魂斗羅

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魂斗羅
ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 コナミ開発1課
発売元 コナミ
ディレクター 廣下宏治
プログラマー 岡本覚
辻本英之
KOICHI COBRA
音楽 村岡一樹
美術 中村健吾
シリーズ 魂斗羅シリーズ
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
(1.16メガバイト
稼働時期 日本 198702201987年2月20日
アメリカ合衆国 1987年
ヨーロッパ 1987年
[1]
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE10+(10歳以上)
ヨーロッパ PEGI7
コンテンツ
アイコン
アメリカ合衆国 Fantasy Violence
Use of Tobacco

ヨーロッパ Violence
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC6809 (@ 1.5 MHz)
サウンド MC6809 (@ 2 MHz)
YM2151 (@ 3.582 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
280×224ピクセル
60.00Hz
パレット128色
その他 型式:GX633
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魂斗羅』(コントラ)は、1987年に日本のコナミから稼働されたアーケードアクションシューティングゲーム[1]。北米では『Contra』、欧州では『Gryzor』のタイトルで稼働された。

概要[編集]

未来を舞台にした本作は、主人公である特殊部隊「魂斗羅」のビル・ライザーとランス・ビーンを操作し、ガルガ諸島に存在する「レッド・ファルコン」という謎の軍隊の基地を破壊する事を目的としている[1]

開発はコナミ開発1課が行い、ディレクタはアーケードゲーム『A-JAX』(1987年)を手掛けた廣下宏治、音楽はファミリーコンピュータ用ソフト『トップガン』(1987年)を手掛けた村岡一樹が担当している。

同年に欧州にて各種ホビーパソコンに移植された他、1988年にはファミリーコンピュータPC/AT互換機に移植、1989年にはMSX2に移植された。アーケード版は2003年に携帯電話用アプリゲームとしてJ-スカイから配信された他、2006年にはPlayStation 2用ソフトとしてオレたちゲーセン族シリーズの一作にて、2016年にはPlayStation 4用ソフトとして、2020年にはNintendo Switch用ソフトとしてアーケードアーカイブスにて配信された。MSX2版はバーチャルコンソール対応ソフトとして2010年Wiiにて、2014年にWii Uにて配信された。

翌年にアーケードゲーム『スーパー魂斗羅 エイリアンの逆襲』(1988年)が稼働され、以後『魂斗羅シリーズ』としてシリーズ化された。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

ビルとランスの2人の魂斗羅が謎の軍団レッドファルコンと戦う[1]。ジャングル(横)、BASE1(3D)、滝(縦)、BASE2(3D)、ツンドラ、敵基地、エイリアンズレアー(以上全て横)の全7エリア[注釈 1]。ツンドラから敵基地、エイリアンズレアーまではずっと横スクロール面でボスを倒してもシームレスで次のエリアに移行する。ミスしたらその場から再開される。コンティニュー機能が搭載されているが、回数制限がある。

アイテム[編集]

  • ラピッドビレッツ:弾速が早くなる。
  • マシンガン:押しているだけで弾を連射できるようになる。
  • スプレッドガン:前方5方向に扇状に銃弾を発射する。
  • レーザーガン:直線状に発射されるレーザー。連射は効かないが威力は高い。
  • ファイアボール:火の玉が円を描くように発射される。
  • バリア:一定時間無敵になる[1]
  • スペシャル:画面内の敵を全滅させる。ファミリーコンピュータ版のみ。

設定[編集]

ストーリー[編集]

西暦2631年に、ニュージーランド沖のガルガ諸島に隕石が落着した。そして2633年、このガルガ諸島に「レッド・ファルコン」という謎の軍隊の基地が発見された。レッドファルコンは人類滅亡を企んでいるとされ、地球海兵隊の司令部は熱い斗魂とゲリラ戦術を持つ闘志「魂斗羅」のビル・ライザーとランス・ビーンに基地破壊命令を下した。ランスとビルはガルガ諸島にヘリコプターで乗り込んだ。

ステージ構成[編集]

エリア1
BGM・・・密林の戦い
サイドビュー、横スクロールのステージ。ジャングルで序盤は下は水になっている。水は落ちてもミスにはならず、下方向で潜ることができる。ボスは巨大センサー。
エリア2
BGM・・・迷路要塞1
3Dのステージを奥に進んでいく。途中で左右に進むシーンもある。ボスは巨大な目玉のようなガルマキルマ。
エリア3
BGM・・・流血の滝
サイドビュー、縦スクロールのステージ。滝を上へ上へと進んでいく。落石もあり、画面外に落下するとミスになる。ボスはエイリアンゲート。
なおプレイヤー達の間に、このステージを舞台にて協力プレイでなく対戦プレイを行う場合が多い。先に全てのライフを失う方が負け。
エリア4
BGM・・・迷路要塞1
3D迷路基地。ボスは分身する分幻鬼ゴドムガー。
エリア5
BGM・・・氷の要塞
サイドビュー、横スクロールのステージ。雪原地帯。木陰からグレネードが飛んでくる。中ボスは銃装甲掃討車ドグラ。ボスは高速半重力ホバー・グルタフ。
エリア6
BGM・・・炎の要塞
サイドビュー、横スクロールのステージ。敵基地。炎が噴き出したり、トロッコなどの仕掛けがある。ボスは兜鬼巨神兵ゴルデア。
エリア7
BGM・・・戦慄の鼓動[2]
サイドビュー、横スクロールのステージ。有機物のような背景。中ボスは天王鬼竜神ギャバ。ボスは天王創魔心ゴメラモスキング。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 アメリカ合衆国 Contra
ヨーロッパ Gryzor
アメリカ合衆国 1987年
ヨーロッパ 1987年
Amstrad CPC
コモドール64
ZX Spectrum
Ocean Software Ocean Software フロッピーディスク - 北米ではコモドール64版のみ発売
2 アメリカ合衆国 Contra
日本 魂斗羅
ヨーロッパ Probotector
アメリカ合衆国 198802021988年2月2日
日本 198802091988年2月9日
ヨーロッパ 199012281990年12月28日
ファミリーコンピュータ コナミ開発2課 コナミ アメリカ合衆国 1メガビットロムカセット
ヨーロッパ 1メガビットロムカセット
日本 2メガビットロムカセット
[3]
-
3 アメリカ合衆国 Contra
ヨーロッパ Gryzor
アメリカ合衆国 1988年
ヨーロッパ 1988年
PC/AT互換機 Banana Development コナミ フロッピーディスク -
4 魂斗羅 日本 198905261989年5月26日
MSX2 コナミ開発3課 コナミ ロムカセット - SCC搭載
5 Konami Collector's Series
Castlevania & Contra
アメリカ合衆国 200211162002年11月16日
Windows コナミ コナミ CD-ROM - NES版の移植
6 魂斗羅 日本 2003年6月18日[4]
J-スカイ
Javaアプリ
コナミ コナミモバイル・オンライン ダウンロード
(コナミ J-APPLI)
- アーケード版の移植
7 オレたちゲーセン族
魂斗羅
日本 200605252006年5月25日
PlayStation 2 コナミ ハムスター CD-ROM SLPM-62730 アーケード版の移植
8 魂斗羅 日本 2006年6月16日[5]
Windows コナミ アイレボ ダウンロード
(i-revo)
- ファミリーコンピュータ版の移植
9 Contra INT 200611082006年11月8日
Xbox 360
(Xbox Live)
コナミ KDE ダウンロード
(Xbox Live Arcade)
- アーケード版の移植
10 日本 コナミ アーケード コレクション
アメリカ合衆国 Konami Classic Series - Arcade Hits
ヨーロッパ Konami Arcade Classics
日本 200705152007年5月15日
アメリカ合衆国 200705272007年5月27日
ヨーロッパ 200710262007年10月26日
ニンテンドーDS M2 KDE 128メガビットDSカード 日本 NTR-A5KJ-JPN
アメリカ合衆国 NTR-ACXE-USA
ヨーロッパ NTR-ACXP-EUR
アーケード版の移植
11 Konami Classics Vol.2 アメリカ合衆国 200912152009年12月15日
Xbox 360
(Xbox Live)
コナミ KDE ダウンロード
(Xbox Live Arcade)
- ファミリーコンピュータ版の移植
12 魂斗羅 日本 201002022010年2月2日
Wii コナミ開発3課 KDE ダウンロード
バーチャルコンソール
- MSX2版の移植
13 魂斗羅 INT 201306012013年6月1日
iPhoneiPad
(iOS)
KDE KDE ダウンロード -
14 魂斗羅 日本 2014年10月15日[6]
Wii U KDE KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
- MSX2版の移植
15 魂斗羅 日本 2016年8月10日[7][8]
PlayStation 4 KDE ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
- アーケード版の移植
海外版 (CONTRA) も収録
16 魂斗羅アニバーサリーコレクション アメリカ合衆国 201906122019年6月12日
ヨーロッパ 201906122019年6月12日
日本 201906122019年6月12日
PlayStation 4
Xbox One
Nintendo Switch
PC (Steam)
M2 KDE ダウンロード - アーケード版、ファミリーコンピュータ版、北米NES版を収録
アップデートにより英語アーケード版が追加
17 魂斗羅 日本 2020年9月3日[9][10]
Nintendo Switch KDE ハムスター ダウンロード
(アーケードアーカイブス)
- アーケード版の移植
海外版 (CONTRA) も収録
ファミリーコンピュータ版
構成・システムに相違点がある。画面を横向きに変更されている。1つのステージがAC版に比べて長くなっており、敵基地は前半の炎地帯が「エネルギーゾーン」、後半が「ハンガー」と別のステージになった。また、ステージ開始時やステージクリア時に幕間デモが表示されるようになった。また、罠などの種類が増え、敵の行動パターンも異なる。AC版はマシンガンとレーザーは銃器の形をしていたが、それぞれイニシアルの「M」と「L」に変更されている。3Dステージは横移動が無くなり、奥方向への1方向になっている。また、3Dステージの時間制限が撤廃された。一部の武器にあった16方向の射撃はなくなり、8方向の射撃になっている。BGMは一部を除き、AC版より全体的に早くなっている。以降のシリーズでの初代に登場するBGMのアレンジ版は、ファミコン版に近い早さとなっている。
ほぼ同時に北米向けNES版も発売されているが、画面エフェクトがグレードダウンしている。北米版ではまた、幕間デモが大幅に省かれたり、ラスボス撃破後に専用のBGMではなく通常のステージクリアBGMが鳴るなど、日本版とはいくつかの違いがある。
欧州版は1990年に発売、タイトルが"Probotector"に変更され、キャラクターもメカに変更されている。
MSX2<メガロムカセット>版
3Dステージ有り。移植度が低い。
ライフが導入されていたりMSX2版オリジナルステージがあったりと大幅なアレンジが加えられている。画面はスクロールせず、固定画面の切り替え式(画面端に行くと次の画面に切り替わる)。1人プレイ専用。また、5方向攻撃のスプレッドガンが削除され、前後攻撃のリアガンが追加されている。銃器アイテムを取るとAC版はその武器に自動的に切り替わったが、MSX版は複数の武器から選択できるようになっている。また、イーグルマークのアイテムを取るとプレイヤーの耐久力、移動速度、ジャンプ力が上昇する。BGMはファミコン版とほぼ同じの早さ。
2010年2月2日よりWiiの、2014年10月15日よりWii Uバーチャルコンソールにて配信されている。
携帯アプリ版
コナミネットDXでアプリにて配信。
PlayStation 2版
オレたちゲーセン族』シリーズの1本。サントラCD、特典映像DVDが付属。
Xbox 360版
Xbox Live Arcadeで配信。オンライン協力プレイ・実績システムに対応している。
ニンテンドーDS版
コナミ アーケード コレクション』に収録。
PlayStation 4,Nintendo Switch版
アーケードアーカイブスとして発売。北米版の『CONTRA』も同時収録している。インターネットによるハイスコアランキングにも対応[11]

スタッフ[編集]

アーケード版
  • ゲーム・プログラマー:岡本覚、HIDEYUKI FALCO(辻本英之)、KOICHI COBRA
  • ビデオ・グラフィック:中村健吾
  • スペシャル・デザイナー:ISHIWARI JINBO(神保隆司)、PASSIONATE NORIO
  • サウンド・エディター:KAZUKI JAH(村岡一樹)
  • エンジニア:ROM YAMAMOTO
  • ディレクター:廣下宏治
ファミリーコンピュータ版
  • プログラマー:梅崎重治、岸和田聡、山下幸紀、T.DANJYO、小川光章
  • グラフィック・デザイナー:T.UEYAMA、村木摂、M.FUJIWARA、T.NISHIKAWA、C.OZAWA
  • サウンド・クリエイター:前沢秀憲、禎清宏
  • スペシャル・サンクス:霜出健治、さとうなおき、AC CONTRA TEAM
  • ディレクター:UMECHAN(梅崎重治)、きたもとしんじ

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム3.5/5stars (AC)[12]
4/5stars (NES)[13]
Computer and Video Games9/10点 (CPC)[14]
9/10点 (ZX)[15]
ファミ通27/40点 (FC)[16]
GameSpot6.6/10点 (XBLA)[17]
IGN5/10点 (XBLA)[17]
Your Sinclair9/10点 (ZX)[15]
ファミリーコンピュータMagazine21.55/30点 (FC)[3]
Aktueller Software Markt10/12点 (CPC)[14]
7/12点 (NES)[18]
ACE743/1000点 (CPC)[14]
750/1000点 (ZX)[15]
The Games Machine82/100点 (CPC)[14]
63/100点 (ZX)[15]
Eurogamer.net5/10点 (XBLA)[17]
ファミリーコンピュータ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・8・7・6の合計27点(満40点)[16]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.55点(満30点)となっている[3]。同誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「ステージごとにスクロール方向や2D、3D表示が切り替わりあきない」とゲーム内容の多彩さに対して肯定的に評価されている[3]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.71 3.67 3.63 3.78 3.44 3.32 21.55

関連作品[編集]

書籍[編集]

魂斗羅(ファミリーコンピュータコナミスペシャル-コナミゲームブックシリーズ-)
1988年6月、コナミ出版、ISBN 9784876550197

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アーケードゲーム業界紙「ゲームマシン」303号(1987年3月1日発刊)では、10ステージと記載されている[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 変化に富む画面構成で10ステージ 異星人との攻防 コナミから「魂斗羅(コントラ)基板」」『ゲームマシン』第303号(アミューズメント通信社)、1987年3月1日、20面。2022年3月2日閲覧。
  2. ^ コナミワイワイワールドの最終ボス、ワルダーのBGMもこれが使用されている。
  3. ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、51頁。 
  4. ^ ダイジェストニュース:サービス” (日本語). ケータイ Watch. インプレス (2003年6月17日). 2019年10月5日閲覧。
  5. ^ 大久保有規彦 (2006年6月16日). “i-revo、「グラディウス」などを30分無料プレイ可能なコーナーを新設” (日本語). BB Watch. インプレス. 2019年10月5日閲覧。
  6. ^ 津久井箇人 a.k.a. そそそ (2014年10月8日). “Wii Uバーチャルコンソール10月15日配信タイトル ― 『ディグダグ』『2010 ストリートファイター』『魂斗羅』『スーパーマリオアドバンス3』の4本” (日本語). iNSIDE. イード. 2019年10月5日閲覧。
  7. ^ 『アーケードアーカイブス 魂斗羅』8月10日より配信決定!” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2016年7月29日). 2019年10月5日閲覧。
  8. ^ 緑里孝行 (2016年7月29日). “PS4「アーケードアーカイブス魂斗羅」配信決定” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年10月5日閲覧。
  9. ^ 『アケアカ 魂斗羅』Switch向けに9月3日配信決定。コナミを代表するシューティングゲームの国内版・海外版を収録” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2020年9月2日). 2020年9月4日閲覧。
  10. ^ 桜梅桃李 (2020年9月2日). “Switch版「アーケードアーカイブス 魂斗羅」9月3日配信決定!” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2020年9月4日閲覧。
  11. ^ 『アーケードアーカイブス 魂斗羅』8月10日より配信決定! ファミ通.com 2016年7月29日
  12. ^ Contra for Arcade (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年5月14日閲覧。
  13. ^ Knight, Kyle. “Contra - Overview”. Allgame. 2012年12月4日閲覧。
  14. ^ a b c d Contra for Amstrad CPC (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年5月14日閲覧。
  15. ^ a b c d Contra for ZX Spectrum (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年5月14日閲覧。
  16. ^ a b ファミコン通信』第4号、アスキー、1988年2月19日。 
  17. ^ a b c Contra for Xbox 360 (2006)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年5月14日閲覧。
  18. ^ Contra for NES (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年5月14日閲覧。

外部リンク[編集]