YM2413

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YM2413

YM2413 (Operator Type-LL、OPLL) は1987年ヤマハが開発したFM音源チップ。

モノフォニック2オペレータ音源であり、FM音源9チャンネル同時発音モードとFM音源6チャンネル+リズム音源5チャンネル同時発音モードを切り替えて使用することが可能である。

概要[編集]

系譜としては、YM3812(OPL2)のサブセットにあたる。OPL2で追加された、波形選択は2種類に減少したものの可能になっており、反面、OPL2が持っていた音声合成モードや、それにともなうタイマなどの機能、ならびに、音色のパラメータ保持するレジスタが、一組になるとともに、一部のパラメータの分解能などが削減され、オペレータの接続が直列に限定されている[1][2]。削減された音色レジスタの代替として、別途チップには、15種類の音色がプリセットとして用意されており、このチップ内蔵の15音色と、ユーザー定義音色を組み合わせて使用することになる。[1]

出力は9チャンネル同時発音、もしくは6チャンネル+リズム音源5チャンネル同時発音が可能である。

パッケージは18ピンDIPまたは24ピンSOP。9bitD/Aコンバータを備える。動作周波数3.579545MHz(発振回路内蔵)、駆動電圧は+5V。内蔵音色はキャプテンシステム文字多重放送に対応している。

ヤマハの他の4オペレータFM音源では、ADSRはアタックレート、ディケイレート、サスティンレート、サスティンレベル、リリースレートの5つのパラメータが用意されているのが一般的であるが、YM2413ではサスティンレートが存在せず、リリースレートの値がサスティンレートとリリースレートを兼ねる設計である[1]。どちらを指し示すかは切り替え式であり、サスティンレートを設定すればリリースレートが固定となり、リリースレートを設定すればサスティンレートが固定となる(この場合は出力が全く減衰しない)[1]。これは演奏中に任意に設定可能である。[1]

FM音源としての機能と排他利用ではあるものの、正式なドキュメントでは0を指定するようになっているテストレジスタの3ビット目と、1ビット目を1にし、F-Numberの上位四ビットにデータを送ることで、4bitのDACとしても使用することが可能になっている。

チップ内蔵音色[編集]

YM2413は音色保持用のレジスタを1組しか持っていないが、チップに内蔵された以下の音色はレジスタを占有せず、制限なく利用可能である。音色名はアプリケーションマニュアルに従った。

採用例[編集]

型番[編集]

  • YM2413 元祖YM2413
  • YM2413B 18ピン プラスチックDIP
  • YM2413B-F 24ピン プラスチックSOP

亜種[編集]

  • YM2420 YAMAHA製キーボード等に仕様。性能についてほぼ同等である。
  • U3567/UM3567 YM2413 の互換チップ。台湾の UMC(United Semiconductor Corp.) がマザーボードメーカー向けに限定販売している製品で、台湾でなら電気街で入手可能。
  • VRC VII コナミのファミリーコンピュータ用拡張チップ。音源部に音色が異なり、メロディー6音のみのサブセット部分が含まれる。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 『YM2413 FM Operator Type-LL (OPLL) Application Manual』
  2. ^ 『マイコンBASIC Magazine DELUXE MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』 1989 電波新聞社 p.225
  3. ^ 山佐ホームページ おもいでのニューパルサー 軍艦マーチの終止符を打った男(2010年6月閲覧)

参考文献[編集]

  • 『Y8950 APPLICATION MANUAL(MSX-AUDIO)』YAMAHA
  • 『YM2413 FM Operator Type-LL (OPLL) Application Manual』 ヤマハ
  • 『YM2413B FM Operator Type-LL (OPLL) CATALOG CATALOG No.:LSI-212413B2 1999.5』 ヤマハ
  • 『マイコンBASIC Magazine DELUXE MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』 1989年、電波新聞社 MSX-BASIC上でのMSX-MUSICプログラミングの実例が多数紹介されている。

関連項目[編集]