リージョンコード

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リージョンコード (Region Codes) とは、デジタルビデオディスクやゲームソフトなどが販売および利用される地域(リージョン)の情報を記載した情報(コード)を指す。

リージョンコードを採用している規格では、商用パッケージソフトのリージョンと利用する機器のリージョンが一致しないと再生できないよう制限される場合が多い。理論的にはこの規制によって販売者が地域ごとに内容、発売日、価格を調整できることになる。

リージョンコードはコピーガード技術ではなく再生を制限するもので、元々テレビゲーム業界において導入されたものである。

目次

[編集] DVD-Videoのリージョンコード

DVDのリージョンコード
DVDのリージョンコード

DVD-Videoの規格を策定する際に映画業界の要望によって導入された。例えばハリウッドの大手映画会社が制作した映画作品は世界中で上映されるが、日本では北米に比べて数ヶ月遅れて上映開始となることが多い。日本での公開時には既に北米版のDVDが発売されていることがあり、消費者が輸入版DVD購入に流れて映画の興行収入が落ちることを防ぐ目的がある。

ただし北米版のDVD-Videoに日本語字幕や日本語吹き替えが収録されることはほとんど無い。日本では吹き替えや字幕への需要が高いため、一般映画の北米版を積極的に購入しようとする日本のユーザーはかなり少ない。しかし音楽やアダルトのDVDに関しては輸入盤の需要が高いことと日本版の価格が北米より非常に高いことが多いため、日米でリージョンを分けることは特に日本のメーカーにとって商業上意味があるものとなっている。

輸入盤の方が安価に購入できることや日本国内で販売されないリージョン1のDVD-Videoソフトも数多く存在することにより、輸入盤DVD-Videoを視聴したい消費者にとってリージョン制限が悩みの種となることがあり、消費者にはメリットの無いものであると言える。

実際にはどのリージョンのDVDでも再生することが可能(リージョンフリー)であるか、またはそのように改変することができるDVDプレーヤーが多く出回っている(後述)。

[編集] 世界のリージョンコード

リージョン コード 地域
0(ALL) どのリージョンにおいても利用可能(非公式)
1 バミューダ諸島カナダアメリカ合衆国 およびその保護下にある地域
2 中東諸国、西ヨーロッパ中央ヨーロッパエジプトフランス保護領、グリーンランド日本レソト南アフリカ および スワジランド
3 東南アジア香港マカオ韓国 および 台湾
4 中央アメリカカリブ海諸国メキシコオセアニア南アメリカ
5 アフリカ、旧ソビエト連邦諸国、インド亜大陸アフガニスタンモンゴル北朝鮮
6 中国本土
7 予備
8 航空機および旅客船などの国際領域での利用など

ヨーロッパではリージョン2に加えてサブコードのD1~D4が存在する。D1はイギリスのみで販売されているDVD、D2とD3はイギリスとアイルランド以外で販売されているDVD、D4はヨーロッパ全土で販売されているDVDに付されている。

1枚のDVDに複数のリージョンコードを付すこともできる。例えばリージョン2と4が付されたDVDはリージョン2・4両方の地域で流通・利用が可能。

日本とヨーロッパが同じリージョンに含まれているが、映像規格が異なる(NTSCPAL)ため、日本でヨーロッパ向けの作品を再生できない場合が多い。ただしパソコンでは再生できる。

「リージョン0」のDVD(リージョン1~6の6種類のコードが付されたDVD、リージョンフリーDVD)であれば世界中で視聴できる(ただし映像規格が同じである必要があるがパソコンでは再生可能)。Content Scramble System (CSS)を解除できるソフトウェアDVD DecrypterAnyDVDDVD Shrinkなど)であれば、特定のリージョンコードが付されたDVDをリージョンフリーにして複製することもできる。ヨーロッパではNTSCも再生できるプレイヤーが普及しているため「リージョン0」のNTSCの輸入盤DVDが普通に売られている。

[編集] DVDプレーヤー

DVDプレーヤーにもリージョンコードが付されており、DVDメディアとプレーヤーの両方のコードが一致した場合に、そのDVDは再生可能となる。しかし、リージョン1~6全てのDVDが再生可能なリージョン0のDVDプレーヤーも存在している。これに対しDVDメディア制作側はRegional Coding Enhancement (RCE)という制御技術を開発している。通常はプレーヤーがDVDのリージョンコードを認識して再生の可否を判断するが、RCEではDVDがプレーヤーのリージョンコードを照合し、DVD側のコードと一致した場合にのみ再生を許可する。プレーヤーがリージョン0である場合は不一致とされ再生されない。

近年は「マルチリージョン」を謳ったDVDプレーヤーが増えている。これはプレーヤーがDVDのリージョンコードを認識した際、それに一致するようにプレーヤー側のコードを自動的に変更したり、使用者が自分でプレーヤーのコードを変更できたりするものである。他にもDVDによるコードチェックをスルーするプレーヤーや最初からリージョン制限そのものを無効化しているプレーヤーもある。プレーヤーメーカーの中にはリージョン制限を無効にする方法を公表している所もある。

[編集] 法的問題

リージョン制限の無効化について現在、自由貿易協定を侵害しているとしてリージョンコードの法制化が検討されている。オーストラリア公正取引委員会(The Australian Competition and Consumer Commission, 略称ACCC)はリージョン制限を無効化するDVDプレーヤーについて取引慣行法に違反する恐れがあると警告している[1]ニュージーランド政府も同様の判断をしている[2]

これは即ち、オーストラリアとニュージーランド両国内で販売されているDVDプレーヤーのほとんどがリージョン0である可能性が高いことを示している。

日本でもプレイステーション2でリージョンフリーだったことがあったが世界のDVDプレイヤーメーカー間の協定や著作権法、不正競争防止法に違反していたことが問題となったため以後のバージョンでは2とALL以外のDVDは再生できない。

[編集] 次世代DVDでのリージョンコード

2規格が競合する次世代DVDの再生専用規格ではBlu-ray Discが映画企業の要望によりDVD-Videoに引き続きリージョンコードを導入した。リージョンA(南北アメリカ・日本を含む東~東南アジア)、リージョンB(ヨーロッパ・中東・アフリカ・オセアニア)、リージョンC(中国本土など中央アジア、インドなど南アジア、ロシア)の3地域に分類される。

日本は米国と同地域となったため輸入盤の購入がDVD-Videoに比べて容易になった。そのため、北米製のBlu-ray Disc(日本製のアニメーションも含む)には日本語の字幕が入っているものはほとんど存在しない。中国語やタイ語など、十数ヶ国語の字幕が入っているものでも日本語だけ抜けているなど、明らかに日本への輸出を防ごうという意図がはっきりと見えている。

一方HD DVDにはリージョンコードは導入されていない。

[編集] ゲームでのリージョンコード

ゲーム機においてもDVD-Videoのように地域別再生制限がかけられているものがある。ただしリージョンの区分はDVDと共通ではない。また、少なくとも日本においては、一般的な店舗に輸入ソフトが並ぶことはまず無いため、普通のユーザーがリージョンを意識する機会はほとんど無い。

ロムカセットが主流だった時代には発売地域ごとに形状を変えて本体への挿入を物理的に不可能とすることで他地域で発売されたソフトのプレイを制限する例が多かったが、光ディスクが採用されてからはソフトウェア側でリージョンを設定することが一般的となった。例えばプレイステーションプレイステーション2ニンテンドーゲームキューブWiiXboxXbox360などはソフトウェアとハードウェアにリージョンが設定されている。ソフトのリージョンとゲーム機本体のリージョンが一致しないと起動することができないが、DVDプレイヤーの例と同様に制限を無効化する手段が非公式に用いられている。

一方でリージョンが設定されていない(あるいは設定自体はあっても制限されない)ゲームソフトやゲームハードも存在する。ゲームボーイゲームボーイアドバンスニンテンドーDSプレイステーションポータブルプレイステーション3は、日本版のゲーム機であっても、例えばアメリカで発売されているほとんど全てのゲームソフトをプレイすることができる。(しかしその逆の、日本版のソフトと他地域のハードの組み合わせでは起動できない場合もある。)

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[編集] 脚注

  1. ^ Restricting DVD's illegal: ACCC(The Australian IT、2001年3月27日
  2. ^ DVD-ROM drives

[編集] 関連項目