コルグ

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株式会社コルグ
KORG INC.
Headquarters of Korg in May 2009.jpg
本社ビル
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
郵便番号:206-0812
東京都稲城市矢野口4015-2
設立 1964年1月10日
業種 その他製品
事業内容 電子ピアノシンセサイザーなど電子楽器の開発、製造、及び販売、海外ブランド楽器などの輸入販売、音楽データ作成
代表者 代表取締役社長 加藤世紀
資本金 4億8000万円
従業員数 330名(2007年10月時点)
関係する人物 加藤孟(創業者, 元代表取締役会長)
外部リンク http://www.korg.co.jp
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株式会社コルグ(英文社名KORG INC. )はシンセサイザーデジタルピアノなど電子楽器を製造、販売しているメーカー。本社所在地は東京都稲城市矢野口4015-2(京王よみうりランド駅前)。現在はヤマハの関連会社。アンプメーカーVOXをはじめ、海外の楽器/音響機器メーカー数社(Paul Reed Smith、Clavia Nordシリーズ、ALLEN & HEATH 他)の日本正規輸入代理店でもある。

来歴[編集]

創業期[編集]

1963年(昭和38年)、東京都世田谷区桜上水京王技術研究所として創業した。社名の由来は創業者の加藤孟(かとう つとむ、- 2011年3月15日)の「K」とアコーディオン奏者の長内端(おさない ただし)の「O」で「K・O」、これに本社が京王線沿いにあったことから「京王」の字が当てられたもの。KORGという名称は「KOの作ったOrgue(フランス語でオルガン)」からとられた造語である。これは1972年に発売されたオルガン(『Korgue』、通称デカ・コルグ)の商品名にもなったが、「ue」の部分をどう発してよいかわかりにくいとの意見があったため[要出典]、これ以降の製品には「ue」の部分をなくした「KORG」という名称がブランド名として使われるようになった。

最初に製造したのは、1963年発売のリズムマシン。「ドンカマチック(DONCA MATIC)」と命名された。この型名の由来は、バスドラムの「ドン」という音と、クラベスの「カッ」という音からと言われる[1]。1964年に杉並区下高井戸へ移転し、株式会社京王技術研究所を設立した。

初の国産シンセサイザー発表[編集]

1967年頃からシンセサイザーの研究開発にも着手し、1970年に初の国産シンセサイザー「試作一号機」を完成した。この技術は後に、1972年発売のコンボ・オルガン「Korgue」、1973年発売のシンセサイザー「miniKORG 700」へと発展した。

1970年に京王技研工業株式会社に改め、その後、800DV(1974年)等を経て、1977年、PS-3100/PS-3200/PS-3300ポリフォニックシンセサイザーの発表により、世界的に評価される会社となった。

1978年のMS-20はコストパフォーマンスの高いモノシンセとして大ヒット。1981年にはPolysixでポリフォニックシンセをアマチュアの手に届く楽器にした。

ヤマハの資本参加期間[編集]

1983年のヤマハDX-7発売以降、デジタルシンセサイザー開発への出遅れにより経営状態が悪化し、ヤマハによる資本参加と経営再建が行われる。M1の発売まで低迷の時代が続いた。
1986年 サンプリングシンセサイザーDSS-1とFM音源シンセサイザーDS-8を発売する。
1987年 株式会社コルグに改め、ヤマハの資本参加により梅陰正が副社長に就任して経営再建を行う。
1988年 ワークステーションタイプのシンセサイザーM1を発売する。MIDI音楽製作が一台で完結できることで大ヒットする。M1が後のサンプリング機能や、デジタルレコーディング機能まで統合したTRINITYTRITONといったデジタルワークステーションの草分けとなる。

クロマチック・チューナー CA-30

また1980年代に発表したチューニング・メーターはチューニングのずれをアナログメータによって表し、基準音を内蔵スピーカで出すこともできるといった特長を持っており、ヒット商品となった。

1992年に埼玉県大里郡花園町(現:深谷市)に自社工場を設け、2003年にはコルテックに分社化。2004年には稲城市よみうりランド付近に本社を移転した。

ヤマハとの関係[編集]

コルグは1980年代半ばの経営難の際、ヤマハの資本参加により救われている。2006年3月31日現在、コルグはヤマハの持分法適用会社であり、連結決算の対象ではなく関連会社の扱いとなっている。コルグにおけるヤマハの議決権は29.2%。コルグの取締役としてヤマハから一名を出している。

ヤマハからは部品を購入するという取引関係がある。製品に対するヤマハの影響は、以下のようなものがあげられる。

機種[編集]

黎明期[編集]

アナログシンセ登場期[編集]

  • 1970年
    • 試作一号機 - コルグ最初のシンセ (後にKORGUE、miniKORGで製品化)
  • 1972年
    • コルグ (KORGUE) - 通称デカ・コルグ。幅広い音色作りが可能なオルガン
    • Treveler F-1 / V-C-F / Mr. Multi - 試作一号機のエフェクト技術を製品化
  • 1973年
    • miniKORG 700 - コルグ最初のシンセ製品 (1973年3月発売)電子オルガンに載せて使う第3のキーボード。初めて"KORG"ロゴが使われた
  • 1974年
    • 800DV - 通称マキシ・コルグ。シンセ2台分搭載で2ボイスを実現。喜多郎が今も愛用
    • miniKORG 700S - miniKORG 700を2オシレータ化 (ユーザ要望に対応)
KORG PS900.png
900PS

ポリフォニック化とその応用[編集]

PE-1000
PS-3300
  • 1976年
    • PE-2000 - 分厚い音の3系統ポリフォニック・アンサンブル・オーケストラ (44鍵)。オシレータ計144個搭載(各鍵3個)。音色はプリセット8種類 (ストリングス、パイプ・オルガン、ブラス、コーラスを各2種類ずつ)
    • PE-1000 - 独立音源方式のポリフォニック・アンサンブル (60鍵)。オシレータ60個搭載(各鍵1個)。音色はプリセット7種、シンセ機能 (トラベラー)
    • 770 - miniKORG 700Sの後継、コンセプトはソロ楽器
  • 1977年
Korg VC-10 Vocoder.jpg
Korg MS-20.jpg
VC-10 MS-20
Korg SQ-10.JPG Korg MS10.jpg
SQ-10 MS-10
  • 1978年
    • VC-10 - 世界初の鍵盤付きヴォコーダー [要出典]
    • MS-20 - パッチ可能なモノフォニック・シンセ。マニアックなパッチ機能をコンパクトにまとめ、優れたコストパフォーマンスで大ヒットした。[構成] 2VCO、2VCF(LP,HP)、2VCA、2EG(ADSR)、1LFO、NG、S&H、外部信号プロセッサ(F/V Conv, ENVF)
    • MS-10 - 1オシレーターの低価格モデル
    • MS-50 - 拡張音源モジュール (鍵盤なし)冨田勲が使用していた。
    • SQ-10 - アナログシーケンサー・モジュール
    • SE-500/SE-300 - テープエコー
    • SD-400/SD-200 - シグナルディレイ
Λ, Polysix, TRIDENT
  • 1979年
    • X-911 - ギター・シンセサイザー
    • Σ (シグマ) - レイヤー可能なプリセット型ソロシンセ
    • Λ (ラムダ) - プリセット型ポリフォニックシンセ (PEシリーズ後継)
    • Δ (デルタ) - ストリングス搭載ポリフォニックシンセ (VCF以降1系統)

ポリフォニックシンセの進化[編集]

  • 1980年
    • TRIDENT (トライデント) - 音色メモリー搭載8ボイス・ポリシンセにストリングスとブラスを加えた複合キーボード。後にシンセ強化版 TRIDENT MkII を海外リリース
    • CX-3/BX-3 - トーンホイール・サウンドにこだわった本格派ドローバー・オルガン
    • LP-10 - コルグ初の電子ピアノ (ベロシティ機能なし)
  • 1981年
    • Polysix (ポリシックス) - 6ボイス・ポリフォニックシンセ。高いコストパフォーマンスで大ヒットした
    • Mono/Poly (モノポリー) - 4VCOシンセサイザー。分厚いソロと 4ボイス簡易ポリフォニックを提供 (VCF以降1系統)
Korg-poly61.jpg
POLY-61
Korg poly800.jpg
POLY-800
Korg dss1.jpg
DSS-1
  • 1982年
    • POLY-61 - DCO搭載ポリフォニックシンセ。オシレータをディジタル制御、パラメータもディジタル入力。後にMIDI化キットをリリース
    • SDD-3000 - デジタルディレイ
  • 1983年
    • POLY-800 - 8ボイス簡易ポリフォニックシンセ。コルグ初のMIDI対応機種 (VCF以降1系統)
    • SAS-20 - 自動伴奏つきホーム・キーボード

ディジタル化[編集]

  • 1984年
  • 1985年
    • DT-1 - 電子チューナー
  • 1986年
    • DS-8 - FM音源方式のデジタルシンセサイザーである。ヤマハのFM音源チップが搭載されている。
    • DSS-1 - デジタル・サンプリング・シンセサイザー。ユーザ・サンプリング、波形編集/手書き波形作成、シンセ機能による音作りが可能
  • 1987年
    • DSM-1 - ラックマウント版サンプラー。単なるDSS-1互換ではなく、それぞれ固有機能を持つ
    • SG-1D/SG-1 - ステージ用電子ピアノ
    • CONCERT C-7000 - 本格的家庭用デジタルピアノ
Korg M1.jpg
KORG M1
Korg Wavestation front.png
WAVESTATION
Korg01w.jpg
01/W FD

ワークステーション登場[編集]

  • 1988年
    • M1 - コルグ最初のミュージック・ワークステーション。高品位PCMサンプル音源と、マルチトラック・シーケンサー を核とした ワークステーション機 の草分けとして大ヒットした
    • A3 - マルチエフェクター
  • 1989年
    • T1/T2/T3 - M1の高機能版。マスター・キーボード機能、サンプル再生機能、FDD追加
  • 1990年
  • 1991年
    • 01/W - 第3世代ミュージック・ワークステーション

DAW製品、DSP音源、アレンジャーの登場[編集]

Prophecy, Z-1, TRITON
  • 1994年
    • WAVEDRUM (ウェイブドラム) - DSP搭載の電子パーカッション。豊富なシンセサイズ方式やアルゴリズムを提供
    • X5 - 軽量シンセサイザー
  • 1995年
  • 1996年
    • N364N264 - テクノ/ダンス系ワークステーション
    • WT-120 調べ - 和楽器用チューナー
  • 1997年
    • Z1 - MOSS(物理モデル)音源搭載シンセサイザー
    • D8 - HDマルチトラックレコーダー
TRITON.jpg
TRITON
ElecTribeシリーズ
Korg Electribe A EA-1.jpg Korg Electribe R (ER-1).jpg Korg Electribe S (ES-1) - lower resolution.jpg
EA-1 ER-1 ES-1
  • 1999年
    • TRITON - 定番ミュージック・ワークステーション。宇多田ヒカルから細野晴臣まで、幅広いミュージシャンが曲作りに活用 [要出典]
    • ELECTRIBE A / ELECTRIBE R - テクノ/ダンス系トラック制作用グルーヴマシン
    • KAOSS PAD - 指先操作のタッチパッド・エフェクター

ソフトウェア音源、アナログ・モデリング、DSDレコーダーの登場[編集]

Korg MS2000B.jpg
MS2000B
Microkorg.jpg
microKORG
  • 2000年
    • MS2000 - アナログ・モデリング方式のシンセ/ヴォコーダー
  • 2001年
    • KARMA - 演奏に応じ多彩なアレンジを提案するKARMAアルゴリズム搭載ミュージック・ワークステーション
  • 2002年
    • microKORG (マイクロコルグ) - 低価格ミニ鍵盤のアナログ・モデリング・シンセ/ヴォコーダー
  • 2003年
    • MS2000B / MS2000BR - MS2000のアップデート版 / 同ラック版
    • ELECTRIBE mkII / MX / SX - ELECTRIBEのアップデート版 / 高機能版
  • 2004年
    • KORG Legacy Collection (レガシー・コレクション) - 過去の名機をソフトウェア音源化。特別版には MS-20コントローラ(フィジコン)が付属。
      • [再現機種] MS-20PolysixWAVESTATION (後継追加: Mono/PolyM-1)。
      • [対応環境] VST/AU, Win&Mac (後継追加: RTAS, Intel Mac)
  • 2005年
    • OASYS - ハイエンド・ミュージック・ワークステーション。DAW / シーケンサ / サンプラーをはじめ、多彩なシンセサイズ機能 (PCM/アナログ・モデリング/トーンホイール・オルガンモデリング)、KARMAの自動伴奏機能 等、最新技術を結集した統合ワークステーション
  • 2006年
    • RADIAS - マルチプル・モデリング方式の本格派シンセ/ヴォコーダー
    • MR-1 - 1bitオーディオに対応した、世界初のポータブルDSDレコーダー。内蔵のハードディスクに音源を記録する方式。
    • MR-1000 - MR-1のスタジオレコーディングバージョン。
KORG Kaossilator.jpg KORG nanoKEY.jpg
KAOSSILATOR nano KEY
KORG DS-10.jpg
KORG DS-10
  • 2007年
    • M3 - 最新機能をコンパクトに濃縮したミュージック・ワークステーション
    • KAOSSILATOR (カオシレーター) - 指先操作のフレーズ・シンセサイザー
  • 2008年
    • M50 - ミュージック・ワークステーション
    • microKORG XL - microKORGのパワーアップ版。マルチプル・モデリング方式
    • nanoシリーズ (nano KEY, nano PAD, nano KONTROL) - モバイル対応コントローラ
    • DS-10 - MS-10をモチーフにしたニンテンドーDS用ソフトウェア(AQインタラクティブと共同開発)
    • MR2000S - MR1000の後継機種
  • 2009年
    • DS-10 PLUS - DS-10を機能拡張したニンテンドーDS用ソフトウェア。Limited Editionでは学研 大人の科学マガジン 制作のガイドブックが同梱される
    • SV-1 ステージ・ヴィンテージ・ピアノ - レトロ&フューチャリスティックなボディで定番ヴィンテージ・キーボードのサウンド (Eピアノ, Eクラビコード, グランド・ピアノ, コンボ・オルガン, 初期シンセ) を提供 [2]
    • WAVEDRUM ダイナミック・パーカッション・シンセサイザー [3]
    • microSAMPLER - 一台でとことん遊べるコンパクト・キーボード・サンプラー [4]
  • 2010年
    • monotron - アナログ・リボン・シンセサイザー。片手に収まるサイズのアナログシンセサイザーで、リボンコントローラーで演奏する。初心者でもに扱える様に操作部を簡単化。名機MS-10/MS-20と同じVCF回路を搭載。アルカリ単4電池2本でも可動であり屋外でも演奏可能。スピーカー内蔵
    • M01 - 2010年12月発売のニンテンドーDS用ソフトウェア
    • MR-2 - MR-1の後継機種。1bitオーディオに対応したポータブルDSDレコーダー。PCM方式・WAV方式とMP2MP3の録音方式に対応。付属ソフトである「AudioGate」を用いてDSDフォーマットをPCM24bit/192kHzに変換可能。更にコンパクトディスクやDSDディスクを作成可能。記録メディアはSDメモリーカードに記録。
  • 2011年
    • KRONOS - OASYSと同等の音源を備え、さらに多彩なシンセシス機能が加わったミュージック・ワークステーション
    • monotribe-アナログ・リボン・ステーション。monotronから始まったアナログ回帰第二弾機種である。「単音源」・「リズムマシン」・「シーケンサー」一体でステップ毎のON、OFF等でフレーズを作成出来る。2012年にはアナログ機種では珍しいバージョンアップを成し遂げている。(wavファイル音声によって)
  • 2012年
    • KRONOS X - ユーザーメモリーが2GB、SSD容量が62GBに倍増したKRONOSの機能拡張版
    • KROME - M50の後継ミュージック・ワークステーション。M3をベースにKRONOSの機能も取り入れ、3.8GBという膨大なWAVE ROMを併せ持つ

脚注[編集]

  1. ^ KORG MUSEUM ドンカマチック”. KORG INC.. 2013年2月25日閲覧。
  2. ^ SV-1 Stage Vintage Piano”. KORG INC.. 2009年9月14日閲覧。
  3. ^ WAVEDRUM Dynamic Percussion Synthesizer”. KORG INC.. 2009年9月14日閲覧。
  4. ^ microSAMPLER SAMPLING KEYBOARD”. KORG INC.. 2009年9月14日閲覧。

外部リンク[編集]