ルウム戦役後に自分達よりもシャアがマスメディアでの扱いが良いことに激高し、テレビを素手で破壊し窓から放り投げるなど若干三枚目気味なキャラとなっている。セリフによれば、ザクの「ツノ」は、元はシャアのオリジナルであったらしい。最後はアムロのガンダムに敗れ、先に倒されたマッシュに対し無念の思いを洩らしながら散る。
漫画『THE ORIGIN』では、エリートであるシャアに強いライバル心をいだいており、ルウム戦役後に自分達よりもシャアがマスメディアでの扱いが良いことに激高し、テレビを素手で破壊し窓から放り投げるなど若干三枚目気味なキャラとなっている。セリフによれば、ザクの「ツノ」は、元はシャアのオリジナルであったらしい。最後はアムロのガンダムに敗れ、先に倒されたマッシュに対し無念の思いを洩らしながら散る。
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同作アニメ版では、モビルワーカーに搭乗し[[ガンタンク#ガンタンク初期型|ガンタンク初期型]]との模擬戦に臨む。各部を損傷させつつも接近戦で見事な操縦を見せ、これを撃破した。
同作アニメ版では、モビルワーカーに搭乗し[[ガンタンク#ガンタンク初期型|ガンタンク初期型]]との模擬戦に臨む。各部を損傷させつつも接近戦で見事な操縦を見せ、これを撃破した。


== 主な搭乗機 ==
== 搭乗機 ==
時期によって仕様は異なるが、いずれも当初よりガイアたち独自のパーソナル・カラーともいえる一般機とは異なる塗装が施されていのが特徴である。特にザクII S型以降に採用した黒と紫を基調としたパターンは、ガイアたちの死後もその栄誉を称えてMS-09の制式塗装に採用されている{{efn2|『ガンダ』の制作当時作画枚数を節約するためにセル画を後回で再使用する[[バンクシステム]]あり、機体のカラーリングを変更なかったいう制作側の事情もある。}}ほどである。パーソナル・マークは『MSV』などでは突撃機動軍のものを使用していたとされるが<ref>『HOW TO BUILD GUNDAM 2』ホビージャパン、1982年5月、8頁。</ref><ref name="msv2-190" />、漫画『THE ORIGIN』では文字通りの黒い三ツ星マークがあしらわれている。
時期によって仕様は異なるが、いずれも当初より独自のパーソナル・カラーが施されていのが特徴である。特にザクII S型以降に採用した黒と紫を基調とするパターンは、ガイアたちの死後もその栄誉を称えて{{要出典|date=2022年10月}}ドムの制式塗装に採用されているほどである{{Efn2|ルウ戦役おいて同様塗装ほどこされた機体が複数展開していたとも言われており、いずれか部隊からカラーリングを譲られたとする説や{{Sfn|MGザクI三連星|1999|p=13}}、単に第7師団所属の小隊に割り振られたのかとする説もある{{Sfn|MGザクII三連星|1999|p=13}}。}}。パーソナル・マークは『MSV』などでは突撃機動軍のエンブレムを使用していたとされるが<ref>『HOW TO BUILD GUNDAM 2』ホビージャパン、1982年5月、8頁。</ref><ref name="msv2-190" />、漫画『THE ORIGIN』では文字通りの黒い三ツ星マークがあしらわれている。


* MS-05B [[ザクI#ザクI(後期生産型)|ザクI]]
* MS-05B [[ザクI#ザクI(後期生産型)|ザクI]]
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* MS-06S [[ザクII#指揮官用ザクII(S型)|指揮官用ザクII]]
* MS-06S [[ザクII#指揮官用ザクII(S型)|指揮官用ザクII]]
* MS-06R-1A [[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]
* MS-06R-1A [[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]
* MS-09 [[ドム]]
* MS-09 [[ドム]]


; ルウム戦役での搭乗機
; ルウム戦役での搭乗機
: ガイアたちがルウム戦役でレビル将軍捕縛の際に搭乗する機体は、各媒体によってそれぞれ異なる解釈がなされている。
: ガイアたちがルウム戦役でレビル将軍捕縛の際に搭乗する機体は、各媒体によってそれぞれ異なる解釈がなされている。
:* 『[[ホビージャパン]]』の別冊『HOW TO BUILD GUNDAM』(1981年)ではモデラー勝呂国弘のオリジナルによる[[ザクI#ザク武装旧タイプ|ザク武装旧タイプ]]がそれに当たるとされた。ザクIとザクIIの中間的な機体とされる。
:* 『[[ホビージャパン]]』の別冊『HOW TO BUILD GUNDAM』(1981年)ではモデラー勝呂国弘のオリジナルによる[[ザクI#ザク武装旧タイプ|ザク武装旧タイプ]]がそれに当たるとされた。ザクIとザクIIの中間的な機体とされる。
:* 『[[モビルスーツバリエーション]](MSV)』(1984年)の設定では[[ザクII#ザクII(C型)|ザクII C型]]であり、その功績により[[ザクII#指揮官用ザクII(S型)|S型]]を受領したとされる<ref name="msv2-190" />。
:* 『[[モビルスーツバリエーション]](MSV)』(1984年)の設定ではザクII C型であり、その功績によりS型を受領したとされる<ref name="msv2-190" />。
:* 『サイバーコミックス01』(1988年)掲載の赤井孝美の漫画『ルウム戦記』では、ザクIであるとされた。パーソナル・カラーで塗装されているように見えるコマもある。
:* 『サイバーコミックス01』(1988年)掲載の赤井孝美の漫画『ルウム戦記』では、ザクIであるとされた。パーソナル・カラーで塗装されているように見えるコマもある。
:* 『[[機動戦士ガンダム ギレンの野望|ギレンの野望]]』(1998年4月)のゲーム内のムービーでは、ザクIの頭部をもち、パーソナル・カラーに塗装されたザクIIであるとされた。なお、ゲーム本編では地球侵攻作戦時にパーソナル・カラーを施したザクIに搭乗している。
:* 『[[機動戦士ガンダム ギレンの野望|ギレンの野望]]』(1998年4月)のゲーム内のムービーでは、ザクIの頭部をもち、パーソナル・カラーに塗装されたザクIIであるとされた。なお、ゲーム本編では地球侵攻作戦時にパーソナル・カラーを施したザクIに搭乗している。
:* ゲーム『SDガンダム GGENERATION』(1998年8月)では、上記『ギレンの野望』本編登場のザクIであるとされた。この機体はのちに『[[マスターグレード]]』(1999年)ほかでキット化されたが、説明書ではルウム戦役後の特別演習の際に塗装された機体であるとしている。
:* ゲーム『SDガンダム GGENERATION』(1998年8月)では、上記『ギレンの野望』本編登場のザクIであるとされた。この機体はのちに『[[マスターグレード]]』(1999年)ほかでキット化されたが、説明書ではルウム戦役後の特別演習の際に塗装された機体であるとしている。
:* OVA『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]』の映像特典である「[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊#宇宙世紀余話|宇宙世紀余話]]」(1999年)では、[[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]であるとされた。
:* OVA『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]』の映像特典である「[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊#宇宙世紀余話|宇宙世紀余話]]」(1999年)では、高機動型ザクIIであるとされた。
:* 漫画『[[GUNDAM LEGACY]]』(2004年)では、モノクロでしか確認できないが一般塗装と同じ塗り分けで、左肩アーマーのスパイクが取り外されたザクII C型であるとされた。なお、その後受領するS型のパーソナル・カラーはマッシュの提案によるものとされる。
:* 漫画『[[GUNDAM LEGACY]]』(2004年)では、モノクロでしか確認できないが一般塗装と同じ塗り分けで、左肩アーマーのスパイクが取り外されたザクII C型であるとされた。なお、その後受領するS型のパーソナル・カラーはマッシュの提案によるものとされる。
:* 漫画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN|THE ORIGIN]]』(2006年)では、[[高機動型ザクII#『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』における高機動型ザクII|高機動型ザクII]]であるとされた。
:* 漫画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN|THE ORIGIN]]』(2006年)では、[[高機動型ザクII#『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』における高機動型ザクII|高機動型ザクII]]であるとされた。ただし、[[機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍#ジョブ・ジョン|ジョブ・ジョン]]がルウム戦役の話をするシーンのイメージカットではザクIになっている
:* 近藤和久の漫画『機動戦士ガンダム THE MSV ザ・モビルスーツバリエーション』(2011年)でも、[[高機動型ザクII#高機動型ザクII(R-1A型)|高機動型ザクII]]であるとされた。
:* 近藤和久の漫画『機動戦士ガンダム THE MSV ザ・モビルスーツバリエーション』(2011年)でも、高機動型ザクIIであるとされた。
:* 漫画『[[機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ|虹霓のシン・マツナガ]]』(2013年)では、同作品でのちに登場するS型と同じパーソナル・カラーのザクIIであるとされたが、S型であるかどうかは不明。
:* 漫画『[[機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ|虹霓のシン・マツナガ]]』(2013年)では、同作品でのちに登場するS型と同じパーソナル・カラーのザクIIであるとされたが、S型であるかどうかは不明。
; IFストーリーでの搭乗機
; IFストーリーでの搭乗機
: 「もしも三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」などというIFストーリーで描かれたゲーム作品では、以下の専用機が登場する。いずれもドムに準じた黒と紫のカラーリングで塗装されている。
: 「もしも三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」などというIFストーリーで描かれたゲーム作品では、以下の専用機が登場する。いずれもドムに準じた黒と紫のカラーリングで塗装されている。
:* MS-09R [[リック・ドム]](ゲーム『[[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡|戦士達の軌跡]]』)
:* MS-09R [[リック・ドム]](ゲーム『[[機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡|戦士達の軌跡]]』)
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:* MS-15B [[ギャン#高機動型ギャン|高機動型ギャン]](ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』で初登場、ギャン量産化計画実行時)
:* MS-15B [[ギャン#高機動型ギャン|高機動型ギャン]](ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』で初登場、ギャン量産化計画実行時)


== 他作品や現実世界への影響 ==
== 備考 ==
黒い三連星をモチーフにしたキャラクターや演出は漫画、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多く制作されている。その多くは「黒いカラー」「3人組」「三位一体攻撃」「先鋒格が相手に踏みつけられる」などの共通性を持つことが多い。[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]でも、『[[機動戦士ガンダムUC]]』の[[ロンド・ベル]]の三連星(トライスター)漫画版『[[機動戦士ガンダムNT]]』のネオ・ジオンの白の三ツ星などが登場している。また、『機動戦士ガンダム』の監督の[[富野由悠季]]自身もセルフパロディに及んでおり、アニメ『[[聖戦士ダンバイン]]』において「[[聖戦士ダンバイン#ガラミティ・マンガン、ニェット、ダー|クの国の赤い三騎士]]」と呼ばれる容貌も似せたキャラクターを登場させている{{efn2|name="tanto"|担当声優は異なる。}}。また、サンライズが制作した『[[焼きたて!!ジャぱん]]』にはガイア、オルテ'''ィ'''ガ、マッシュという容姿も同じアニメオリジナルキャラクターが登場{{efn2|name="tanto"}}、イメージシーンではドムに搭乗して[[ノーベルガンダム]]にJSAを仕掛ける。
* [[バンダイホビーセンター]]にある17台の[[射出成形機]]は[[ホワイトベース]]を模した塗装が施されているが、3台のみドムをイメージした塗装となっている。

* 黒い三連星をモチーフにしたキャラクターや演出は漫画、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多く制作されている。その多くは「黒いカラー」「3人組」「三位一体攻撃」「先鋒格が相手に踏みつけられる」などの共通性を持つことが多い。[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]でも、『[[機動戦士ガンダムUC]]』の[[ロンド・ベル]]の三連星(トライスター)、『[[機動戦士ガンダムNT]](漫画版)』のネオ・ジオンの白の三ツ星 などが登場している。また、『機動戦士ガンダム』の監督の[[富野由悠季]]自身もセルフパロディに及んでおり、アニメ『[[聖戦士ダンバイン]]』において「[[聖戦士ダンバイン#ガラミティ・マンガン、ニェット、ダー|クの国の赤い三騎士]]」と呼ばれる容貌も似せたキャラクターを登場させている{{efn2|name="tanto"|担当声優は異なる。}}。また、サンライズが制作した『[[焼きたて!!ジャぱん]]』にはガイア、オルテ'''ィ'''ガ、マッシュという容姿も同じアニメオリジナルキャラクターが登場{{efn2|name="tanto"}}、イメージシーンではドムに搭乗して[[ノーベルガンダム]]にジェットストリームアタックを仕掛ける。
[[バンダイホビーセンター]]にある17台の[[射出成形機]]はWBを模した塗装が施されているが、3台のみドムをイメージした塗装となっている。
* ゲーム『戦士達の軌跡』では、「もし三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」というIFストーリーがあり、レビルを叩け!!(オデッサ作戦)ジャブロー攻略作戦ルナツー掃討作戦の3つのミッションが用意されている。ゲーム『[[ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079]]』の「闇夜のフェンリル隊」メンバー・ニッキ、シャルロッテ、マニング、レンチェフがゲスト出演し、三連星と共に任務を遂行していく。ジャブロー攻略作戦では同じく『ジオニックフロント』よりマドロックガンダム6号機搭乗のエイガーも参戦する。さらに、ルナツー掃討作戦ではびアムロが登場し、小説版に登場した「G-3ガンダムを駆って三連星らに戦いを挑む。

* [[2018年平昌オリンピック]]の[[2018年平昌オリンピックのノルディック複合競技|ノルディック複合]]・個人ラージヒルにおいて、前半のジャンプでは[[渡部暁斗]]らを下回る4〜6位だったものの、後半のクロスカントリーで先頭交代を繰り返し[[スリップストリーム]]を活用することで渡部たちを猛追し、結果的にメダルを独占した[[2018年平昌オリンピックのドイツ選手団|ドイツチーム]]の3人([[ヨハネス・ルゼック]]、{{仮リンク|ファビアン・リースレ|de|Fabian Rießle}}、[[エリック・フレンツェル]])に対して、インターネット上で「ドイツの黒い三連星」という呼称が広まり、一部報道やNHKが新聞の[[ラテ欄|テレビ欄]]でこの表現を使用した(ドイツチームは黒いウェアを着用していた)<ref>{{Cite news|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2018/02/22/0011008003.shtml|title=NHKもテレビ欄に「ドイツの黒い三連星」…五輪複合団体、話題ガンダムネタ投入|newspaper=デイリースポーツ|date=2018-02-22|pages=1-2|agency=神戸新聞社|accessdate=2018-02-23}}</ref>。
[[2018年平昌オリンピック]]の[[2018年平昌オリンピックのノルディック複合競技|ノルディック複合]]・個人ラージヒルにおいて、前半のジャンプでは[[渡部暁斗]]らを下回る4〜6位だったものの、後半のクロスカントリーで先頭交代を繰り返し[[スリップストリーム]]を活用することで渡部たちを猛追し、結果的にメダルを独占した[[2018年平昌オリンピックのドイツ選手団|ドイツチーム]]の3人([[ヨハネス・ルゼック]]、{{仮リンク|ファビアン・リースレ|de|Fabian Rießle}}、[[エリック・フレンツェル]])に対して、インターネット上で「ドイツの黒い三連星」という呼称が広まり、一部報道やNHKが新聞の[[ラテ欄|テレビ欄]]でこの表現を使用した(ドイツチームは黒いウェアを着用していた)<ref>{{Cite news|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2018/02/22/0011008003.shtml|title=NHKもテレビ欄に「ドイツの黒い三連星」…五輪複合団体、話題ガンダムネタ投入|newspaper=デイリースポーツ|date=2018-02-22|pages=1-2|agency=神戸新聞社|accessdate=2018-02-23}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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** {{Cite web |url=http://www.gundam.jp/tv/world/character/ef01.html |title=WORLD - CHARACTOR |website=機動戦士ガンダム公式Web |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2006-06-10 |ref={{SfnRef|公式Web|2006}} }}
** {{Cite web |url=http://www.gundam.jp/tv/world/character/ef01.html |title=WORLD - CHARACTOR |website=機動戦士ガンダム公式Web |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2006-06-10 |ref={{SfnRef|公式Web|2006}} }}
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** {{Cite web |url=http://www.gundam-the-origin.net/en/character/0200.html |title=CHARACTOR - EPISODE 2(英語版) |website=機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2015-09-18 |ref={{SfnRef|ORIGIN公式Web英|2015}} }}

http://www.gundam-the-origin.net/en/character/0200.html


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2022年10月14日 (金) 07:48時点における版

黒い三連星(くろいさんれんせい、Black Tri-Stars)は、 アニメ機動戦士ガンダム』に登場する架空の部隊。ガイアマッシュおよびオルテガの3名からなるモビルスーツ (MS) 小隊である。

作中の敵側勢力であるジオン公国軍所属。ドムに搭乗し、地球連邦軍ガンダムを操る主人公アムロ・レイを「ジェット・ストリーム・アタック (JSA)」という三位一体の連携戦法で翻弄する。

劇中でも、過去のルウム戦役で連邦軍のレビル将軍を捕虜にしたことが語られるが、その後のメカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』などで過去の乗機や経歴が設定された。また、漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では作者の安彦良和独自の解釈も加えられながら、過去からガンダムとの対戦まで(後者は漫画版のみ)の姿が描かれた。

設定解説

制式名称はジオン公国軍のキシリア・ザビ率いる突撃機動軍第7師団第1MS大隊司令部付特務小隊[1]。ガイアを中心に、教導機動大隊第2中隊D小隊に在籍していたマッシュとオルテガで構成されている[1]。ガイアたちは、その能力の高さから軍内での立場を優遇されていたという[2]。教導機動大隊では ザクIを乗機としており、数回に渡りメンバーチェンジがおこなわれる[1]宇宙世紀0079年に勃発した一年戦争開戦時の一週間戦争では、サイド5方面攻略部隊に参加し、JSAにより活躍するが、のちのメンバーは揃っていない[1]。同部隊の作戦は失敗し、サイド3に撤退している[1]

続くルウム戦役の直前よりガイア、マッシュ、オルテガの3人に固定される(この当時の乗機はザクII C型[1]。JSAによって地球連邦軍艦隊を攻撃し、その総司令であったレビル中将(当時)の座乗する旗艦アナンケを撃沈したうえ、脱出を図ろうとする中将を捕虜にする。この功績によって名が広く知られるとともに、ザクII S型を与えられる[1]。「黒い三連星」の異名は、ザクII S型以降の乗機が黒を基調としたパーソナル・カラーに塗装されていたことによる[注 1]とも、着用していた揃いのノーマルスーツが黒であったことによる[3]とも言われる。

3月、乗機のザクII S型のオーバーホールに伴い、1週間の後方勤務を命令されて古巣の教導機動大隊の特別演習に参加[4]。この際には、動態保存されていたかつての愛機のザクIがパーソナル・カラーに再塗装され、教官機として用意されている[4]。その後高機動型ザクIIを受領し、7月にサイド3宙域に侵入してきた連邦軍教皇偵察艦隊のマゼラン級戦艦1隻とセイバーフィッシュの編隊を殲滅[5]。9月下旬に月のグラナダでMSの重力下での戦闘訓練をおこなっている最中に、付近宙域で作戦行動を展開する連邦軍パトロール艦隊の迎撃に防空隊とともに参加、マゼラン級1隻撃沈、サラミス級巡洋艦2隻大破のうち2隻までの戦果を挙げている[5]

撃墜スコアは艦船14隻であるが、個人単位では1/3とされて4.6隻となり(個々人の戦績は無視されている)、ぎりぎり「エース・パイロット」には届かない計算となる[2][注 2]。だが、本人たちはあくまでチームとしての戦果をすべてとしており、その点に関する不満はなかったという。また、フラナガン機関による調査では、3名ともニュータイプの素養ありとの結果が出ているとも言われる[6]

劇中での活躍

テレビ版第24話で初登場。0079年11月に地球のオデッサへ援軍として差し向けられ、ドムを与えられる[注 3]。しかし、同月のオデッサ防衛戦において、後方撹乱を命じられていたホワイトベース (WB) 隊と交戦した結果、ガンダムにJSAを破られてマッシュが戦死したうえ、第25話での再戦においてガイアとオルテガもガンダムに敗れ、全滅している。なお、映画『哀・戦士編』では一度の戦闘で全滅している。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

漫画・アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(過去編)では、兵卒からのたたき上げ士官准士官として登場。ドズル・ザビが指揮するMS開発計画においてランバ・ラルとともにテストパイロットとして携わり、宇宙世紀初のMS同士の戦闘「雨の海会戦」もガイアたちとシャア・アズナブルによって行われる。ラルは昇進したガイアたちに会った際に「あの兵隊やくざどもが士官?」と驚いており、過去の素行の悪さがうかがえる。ただ、士官学校を出ていないことがコンプレックスでもあるようで、一時一兵卒に降格されながらも功績により早々に再任官されたシャア(士官学校卒)に対し、(オルテガは特に)ライバル意識を抱いている。

漫画版の「ジャブロー編」においては、中立地帯でアムロたちWBのクルーと生身で対峙する場面もある。原作と同様ににマッシュを失い、「オデッサ編」で再登場した際には8機のドムで編制された部隊となっている(MSは3機で1個小隊であり、これは定数外の変則的な編制である)。WBの艦載機(スレッガー・ロウコア・ブースターセイラ・マスコア・ファイター)出現の報に勇んで出撃し、撃墜されたセイラの救援に出動したアムロのガンダムと遭遇。復仇の念に燃えて「Wジェット・ストリーム・アタック」(ガイアとオルテガを小隊長にした2方向からのJSA)を敢行するが、ニュータイプとして覚醒し始めたアムロの敵ではなく、瞬く間に全機撃破される。

その他の作品

漫画『機動戦士ガンダム0079』では極めて高い戦闘能力を発揮し、マッシュ戦死後のオデッサ戦でガンタンクガンキャノンを修理不可能なまでに破壊。ガンキャノンの片足を破壊し撃破寸前まで持ち込むものの、ギリギリのところでのアムロの反撃とGファイターの後方からの反撃を受け、一歩及ばずに撃破される。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』では、レビル将軍の脱出後にその責を負ってグラナダに赴任してきたシン・マツナガ、ランバ・ラルと反目し、3対3の模擬戦を行う。しかし、月を攻撃してきた連邦軍に対しては協力して迎撃戦を行った。

ゲーム『機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡』では、「もし三連星がWB隊に勝利していたら」というIFストーリーがあり、「レビルを叩け!!(オデッサ作戦)」「ジャブロー攻略作戦」「ルナツー掃討作戦」の3つのミッションが用意されている。ゲーム『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』の「闇夜のフェンリル隊」メンバー・ニッキ、シャルロッテ、マニング、レンチェフがゲスト出演し、三連星と共に任務を遂行していく。ジャブローでは同じく『ジオニックフロント』よりガンダム6号機搭乗のエイガーも参戦する。さらに、ルナツーではふたたびアムロが登場し、G-3ガンダムを駆って三連星らに戦いを挑む。

ジェット・ストリーム・アタック

黒い三連星が使用する攻撃フォーメーションの名称であり、もともとは宇宙での対艦船戦闘用に考案されたものである。三者三様に異なるメンバーのパイロット特性を、最大限に活かすかたちでフォーメーションが構成されている。

この技の攻撃手順は、まずメンバーそれぞれが搭乗したMSが縦一列に重なって並び、真正面から対峙した敵に1機のみが向かっているように見せかける。そのまま攻撃対象に向かって接近し、1機目が対象に攻撃を加えてすぐに列から離れ、直後に2機目が同様の箇所に攻撃を加える。これを3機目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。もっとも、これは進入角度を選んで対宙砲火による被弾率を最小限に抑えられる場合(ガンダムはこのとき、ビーム・ライフルを携行していなかった)のパターンであり、漫画『THE ORIGIN』では他に複数のフォーメーションが存在する描写がなされている。

こうした時間差攻撃は、ガイアたちの死後もMS戦における古典的な戦術手段として使用されている[7]。また、ゲームブック『機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT』では、サイクロプス隊がゲルググやザクといった混成の機体群でJSAを行っており、『機動戦士ガンダムUC』においてもトリントン基地攻撃作戦において同様の光景が見られた。

アニメ版での攻撃

アニメ版第24話でガンダムに対してかけたJSAは2回で、その内容は以下のとおりである。

  • 1回目
  1. 先頭のガイア機がサーベルで斬りつける(ガンダムには届かず、ガンダムもサーベルを空振りする)→ガイア機は上へ逃げる
  2. 中央のマッシュ機が空振りして隙を見せたガンダムをバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避ける)→マッシュ機は左へすれ違う
  3. 最後尾のオルテガ機がさらにバズーカで砲撃(ガンダムは頭を下げて避け、バズーカを斬る)→オルテガ機は上へ逃げる
  4. ふたたびマッシュ機が背後からバズーカで砲撃(ガンダムはジャンプして避ける)
  • 2回目
  1. ガイア機が胸部拡散ビームで目くらましをかける(ガンダムは上に逃げる)
  2. マッシュ機が身をかがめたガイア機越しにバズーカでガンダムを砲撃(ガンダムはガイア機を踏み台にしてバズーカを避け、サーベルでマッシュ機を突き刺し、さらに縦斬り。これでマッシュ機は撃破される)
  3. オルテガ機が上に跳んで斬りつけようとしたところを、上空でミデアに体当たりされる[注 4]

オルテガ機は、身を挺して自身を地面に叩きつけようとするミデアの操縦席めがけてドムの両手を組んで打ち下ろし、マチルダ・アジャンごと叩き潰して返り討ちにするが、マッシュを失ったガイアは撤退を命令している。

隊員

ガイア

Gaia[8][9] / Guyya[10][4]

声 - 政宗一成(テレビ版[注 5]) / 徳丸完(劇場版・特別版[注 6]) / 一条和矢THE ORIGIN[注 7]

小隊長で、髭面の男。階級は大尉。常に攻撃の先頭に立つ役目を担う。自ら先駆けて敵機の技量や能力を分析し、瞬時に有効な手段を判断する[要出典]。第24話の2回目のJSAで口走った「おお? 俺を踏み台にした!?」という台詞は有名である。第25話でのオデッサ戦の最中、オルテガとともに再度ガンダムに挑むが、オルテガも眼前で倒されてしまう。怒りに燃えてガンダムをGスカイイージーから蹴落とし、上空からヒート剣を振りかぶって襲いかかるが、交錯した際にビーム・サーベルで機体を貫かれ、2人に詫びながら戦死する。

劇場版第2作『哀・戦士編』では、テレビ版よりも早くアムロ・レイのニュータイプ描写が現れる関係で、ガイアが「ニュータイプ」の存在についてマ・クベに語るシーンや、ガンダムとの対戦ではアムロをニュータイプと認知するセリフが追加され、そこからガイアは2人にJSAを仕掛ける旨を指示する、というように若干変更されている。また、ハモンのランバ・ラル弔い合戦と順序が逆転している上にホワイトベース隊との戦闘は2回から1回に減らされ、2度目のJSAの直後にガンダムのビーム・サーベルに貫かれ戦死している。その最期の台詞も、「たった1機のモビルスーツに……」に改められている。

『MSV』では「A・ガイア」と表記されるが[11]、漫画『THE ORIGIN』では「ミゲル・ガイア」とされている。最後はオルテガがやられたため、半ば自棄気味にガンダムに一騎討ちを仕掛けるも、ひと突きを受け絶句しているところに止めを刺されており、原作とは異なり死に際の描写もセリフもないまま戦死する。

同作アニメ版ではラルと旧知の間柄と思わせる描写があり、モビルワーカーの模擬戦の勝敗を冷静に見極めるなどリーダーとしての風格が強調されている。

漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、主人公フレデリック・ブラウンと地球降下中のザンジバル艦内で出会う。ブラウンがルウム戦役の生き残りだと知ると好意的に扱い、ドムのコクピットに乗せてやったりと、好人物に描かれている。その後のオデッサ作戦時点では既に戦死が知られているらしく、ブラウンが「あの黒い三連星や赤い彗星も歯が立たなかった白いやつ」と言及している。

マッシュ

Mash[8][9] / Mush[10][5]

声 - 永井一郎(テレビ版[注 8]) / 佐藤正治スーパーロボット大戦シリーズ[注 9]) / 戸谷公次戦士達の軌跡ガンダムバトルタクティクス) / 水鳥鐵夫(PERFECT ONE YEAR WAR) / 土屋トシヒデ(THE ORIGIN・ガンダムバーサス)

隻眼のメンバーで、右のまぶたに縦に傷があり開かない。階級は中尉。中距離戦闘を得意とし、傾向の異なるほかの2人の技能を有機的に連帯させる、いわばコンビネーション攻撃の調整役である[要出典]。第24話で、前述の通り2回目のJSAの際に戦死。第25話ではオデッサ防衛戦の最中に、ガイアはその冥福を祈りつつ、オルテガとともに弔砲としてドムのバズーカを空へ数発打ち上げる。

台詞はひと言だけ(ガイアの「思ったよりすばやいぞ! いいな!」に応える「おう!」のみ)。映像でもガイアやマ・クベの陰に隠れるかたちで明瞭に描かれず、ドム搭乗後もガイアやオルテガにはたびたび入るカットインがマッシュにはなかった。

漫画『THE ORIGIN』の「ルウム編」では、シャアへのあてつけから嫌味を垂れるなど、見た目通りの粗暴な言動をとるが、「ジャブロー編」では怯えるハヤトを見てオルテガを諫めるなど、歴戦の勇士らしい器の広さを見せる。

同作アニメ版ではモビルワーカーの模擬戦でラルと渡り合い、互いに死の危険が迫った恨みで終了後にもラルと殴り合うほか、「ルウム編」では撃沈された連邦艦隊旗艦アナンケから退艦する乗員の脱出艇を狙撃するなど、粗暴な面が強調されている。

オルテガ

Ortega[8][9] / Ortiga[10][12]

声 - 二又一成(テレビ版[注 10]) / 仲木隆司(劇場版) / 松本大(特別版[注 11]) / 松田健一郎(THE ORIGIN・ガンダムバーサス)

一番の巨漢。階級は中尉。コンビネーション攻撃の「とどめ」の役を担う[要出典]。第25話でガイアとともに再びガンダムに挑むが、Gスカイイージーに乗ったガンダムにビーム・サーベルで胴体を横に斬られ戦死する。

劇場版ではWB隊との戦闘は2回から1回に減らされ、オルテガはガイア機と組み合ったガンダムを狙い停止したところを、上空から初陣であるセイラのコア・ブースターの砲撃によって撃破される。

漫画『THE ORIGIN』では、エリートであるシャアに強いライバル心をいだいており、ルウム戦役後に自分達よりもシャアがマスメディアでの扱いが良いことに激高し、テレビを素手で破壊し窓から放り投げるなど若干三枚目気味なキャラとなっている。セリフによれば、ザクの「ツノ」は、元はシャアのオリジナルであったらしい。最後はアムロのガンダムに敗れ、先に倒されたマッシュに対し無念の思いを洩らしながら散る。

同作アニメ版では、モビルワーカーに搭乗しガンタンク初期型との模擬戦に臨む。各部を損傷させつつも接近戦で見事な操縦を見せ、これを撃破した。

搭乗機体

時期によって仕様は異なるが、いずれも当初より独自のパーソナル・カラーが施されているのが特徴である。特にザクII S型以降に採用した黒と紫を基調とするパターンは、ガイアたちの死後もその栄誉を称えて[要出典]ドムの制式塗装に採用されているほどである[注 12]。パーソナル・マークは『MSV』などでは突撃機動軍のエンブレムを使用していたとされるが[15][1]、漫画『THE ORIGIN』では文字通りの黒い三ツ星マークがあしらわれている。

ルウム戦役での搭乗機体
ガイアたちがルウム戦役でレビル将軍捕縛の際に搭乗する機体は、各媒体によってそれぞれ異なる解釈がなされている。
  • ホビージャパン』の別冊『HOW TO BUILD GUNDAM』(1981年)ではモデラー勝呂国弘のオリジナルによるザク武装旧タイプがそれに当たるとされた。ザクIとザクIIの中間的な機体とされる。
  • モビルスーツバリエーション(MSV)』(1984年)の設定ではザクII C型であり、その功績によりS型を受領したとされる[1]
  • 『サイバーコミックス01』(1988年)掲載の赤井孝美の漫画『ルウム戦記』では、ザクIであるとされた。パーソナル・カラーで塗装されているように見えるコマもある。
  • ギレンの野望』(1998年4月)のゲーム内のムービーでは、ザクIの頭部をもち、パーソナル・カラーに塗装されたザクIIであるとされた。なお、ゲーム本編では地球侵攻作戦時にパーソナル・カラーを施したザクIに搭乗している。
  • ゲーム『SDガンダム GGENERATION』(1998年8月)では、上記『ギレンの野望』本編登場のザクIであるとされた。この機体はのちに『マスターグレード』(1999年)ほかでキット化されたが、説明書ではルウム戦役後の特別演習の際に塗装された機体であるとしている。
  • OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の映像特典である「宇宙世紀余話」(1999年)では、高機動型ザクIIであるとされた。
  • 漫画『GUNDAM LEGACY』(2004年)では、モノクロでしか確認できないが一般塗装と同じ塗り分けで、左肩アーマーのスパイクが取り外されたザクII C型であるとされた。なお、その後受領するS型のパーソナル・カラーはマッシュの提案によるものとされる。
  • 漫画『THE ORIGIN』(2006年)では、高機動型ザクIIであるとされた。ただし、ジョブ・ジョンがルウム戦役の話をするシーンのイメージカットではザクIになっている。
  • 近藤和久の漫画『機動戦士ガンダム THE MSV ザ・モビルスーツバリエーション』(2011年)でも、高機動型ザクIIであるとされた。
  • 漫画『虹霓のシン・マツナガ』(2013年)では、同作品でのちに登場するS型と同じパーソナル・カラーのザクIIであるとされたが、S型であるかどうかは不明。
IFストーリーでの搭乗機体
「もしも三連星がホワイトベース隊に勝利していたら」などというIFストーリーで描かれたゲーム作品では、以下の専用機が登場する。いずれもドムに準じた黒と紫のカラーリングで塗装されている。

他作品や現実世界への影響

黒い三連星をモチーフにしたキャラクターや演出は漫画、アニメ、ゲーム、CMなどさまざまなメディアで数多く制作されている。その多くは「黒いカラー」「3人組」「三位一体攻撃」「先鋒格が相手に踏みつけられる」などの共通性を持つことが多い。ガンダムシリーズでも、『機動戦士ガンダムUC』のロンド・ベルの「三連星(トライスター)」、漫画版『機動戦士ガンダムNT』のネオ・ジオンの「白の三ツ星」などが登場している。また、『機動戦士ガンダム』の監督の富野由悠季自身もセルフパロディに及んでおり、アニメ『聖戦士ダンバイン』において「クの国の赤い三騎士」と呼ばれる容貌も似せたキャラクターを登場させている[注 13]。また、サンライズが制作した『焼きたて!!ジャぱん』にはガイア、オルテガ、マッシュという容姿も同じアニメオリジナルキャラクターが登場[注 13]、イメージシーンではドムに搭乗してノーベルガンダムにJSAを仕掛ける。

バンダイホビーセンターにある17台の射出成形機はWBを模した塗装が施されているが、3台のみドムをイメージした塗装となっている。

2018年平昌オリンピックノルディック複合・個人ラージヒルにおいて、前半のジャンプでは渡部暁斗らを下回る4〜6位だったものの、後半のクロスカントリーで先頭交代を繰り返しスリップストリームを活用することで渡部たちを猛追し、結果的にメダルを独占したドイツチームの3人(ヨハネス・ルゼックファビアン・リースレドイツ語版エリック・フレンツェル)に対して、インターネット上で「ドイツの黒い三連星」という呼称が広まり、一部報道やNHKが新聞のテレビ欄でこの表現を使用した(ドイツチームは黒いウェアを着用していた)[16]

脚注

注釈

  1. ^ 媒体によっては、ルウム戦役の乗機から黒のパーソナル・カラーであったとされる。後述の「ルウム戦役での搭乗機」を参照。
  2. ^ 通常、エースの算定は「敵機」の撃墜数で計測するが、この時点の連邦軍には航宙機としてセイバーフィッシュなどが存在しているだけであったため、「敵艦」の撃沈数で判定するシップス・エースという独自の概念が生まれている。
  3. ^ キシリア少将が「ドムを回しましたか? 三連星に」の問いに「すべて臨機応変にな」と答えており、三連星の急な人事異動に伴う融通無碍的なMS供与であったことが明言されている。漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、月でドムを受領後にザンジバルで一緒に地球へ降下している。
  4. ^ ゲーム『ガンダム無双』では、ミデアおよびマチルダが未登場のため、攻撃順がやや異なる。なお、通常の戦闘でもJSAをかけてくる。
  5. ^ GGENERATION』(F/PORTABLE)、「スーパーロボット大戦シリーズ」でも担当。
  6. ^ 政宗一成が声を担当していないゲーム作品のうち、2012年までの全ゲーム作品で声を担当。
  7. ^ ガンダムジオラマフロント』『ガンダムバーサス』でも声を担当。
  8. ^ 機動戦士ガンダム vs.シリーズ」でも声を担当。
  9. ^ 「スーパーロボット大戦シリーズ」以降のゲーム作品のうち、2012年までのほぼすべてで声を担当。
  10. ^ 松本大が声を担当していないほぼすべてのゲーム作品で声を担当。
  11. ^ 一年戦争』『ガンダム無双』「GGENERATIONシリーズ」(WORLD以降)でも声を担当。
  12. ^ ルウム戦役において、同様の塗装がほどこされた機体が複数展開していたとも言われており、いずれかの部隊からカラーリングを譲られたとする説や[13]、単に第7師団所属の小隊に割り振られたのではないかとする説もある[14]
  13. ^ a b 担当声優は異なる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月、190-192頁。
  2. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .39 機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』バンダイ、1991年12月、142頁。
  3. ^ 『アニメック16号 機動戦士ガンダム大事典』ラポート、1981年3月、106頁。
  4. ^ a b c MGザクI三連星 1999, p. 8.
  5. ^ a b c MGザクII三連星 1999, p. 8.
  6. ^ 『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編大百科』勁文社、1981年9月、247頁。
  7. ^ 漫画『機動戦士ガンダム カタナ』、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還 ―逆襲のシャア外伝―』、漫画『THE DOG OF WAR U.C.0092』より。
  8. ^ a b c ORIGIN公式Web英 2015.
  9. ^ a b c 公式Web 2006.
  10. ^ a b c OFFICIALS 2001, p. 816-819.
  11. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブックI』バンダイ、1983年3月、9頁。
  12. ^ MGドム 1999, p. 10.
  13. ^ MGザクI三連星 1999, p. 13.
  14. ^ MGザクII三連星 1999, p. 13.
  15. ^ 『HOW TO BUILD GUNDAM 2』ホビージャパン、1982年5月、8頁。
  16. ^ “NHKもテレビ欄に「ドイツの黒い三連星」…五輪複合団体、話題ガンダムネタ投入”. デイリースポーツ. 神戸新聞社: pp. 1-2. (2018年2月22日). https://www.daily.co.jp/gossip/2018/02/22/0011008003.shtml 2018年2月23日閲覧。 

参考文献

  • 書籍
    • 皆川ゆか機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』講談社、2001年3月21日。ISBN 4-06-330110-9 
  • プラモデル付属説明書
    • MG 1/100 MS-05B ザクI 黒い三連星」、バンダイ、1999年5月。 
    • 「MG 1/100 MS-065R-1A ザクII チームカラーバリエーション 黒い三連星」、バンダイ、1999年6月。 
    • 「MG 1/100 MS-09 ドム」、バンダイ、1999年6月。 
  • ウェブサイト

関連項目