スナッチャー
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『スナッチャー』(SNATCHER)は、1988年にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたアドベンチャーゲーム。小島秀夫の初期作品。
架空の近未来を舞台に展開されるサイバーパンクアドベンチャーである。
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[編集] 概要
当時のコマンド選択式アドベンチャーゲームにおいて主流であった「単純なコマンド選択」だけではなく、謎解きとしてキーワード入力を求めたり、ストーリー進行に併せて簡単なガン・シューティングシーンを取り入れるなど、随所にプレイヤーを飽きさせない工夫・演出・表現が施されている。
後に『メタルギアソリッド』シリーズで有名となる小島秀夫が制作指揮をした初期の作品であり、映画『ブレードランナー』をモチーフとした(小島本人の口から明言されている)サイバーパンク世界が舞台となっている。小島作品としては、映画的演出を導入した最初のゲームであり、そのゲーム設計や表現は後に発売された『ポリスノーツ』の原型ともなった。
この作品の主軸には、当時におけるソビエト連邦(通称、ソ連。現、ロシア連邦)の存在がキーポイントとして置かれている。 オリジナル版が発売された1988年当時は冷戦時代であり、社会主義国家であったソ連は情報管制がひかれ、国の内部が西側諸国から見えない、見えにくい秘密の多い国であった。大韓航空機爆発事故やチェルノブイリ原発事故、北方領土を軍事的に実効支配されている問題などもあって、秘密主義的なソ連に対して当時の日本国民は「よくわからない」未知の国家に対する畏怖感をもっていた。 この作品のテーマである「疑い-すべての闘争はそこからはじまる」はそんな旧ソ連に対する畏怖感を身近な人間にも置き換えており、非常に深みのあるテーゼとなっている。
[編集] 各機種での発売
- 1988年11月 『スナッチャー』PC-8801MkIISR以降版
- 1988年12月 『スナッチャー』MSX2版
- 1990年 『SDスナッチャー』MSX2版
- 1992年8月7日 『スナッチャーPilotDisk』PCエンジン版 (下記PCエンジン版の体験版、宣伝)
- 1992年10月23日 『スナッチャー』PCエンジン版
- (1994年 ヨーロッパにて『スナッチャー』Mega CD版)
- (1994年 北米にて『スナッチャー』Sega CD(北米版メガCD)版)
- 1996年2月16日 『スナッチャー』プレイステーション版 (PCエンジン版からの移植)
- 1996年3月29日 『スナッチャー』セガサターン版 (PCエンジン版からの移植)
[編集] ストーリー
2042年の神戸(ネオコウベシティー)を舞台に、人間を殺しその人物と入れ替わって潜伏している正体不明のアンドロイド「スナッチャー」と、それを追う捜査官(ジャンカー、JUNKER)である主人公ギリアン・シードとの戦いを描く。
ちなみに、「JUNKER」とはJugdement Uninfected Naked Kind & Execute Rangerの略であり、一般人に紛れたスナッチャーを特定し、処理することを任務とする政府直属機関のことを指す。
[編集] 寄り道
小島作品の特徴である、ゲームクリアとは直接関係の無い「寄り道」的なイベントはこのゲーム内でも随所に見られる。主なものに、「うどん屋」「占い師」「ガシャポン」「エロビデオ」「ネオコウベ焼き」「経費で暴飲暴食」等がある。いずれのイベントも、特定の場所であたりを調べる・見る等のコマンドを繰り返し選択すると、イベント選択のコマンドが新たに出てくる。
また、それらのイベントをクリアすると、それに応じて他の登場人物のリアクションに微妙に変化が起き、それが隠しイベント探しを面白くした。一例を挙げると、最初のミッションで廃工場に入った直後の場面で「ハエ」を敵と誤認するイベントを出すと、それ以後のイベントで「ハエ」に絡んだ台詞が表示されるようになる。
一度ゲームをクリアした者でも、これらのイベントを見つけることを目的に、何度もプレイする面白さを見出せた。
また、コマンド選択の際、明らかにゲームとは関係のない「おもしろコマンド」を表示し、プレイヤーにあえてそのコマンドを選択させるよう誘導した。主なものに「ヒロインのスリーサイズ入力時に、とんでもない数値を入力」「男の証明」「慰み者にする」など(上記の内容はPCエンジン版以降で確認)。
[編集] 登場人物の音声による警告
通常のPCエンジンのCD-ROMは、誤ってCDプレーヤーなどのオーディオ機器にセットした場合、「このCDはゲームソフトです」と音声による警告がされるが、本ゲームのPCエンジン版のCD-ROMには、ギリアンとメタルギアによる漫才風の警告メッセージが収録されている。通常通りCD-ROMを使用している限り、まったくこのメッセージを聞く機会はないので、この事を知らない者が意外に多い(なお、セガサターン版にも同じメッセージが収録されているが、プレイステーション版には存在しない)。
[編集] メタルギアmk-IIについて
メタルギアmk-IIとは「ナビゲーター」と呼ばれるJUNKER本部から主人公に支給された業務サポートを行う小型の二足歩行ロボットである。いろいろな物を調査するためのセンサーやサーチライトを装備し、事件現場の分析や証拠物品の解析ができる頭脳を持つ。可愛らしい声で喋り、場面や現場の解説をしてくれ、主人公のボケに対してツッコミを入れたりアドバイスをくれたりもする。
このメタルギアmk-IIは元々、本作のPC-8801MkII(SR以降)版以前にMSX2用に発売されたゲームである『メタルギア』に登場した兵器の名称であり、(メタルギアmk-IIの登場時には初代メタルギアの音楽が流れる)核搭載型二足歩行戦車「Metal Gear」に由来する。ハリー・ベンソンがMetal Gearの兵器資料を発見。殺戮兵器としてではなく平和利用としてデザインを継承、外観と二足歩行を受け継いでいる。mk-IIの表記は、本作の初版販売対象機種であるPC-8801mk-IIに由来し、2番目の「メタルギア」という意味でもある。
ちなみに、小型メタルギアは『メタルギアソリッド4』にも主人公のソリッド・スネークのパートナーのオタコンが作ったメタルギアmk-IIが登場。従来のメタルギアと違い、ラジコン操作。人を殺すほどの力は持っていないが、電気ショックで敵を麻痺させることが可能。
[編集] 主な登場人物
声優の声が収録されたのはPCエンジン版以降。
[編集] JUNKER所属
- ギリアン・シード (Gillian Seed) (声 : 屋良有作)
- 本作の主人公。スナッチャーの特定、排除を行う役割(ランナー)を担う。
- 舞台から3年前捜索隊に、原因不明の記憶喪失で発見される。
- 2年前に、妻(発見前の所持品から判明)のジェミーとは別居。
- 彼がネオコウベシティに配属された時からストーリーが始まる。
- メタルギアmk-II (Metal Gear Mk.II) (声 : 小山茉美)
- ギリアンを補佐する小型の二足歩行ナビゲーターロボット。
- ハリーが20世紀の遺物であるメタルギアの設計図を元に開発した。
- 人工知能を持ち、通称「メタル」と呼ばれる。
- 死体などのモノや、ギリアンが集めた証拠の分析・解析を行うことが出来る。
- またビデオフォンを内蔵し、ギリアンはこれで様々な人と電話できる。
- ちなみに同じ小島監督作品である『METAL GEAR SOLID 4』(PS3)にもリメイクされて登場する。
- ミカ・スレイトン (Mika Slayton) (声 : 冨永みーな)
- あらゆる情報の処理を担当するオペレーター。ジャンカー本部の受付をやっている。
- ベンソン・カニンガム (Benson Cunningum) (声 : 納谷悟朗)
- JUNKERの指揮をとるリーダー。元FOXHOUND戦略教官。
- ハリー・ベンソン (Harry Benson)(おやじさん) (声 : 槐柳二)
- 備品の開発、整備を行うメカニック。
- ランナーの使うブラスターの開発、メタルギアmk-IIやリトルジョンなどナビゲーターの開発を行っている。
- ジャン・ジャック・ギブスン (Jean Jack Gibson) (声 : 井ノ口勲)
- ギリアンの同僚となるランナー。カトリーヌという娘がいる。
- その他のランナー達(名前だけで登場しなかった人物)
- ルイス・ギルモア(ランナー:殉職)
- セルジオ・グレイザー(ランナー:殉職)
- デビッド・ジョンソン(ランナー:退職)
- シュルツ・デッカード(ランナー:殉職)
[編集] その他
- ランダム・ハジル (Randam Hajile) (声 : 塩沢兼人)
- バウンティーハンター(賞金稼ぎ)。
- ジェミー・シード (Jaime Seed) (声 : 井上喜久子)
- 別居中のギリアン・シードの妻。
- カトリーヌ・ギブスン (Katherine Gibson)(声 : 富永みーな)
- ジャン・ジャック・ギブスンの娘。
- イザベラ・ベルベット (Isabella Velvet)(声:なし)
- ホログラム・ビジョンの人気女優。
- ナポレオン (Napoleon)(声 : 納谷悟朗)
- 情報屋。ある物にアレルギー反応を示す。実は同じ小島監督作品の『ポリスノーツ』のある場所に後姿でゲスト出演している。
[編集] 移植版比較
[編集] 移植の背景
昔のゲーム制作は供給対象ハードウェアの機能的制約に縛られることが常であり、本作の制作もその影響を受けている。そのため同じ作品の移植とは言っても、移植ごとにその作品内容は異なっている。
[編集] 比較
- PC-8800シリーズ、MSX2版
- 開発期間や供給媒体容量の問題から、後半部分を大幅にカットされ、ACT.1とACT.2のみの未完の作品となってしまった。
- これら2作品は専用音源対応である。当時はゲーム制作において自由に音色を作ることが難しかったため、音や音楽の表現において特有の価値を持つ供給形態となった。PC-8801MkIISR以降では内蔵音源でのプレイも可能であり、更にサウンドボードIIを搭載することにより専用音源を可能とした。MSX2版はゲーム本体に同梱されたSCCカートリッジを装着することで、SCC音源による独特な音色を楽しむことが出来た。MSX2版プレイ時にはSCCカートリッジ装着が必須である。
- SDスナッチャー(MSX2版)
- 本作のリメイクであり、オリジナル版では存在しなかった最終章であるACT.3が存在する。エンディングを除きキャラクターを2頭身のSD(スーパーデフォルメ)化し、ロールプレイングゲームという異なる表現形態を採って制作された。
- PCエンジン版
- CD-ROM²用ソフトとして、ACT.3までを収録した初めてのアドベンチャーゲームとしての完全版となる(ただし、先行して発売されたSDスナッチャーのACT.3と比較すると大幅にシナリオ内容は削減されている)。CD-ROMの特性を活かし声優による音声が追加され、より映画的な演出が可能となった。
- また、生産コストが安いCD-ROMを生かした販売戦略として、本製品発売に先駆けてパイロットディスク(体験版、設定資料などを収録)が制作され、安価で発売されたことも特筆すべき点である。このパイロット版は発売本数が極端に少なく、現在ではコレクターズアイテムとなっていて中古市場で出回ることも極稀である。後の小島作品である『ポリスノーツ』でも、3DO版でパイロットディスクが制作された。
- Genesis Sega CD版
- PCエンジン版をベースとした移植版。英語版として台詞も新規収録されヨーロッパおよび北米にてリリースされた。メガドライブ内蔵のFM音源で演奏されるBGMはPC-8801MkIISR以降版により近い音色となっている。シューティングシーンは光線銃(コナミ製ジャスティスファイヤー)に対応。
- プロローグデモ後のオープニングロールは日本地図からネオコウベシティの位置が明示される演出で始まり、ゲームの舞台が日本国内の都市であることが強調されている。また旧来より説明書内のコミックとして収録されていたギリアンとジェミーの別れのシーンが挿入される等、オープニングは凝った仕上がりとなっている。
- 海外でのリリースにあたり一部設定や名称、シナリオが変更されている箇所が存在する。主な変更箇所は下記のとおり。
- ゲーム本編開始時の年代が2042年→2047年へ変更。それにともないゲーム中で「50年前」と言及されていた箇所も「55年前」と変更されている。
- カトリーヌの年齢が14歳→18歳へ変更。変更されたのは年齢設定のみで、キャラクターデザインやグラフィック面での変更はない。
- JUNKERの正式名称が異なるものへ変更されている。
- 英語版:Japanese Undercover Neuro-Kinetic Elimination Rangers
- 国内版:Jugdement Uninfected Naked Kind & Execute Ranger
- プレイステーション、セガサターン版
- 基本的な内容はPCエンジン版と同じだが、ムービーなどが追加されている。しかし、監督の小島をはじめとするオリジナルのパソコン版、PCエンジン版のスタッフは既にPS版およびSS版『ポリスノーツ』の開発に移行していたため、この移植には関わっていない。
- プレイステーション版はハードメーカーによる残酷描写への規制のため一部のシーンにモザイクが掛けられている。
- また、旧機種では実際の映画や物語をそのまま用いた演出が各所に見られたが(バーでのSFコスプレ、電光掲示板広告など)、PS版およびSS版においては著作権上の問題から、コナミキャラクターを用いた内容の物に全て差し替えられた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Snatcher Game Gallery (ファンサイト:英語)

