YM2610

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YM2610(FM Operator type N-B、OPNBOPT(TはTAITOのT)とも)は、タイトーの要望により[1]日本楽器製造(現・ヤマハ)が開発した音源チップである[2]。 同一チップ内にSSG音源FM音源ADPCM音源といった複数の音源が搭載されており、SSG以外は左右と中央に出力先が選択可能である。 ADPCM部分については二種類存在し、片方はYM2608ではリズム音源としてチップに内蔵され、固定されていた波形データを外部メモリから参照できるようにした実装となっている。 F2システムや、ネオジオなどのアーケード基板で使用された。

生産上の歩留まりの関係で、仕様上FM6音発声する予定だったが製品では4音となった[2]。後に当初の仕様通りに6音発声可能となったYM2610Bがリリースされた。

構成[編集]

  • 4オペレータFM音源 YM2610では4音、YM2610Bでは6音
  • SSG音源 3音
  • ノイズ 1音
  • ADPCM-A 6音 再生周波数は18.5kHzに固定され音程を変更する事は出来ない。
  • ADPCM-B 1音 YM2608のADPCMに相当し、再生周波数は2kHz - 55.5kHzの範囲で指定が可能である。
  • タイマー 2系統
  • LFO

脚注[編集]

  1. ^ 共同開発ではない。タイトーのサウンド開発部門責任者であった今村善雄によると、タイトーではアーケード基板用にヤマハ製音源チップYM2203を多く使用していたためか、要望は通りやすかったという。
  2. ^ a b Inc, Aetas. “タイトーサウンドかく発祥せり。「スペースインベーダー インヴィンシブルコレクション」発売を記念し亀井道行氏&今村善雄氏にインタビュー”. 4Gamer.net. 2022年4月2日閲覧。

関連項目[編集]

  • YM2608 - 設計に共通項を持つ音源チップ。
  • YM2151 - 同じくアーケード基板で多く使われた音源。