SCC

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MSX版グラディウス2搭載SCC(2212P003)外観
MSX2版スナッチャー用音源カートリッジ搭載SCC-I(2312P001)外観
ファミコン版 悪魔城伝説の カートリッジ。SCC-I(5P72-J802)と記載があるが、はたして・・?

SCC(エスシーシー)はコナミが開発した波形メモリ音源兼メモリバンク制御チップ。

目次

[編集] 概要

コナミの業務用ゲーム基板バブルシステムに搭載され、以後業務用・家庭用ゲームの音源として用いられてきた。名称の詳細は諸説あるが、コナミの正式資料より、Sound Creative Chipが正しい。

アーケード(業務用)用ゲームでは、悪魔城ドラキュラヘクシオンシティボンバーにMSXで使われたSCCと同じものが使用された。1990年代以降は、コナミのアーケードゲーム用基板に、FM音源やPCM音源等と併せて搭載された(グラディウスIII等)。

家庭用ゲームソフトROMへの搭載はMSX用ゲームソフトグラディウス2より採用された。

ファミコン悪魔城伝説では、カートリッジ内のキャラクターROMにSCC-I(5P72-J802)と記載されており、さらに音源兼メモリバンク制御LSI VRC VI(1105-0039)の搭載もみられるが、VRC VIとSCC-Iの関連性について詳細は不明。なおVRC VIの音源部分は波形メモリではなくパルス+のこぎり波であり、SCCとは大きく異なる。

[編集] 特徴

  • 同時発声数(チャンネル数)は5音。MSX本体のPSG3音と合わせて8音同時発声が可能となった。
  • 周波数(12ビット)、振幅(ボリューム)(4ビット)のパラメータはMSXの内蔵音源であるAY-3-8910と互換性がある。周波数の誤差は大きいものの、サウンド制御処理が共用できる利点があったと思われる。
  • チャンネル毎に任意の波形を生成できるようになっているが、波形メモリは32バイトと割と短めであるため、「スペイシー」と表現される独特な音色となる。
  • 音域が高域になるほどピッチの精度が下がる。通称「音痴」と呼ばれ、PSGでも同様のデメリットを保有している。
  • 音域が低域になるほど「ブーン」というハムノイズが一緒に発音される。これは矩形波を細かくした音構造になっていることによる。
  • エンベロープ(音量の自動減衰)などはないためソフト側で対処する必要があり、SCCを使用しているソフトはその分処理が重くなっている。
  • SCC(2212P003)ではchDとchEは共通の波形という制限があったが、スナッチャーおよびSDスナッチャーに搭載されたSCC-I(2312P001)ではその制限がない。

[編集] SCCを使用した主なゲーム

[編集] コナミのSCCによる作曲傾向

コナミが当時SCCを用いて作曲した際の傾向として『金属的なブラス系の音をメロディーに用いる』ことが多かった。音抜けが良く印象に残りやすいことから多用されたことが見受けられる。反面、当時PSGなどで多用されたコーラス効果(デチューン)は用いられなかった。この技法さらにPSGと同時発音することでアーケード版グラディウスのBGMを再現することも理論上可能であったが、MSX版グラディウスのリメイクの際には新たなアレンジを施したBGMが用いられた。

[編集] DTM音源としてのSCC

はじめてSCCの制御方法の記事が掲載されたのはマイコンBASICマガジンであった。解析記事として掲載されたその内容は、MSXでスナッチャー付属のSCC音源カートリッジを制御するもので、完全ではないものの大部分の内容を解説していた。

1990年ごろに、MSXマガジンで発表された音楽ソフトMuSICA(ソフトベンダーTAKERUにて販売)には、MSX版スナッチャー及びSDスナッチャーに付属するSCC音源カートリッジを制御、演奏させる機能があった。のちに同誌でSCCを制御するための仕様(こちらはコナミ提供の公式の情報)が掲載され、草の根BBSなどで発表されたMGSDRVなど、フリーソフトでも対応する動きが広がった。

SCC音源カートリッジ自体は出回りが少なかったが、コナミのSCC搭載のMSX用ゲームはユーザーに広く普及していた。しかしSCC音源カートリッジ単体としては流通しておらず、後にスナッチャー・SDスナッチャーともに中古市場でプレミア扱いされたことにより正規な音源を入手するのは困難であった[1]。そのこともあり『ゲームが起動しないように改造したSCCカートリッジ』を用いる方法や『MSX起動後に後からSCC搭載ゲームカートリッジを挿す[2]』方法によりかなり多くのユーザーがSCC音源を自由に利用可能だった。

当時の標準的なMSXの環境ではPSG+FM音源(OPLL)+SCCで最大17音が出せ、音を重ね合わせることで深みのある音楽を奏でることもできた。DTM環境としては、必ずしも本格的とは言えないながらも、PC9801やX68000等に比べて非常に安価かつ手軽(FM音源搭載MSXとコナミのSCC搭載ゲームを持っていれば良い)に構築する事が可能で、MSXとSCCの組み合わせがその入り口となり、のちにゲームミュージックを手掛けるクリエイターになった者もいる。

[編集] チップチューンにおけるSCC

近年のチップチューンブームにより初期のビデオゲーム音源が見直されてきているが、SCCも当時を代表する音源の1つとして人気がある[3]。しかしファミコンに比べ音源の認知度、発音環境、音源を制御し作曲できる人口の少なさにより、SCCを扱うミュージシャン・楽曲ともに数が少ない。

[編集] 参考

[編集] 脚注

  1. ^ 現在はMSXエミュレータやSCC互換音源を搭載した1チップMSXなど、SCCを扱える環境は多く存在する。
  2. ^ MSXが電源オン状態でのROMカートリッジの抜き差しは物理上可能。しかし本体やROMはその動作を想定して作られていない為、抜き差し時の電流や信号によって精密回路を破壊するおそれがあった。誤動作を抑えるために『Shiftキーを押しながらカートリッジを差し込む』方法が知られている。
  3. ^ 波形メモリ音源としてコナミのゲーム音のみならず、ナムコの業務用ゲーム音やPCエンジンの音を再現することも可能。