ハル・エメリッヒ

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ハル・エメリッヒ (Hal Emmerich) は、コナミ(現、コナミデジタルエンタテインメント)のゲーム『メタルギアソリッド』シリーズに登場する架空の人物。

愛称はオタコン (Otakon) 。兵器開発の天才。同シリーズの主人公の一人であるソリッド・スネークのパートナーであり親友。 日本語版の声優は田中秀幸。英語版の声優はクリストファー・ランドルフChristopher Randolph)。

経歴[編集]

アメリカ国籍の白人1980年生まれ。身長177cm、体重62Kg。人なつっこい性格をしている。運動と高い所が苦手。『メタルギアソリッド』では、眼鏡をかけボサボサの頭髪に無精髭という出で立ちであるが、シリーズが下るにつれて端正な容貌に変化している。

独学でマサチューセッツ工科大学に入学し、若くして博士号を授与され、プリンストン大学でも学士号、修士号を取得しFBIにスカウトされる。FBIではERF(技術開発研究所)に所属していたが、クラッキングを行なっていたことが発覚し、FBIを追われてアームズテック社に入社。

日本のアニメが好きで、アメリカで開催される日本アニメのイベント「オタク・コンベンション(Otakon)」の常連であることから「オタコン(Otakon)」と呼ばれる[1]。アニメのロボットに憧れており、彼が兵器開発者になったのも、アニメのようなロボットを造りたいという思いから。

家系[編集]

祖父はマンハッタン計画に参加していた人物の一人で、原子核の専門家である。

父親のヒューイは月面歩行機械研究をするロボット工学の権威であり、広島原爆投下された1945年8月6日に生まれた。また、ヒューイは、「メタルギア」の原案者でありソ連軍事技術者のグラーニンと、研究分野の一致や二足歩行への拘りから友人関係にあり、グラーニンの生前に二足歩行戦車の開発データを受け取っている。 『メタルギアソリッドピースウォーカー』では、ヒューイがストレンジラブ博士に告白し「自立できるまで長く待っている」と返答されるが、彼女がオタコンの母親なのかは不明。ブリーフィングで「HALっていい名前だよね」と言っていることから、名前は2001年宇宙の旅から取ったものと思われる。

『メタルギアソリッド2』では、父の再婚相手の娘である義妹エマ・エメリッヒが登場。彼女の母親(ジュリー)との肉体関係や、父親の自殺、義兄であるオタコンを想うエマなど、複雑な家庭事情が明らかになる。

来歴・関わった事件[編集]

シャドー・モセス事件[編集]

2005年。兵器メーカーであるアームズ・テック社の技術者で、メタルギア・プロジェクトの開発チーフを務めていた。 シャドー・モセス島でのメタルギアREXの演習に参加していたが、その最中FOXHOUNDが蜂起し、メタルギアを奪取。彼は身柄を拘束され、最終調整のために協力を強いられていた。彼自身はメタルギアREXを移動可能なTMDシステムと信じて開発していたが、スネークとの接触で事件の真相を知り、自らの過ちを悔いると共に、彼への協力を決意した。その後は無線通信や、自ら開発したステルス迷彩を提供して積極的にスネークをサポートした。 FOXHOUNDの一員でありながら、オタコンに優しく接し、家族同然の狼犬にエサを与える許可をくれた女性であるスナイパー・ウルフに好意を抱いていた。スネークはこれを「ストックホルム症候群」と評していた。

作戦終盤ではクラッカーでもある彼の才能が発揮され、スネークの作戦遂行に数々の貢献をした。作戦終了後は軍によって無事に保護されたが、その後はアームズ・テック社へは戻らず、消息を絶っていた。

マンハッタン沖タンカー沈没事件[編集]

2007年。親友であるソリッド・スネークとともに反メタルギア財団「フィランソロピー」を設立している。リボルバー・オセロットの裏工作によって世界中に拡散したメタルギアの亜種を破壊すべく活動していた。

オタコンは、アメリカ海兵隊が世界中の亜種メタルギアに対抗するべく新型メタルギア「メタルギアRAY」を開発し、演習のために極秘裏に海上輸送を行なうという情報を入手。パートナーであるスネークと共に、メタルギアRAYが積まれている偽装タンカーへの潜入作戦を実行する。その目的は、スネークが船内のメタルギアRAYをカメラで撮影し写真データをオタコンへ送信、オタコンがそれをインターネット上で公開して海兵隊のメタルギア開発計画を暴露し、政府に圧力をかけるというものだった。

実際の作戦では、スネーク一人が偽装タンカーに潜入し、オタコンは外部から無線通信での作戦指示やサポートを行ない、作戦終了後はヘリでスネークを回収するという段取りであった。スネークによって当初の目的は達成されたものの、スネークの脱出直前に、メタルギアRAYの奪取を狙うセルゲイ・ゴルルコビッチ率いる傭兵部隊がタンカーを制圧。さらにその後、彼らと行動を共にしていたリボルバー・オセロットが裏切りを宣言し、タンカーを爆破してRAYを奪い逃走する。この混乱でスネークは海上に投げ出されてしまうが、その後無事にオタコンに回収されている。

作戦の最中、スネークとの無線による通信中に、メイ・リンの真似をしてことわざをスネークに教えていたが、途中で彼女からもらったメモをなくしてしまう。そのまま意味不明なことわざ講座を始めたが、それに気づいて無線に割り込んだメイ・リンに怒られた。

ビッグ・シェル占拠事件[編集]

2009年。タンカー沈没事件後、オセロットの策略によって、オタコンはスネークとともに事件の首謀者とされ、指名手配されてしまう。追われる身で二人がどのように活動を続けていたのかは不明。「ソリッド・スネークは死んだ」と偽装するため、前作で死んだリキッド・スネーク遺体を代わりに埋葬するという工作を行なっている。

タンカー沈没事件から2年後、オタコンは、海兵隊のメタルギアRAY計画とは別に進められていた海軍アーセナルギア計画についての情報を得る。その内容は、事件後に現場の海域上に建設された海上除染施設「ビッグ・シェル」を隠れ蓑にしてアーセナルギアの開発が行なわれているというものであった。

同時に、長らく音信不通であった義妹のエマがアーセナルギア建造計画に関わっているという情報も得て、真相究明のためオタコンは自らも政府の技術者に偽装して「ビッグ・シェル」に潜入する。この情報は既に故人だったリキッドがソリッド・スネークを呼ぶためにオセロットを操ってリークした物だった。

リキッド・オセロット蹶起事件[編集]

スネークや雷電と共に先の戦いで戦死したオルガ・ゴルルコビッチの娘・サニーを愛国者達の手から救出した後、彼女と協力しメタルギアMk.IIとメタルギアMk.IIIを開発する。

ノーマッド機内からMk.IIを遠隔操作しスネークを追跡・支援する。(後半からMk.IIが破壊されたため、Mk.IIIに変更している) ビッグ・シェルエマを殺したヴァンプに再会し、ナオミ・ハンターの死に立ち会うことになるなど、辛い出来事にも遭遇した。

また、放置されていた自分の因縁の一つであるREXを自らの手で再び起動させている。

小説版では語り手として登場する。スネークの命が尽きるまで共に世界の進む道を見届け、それまでの出来事を文章にしたのが小説版であるという設定になっている。

ナオミに眼鏡を外した方が素敵と言われ、しばらくの間眼鏡を外していた。

その後[編集]

メタルギア ライジング リベンジェンスでは、雷電がサニーに無線で連絡するとハルの様子が分かる。 アウターヘイブン蹶起の後にサニーを養子として引き取り、彼女に自分と同じエメリッヒの名を与え、自分のコネで「ソリス」へ入社させた。 また、急に女性にモテ出したそうである。ただし、過去の経験上「自分と付き合うと不幸になる」と断っている。

大乱闘スマッシュブラザーズX[編集]

スネークがゲスト出演を果たした本作にも登場する。 ゲーム中、特定の条件を満たすとスネークが通信機を使い、その通話相手の一人としてメイ・リン、キャンベル大佐と共にゲスト出演している。

リンクの武装やヨッシーの生態についてスネークに解説をしてくれる他、カービィを危険な生物だと思い込んでいる。 また、ファミコンの周辺機器であるロボットについて日本版と海外版の違いを解説したり、Mr.ゲーム&ウォッチの概要についても解説してくれる。キャプテン・ファルコンの必殺技をスネークと共に叫んでくれる場面もある[2]

その他[編集]

  • 『メタルギアソリッド』の開発段階では「チョコバーが好きな太った黒人の中年男性」という設定だったが、キャラクターデザインを担当した新川洋司のアイデアにより現在の姿に変更された。また、容姿に関しては「褐色肌で眼鏡をかけ、太った典型的なオタクキャラ」というのもあったが没にされた。『メタルギアライジング リベンジェンス』のスティーヴン・アームストロングはそれを復活されたもの。
  • VR訓練を受けている為ヘリコプターの操縦技能があり、『メタルギアソリッド2』(Ka-62)、『メタルギアソリッド4』(UH-60を元ネタにした架空機)では操縦する場面がある。
  • 『メタルギアソリッド2』で、グラビアのポスターを見ながらオタコンに無線をすると、興奮した様子を見ることができる。
  • 『メタルギアソリッド3 サブシスタンス』の特典ディスク「EXISTENCE」の映像版「MGS3」でナレーションをつとめた。「サブシスタンス」のスタッフロールでは声優名が「???」と表示されている(「EXISTENCE」のスタッフロールでは名前は表示されている。またこれがオタコンなのかどうかは不明である)。
  • 『メタルギアソリッド』を開発した小島プロダクションが『ZONE OF THE ENDERS』を販売して以降、オタコンの語る日本のロボットアニメが『ZONE OF THE ENDERSシリーズ』になっている(『Z.O.E』の販売以前は『ポリスノーツ』だった)。特に『メタルギアソリッド ザ ツインスネークス』でのスネークにロボットアニメを語るシーンや『メタルギアソリッド4』の自身のパソコンのデスクトップは続編であるANUBIS ZONE OF THE ENDERSの映像等を使用している。

脚注[編集]

  1. ^ オタク・コンベンションOtakon)は実在のイベントであり、名称を使用するにあたっては主催団体からの許諾を得ている。
  2. ^ アニメ『F-ZERO ファルコン伝説』でキャプテン・ファルコンを演じた声優はオタコンと同じく田中秀幸