大井川鐵道

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大井川鐵道株式会社
Ōigawa Railway Co., Ltd.
Daitetsu logomark.svg
Shin-Kanaya sta.,Shimada-city,Japan.jpg
新金谷駅(本社所在地)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 大鉄(だいてつ)
本社所在地 日本の旗 日本
428-8503
静岡県島田市金谷東二丁目1112-2[1]
新金谷駅[2]
北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度 / 34.8261833; 138.1370000座標: 北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度 / 34.8261833; 138.1370000
設立 1925年3月10日
業種 陸運業
法人番号 1080001013422 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業
代表者 代表取締役社長 鈴木 肇[1]
資本金 1億円
2018年3月31日現在[3]
売上高 16億7,649万3,000円
(2018年3月期[3]
営業利益 1億310万円
(2018年3月期[3]
純利益 2億1,756万5,000円
(2018年3月期[3]
純資産 35億9,782万6,000円
(2018年3月期[3]
総資産 45億7,198万8,000円
(2018年3月期[3]
決算期 3月31日
主要株主 エクリプス日高 100 %
2019年3月31日現在[4]
外部リンク https://daitetsu.jp/
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大井川鐵道株式会社(おおいがわてつどう)は、静岡県島田市に本拠を置き、大井川流域を基盤とする鉄道事業を主たる業務とする陸運業や観光[5]を営む企業である。大井川本線井川線の2つの鉄道路線を運営している[1]。略称は大鉄[注 1](だいてつ)。

全国登山鉄道‰会に加盟している[7]

概要[編集]

運営する鉄道路線のうち、大井川本線蒸気機関車 (SL) の動態保存、「南アルプスあぷとライン」の愛称がある井川線は現在日本唯一のアプト式ラック鉄道として知られる。他に2015年平成27年)まで寸又峡線の路線バス事業を手がけていたが、こちらは子会社の大鉄アドバンスに移管されている。

元々は大井川鉄道という会社名であったが、2000年(平成12年)10月1日子会社の大鉄技術サービスを存続会社とする形で合併し、翌2日大井川鐵道商号を改称した。

1976年昭和51年)に日本で初めてSLの動態保存を始めた鉄道で、現在でもほぼ毎日運行されている。また、SLの保存運転を行っている縁から、1977年(昭和52年)12月19日スイスブリエンツ・ロートホルン鉄道と姉妹鉄道提携を結んでいる。1996年(平成8年)8月10日に本社所在地の金谷町(現・島田市)がブリエンツ村と姉妹都市提携を結んだのも、この縁によるものである。1986年(昭和61年)1月25日には台湾阿里山森林鉄道とも姉妹鉄道提携を結んでいる。

大井川本線で運行されるSL列車かわね路号)に旧型客車を使用していることや沿線の風景から、第二次世界大戦戦前戦中に時代設定されているドラマ映画ロケーション撮影でよく使用される(沿線で撮影が行われた作品は「大井川鐵道大井川本線#大井川鉄道沿線でロケが行われた作品」を参照)。

なお、井川線は当初からSLが運用されてはいなかったが、イベント列車として千頭駅 - 川根両国駅間に並行していた側線[注 2] で走行したことがある[注 3]

大井川鐵道の鉄道事業収入は、沿線人口の減少などから、2010年代にはその9割をSLを目的とする観光客から得る構造となっている[8]定期券利用は収入ベースで1割以下、乗客数で約2割である[9]。しかし、東日本大震災発生後には団体バスツアー客などが減少し続けていることから2011年(平成23年)度から2期連続で最終赤字を計上している[10]。加えて、2013年(平成25年)8月に施行された貸切バス走行距離規制強化により、首都圏から沿線自治体のうち島田市北部および川根本町の距離が、規制強化後の走行距離制限値(1日当たり670 km)を僅かに上回ることになり、首都圏の大部分からの日帰りバスツアーが不可能となり[11]、これが要因となって同年4 - 12月期の団体ツアー客は前年同期より46 %減少し、収益をさらに悪化させていた[12]

このため、大井川鐵道は2014年(平成26年)2月3日に当時の社長伊藤秀生が記者会見を開き、経営合理化の一環としてのダイヤ改正を同年3月26日に実施することを明らかにした[8][12]。この中で、大井川本線では改正前[注 4]において1日14往復設定されている電車を「全線運転8往復と金谷 - 家山間区間運転1往復」に削減、また井川線では改正前[注 4]において全線運転4往復ならびに区間運転3往復(うち1往復は季節運転)設定されているところを「全線運転4往復+区間運転(1本)」に削減する、一方で大井川本線におけるSL列車の運転に関しては改正後も現行通りとする、と発表した[12][注 5]。この記者会見に先立ち伊藤社長は会見当日の午前に島田市役所を訪れ、沿線自治体である島田市と川根本町の両首長に対して存続について[12]や、経営支援策を検討する協議会の設置を要請[8]。これに対し島田市と川根本町は、静岡県などにも参加を呼び掛けて早期に協議会設置にこぎ着ける方針を示した[10]。なお、このダイヤ改正で2014年(平成26年)度に約2,300万円のコスト削減を見込むも「劇的な改善効果はない」(伊藤秀生社長談)として、前記の島田市と川根本町に対して補助金拠出や固定資産税減免などを要請する見通しと報じられた[10]

その後、2015年(平成27年)5月になって、地域経済活性化支援機構の支援の下、静岡銀行エクリプス日高[注 6] による再生計画が決定した[15]。これによると、エクリプス日高が名古屋鉄道が所有する株式の譲渡および第三者割当増資により大井川鐵道株式の約90 %を所有し、主要銀行から金融債権放棄を受けた上で再建にあたることになる。

2015年(平成27年)8月31日より名鉄グループを外れ、エクリプス日高の支援下で経営再建をスタートさせた[16][17]2017年(平成29年)6月16日にはエクリプス日高の完全子会社となった[18]

2019年(平成31年)4月静岡市にツアーセンターを開設し、2020年令和2年)には1月2日フジドリームエアラインズなどと協力して、富士山静岡空港発着の遊覧飛行と奥大井湖上駅訪問などを組み合わせた「富士山周遊フライトツアー」を開始[5]。同年には中部電力およびJTBの協力を得て通常は非公開の施設(井川ダム内部など)を見学できるツアー[19]を予定したり、沿線にある川根温泉ホテル宿泊と組み合わせた鉄道・バス2日間フリーきっぷを発売[20]したりするなど、観光利用を重視した経営努力を続けている。

企業以外の大鉄沿線振興の協力者としては、NPO法人クロスメディアしまだ(島田市)が「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」を毎年3月ごろに開催し、芸術家の現地滞在と作品展示による集客を行っている[9][21]。観光客向け事業については「#イベント」の節も参照。

2020年(令和2年)11月12日、島田市とともに複合施設「KADODE OOIGAWA」を開業し、併せて隣接する大井川本線に新駅「門出駅」を開業するとともに、「五和(ごか)駅」を「合格駅」に改称した[22][23]

沿革[編集]

各鉄道線の沿革については「大井川本線」、「井川線」の各項を参照のこと。

  • 1925年大正14年)3月10日 - 資本金300万円で静岡市に創立。金谷町に出張所を開設。
  • 1927年昭和2年)6月10日 - 金谷駅 - 横岡駅間で鉄道営業開始。
  • 1928年(昭和3年)
    • 7月 - 乗合自動車営業認可。
    • 8月 - 本社を東京市麹町区永楽町1丁目1番地に移転。
    • 10月 - 貸切自動車営業免許を取得。
  • 1929年(昭和4年)5月 - 資本金450万円に増資。
  • 1930年(昭和5年)3月 - 乗合自動車「島田線」の営業免許を取得。
  • 1931年(昭和6年)12月1日 - 大井川本線(金谷駅 - 千頭駅間)が全線開通。
  • 1932年(昭和7年)4月 - 乗合自動車「家山線」の営業を開始。
  • 1934年(昭和9年)12月 - 乗合自動車「掛川線」の営業認可。
  • 1946年(昭和21年)7月 - 大井川鉄道労働組合を結成。
  • 1949年(昭和24年)
    • 2月 - 金谷自動車営業所を開設。
    • 4月 - 資本金を2,950万円に増資。
    • 11月18日 - 大井川本線の全線電化工事を完了。
    • 12月1日 - 大井川本線が電化開業。
  • 1951年(昭和26年)7月 - 資本金を4,500万円に増資。
  • 1952年(昭和27年)7月 - 「大代線」乗合自動車の営業運転を開始。
  • 1953年(昭和28年)8月 - 資本金を8,000万円に増資。
  • 1956年(昭和31年)
    • 6月 - 乗合自動車「東山線」の営業を開始。
    • 12月 - 乗合自動車「井川線」の営業を開始。
  • 1958年(昭和33年)
    • 4月 - 乗合自動車「粟本線」の営業を開始。
    • 8月 - 資本金を1億500万円に増資。掛川貸切自動車営業所、井川自動車営業所を開設。乗合自動車「横岡 - 島田線」「中川根線」「塩上線」「菊川線」「神谷城線」の営業を開始。
    • 12月 - 家山自動車営業所を開設。
  • 1959年(昭和34年)
    • 2月 - 乗合自動車「島田市内循環線」の営業を開始。
    • 8月 - 中部電力専用鉄道を承継し、大井川鉄道井川線として営業運行を開始。
  • 1960年(昭和35年)
    • 6月 - 島田自動車営業所を開設。
    • 7月 - 乗合自動車「笹間線」の営業を開始。
  • 1962年(昭和37年)10月 - 資本金を1億5,750万円に増資。
  • 1963年(昭和38年)
    • 6月 - 掛川貸切自動車営業所が掛川市新町から城西に移転し掛川自動車営業所となる。
    • 8月 - 乗合自動車「金谷 - 静岡線」「掛川 - 静岡線」「井川 - 静岡線」の営業を開始。
    • 10月 - 静岡鉄道遠州鉄道と3社共同運行により「国道本線」(急行静岡浜松線)の営業を開始。
  • 1964年(昭和39年)
    • 4月 - 資本金2億1,000万円に増資。
    • 9月 - 貨物自動車の営業を開始[24]
  • 1966年(昭和41年)9月 - 静岡鉄道との相互乗入れにより乗合自動車「島田家山線」を開設[25]

鉄道路線[編集]

以下の2路線を経営している。各路線の運行形態などはそれぞれの項目を参照。

大井川本線と井川線とは建築限界が極端に異なり、共通するのは軌間だけである。千頭駅を境に大井川本線と井川線の運行ダイヤは分断されている。この分断は運賃にもみられ、同じ事業者でありながら、大井川本線と井川線相互間を乗車する場合でもそれぞれの運賃額を合算して算出する。乗車券は原則として通し購入可能だが、千頭駅で再購入する場合と同額となる。

乗車券は基本的には硬券で発売され、軟券補充券も用意されている。多種多様な企画乗車券の設定があり、そちらの利用が多い。また、静岡県内および特定の駅(東京駅名古屋駅など)との間には連絡乗車券も発売されており、大井川鐵道で購入した乗車券で大井川鐵道からJR線へ、JRで購入した乗車券でJR線から大井川鐵道へ乗り継いで行くことが可能である[26]

未成線[編集]

大井川鐵道にはかつて以下の鉄道計画が存在したが実現することはなかった(未成線)。

車両[編集]

上記の通り大井川本線と井川線は軌間こそ同じであるが、車両寸法などが大きく異なる。このため、大井川本線用の車両と井川線用の車両を別に記載する。

大井川本線用の車両[編集]

現有車両は、一部の電気機関車を除いたすべてが他社からの譲受車両である。SL列車用の蒸気機関車・客車の一部は鉄道車両としては大井川鐵道に在籍しているが、資産としては日本ナショナルトラストが所有している。

現有車両[編集]

電車
客車
蒸気機関車
電気機関車
貨車

導入予定車両[編集]

導入予定の車両については大井川鐵道での形式名が未発表であるため、便宜上の名称として譲受元での形式を記載する。

電車
  • 6000系
    老朽化した16000系1編成を置き換えるため、2020年(令和2年)7月に南海電気鉄道から6000系1編成2両(6016・6905)を譲受したもの。同月10日には6016の、同14日には6905の載線作業が新金谷駅構外側線(大代川側線)で行われた。同年度中の営業運転開始を予定していた[28]が、2022年(令和4年)4月現在も営業に入っていない。
客車
  • 12系
    旧型客車の負荷分散を目的に、西日本旅客鉄道(JR西日本)より「SLやまぐち号」で使用されていた12系レトロ客車)5両を譲受したもの。2018年(平成30年)2月26日に導入予定が発表され[29]、同年2月28日にオハフ13 701「展望車風客車」とオハ12 701「欧風客車」の2両の、翌3月1日にオハ12 702「昭和風客車」とスハフ12 702「明治風客車」、オハ12 703「大正風客車」の3両の載線作業が、大代川側線で行われた[30]
  • 14系
    旧型客車の負担分散のため、2016年(平成28年)6月北海道旅客鉄道(JR北海道)より「はまなす」で使用されていた14系4両を譲受したもの[31]。同年6月9日にスハフ14 502・557の2両の、同月11日にオハ14 511・535の2両の載線作業が大代川側線で行われた[32]
    譲受時点では2017年(平成29年)6月に運用を開始する予定[33]とされていたが、2018年(平成30年)3月の時点でも運用に入っていない[34]。12系同様、同年9月の時点では可能な範囲での整備中とされている[35]
    鉄道ファン』2018年12月号における車両区長のインタビューによると、2018年(平成30年)9月現在は大井川本線用に可能な範囲での整備中であり運行時期は未定である[35]
蒸気機関車

過去の車両[編集]

電車
  • モハ200形
  • モハ300形
  • クハ500形
    • クハ501
      元西武鉄道のクハ1209を譲受したもの。
    • クハ502
      元国鉄のモハ2310(宮城電気鉄道モハ602を国有化)を譲受したもの。
    • クハ503・クハ506
      元国鉄のクハ5803・クハ5804(三信鉄道に譲渡したデハ33500形を再び国有化)を譲受したもの。
    • クハ504
      元武蔵野鉄道のモハ234を譲受し、電装解除したもの。
    • クハ505
      元国鉄のクハユニ7203(富士身延鉄道のクハユニ303を国有化)を譲受したもの。1977年(昭和52年)に客車化されナハフ505となった。
    • クハ507
      元西武鉄道のモハ160を譲受し、電装解除したもの。
    • クハ508
      元名古屋鉄道のモ3359の車体と自社のモハ201の機器を組み合わせ、モハ201の改造名義で製作したもの。
  • モハ1100形
  • モハ1900形
    元・小田急電鉄デハ1900形 1906。6000系(初代)の新たな牽引用として1両のみ譲受した。入線に際し、連結面側の貫通路が閉鎖されている。1996年(平成8年)3月30日付で廃車。
  • 310系
  • 311系
  • 312系
  • 3800系
  • クハ86形
  • 420系
  • 1000系
  • 3000系(初代)
  • 3000系(2代)
  • 6000系
  • 6010系
気動車
客車
  • ハフ1形
    1927年(昭和2年)、鉄道省より払下げを受けた平岡工場製のハ1841[37] である。当初の大鉄での形式はハ1であったが1929年(昭和4年)に改造されハフとなった。1956年(昭和31年)12月27日付で廃車。
  • ハフ10形
    ハフ10は1956年(昭和31年)12月27日付で廃車。ハフ15は1941年(昭和16年)5月に貨車(チ3)に改造された。
  • ハフ30形
    1930年(昭和5年)に鉄道省より払下げを受けた鉄道車両会社製ハフ3015・3016[38]。1941年(昭和16年)5月に貨車(チ4・5)に改造された。
  • ニブ1形
  • ニ20形
    1970年(昭和45年)9月30日付で廃車。
  • ニ25形
    1965年(昭和40年)8月25日付で廃車。
  • ホハニフ100形
    1959年(昭和34年)12月9日付で廃車。
  • ナハフ500形
    SL列車の客車が不足したため、1977年(昭和52年)に前述のクハ500形 505を改造し、茶色塗装にした上で使用された。1984年(昭和59年)に休車となり、同年10月13日付で廃車された。
蒸気機関車
電気機関車
貨車

井川線用の車両[編集]

現有車両はいずれも自社で導入したものとなっている。貨車については鉄道車両としては大井川鐵道に在籍するが、所有は中部電力であり「c」が冠されている。

現有車両[編集]

客車
電気機関車
ディーゼル機関車
貨車

過去の車両[編集]

客車
蒸気機関車
  • 1号「いずも」
    「プラザロコ」で保存されている1「いずも」
    1921年大正10年)にオーレンシュタイン・ウント・コッペルで製造され、一畑軽便鉄道(現・一畑電気鉄道)が1922年(大正11年)に4両目の機関車として導入した、12.8 tで車軸配置0-6-0(ホワイト式)のタンク機である。一畑軽便鉄道が一畑電気鉄道に社名変更した上で、1928年(昭和3年)に電化された後の1929年(昭和4年)に廃車となり、七尾セメント(その後、磐城セメント七尾工場を経て住友セメント〈現・住友大阪セメント〉七尾工場)に売却され[41]、同社1号機として専用線貨物列車の入れ替えや牽引に使用されていた。
    用途廃止後は倉庫内で放置されていたが、1974年(昭和49年)に分解状態で発見され、プレスアイゼンバーン松本謙一前里孝が購入した上で動態復元され[42]、1977年(昭和52年)8月14日に入線。保存を委託された。大井川鉄道では、一畑軽便鉄道にちなんで「いずも」という愛称が一般公募により命名され[42]、同年10月7日より千頭駅 - 川根両国駅間を往復するミニSL列車(この列車自体は1970年〈昭和45年〉11月からの運行)の牽引機として使用された。1983年(昭和58年)には井川線規格に適合させるために煙突と運転台の屋根を切り詰める改造が行われ[42]、1984年(昭和59年)には井川線の客車を牽引して井川駅まで乗り入れた[43]。当時は井川湖の湖畔で遊覧運転をする計画があったという[43] が、実現には至っていない。
    1989年(平成元年)11月26日をもって前述のミニSL列車が運行終了。その後は七尾工場時代のスタイルに復元された上で、新金谷駅前の「プラザロコ」にて静態保存されている[44]
  • 10形
  • 1275形
  • 2100形
ディーゼル機関車

関連企業[編集]

  • 大鉄アドバンス - 「大鉄バス」の名称で乗合バス事業を、「大鉄観光バス」の名称で貸切バス事業を、「大鉄タクシー」の名称でタクシー事業を、「大鉄観光サービス」の名称で旅行業を行っている。
  • 掛川大鉄タクシー - 静岡県掛川市におけるタクシー事業。
  • 南アルプス産業 - 駅弁の製造・販売会社。2014年(平成26年)、東海軒にすべての事業を譲渡して解散。
  • 大鉄メディアクリエイト

大鉄アドバンス[編集]

大鉄アドバンスに譲渡された車両の例(千頭駅)

大鉄アドバンス(だいてつアドバンス)はバス事業やタクシー事業を中心とする大井川鐵道の子会社である。

以前は大井川鐵道本体で大井川本線の沿線に路線バス事業を展開していた。寸又峡線1路線のみの時期もあったが、2012年(平成24年)4月28日より、井川線に並行する形で閑蔵線の運行を開始し、2014年(平成26年)12月時点では寸又峡線と閑蔵線の2路線のみとなっていた。2015年(平成27年)1月から両路線とも関連会社の大鉄アドバンスに移管され、大井川鐵道本体はバス事業から撤退した[45]

大井川本線と接続するダイヤになっており、観光客利用が多い場合には続行便なども設定される。

また島田市コミュニティバスのうち、金谷地区の路線を運行受託している。

バス路線[編集]

寸又峡線
午前の下り、午後の上りの各1本は、もりのいずみにも停車。始発便は、学校の休校日は運休。下り最終便はデマンド運行。千頭駅から寸又峡温泉までの所要時間は40 - 45分。
閑蔵線
2012年(平成24年)4月28日運行開始。井川線よりかなり短い30分で千頭駅と閑蔵駅前を結ぶ。1日3往復(11月の土休日は4往復)。運賃も井川線より安い。
空港・新金谷線
しずてつジャストラインとの共同運行
  • 蓬莱橋 - 島田駅南口 - 島田市博物館 - 新金谷駅 - 金谷駅 - 富士山静岡空港
2019年(令和元年)7月20日運行開始。2022年(令和4年)3月27日のダイヤ改正により、蓬莱橋 - 新金谷駅間を延伸した。蓬莱橋 - 新金谷駅の区間便もある。

このほか、かつては静岡井川線を静岡鉄道バスと、静岡浜松線遠州鉄道バス・静岡鉄道バスと共同運行していた。また掛川市内にも路線を有していたが、こちらは1988年(昭和63年)に掛川バスサービスに全路線を譲渡して撤退している。他にも旧榛原郡金谷町内にも路線を有していたが、こちらも2004年(平成16年)に撤退し、金谷町自主運行バスを経て現在は島田市自主運行バスが代替している。

イベント[編集]

きかんしゃトーマス号[編集]

きかんしゃトーマス号

2011年(平成23年)の東日本大震災による観光需要の低下や2012年(平成24年)の関越道高速ツアーバス事故に伴う高速バス規制の強化[注 8]などの影響でSL列車の利用者が激減して経営再建問題が浮上した2014年(平成26年)より、期間限定で『きかんしゃトーマス』に登場する機関車「トーマス」や、その他のキャラクターの意匠を施したSLの運行および展示 (Day out with Thomas) を行っている[46]。また、2015年(平成27年)度より、クリスマス期間の運行も開始した[46]

姉妹鉄道[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 大井川鐵道への改称後も、公式には新字体の「大鉄」表記が使用されている[6]
  2. ^ かつて沿線に存在した製材所などの引込線があった側線で、「リバーサイド線」の愛称がのちに付けられていた。のちに千頭駅周辺の道路拡幅工事に伴い廃止されている。
  3. ^ のちに井川駅 - 堂平駅間でSL牽引による遊覧列車(ミニSL列車)の計画が持ち上がり、井川線規格の車両限界に合わせてキャブ(運転室)と煙突を切り詰めた「いずも号」と客車が入線したことがあるが、実現には至らなかった。
  4. ^ a b 2013年平成25年)10月19日改正施行ダイヤ[13]
  5. ^ ダイヤ改正後の井川線における運転本数に関しては、2014年(平成26年)2月19日時点において、大井川鐵道Webサイト上では「ただいま調整しております」としていたが[14]、『中日新聞』では既に「上下線で現行1日各4本と一部折り返しを、各3本と一部折り返しに減らす」と報じていた[12]
  6. ^ 北海道日高郡新ひだか町に本社を置き、同町内で「静内エクリプスホテル」を経営。外部リンク参照。
  7. ^ 2022年令和4年)2月時点で大井川鐵道は「(C56形で)走行している車両はない」としている[27]
  8. ^ バス運転手の運転距離制限が強化されたことで、都内からのバスツアーを運転手1人乗務で催行する場合において、SL乗車を行程に組み込むことが難しくなった。

出典[編集]

  1. ^ a b c 概要・沿革 - 大井川鐵道(2020年2月24日閲覧)
  2. ^ 大井川鐵道・ロケーションサービス(2020年2月24日閲覧)
  3. ^ a b c d e f 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  4. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
  5. ^ a b 「大井川鉄道 ツアー快走、魅力満載 5年で席数6倍/富士山遊覧やダム見学、地元企業とコラボ進む」日本経済新聞』朝刊2020年1月18日(静岡経済面)2020年2月16日閲覧
  6. ^ 大鉄のお弁当 大井川鐵道(2022年3月22日閲覧)
  7. ^ 全国登山鉄道‰(パーミル)会 - 南海電気鉄道(2020年2月24日閲覧)
  8. ^ a b c 静岡)電車の運行本数を大幅削減 大井川鉄道」『朝日新聞』、2014年2月4日。2014年2月19日閲覧。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。 ※記事全文の閲覧は要会員登録。
  9. ^ a b 「大井川鉄道、再生軌道に/トーマス・観光両輪 家族客・外国人ら注目」『日本経済新聞』朝刊2019年6月29日(静岡経済面)2020年2月24日閲覧
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参考文献[編集]

  • 飯島巌・白井良和『大井川鉄道』保育社、1986年
  • 白井良和「大井川鉄道」『鉄道ピクトリアル』No.436 1984年9月号
  • ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '96年版』交通新聞社、1996年
  • 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』JTBパブリッシング、2001年
  • 白川淳『現役蒸気機関車のすべて』JTBバブリッシング、2005年

外部リンク[編集]