今昔物語集の説話一覧

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この記事は今昔物語集の説話の一覧である。題名の読み下しは新日本古典文学大系(岩波書店)に従い、各話出典も主に同書によった。

巻第一 天竺[編集]

番号 題名 出典等
01:01 釈迦如来、人界に宿り給へる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』
01:02 釈迦如来、人界に生まれ給へる語 『過去現在因果経』、『仏本行集経』
01:03 悉達太子に在りて楽を受けたまへる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』。四門出遊
01:04 悉達太子を出でて山に入りたまへる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』
01:05 悉達太子、山に於て苦行したまへる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』
01:06 天魔菩薩成道を妨げむとせる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』
01:07 菩薩下に成道したまへる語 『過去現在因果経』、『釈迦譜』
01:08 釈迦五人の比丘の為に法を説きたまへる語 『過去現在因果経』、『法華経
01:09 舎利弗外道と術を競べたる語 賢愚経
01:10 提婆達多と諍ひ奉れる語 『仏本行集経』、『増一阿含経』など
01:11 婆羅門の城に入りて乞食し給へる語 大智度論
01:12 、勝蜜外道の家に行き給へる語 『申日児本経』
01:13 満財長者が家にの行き給へる語 増一阿含経
01:14 婆羅門の城に入りて教化し給へる語 大般涅槃経
01:15 提何長者、自然太子を得たる語 大般涅槃経
01:16 鴦堀魔羅の指を切れる語 央掘魔羅経
01:17 羅睺羅を迎へて出家せしめ給へる語 未曾有因縁経
01:18 難陀を教化して出家せしめ給へる語 『出曜経』、『雑宝蔵経』
01:19 夷母憍曇弥(きょうどんみ)、出家せる語 『中本起経』
01:20 耶輸多羅をして出家せしめたまへる語 本文欠
01:21 阿那律跋提、出家せる語 四分律
01:22 鞞羅羨(ひらせん)王子、出家せる語 『出家功徳経』
01:23 仙道王、の所に詣りて出家せる語 根本説一切有部律
01:24 郁伽長者、の所に詣りて出家せる語 本文欠
01:25 和羅多、出家しての弟子と成れる語 中阿含経
01:26 歳百二十に至りて始めて出家せる人の語 『賢愚経』
01:27 翁、の所に詣りて出家せる語 『賢愚経』
01:28 婆羅門、酔ひに依りて意ならず出家せる語 大智度論
01:29 波斯匿王阿闍世王と合戦せる語 『百縁経』
01:30 帝釈修羅と合戦せる語 『菩薩処胎経』など
01:31 須達長者祇園精舎を造れる語 注好選
01:32 舎衛国の勝義、施に依り富貴を得たる語 『以百因縁集』に同話
01:33 貧女、に糸を供養せる語 『大蔵一覧集』に類話
01:34 長者の家の牛、を供養せる語 『仏説乳光仏経』
01:35 舎衛城の人、伎楽を以てを供養せる語 『撰集百縁経』
01:36 舎衛城婆羅門、一匝りを遶れる語 『仏説菩薩本行経』
01:37 財徳長者の幼子、を称して難を遁れたる語 出典不明
01:38 舎衛国の五百の群賊の語 大般涅槃経

巻第二 天竺[編集]

番号 題名 出典等
02:01 の御父浄飯王死に給ひし時の語 『浄飯王般涅槃経』
02:02 摩耶夫人の為に忉利天に昇り給へる語 『摩訶摩経』
02:03 、病の比丘の恩に報い給へる語 『法句譬喩経』
02:04 卒堵波を排し給へる語 『大方便仏報恩経』
02:05 、人の家に六日宿りし給へる語 『六度集経』
02:06 老母、迦葉の教化に依りてに生まれ恩を報ぜる語 『摩訶迦葉度貧母経』
02:07 婢、迦旃延の教化に依りてに生まれ恩を報ぜる語 『賢愚経』
02:08 舎衛国の金天比丘の語 『賢愚経』
02:09 舎衛城の宝天比丘の語 『賢愚経』
02:10 舎衛城の金財比丘の語 『賢愚経』
02:11 舎衛城の宝手比丘の語 『撰集百縁経』
02:12 王舎城の灯指比丘の語 『灯指因縁経』
02:13 舎衛城の叔離比丘尼の語 『賢愚経』
02:14 阿育王の女子の語 『阿育王伝』
02:15 須達長者の蘇曼女、十卵を生ぜる語 『賢愚経』
02:16 天竺に、焼香に依りて口の香を得たる語 『経律異相』
02:17 迦毘羅城の金色長者の語 『撰集百縁経』
02:18 金地国の王、仏の所に詣づる語 『賢愚経』
02:19 阿那律天眼を得たる語 法苑珠林』など
02:20 薄牱羅(はつくら)、善報を得たる語 『付法蔵因縁伝』
02:21 天人、法を聞き法眼浄を得たる語 三宝感応要略録
02:22 常に天蓋を具せる人の語 『以百因縁集』に同話
02:23 樹提伽長者の福報の語 『樹提伽経』
02:24 波斯匿王の娘善光女の語 『雑宝蔵経』
02:25 波羅奈国の大臣、子を願へる語 『撰集百縁経』
02:26 前生に不殺生戒を持てる人、二国の王に生ぜる語 『経律異相』
02:27 天竺の神、鳩留長者の為に甘露を降らせたまへる語 『経律異相』
02:28 流離王釈種を殺せる語 増一阿含経
02:29 舎衛国の群賊、迦留陀夷を殺せる語 『鼻奈耶律』
02:30 波斯匿王毘舎離の三十二子を殺せる語 賢愚経
02:31 微妙比丘尼の語 賢愚経
02:32 舎衛国の大臣師質の語 『菩薩本行経』
02:33 天竺の、女子父が財宝を伝へざりし国の語 賢愚経
02:34 畜生の百の頭を具せる魚の語 賢愚経
02:35 天竺に異形の天人降れる語 出典不明
02:36 天竺の遮羅長者の子、閻婆羅の語 『撰集百縁経』
02:37 満足尊者、餓鬼界に至れる語 『出曜経』
02:38 天竺の祖子二人の長者、慳貪の語 『出曜経』
02:39 天竺の利群史比丘の語 『撰集百縁経』
02:40 曇摩美長者の奴、富那奇の語 『賢愚経』
02:41 舎衛城の婆提長者の語 増一阿含経

巻第三 天竺[編集]

番号 題名 出典等
03:01 天竺の毘舎離城の浄名居士の語 維摩詰所説経
03:02 文殊人界に生まれ給へる語 『広清涼伝』
03:03 目連の御音を聞かむが為に他の世界に行ける語 大宝積経』、『大智度論
03:04 舎利弗、攀縁して暫く籠居せる語 大智度論
03:05 舎利弗目連神通を競べたる語 増一阿含経
03:06 舎利弗阿難を慢づる語 注好選
03:07 、本の竜を伏せる語 大唐西域記
03:08 瞿婆羅の語 大唐西域記
03:09 の子、金翅鳥の難を免れたる語 注好選
03:10 金翅鳥の子、修羅の難を免れたる語 注好選
03:11 釈種竜王の聟と成れる語 大唐西域記
03:12 須達長者の家の鸚鵡の語 賢愚経
03:13 耶輸多羅宿業を説き給へる語 『仏本行集経』
03:14 波斯匿王の娘、金剛醜女の話 賢愚経
03:15 摩竭提国王、燼杭太子の語 賢愚経
03:16 貧女、現身に后と成れる語 出典不明
03:17 羅漢比丘を感ぜむが為にに在りし語 『雑宝蔵経』
03:18 二人の羅漢の弟子を駈へる比丘の語 出典不明
03:19 須達の家の老婢、道を得たる語 『観仏三昧海経』
03:20 頭陀し給ひて鸚鵡の家に行き給へる語 『仏説鸚鵡経』。鸚鵡は人名[1]
03:21 長者の家の屎尿を浄むる女、道を得たる語 賢愚経
03:22 盧至長者の語 盧至長者因縁経』
03:23 跋提長者の妻、慳貪女の語 増一阿含経
03:24 目連尊者の弟の語 『出曜経』
03:25 后、王勅を背きての所に詣れる語 大宝積経
03:26 迦旃延を以て罽賓国に遣はせる語 『雑宝蔵経』
03:27 阿闍世王父の王を殺せる語 観無量寿経、『大般涅槃経
03:28 涅槃に入らむとして衆会に告げ給へる語 長阿含経』、『大般涅槃経
03:29 涅槃に入り給はむとする時に、純陀供養を受け給へる語 大般涅槃経
03:30 涅槃に入り給はむとする時に、羅睺羅に遇ひたまへる語 『大悲経』
03:31 涅槃に入り給へる後、に入れたる語 大般涅槃経
03:32 涅槃の後、迦葉来るれる語 長阿含経
03:33 涅槃に入り給へる後、摩耶夫人下り給へる語 『摩訶摩耶経』
03:34 の御身を荼毘にせる語 大般涅槃経
03:35 八国の王、仏舎利を分けたる語 長阿含経

巻第四 天竺 付 仏後[編集]

番号 題名 出典等
04:01 阿難、法集堂に入れる語 大智度論
04:02 波斯匿王、羅睺羅(らごら)を請ぜる語 『注好選』
04:03 阿育王、后を殺して八万四千の塔を立てたる語 『釈迦譜』
04:04 [2]拏羅(くなら)太子眼を抉られ、法力に依りて眼を得たる語 『大唐西域記』
04:05 阿育王、地獄を造りて罪人を堕せる語 『大唐西域記』か
04:06 天竺の優婆崛多、弟子を試みたる語 『阿育王経』
04:07 優婆崛多、波斯匿王の妹に会へる語 『付法蔵因縁伝』、『大智度論
04:08 優婆崛多、天魔を降せる語 『付法蔵因縁伝』
04:09 天竺の陀楼摩和尚、所〃を行きて僧の行ひを見たる語 『心性罪福因縁集』
04:10 天竺の比丘僧沢、法性を観じて浄土に生まれたる語 『心性罪福因縁集』
04:11 天竺の羅漢の比丘、山人の子を打つに値へる語 『大唐西域記』
04:12 羅漢の比丘、国王に太子の死を教へたる語 『大唐西域記』
04:13 天竺の人、海の中にして悪竜に値へる人、比丘の教へに依りて害を免れたる語 『衆経撰雑譬喩』か
04:14 天竺の国王、山に入りて裸の女を見て衣を着しめたる語 『経律異相』
04:15 天竺の舎衛国の髪起長者の語 『経律異相』、『雑宝蔵経』
04:16 天竺の乾陀羅国の絵仏、二人の女の為に半身と成れる語 『大唐西域記』
04:17 天竺の仏、盗人の為に低けて眉間の玉を取られたる語 『大唐西域記』
04:18 天竺の国王、酔象を以て罪人を殺さしめたる語 『付法蔵因縁伝』
04:19 天竺の僧房の天井の鼠、経を聞きて益を得たる語 『注好選』
04:20 天竺の人、国王の為に妻を召さるる人、三帰を唱ふるに依りて蛇の害を免れたる語 『経律異相』
04:21 国王の為に過を負ひし人、三宝を供養して害を免れたる語 『経律異相』
04:22 波羅奈国の人、妻の眼を抉れる語 『以百因縁集』に同話
04:23 天竺の大天の語 阿毘達磨大毘婆沙論
04:24 竜樹、俗の時、隠形の薬を作れる語 『竜樹菩薩伝』
04:25 竜樹・提婆二菩薩、法を伝へたる語 『大唐西域記』
04:26 無着・世親二菩薩、法を伝へたる語 『大唐西域記』
04:27 護法・清弁二菩薩、空有を諍へる語 『大唐西域記』
04:28 天竺の白檀の観音、身を現じたる語 『大慈恩寺三蔵法師伝』
04:29 天竺の山人、入定の人を見たる語 『大唐西域記』
04:30 天竺の婆羅門、死人の頭を貫きて売れる語 『付法蔵因縁伝』
04:31 天竺の国王、乳を服して瞋りを成し耆婆を殺さむとせる語 『仏説奈女耆婆経』
04:32 震旦の国王の前に阿竭陀薬来れる語 出典不明
04:33 天竺の長者、婆羅門と牛突きの語 『四分律』
04:34 天竺の人の兄弟、金を持ちて山を通れる語 大智度論
04:35 仏の御弟子、田打つ翁に値へる語 『仏説五無返復経』
04:36 天竺の安息国の鸚鵡鳥の語 『三宝感応要略録』
04:37 執師子国の渚に大魚寄せたる語 『三宝感応要略録』
04:38 天竺の貧しき人、富貴を得たる語 『三宝感応要略録』
04:39 末田地阿羅漢、弥勒を造れる語 『三宝感応要略録』
04:40 天竺の貧しき女、法花経[3]を書写せる語 出典不明
04:41 子を恋ひて閻魔王の宮に至りし人の語 『法句譬喩経』

巻第五 天竺 付 仏前[編集]

番号 題名 出典等
05:01 僧迦羅五百の商人、共に羅刹国に至れる語 『大唐西域記』
05:02 国王、鹿を狩りに山に入りて娘師子に取られたる語 『大唐西域記』
05:03 国王、盗人の為に夜光る玉を盗まれたる語 『撰集百縁経』
05:04 一角仙人女人を負はれ、山より王城に来れる語 大智度論
05:05 国王山に入りて鹿を狩り、鹿母夫人を見て后とせる語 『大方便仏報恩経』
05:06 般沙羅王の五百の卵、初めて父母を知れる語 『倶舎論記』
05:07 波羅奈国の羅睺(らご)大臣、国王を罰たむとせる語 『大方便仏報恩経』
05:08 大光明王、婆羅門の為に頭を与えたる語 『大方便仏報恩経』
05:09 転輪聖王、求法の為に身を焼ける語 『大方便仏報恩経』
05:10 国王、求法の為に針を以て身を螫されたる語 『賢愚経』
05:11 五百人の商人、山を通りて水に餓ゑたる語 出典不明
05:12 五百の皇子、国王の御行に皆忽ちに出家せる語 『以百因縁集』に同話
05:13 三つの獣菩薩の道を行じ、菟身を焼ける語 原典は『ジャータカ』。『大唐西域記』を経由。
05:14 師子猿の子を哀れび、肉を割きて鷲に与へたる語 大方等大集経』、『大智度論
05:15 天竺の王宮焼くるに歎かざりし比丘の語 『以百因縁集』に同話
05:16 天竺の国王美菓を好み、人の美菓を与へたる語 『撰集百縁経』
05:17 天竺の国王、鼠の護りに依りて合戦に勝てる語 『大唐西域記』
05:18 身の色九色の鹿、山に住み河の辺りに出でて人を助けたる語 原典は『ジャータカ』。『九色鹿経』を経由。
05:19 天竺の亀、人の恩を報ぜる語 『六度集経』
05:20 天竺の狐、自ら獣の王と称して師子に乗り死にたる語 『弥沙塞部和醯五分律』
05:21 天竺の狐虎の威を借り、責められて菩提心を発せる語 原典は『ジャータカ』や『パンチャタントラ』。『注好選』を経由。
05:22 東城国の皇子善生人、阿就䫂女と通せる語 『大乗毘沙門功徳経』
05:23 舎衛国の鼻欠け猿、帝釈を供養せる語 『注好選』
05:24 亀、鶴の教へを信ぜずして地に落ち甲を破れる語 原典は『ジャータカ』や『パンチャタントラ』。『旧雑譬喩経』などを経由。
05:25 亀、猿の為に謀られたる語 原典は『ジャータカ』や『パンチャタントラ』。『注好選』を経由。
05:26 天竺の林の中の盲象、母の為に孝を致せる語 『大唐西域記』
05:27 天竺の象、足に枎(くひ)を蹈み立て人を謀りて抜かしめたる語 『大唐西域記』
05:28 天竺の五百の商人、大海において摩竭大魚に値へる語 大智度論
05:29 五人、大魚の肉を切りて食せる語 『賢愚経』
05:30 天帝釈の夫人舎脂の音を聞きし仙人の語 『阿毘曇毘婆沙論』
05:31 天竺の牧牛の人、穴に入りて出でず石と成れる語 『大慈恩寺三蔵法師伝』
05:32 七十に余る人を他国に流し遣りし国の語 『雑宝蔵経』

巻第六 震旦 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
06:01 震旦の秦の始皇の時に、天竺の僧渡れる語 打聞集』に同話
06:02 震旦の後漢の明帝の時に、仏法渡れる語 打聞集』に同話
06:03 震旦の梁の武帝の時に、達磨渡れる語 打聞集』に同話
06:04 康僧会三蔵、胡国に至りて仏舎利を行じ出せる語 打聞集』に同話
06:05 鳩摩羅焔(くまらえん)、仏を盗み奉りて震旦に伝へたる語 打聞集』に同話
06:06 玄奘三蔵、天竺に渡りて法を伝へて帰り来れる語 打聞集』に同話
06:07 善無畏三蔵、胎蔵界曼陀羅を震旦に渡せる語 『三宝感応要略録』
06:08 金剛智三蔵、金剛界曼陀羅を震旦に渡せる語 『三宝感応要略録』
06:09 不空三蔵、仁王呪を誦して験を現せる話 第九 『三宝感応要略録』
06:10 仏陀波利、尊勝真言を震旦に渡せる語 『三宝感応要略録』
06:11 震旦の唐の虞安良、兄の釈迦の像を造るに依りて活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:12 震旦の疑観寺の法慶、釈迦の像を造るに依りて活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:13 震旦の李大安、仏の助けに依りて、害せられしに活へるを得たる語 『冥報記』、『三宝感応要略録』
06:14 震旦の幽洲の都督張亮、雷に値ひしに、仏の助けに依りて命を存らへたる語 『冥報記』
06:15 震旦の悟真寺の恵鏡、弥陀の像を造りて極楽に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:16 震旦の安楽寺の恵海、弥陀の像を画きて極楽に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:17 震旦の開覚寺の道喩、弥陀の像を造りて極楽に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:18 震旦の并洲の張の元寿、弥陀の像を造りて極楽に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:19 震旦の并洲の道如、弥陀の像を造れる語 『三宝感応要略録』
06:20 江陵の僧亮、弥陀の像を鋳たる語 『三宝感応要略録』
06:21 震旦の淄洲の司馬、薬師仏を造りて活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:22 震旦の貧しき女、銭を薬師の像に供養して富を得たる語 『三宝感応要略録』
06:23 震旦の淄洲の女、薬師仏の助けに依りて平らかに産するを得たる語 『三宝感応要略録』
06:24 震旦の夏侯均、薬師の像を造りて活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:25 震旦の雋恵(せんゑ)、阿閦仏(あしゅくぶつ)を造りて歓喜国に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:26 震旦の国子祭酒粛璟、多宝を得たる語 『冥報記』
06:27 震旦の并洲の常慜(じょうみん)、天竺に渡りて盧舎那を礼せる語 『三宝感応要略録』
06:28 震旦の興善寺の含照、千仏を礼せる語 『三宝感応要略録』
06:29 震旦の汴洲(べんしゅう)の女、金剛界を礼拝して活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:30 震旦の沙弥、胎蔵界を念じて難を遁れたる語 『三宝感応要略録』
06:31 天竺の迦弥多羅、華厳経を震旦に伝へたる語 『三宝感応要略録』
06:32 震旦の僧霊幹、花厳経を講ぜる語 『三宝感応要略録』
06:33 震旦の王氏、華厳経の偈を誦して活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:34 震旦の空観寺の沙弥、花蔵世界を観じて活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:35 孫の宣徳、花厳経を書写せる語 『三宝感応要略録』
06:36 新羅の僧兪、阿含を受持せる語 『三宝感応要略録』
06:37 震旦の并洲の道如、方等を書写して浄土に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:38 震旦の会稽山の陰県の書生、維摩経を書写して浄土に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:39 震旦の法祖、閻魔王宮に於て楞厳経を講ぜる語 『三宝感応要略録』
06:40 震旦の道珍、始めて阿弥陀経を読める語 『三宝感応要略録』
06:41 張の居道、四巻経を書写して活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
06:42 義浄三蔵、最勝王経を訳せる語 『三宝感応要略録』
06:43 震旦の曇鸞、仙経を焼きて浄土に生れたる語 『三宝感応要略録』
06:44 震旦の僧感、観無量寿経阿弥陀経を持てる語 『三宝感応要略録』
06:45 震旦の梓洲の郪(せい)県の姚待、四部の大乗を写せる語 『三宝感応要略録』
06:46 震旦の張の謝敷、薬師経の力に依りて病を除ける語 『三宝感応要略録』
06:47 震旦の張の李通、薬師経を書写して命を延べたる語 『三宝感応要略録』
06:48 震旦の童児、寿命経を聞きて命を延べたる語 『三宝感応要略録』

巻第七 震旦 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
07:01 唐の玄宗、初めて大般若経を供養せる語 『三宝感応要略録』
07:02 唐の高宗の代に、書生大般若経を書写せる語 『三宝感応要略録』
07:03 震旦の豫洲の神母、般若を聞きて天に生ぜる語 『三宝感応要略録』
07:04 震旦の僧智、諳に大般若経二百巻を誦せる語 『三宝感応要略録』
07:05 震旦の并洲の道俊、大般若経を写せる語 『三宝感応要略録』
07:06 震旦の霊運、天竺に渡りて般若の在ます所を踏める語 『三宝感応要略録』
07:07 震旦の比丘、大品般若を読誦して天の供養を得たる語 『三宝感応要略録』
07:08 震旦の天水郡の志達、般若に依りて命を延べたる語 『三宝感応要略録』
07:09 震旦の宝室寺の法蔵、金剛般若を誦持して活へるを得たる語 『三宝感応要略録』
07:10 震旦の并洲の石壁寺の鴿、金剛般若経を聞きて人に生れたる語 『弘賛法華伝』
07:11 震旦の唐の代に、仁王般若の力に依りて雨を降らせたる語 『三宝感応要略録』
07:12 震旦の唐の代に、大山の廟に宿りして仁王経を誦せる僧の語 『三宝感応要略録』
07:13 恵表比丘、無量義経を震旦に渡せる語 『三宝感応要略録』
07:14 震旦の法花を持せる者、脣舌を現ぜる語 『三宝感応要略録』
07:15 僧、羅刹女の為に嬈乱(ねうらん)せられしに法花の力に依りて命を存らへたる語 弘賛法華伝
07:16 震旦の定林寺の普明、法花経を転読して霊を伏せる語 『弘賛法華伝』
07:17 震旦の会稽山の弘明、法花経を転読して鬼を縛せる語 『弘賛法華伝』
07:18 震旦の河東の尼、法花経を読誦して持経の文を改めたる語 『冥報記』
07:19 震旦の僧、行きて太山の廟に宿りして法花経を誦し神を見たる語 『冥報記』
07:20 沙弥、法花経を読むに二字を忘れしが遂に悟るを得たる語 『弘賛法華伝』
07:21 豫洲の恵果、法花経を読誦して厠の鬼を救へる語 『弘賛法華伝』
07:22 瓦官寺の僧恵道、活へりて後法花経を写せる語 『三宝感応要略録』
07:23 震旦の絳洲の孤山の僧、法花経を写して同法の苦を救へる語 『三宝感応要略録』
07:24 恵明、七巻を八座に分ちて法花経を講ぜる語 『三宝感応要略録』
07:25 震旦の絳洲の僧徹、法花経を誦して臨終に瑞相を現ぜる語 『冥報記』
07:26 震旦の魏洲の史、雀産武、前生を知りて法花を持せる語 『冥報記』
07:27 震旦の韋仲珪、法花経を読誦して瑞相を現ぜる語 『冥報記』
07:28 震旦の中書令峰文本、法花を誦して難を免れたる語 『冥報記』
07:29 震旦の都水の使者蘇長の妻、法花を持して難を免れたる語 『冥報記』
07:30 震旦の右監門の校尉、李山竜、法花を誦して活へるを得たる語 『冥報記』
07:31 馬を救はむが為に法花経を写して難を免れたる人の語 『冥報記』
07:32 清斉寺の玄渚、道明を救はむが為に法花経を写せる語 出典不明
三十三~四十話は欠話
07:41 震旦の仁寿寺の僧道愻(だうそん)、涅槃経を講ぜる語 『冥報記』
07:42 震旦の李思一、涅槃経の力に依りて活へれる語 『冥報記』
07:43 震旦の陳公の夫人豆盧氏、金剛般若を誦せる語 『冥報記』
07:44 河東の僧道英、法を知れる語 『冥報記』
07:45 震旦の幽洲の僧知菀(ちをん)、石の経蔵を造りて法門を納めたる語 『冥報記』
07:46 真寂寺の恵如、閻魔王の請を得たる語 『冥報記』
07:47 震旦の邵師弁、活へりて戒を持せる語 『冥報記』
07:48 震旦の華洲の張法義、懺悔に依りて活へれる語 『冥報記』

巻第八[編集]

巻第九 震旦 付 孝養[編集]

番号 題名 出典等
09:01 震旦の郭巨、老いたる母に孝りて黄金の釜を得たる語 『孝子伝』
09:02 震旦の孟宗、老いたる母に孝りて冬に笋を得たる語 『孝子伝』
09:03 震旦の丁蘭、木の母を造りて孝養を致せる語 『孝子伝』
09:04 魯洲の人、隣の人を殺して過を負はざる語 『孝子伝』
09:05 会稽洲の楊威、山に入りて虎の難を遁れたる語 『孝子伝』
09:06 震旦の張敷、死にたる母の扇を見て母を恋ひ悲しめる語 『孝子伝』
09:07 会稽洲の曹娥、父の江に入りて死にけるを恋ひて自らもまた身を江に投げたる語 『孝子伝』
09:08 欧尚、死にける父を恋ひて墓に奄を造りて居住せる語 『孝子伝』
09:09 震旦の禽堅、夷の域より父を迎へて孝養せる語 『孝子伝』
09:10 震旦の顔鳥、自ら父の墓を築ける語 『孝子伝』
09:11 震旦の韓伯瑜、母の杖を負ひて泣き悲しめる語 『孝子伝』
09:12 朱百年、悲しき母が為に寒き夜に衾を脱げる語 『孝子伝』
09:13 □人、父の銭を以て買ひ取りし亀を河に放てる語 『冥報記』
09:14 震旦の江都の孫宝、冥途に於て母を済ひて活へれる語 『冥報記』
09:15 河南の元大宝、死にて報を張叡冊の夢に告げたる語 『冥報記』
09:16 索冑、死にて沈裕の夢に官を得べき期を告げたる語 『冥報記』
09:17 震旦の隋の代の人、母の馬と成れるを得て泣き悲しめる語 『冥報記』
09:18 震旦の韋慶植、女子の羊と成れるを殺して泣き悲しめる語 『冥報記』
09:19 震旦の長安の人の女子、死にて羊と成りて客に告げたる語 『冥報記』
09:20 震旦の周の代の臣伊尹が子伯奇、死にて鳴と成りて継母に怨を報ぜる語 『孝子伝』
09:21 震旦の代洲の人、畋猟を好みて女子を失へる語 『冥報記』
09:22 震旦の兗洲(えんしう)の都督遂安公、死にし犬の責を免れたる語 『冥報記』
09:23 京兆の潘果、羊の舌を抜きて現報を得たる語 『冥報記』
09:24 震旦の冀洲の人の子、鶏の卵を食して現報を得たる語 『冥報記』
09:25 震旦の隋の代に、天女の姜略、鷹を好みて現報を感ぜる語 『冥報記』
09:26 震旦の隋の代に、李寛、殺生に依りて現報を得たる語 『冥報記』
09:27 震旦の周の武帝、鶏の卵を食せるに依りて冥途に至りて苦を受けたる語 『冥報記』
09:28 震旦の遂洲の摠管孔恪(そうくわんくかく)、活へりて懺悔を修せる語 『冥報記』
09:29 震旦の京兆の殷安仁、冥途の使に免されたる語 『冥報記』
09:30 震旦の魏郡の馬生嘉運、冥途に至りて活へるを得たる語 『冥報記』
09:31 震旦の柳智感、冥途に至りて帰り来れる語 『冥報記』
09:32 侍御史孫迴璞(そんのかいはく)、冥途の使の錯に依りて途より帰れる語 『冥報記』
09:33 震旦の大史令傅奕、冥途に行ける語 『冥報記』
09:34 震旦の刑部の侍郎宗行質、冥途に行ける語 『冥報記』
09:35 震旦の庾抱(ゆはう)、曾氏に殺されて怨を報ぜる語 『冥報記』
09:36 震旦の眭[4]仁蒨[5](すいのにんせん)、冥道の事を知らむと願へる語 『冥報記』
09:37 震旦の周善通、戒を破りたるに依りて現に財を失ひて遂に貧賤を得たる語 『冥報記』
09:38 後魏の司徒、三宝を信ぜずして現報を得て遂に死にたる語 『冥報記』
09:39 震旦の卞士瑜の父、功を価はずして牛と成れる語 『冥報記』
09:40 震旦の梁の元帝、誤ちて珠を呑みしに一の目眇める語 『冥報記』
09:41 隋の大業の代に、獄吏悪行に依りて、子の身に疵有りて死にたる語 『冥報記』
09:42 河南の人の婦、姑に蚯蚓の羹を食せしめたるに依りて現報を得たる語 『冥報記』
09:43 晋の献公の王子申生、継母麗姫の讒に依りて自ら死にたる語 『孝子伝』
09:44 震旦の莫耶、剣を造りて王に献じたるに子の眉間尺を殺されたる語 『孝子伝』
09:45 震旦の厚谷、父を謀りて不孝を止めたる語 『孝子伝』
09:46 三人、樹下に来り会ひて其の中の老いたるに孝れる語 『孝子伝』

巻第十 震旦 付 国史[編集]

番号 題名 出典等
10:01 秦の始皇、感楊宮に在りて世を政てる語 出典不明
10:02 漢の高祖、未だ帝王に在まさざりし時の語 出典不明
10:03 高祖、項羽を罰ちて始めて漢の代に帝王と為りし語 出典不明
10:04 漢の武帝、張騫を以て天河の水上を見しめたる語 俊頼髄脳
10:05 漢の前帝の后王照君、胡国に行ける語 俊頼髄脳
10:06 唐の玄宗の后上陽人、空しく老いたる語 白氏文集
10:07 唐の玄宗の后楊貴妃、皇の寵に依りて殺されたる語 白氏文集
10:08 震旦の呉招孝、流れたる詩を見て其の主を恋ひたる語 俊頼髄脳
10:09 臣下孔子に、道に行き値へる童子の問ひ申せる語 出典不明
10:10 孔子逍遥せしに、栄啓期に値ひて聞ける語 荘子
10:11 荘子、□粟を請ふ語 荘子
10:12 荘子人の家に行きたるに、主雁を殺して肴に備へたる語 荘子
10:13 荘子、畜類の所行を見て走り逃げたる語 荘子
10:14 費長房、夢に仙の法を習ひて蓬莱に至りて返れる語 出典不明
10:15 孔子、盗跖に教へむが為に其の家に行きしに怖ぢて返れる語 荘子
10:16 養由、天に十の日現じたる時、九つの日を射落せる語 『注好選』に同話
10:17 李広が箭、母に似たる巌に射立てる語 出典不明
10:18 霍大将軍、死せる妻に値ひて打たれて死にたる語 出典不明
10:19 不信蘇規、鏡を破り妻に与へて遠くに行きける語 『注好選』に同話
10:20 直心紀札、剣を猪君が墓に懸けたる語 『注好選』に同話
10:21 長安の女、夫に代りて枕を違へて敵の為に殺されたる語 『孝子伝』
10:22 宿駅の人、遺言に随ひて金を死にし人に副へて置きたるに徳を得たる語 出典不明
10:23 病、人の形と成りしが、医師其の言を聞きて病を治せる語 前半は『春秋左氏伝
10:24 震旦の賈誼、死にて後墓に於て文を子に教へたる語 出典不明
10:25 高鳳、并洲の刺史に任じて旧き妻を迎へたる語 出典不明
10:26 文君、箏に興じて値ひし相如と夫妻と成れる語 蒙求
10:27 震旦の三人の兄弟、家を売りしに荊の枯るるを見て、直を返して返り住める語 出典不明
10:28 震旦の国王、江に行きて魚を鉤りしに大きなる魚を見て怖れて返れる語 『三秦記』に類話
10:29 震旦の国王、愚かにして玉造の手を斬れる語 俊頼髄脳
10:30 漢の武帝、蘇武を胡塞に遣はせる語 俊頼髄脳
10:31 二つの国互に合戦を挑める語 出典不明
10:32 震旦の盗人、国王の倉に入りて財を盗みしに父を殺せる語 『生経』、『舅甥経』、『法苑珠林』
10:33 生贄を立つる国の王、此を止めて国を平げたる語 史記』、『蒙求』
10:34 聖人、后を犯して国王の咎を蒙りて天狗と成れる語 出典不明
10:35 国王、百丈の石の率堵婆を造りて工を殺さむとせる語 大乗荘厳経論
10:36 嫗の日毎に見し卒堵婆に血を付けたる語 宇治拾遺物語に同話
10:37 長安の市に粥を汲みて人に施せし嫗の語 『帰田録』に類話
10:38 海の中にして二つの竜戦ふに、猟師一つの竜を射殺して玉を得たる語 出典不明
10:39 燕丹、馬に角を生ひしめたる語 『注好選』に同話
10:40 利徳明徳、酒に興じて常に行き会へる語 『注好選』に同話

巻第十一 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
11:01 聖徳太子、此朝にして、始めて仏法を弘めたる語 三宝絵詞
11:02 行基菩薩、仏法を学びて、人を導ける語 日本往生極楽記
11:03 役の優婆塞、呪を誦持して、鬼神を駆へる語 (末尾欠) 日本霊異記
11:04 道照和尚、唐に亘りて、法相を伝へて還り来れる語 日本霊異記
11:05 道慈、唐に亘りて、三論を伝へて帰り来り、神叡、朝に在りて試みたる語 出典不明
11:06 玄昉僧正、唐に亘りて、法相を伝へたる語 出典不明
11:07 婆羅門僧正、行基に値はむが為に、天竺より朝に来れる語 冒頭は『三宝絵
11:08 鑑真和尚、震旦より朝に戒律を渡せる語 出典不明
11:09 弘法大師、宋に渡りて、真言の教へを伝へて帰り来れる語 金剛峰寺建立修行縁起』
11:10 伝教大師、宋に亘りて、天台宗を伝へて帰り来れる語 三宝絵
11:11 慈覚大師、宋に亘りて、顕密の法を伝へて帰り来れる語 法華験記
11:13 智証大師、宋に亘りて、顕密の法を伝へて帰り来れる語 『智証大師伝』
11:14 聖武天皇、始めて東大寺を造れる語 出典不明
11:15 淡海公、始めて山階寺を造れる語 出典不明
11:16 聖武天皇、始めて元興寺を造れる語 『菅家本諸寺縁起集』に同話
11:17 代〃の天皇、大安寺を所〃に造れる語 三宝絵』。末尾欠
11:18 天智天皇、薬師寺を造れる語 出典不明
11:19 高野姫天皇、西大寺を造れる語 出典不明。後半欠
11:20 光明皇后、法華寺を建てて、尼寺と為したる語 (本文欠)
11:22 聖徳太子、天王寺を建てたる語 三宝絵
11:23 推古天皇、本の元興寺を造れる語 出典不明
11:24 現光寺を建てて、霊仏を安置せる語 日本霊異記
11:25 久米の仙人、始めて久米寺を造れる語 出典不明。 久米仙人
11:26 弘法大師、始めて高野の山を建てたる語 金剛峰寺建立修行縁起』
11:27 伝教大師、始めて比叡の山を建てたる語 三宝絵』か
11:28 慈覚大師、始めて楞厳院を建てたる語 三宝絵』か
11:29 智証大師、門徒を初めて三井寺を立てたる語 打聞集』に同話
11:30 天智天皇、志賀寺を建てたる語 三宝絵
11:31 天智天皇の御子、笠置寺を始めたる語 出典不明
11:32 徳道聖人、始めて長谷寺を建てたる語 三宝絵
11:33 田村の将軍、始めて清水寺を建てたる語 『清水寺縁起』などに同話
11:34 秦川勝、始めて広隆寺を建てたる語 本文欠
11:36 藤原伊勢人、始めて鞍馬寺を建てたる語 散逸した『鞍馬寺縁起』
11:37 修行の僧明練、始めて信貴山を建てたる語 出典不明
11:38 □始めて竜門寺を建てたる語 散逸した『竜蓋寺記』か

巻第十二 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
12:01 越後の国の神融聖人、雷を縛りて塔を起てたる語 法華験記
12:02 遠江の国の丹生茅上、塔を起てたる語 日本霊異記
12:03 山階寺にして、維摩会を行へる語 三宝絵
12:04 大極殿にして、御斉会を行はれたる語 三宝絵
12:05 薬師寺にして、最勝会を行へる語 三宝絵
12:06 山階寺にして、涅槃会を行へる語 三宝絵
12:07 東大寺にして、花厳会を行へる語 東大寺要録』に同話
12:08 薬師寺にして、万灯会を行へる語 三宝絵
12:09 比叡の山にして、舎利会を行へる語 冒頭は『三宝絵
12:10 石清水にして、放生会を行へる語 出典不明
12:11 修行の僧広達、橋の木を以て仏の像を造れる語 日本霊異記
12:12 修行の僧、砂の底より仏の像を堀り出せる語 日本霊異記
12:13 和泉の国の尽恵寺の銅の像、盗人の為に壊られたる語 日本霊異記
12:14 紀伊の国の人、海に漂ひ仏の助けに依りて命を存したる語 日本霊異記
12:15 貧しき女、仏の助けに依りて富貴を得たる語 日本霊異記
12:16 獦者(かりびと)、仏の助けに依りて王難を免れたる語 日本霊異記
12:17 尼、盗まれたる所の持仏に自然に値ひ奉れる語 日本霊異記
12:18 河内の国の八多寺の仏、火に焼けざりし語 日本霊異記
12:19 薬師仏、身より薬を出して盲女に与へたる語 日本霊異記
12:20 薬師寺の食堂焼けて、金堂焼けざりし語 『薬師寺縁起』に関連記事
12:21 山階寺焼けて、更に建立せる間の語 古本説話集』に同話
12:22 法成寺にして、絵像の大日を供養せる語 出典不明
12:23 法成寺の薬師堂にして例時を始めし日に、瑞相を現じたる語 出典不明
12:24 関寺に駆ひし牛、迦葉仏の化せる語 古本説話集』に同話
12:25 伊賀の国の人の母、牛に生まれて子の家に来れる語 日本霊異記
12:26 法華経を入れ奉れる筥、自然に延びたる語 日本霊異記
12:27 魚化して法花経と成れる語 日本霊異記
12:28 肥後の国の書生、羅刹の難を免れたる語 法華験記
12:29 沙弥の持てる所の法花経、焼け給はざりし語 日本霊異記
12:30 尼願西の持てる所の法花経、焼け給はざりし語 前半は『法華験記
12:31 僧死にて後、舌残りて山に在りて法花を誦せる語 日本霊異記
12:32 横川の源信僧都の語 法華験記
12:33 多武の峰の増賀聖人の語 法華験記
12:34 書写の山の性空聖人の語 『性空聖人伝』
12:35 神名の睿実持経者の語 法華験記
12:36 天王寺の別当、道命阿闍梨の語 法華験記
12:37 信誓阿闍梨、経の力に依りて父母を活へらしめたる語 法華験記
12:38 天台の円久、葛木山にして仙人の誦経を聞ける語 法華験記
12:39 愛宕護の山の好延持経者の語 法華験記
12:40 金峰山の薊(あざみ)の嶽の良算持経者の語 法華験記

巻第十三 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
13:01 修行の僧義睿、大峰の持経仙に値へる語 法華験記
13:02 葛川に籠りし僧、比良の山の持経仙に値へる語 法華験記
13:03 陽勝、苦行を修して仙人と成れる語 法華験記
13:04 下野の国の僧、古き仙の洞に住せる語 法華験記
13:05 摂津の国の菟原の僧慶日の語 法華験記
13:06 摂津の国の多〃院の持経者の語 法華験記
13:07 比叡の山の西塔の僧道栄の語 法華験記
13:08 法性寺の尊勝院の僧道乗の語 法華験記
13:09 理満持経者、経の験を顕はせる語 法華験記
13:10 春朝持経者、経の験を顕はせる語 法華験記
13:11 一叡持経者、屍骸の読誦の音を聞ける語 法華験記
13:12 長楽寺の僧、山にして入定の尼を見たる語 出典不明
13:13 出羽の国の竜花寺の妙達和尚の語 法華験記
13:14 加賀の国の翁和尚、法花経を読誦せる語 法華験記
13:15 東大寺の僧仁鏡、法花を読誦せる語 法華験記
13:16 比叡の山の僧光日、法花を読誦せる語 法華験記
13:17 雲浄持経者、法花を誦して蛇の難を免れたる語 法華験記
13:18 信濃の国の盲僧、法花を誦して両の眼を開ける語 法華験記
13:19 平願持経者、法花経を誦して死を免れたる語 法華験記
13:20 石山の好尊聖人、法花経を誦して難を免れたる語 法華験記
13:21 比叡の山の僧長円、法花を誦して霊験を施せる語 法華験記
13:22 筑前の国の僧蓮照、身を諸の虫に食はしめたる語 法華験記
13:23 仏蓮聖人、法花を誦して護法を順へたる語 法華験記
13:24 一宿の聖人行空、法花を誦せる語 法華験記
13:25 周防の国の基灯聖人、法花を誦せる語 法華験記
13:26 筑前の国の女、法花を誦して盲ひを開ける語 法華験記
13:27 比叡の山の僧玄常、法花の四要品を誦せる語 法華験記
13:28 蓮長持経者、法花を誦して加護を得たる語 法華験記
13:29 比叡の山の僧明秀の骸、法花経を誦せる語 法華験記
13:30 比叡の山の僧広清の髑髏、法花を誦せる語 法華験記
13:31 備前の国の人、出家して法花経を誦せる語 法華験記
13:32 比叡の山の西塔の僧法寿、法花を誦せる語 法華験記
13:33 竜、法花の読誦を聞き、持者の語らひに依りて雨を降らして死にたる語 法華験記
13:34 天王寺の僧道公、法花を誦して道祖を教へる語 法華験記
13:35 僧源尊、冥途に行きて法花を誦して活へれる語 法華験記
13:36 女人、法花経を誦して浄土を見たる語 法華験記
13:37 無慚破戒の僧、法花の寿量一品を誦せる語 法華験記
13:38 盗人、法花の四要品を誦して難を免れたる語 出典不明
13:39 出雲の国の花厳法花二人の持者の語 法華験記
13:40 陸奥の国の法花最勝二人の持者の語 法華験記
13:41 法花経金剛般若二人の持者の語 法華験記
13:42 六波羅の僧講仙、法花を説くを聞きて益を得たる語 法華験記
13:43 女子、死にて蛇の身を受け、法花を説くを聞きて得脱せる語 出典不明
13:44 定法寺の別当、法花を説くを聞きて益を得たる語 法華験記

巻第十四 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
14:01 無空律師を救はむが為に、枇杷の大臣法花を写せる語 法華験記
14:02 信濃の国、蛇と鼠との為に法花を写して苦を救へる語 法華験記
14:03 紀伊の国の道成寺の僧、法花を写して蛇を救へる語 法華験記』。 ※道成寺安珍・清姫伝説
14:04 女、法花の力に依りて蛇身を転じて天に生まれたる語 出典不明
14:05 野干の死にたるを救はむが為に、法花を写せる人の語 法華験記
14:06 越後の国の国寺の僧、猿の為に法花を写せる語 法華験記
14:07 修行の僧、越中の立山に至りて小き女に会ひたる語 法華験記
14:08 越中の国の書生の妻、死にて立山の地獄に堕ちたる語 出典不明
14:09 美作の国の鉄堀り、穴に入りて、法花の力に依りて穴を出でたる語 法華験記
14:10 陸奥の国の壬生良門、悪を棄てて善に趣きて法花を写せる語 法華験記
14:11 天王寺、八講の為に法隆寺にして太子の疏(しよ)を写せる語 出典不明
14:12 醍醐の僧恵増、法花を持ちて前生を知れる語 法華験記
14:13 入道覚念、法花を持ちて前生を知れる語 法華験記
14:14 僧行範、法花経を持ちて前世の報いを知れる語 法華験記
14:15 越中の国の僧海蓮、法花を持ちて前世の報いを知れる語 法華験記
14:16 元興寺の蓮尊、法花経を持ちて前世の報いを知れる語 法華験記
14:17 金峰山の僧転乗、法花を持ちて前世を知れる語 法華験記
14:18 僧明蓮、法花を持ちて前世を知れる語 法華験記
14:19 備前の国の盲人、前世を知りて法花を持てる語 法華験記
14:20 僧安勝、法花を持ちて前生の報いを知れる語 法華験記
14:21 比睿の山の横川の永慶聖人、法花を誦して前世を知れる語 法華験記
14:22 比睿の山の西塔の僧春命、法花を読誦して前生を知れる語 法華験記
14:23 近江の国の僧頼真、法花を誦して前生を知れる語 法華験記
14:24 比睿の山の東塔の僧朝禅、法花を誦して前世を知れる語 法華験記
14:25 山城の国の神奈比寺の聖人、法花を誦して前世の報いを知れる語 法華験記
14:26 丹治比の経師、不信にして法花を写して死にたる語 日本霊異記
14:27 阿波の国の人、法花を写す人を謗りて現報を得たる語 日本霊異記
14:28 山城の国の高麗寺の栄常、法花を謗りて現報を得たる語 日本霊異記
14:29 橘敏行、願を発して冥途より返れる語 宇治拾遺物語』に同話
14:30 大伴忍勝、願を発して冥途より返れる語 日本霊異記
14:31 利荊女、心経を誦して冥途より返れる語 日本霊異記
14:32 百済の僧義覚、心経を誦して霊験を施せる語 日本霊異記
14:33 僧長義、金剛般若の験に依りて盲ひたるを開ける語 日本霊異記
14:34 壱演僧正、金剛般若を誦して霊験を施せる語 出典不明
14:35 極楽寺の僧、仁王経を誦して霊験を施せる語 古本説話集などに同話
14:36 伴義通、方広経を誦せしめて聾ひたるを開ける語 日本霊異記
14:37 方広経を誦せしめて父の牛と成れるを知れる語 日本霊異記
14:38 方広経を誦せる僧、海に入りて、死なずして返り来れる語 日本霊異記』、『三宝絵
14:39 源信内供、横川にして涅槃経を供養せる語 出典不明
14:40 弘法大師、修円僧都と挑める語 出典不明
14:41 弘法大師、請雨経の法を修して雨を降らせたる語 打聞集』に同話
14:42 尊勝陀羅尼の験力に依りて、鬼の難を遁れたる語 古本説話集』などに同話
14:43 千手陀羅尼の験力に依りて、蛇の難を遁れたる語 出典不明
14:44 山の僧、幡磨の明石に宿りて、貴き僧に値へる語 『真言伝』に同話
14:45 調伏の法の験に依りて、利仁の将軍死にたる語 出典不明

巻第十五 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
15:01 元興寺の智光・頼光、往生せる語 日本往生極楽記
15:02 元興寺の隆海律師、往生せる語 日本往生極楽記
15:03 東大寺の戒壇の和上明祐、往生せる語 日本往生極楽記
15:04 薬師寺の済源僧都、往生せる語 宇治拾遺物語』に同話
15:05 比叡の山の定心院の僧成意、往生せる語 日本往生極楽記
15:06 比叡の山の頸の下に癭(こぶ)有る僧、往生せる語 日本往生極楽記
15:07 梵釈寺の住僧兼算、往生せる語 日本往生極楽記
15:08 比叡の山の横川の尋静、往生せる語 日本往生極楽記
15:09 比叡の山の定心院の供僧春素、往生せる語 日本往生極楽記
15:10 比叡の山の僧明清、往生せる語 日本往生極楽記
15:11 比叡の山の西塔の僧仁慶、往生せる語 法華験記
15:12 比叡の山の横川の境妙、往生せる語 法華験記
15:13 石山の僧真頼、往生せる語 日本往生極楽記
15:14 醍醐の観幸入寺、往生せる語 出典不明
15:15 比叡の山の僧長増、往生せる語 出典不明
15:16 比叡の山の千観内供、往生せる語 日本往生極楽記
15:17 法広寺の僧平珍、往生せる語 日本往生極楽記
15:18 如意寺の僧増祐、往生せる語 日本往生極楽記
15:19 陸奥の国の小松寺の僧玄海、往生せる語 日本往生極楽記
15:20 信濃の国の如法寺の僧薬連、往生せる語 日本往生極楽記
15:21 大日寺の僧広道、往生せる語 日本往生極楽記
15:22 雲林院の菩提講を始めたる聖人、往生せる語 宇治拾遺物語』に同話
15:23 丹後の国の迎講を始めたる聖人、往生せる語 出典不明
15:24 鎮西の千日講を行ひたる聖人、往生せる語 出典不明
15:25 摂津の国の樹の上の人、往生せる語 日本往生極楽記
15:26 幡磨の国の賀古の駅の教信、往生せる語 日本往生極楽記
15:27 北山の餌取の法師、往生せる語 出典不明
15:28 鎮西の餌取の法師、往生せる語 法華験記
15:29 加賀の国の僧尋寂、往生せる語 法華験記
15:30 美濃の国の僧薬延、往生せる語 法華験記
15:31 比叡の山の入道真覚、往生せる語 日本往生極楽記
15:32 河内の国の入道尋祐、往生せる語 日本往生極楽記
15:33 源憩、病に依りて出家し往生せる語 日本往生極楽記
15:34 高階良臣、病に依りて出家し往生せる語 日本往生極楽記』、『法華験記
15:35 高階成順入道、往生せる語 法華験記
15:36 小松天皇の御孫の尼、往生せる語 日本往生極楽記
15:37 池上の寛忠僧都の妹の尼、往生せる語 日本往生極楽記
15:38 伊勢の国の飯高の郡の尼、往生せる語 日本往生極楽記
15:39 源信僧都の母の尼、往生せる語 三国伝記に同話
15:40 睿桓聖人の母の尼釈妙、往生せる語 法華験記
15:41 鎮西の筑前の国の流浪せる尼、往生せる語 出典不明
15:42 義孝の小将、往生せる語 部分的に『日本往生極楽記
15:43 丹波の中将雅通、往生せる語 法華験記
15:44 伊予の国の越智益躬、往生せる語 法華験記
15:45 越中の前司藤原仲遠、兜率に往生せる語 法華験記
15:46 長門の国の阿武大夫、兜率に往生せる語 『法華験記』
15:47 悪業を造れる人、最後に念仏を唱へて往生せる語 宝物集』に同話
15:48 近江守彦真の妻伴氏、往生せる語 日本往生極楽記
15:49 右大弁藤原佐世の妻、往生せる語 日本往生極楽記
15:50 女の藤原氏、往生せる語 日本往生極楽記
15:51 伊勢の国の飯高の郡の老いたる嫗、往生せる語 日本往生極楽記
15:52 加賀の国□郡の女、往生せる語 日本往生極楽記
15:53 近江の国の坂田の郡の女、往生せる語 日本往生極楽記
15:54 仁和寺の観峰威儀師の従の童、往生せる語 出典不明

巻第十六 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
16:01 僧行善、観音の助けに依りて震旦より帰り来れる語 日本霊異記
16:02 伊予の国の越智直、観音の助けに依りて震旦より返り来れる語 日本霊異記
16:03 周防の国の判官代、観音の助けに依りて命を存したる語 法華験記
16:04 丹後の国の成合観音の霊験の語 古本説話集』に同話
16:05 丹波の国の郡司、観音の像を造れる語 法華験記』などに同話
16:06 陸奥の国の鷹取の男、観音の助けに依りて命を存したる語 法華験記
16:07 越前の国の敦賀の女、観音の利益を蒙れる語 宇治拾遺物語』に同話
16:08 殖槻寺の観音、貧しき女を助け給へる語 後半は『日本霊異記
16:09 女人、清水の観音に仕りて、利益を蒙れる語 『三国伝記』に同話
16:10 女人、穂積寺の観音の利益を蒙れる語 日本霊異記
16:11 観音の落ちたる御頭、自然に継ぎたる語 日本霊異記
16:12 観音、火の難を遁れむが為に堂を去り給へる語 日本霊異記
16:13 観音、人の為に盗まれて後、自ら現じ給へる語 日本霊異記
16:14 御手代東人、観音を念じて富を得むと願へる語 日本霊異記
16:15 観音に仕りし人、竜宮に行きて富を得たる語 出典不明
16:16 山城の国の女人、観音の助けに依りて蛇の難を遁れたる語 法華験記
16:17 備中の国の賀陽良藤、狐の夫と為りて観音の助けを得たる語 『善家秘記』に同話
16:18 石山の観音、人を利せむが為に和歌の末を付けたる語 出典不明
16:19 新羅の后、国王の咎を蒙りて長谷の観音の助けを得たる語 宇治拾遺物語』に同話
16:20 鎮西より上りし人、観音の助けに依りて賊の難を遁れ命を持てる語 長谷寺霊験記に同話
16:21 鎮西に下りし女、観音の助けに依りて賊の難を遁れ命を持てる語 出典不明
16:22 瘂(おふし)の女、石山の観音の助けに依りて言を得たる語 『三国伝記』に同話
16:23 盲人、観音の助けに依りて眼を開ける語第二十三 日本霊異記
16:24 錯りて海に入りし人、観音の助けに依りて命を存したる語 出典不明
16:25 島に放たれし人、観音の助けに依りて命を存したる語 法華験記
16:26 盗人、箭を負ひて、観音の助けに依りて当らずして命を存したる語 法華験記
16:27 観音の助けに依りて、寺の銭を借りて、自然ら償へる語 日本霊異記
16:28 長谷に参りし男、観音の助けに依りて富を得たる語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話。わらしべ長者伝。
16:29 長谷の観音に仕りし貧しき男、金の死人を得たる語 出典不明
16:30 貧しき女、清水の観音に仕りて御帳を給はれる語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
16:31 貧しき女、清水の観音に仕りて金を給はれる語 出典不明
16:32 隠形の男、六角堂の観音の助けに依りて身を顕はせる語 出典不明
16:33 貧しき女、清水の観音に仕りて助けを得たる語 出典不明
16:34 無縁の僧、清水の観音に仕りて乞食の聟と成り便を得たる語 出典不明
16:35 筑前の国の人、観音に仕りて浄土に生まれたる語 法華験記
16:36 醍醐の僧蓮秀、観音に仕りて活へるを得たる語 法華験記
16:37 清水に二千度詣したる男、双六に打入れたる語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
16:38 紀伊の国の人、邪見不信にして現罰を蒙れる語 日本霊異記
16:39 招提寺の千手観音、盗人に値ひて辞びて取られざりし語 出典不明。後半欠
16:40 十一面観音、老翁に変じて山崎の橋柱に立ちたる語 本文欠

巻第十七 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
17:01 地蔵菩薩の変化に値遇せむと願ふ僧の語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:02 紀用方、地蔵菩薩に仕りて利益を蒙る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:03 地蔵菩薩、小僧の形に変じて箭を受くる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:04 地蔵菩薩を念ずるに依りて、主に殺さるる難を遁るる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:05 夢の告に依りて泥の中従り地蔵を堀り出だす語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:06 地蔵菩薩、火の難に値ひて自ら堂を出づる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:07 地蔵菩薩の教へに依りて幡磨の国の清水寺を始むる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:08 沙弥蔵念世に地蔵の変化と称る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:09 僧浄源、地蔵を祈りて絹を老たる母に与ふる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:10 僧仁康、地蔵を祈念して疫癘の難を遁るる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:11 駿河の国の富士の神主、地蔵を帰依する語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:12 地蔵を改め綵色する人、夢の告を得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:13 伊勢の国の人、地蔵の助けに依りて命を存する語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:14 地蔵の示に依りて鎮西従り愛宕護に移る僧の語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:15 地蔵の示に依りて愛宕護従り伯耆の大山に移る僧の語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:16 伊豆の国大島の郡に地蔵寺を建つる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:17 東大寺の蔵満、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:18 備中の国の僧阿清、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:19 三井寺の浄照、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:20 幡磨の国の公真、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 出典不明
17:21 但馬の前司□国挙、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:22 賀茂盛孝、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:23 地蔵の助けに依りて活へる人、六地蔵を造る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:24 聊に地蔵菩薩を敬ひて活へるを得る人の語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:25 地蔵を造る仏師を養ひて活へるを得る人の語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:26 亀を買ひて放ちし男、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:27 越中立山の地獄に堕つる女、地蔵の助けを蒙る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:28 京に住む女人、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:29 陸奥の国の女人、地蔵の助けに依りて活へるを得る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:30 下野の国の僧、地蔵の助けに依りて死期を知る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:31 説経の僧祥蓮、地蔵の助けに依りて苦を免かるる語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:32 上総守時重、法花を書写して地蔵の助けを蒙る語 散逸した『地蔵菩薩霊験記』
17:33 比叡の山の僧、虚空蔵の助けに依りて智を得る語 出典不明
17:34 弥勒菩薩、柴の上に化し給ふ語 日本霊異記
17:35 弥勒、盗人の為に壊られ叫び給ふ語 日本霊異記
17:36 文殊、行基に生まれ女人を見て悪み給ふ語 日本霊異記
17:37 行基菩薩、女人に悪しき子を教へ給ふ語 日本霊異記
17:38 律師清範の文殊の化身なることを知る語 出典不明
17:39 西の石蔵の仙久の普賢の化身なることを知る語 法華験記
17:40 僧光空、普賢の助けに依りて命を存する語 法華験記
17:41 僧貞遠、普賢の助けに依りて難を遁るる語 法華験記
17:42 但馬の国の古寺に於て毘沙門、牛頭の鬼を伏して僧を助くる語 法華験記
17:43 鞍馬寺に籠りて羅刹鬼の難を遁るる僧の語 散逸した『鞍馬寺縁起』
17:44 僧、毘沙門の助けに依りて金を産ましめて便を得る語 出典不明
17:45 吉祥天女の摂像を犯し奉る人の語 日本霊異記
17:46 王衆の女、吉祥天に仕りて富貴を得る語 日本霊異記
17:47 生江世経、吉祥天女に仕りて富貴を得る語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
17:48 妙見菩薩の助けに依りて盗まるる絹を得る語 日本霊異記
17:49 金就優婆塞、執金剛神に修行する語 日本霊異記
17:50 元興寺の中門の夜叉、霊験を施す語 (冒頭以外欠文) 出典不明

巻第十八[編集]

巻第十九 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
19:01 頭の少将良峰宗貞出家する語 出典不明
19:02 参河守大江定基出家する語 宇治拾遺物語』に同話
19:03 内記慶滋の保胤出家する語 前半は『宇治拾遺物語』と同話
19:04 摂津守源満仲出家する語 宝物集に同話
19:05 六宮の姫君の夫出家する語 古本説話集』に同話
19:06 鴨の雌、雄の死せる所に来たるを見て出家する人の語 出典不明
19:07 丹後守保昌朝臣の郎等、母の鹿と成りたるを射て出家する語 出典不明
19:08 西の京に鷹を仕ふ者、夢を見て出家する語 散逸した『宇治大納言物語』か
19:09 小児に依りて硯を破る侍出家する語 出典不明
19:10 春宮の蔵人宗正出家する語 出典不明
19:11 信濃の国の王藤観音出家する語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
19:12 鎮西の武蔵寺に於て翁出家する語 宇治拾遺物語』に同話
19:13 越前守藤原孝忠の侍出家する語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
19:14 讃岐の国の多度の郡の五位、法を聞きて即ち出づる語 出典不明
19:15 公任大納言、出家して長谷に籠居する語 第十六 (本文欠)
19:17 村上天皇の御子大斉院の出づる語 古本説話集』に同話
19:18 三条の大皇大后の宮の出家したまふ語 前半は『宇治拾遺物語』に同話
19:19 東大寺の僧、山に於て死にたる僧に値ふ語 出典不明
19:20 大安寺の別当の娘の許に蔵人の通ふ語 宇治拾遺物語』に同話
19:21 仏物の餅を以て酒を造り蛇を見る語 出典不明
19:22 寺の別当の許の麦縄、蛇と成る語 出典不明
19:23 般若寺の覚縁律師の弟子の僧、師の遺言を信ふ語 出典不明
19:24 師に代りて太山府君の祭りの都状に入る僧の語 出典不明
19:25 滝口藤原忠兼実の父得任を敬ふ語 出典不明
19:26 下野の公助、父敦行の為に打たれて逃げざる語 出典不明
19:27 河辺に住む僧、洪水に値ひて子を棄て母を助くる語 出典不明
19:28 僧蓮円、不軽の行を修して死にたる母の苦しびを救ふ語 出典不明
19:29 亀、山陰中納言に恩を報ずる語 出典不明
19:30 亀、佰済の弘済に恩を報ずる語 日本霊異記
19:31 髑髏、高麗の僧道登に恩を報ずる語 日本霊異記
19:32 陸奥の国の神、守平維叙に恩を報ずる語 出典不明
19:33 東三条の内の神、僧に恩を報ずる語 出典不明
19:34 比叡の山の天狗、助けたる僧に恩を報ずる語 第三十五 出典不明
19:36 薬師寺の舞人玉手公近、盗人に値ひて命を存する語 出典不明
19:37 比叡の山の大智房の檜皮葺の語 出典不明
19:38 比叡の山の大鍾、風の為に吹き辷ばさるる語 出典不明
19:39 美濃守の侍の五位、急難を遁れて命を存する語 出典不明
19:40 検非違使忠明、清水に於て敵に値ひて命を存する語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
19:41 清水に参る女子、前の谷に落ち入りて死なざる語 古本説話集』に同話
19:42 滝蔵の礼堂倒れて数の人死ぬる語 出典不明
19:43 貧しき女の棄つる子を取りて養ふ女の語 出典不明
19:44 達智門の棄子に狗、蜜に来て乳を飲ましむる語 出典不明

巻第二十 本朝 付 仏法[編集]

番号 題名 出典等
20:01 天竺の天狗、海の水の音を聞きて此の朝に渡る語 出典不明
20:02 震旦の天狗智羅永寿、此の朝に渡る語 『真言伝』に同話
20:03 天狗、仏と現じて木末に坐す語 宇治拾遺物語』に同話
20:04 天狗を祭る僧、内裏に参りて現に追はるる語 日本紀略』に相当記事
20:05 仁和寺の成典僧正、尼天狗に値ふ語 出典不明
20:06 仏眼寺の仁照阿闍梨の房に天狗の託きたる女来たる語 出典不明
20:07 染殿の后、天宮の為に嬈乱(ねうらん)せらるる語 『善家秘記』に同話
20:08 良源僧正、霊と成りて観音院に来たり余慶僧正を伏する語 第九 出典不明
20:10 陽成院の御代に滝口、金の使に行く語 宇治拾遺物語』に同話
20:11 竜王、天狗の為に取らるる語 出典不明
20:12 伊吹の山の三修禅師、天宮の迎へを得る語 宇治拾遺物語』に同話
20:13 愛宕護の山の聖人、野猪に謀らるる語 宇治拾遺物語』に同話
20:14 野干、人の形と変じて僧を請じて講師と為す語 第十五 日本霊異記
20:16 豊前の国の膳広国、冥途に行きて帰り来たる語 日本霊異記
20:17 讃岐の国の人、冥途に行きて還り来たる語 日本霊異記
20:18 讃岐の国の女冥途に行きて、其の魂還りて他の身に付く語 日本霊異記
20:19 橘磐島、使に賂ひして冥途に至らざる語 日本霊異記
20:20 延興寺の僧恵脨[6](ゑらい)、悪業に依りて牛の身を受くる語 日本霊異記
20:21 武蔵の国の大伴赤麿、悪業に依りて牛の身を受くる語 日本霊異記
20:22 紀伊の国名草の郡の人、悪業を造りて牛の身を受くる語 日本霊異記
20:23 比叡の山の横川の僧、小さき蛇の身を受くる語 出典不明
20:24 奈良の馬庭の山寺の僧、邪見に依りて蛇の身を受くる語 日本霊異記
20:25 古京の人、乞食を打ちて現報を感ずる語 日本霊異記
20:26 白髪部猪麿、乞食の鉢を打ち破りて現報を感ずる語 日本霊異記
20:27 長屋親王、沙弥を罰ちて現報を感ずる語 日本霊異記
20:28 大和の国の人、菟を捕へて現報を感ずる語 日本霊異記
20:29 河内の国の人、馬を殺して現報を得る語 日本霊異記
20:30 和泉の国の人、鳥の卵を焼き食ひて現報を得る語 日本霊異記
20:31 大和の国の人、母の為に不孝なるに依りて現報を得る語 日本霊異記
20:32 古京の女、不孝なるが為に現報を感ずる語 日本霊異記
20:33 吉志火麿、母を殺さむとして現報を得る語 日本霊異記
20:34 出雲寺の別当浄覚、父の成りし鯰の肉を食ひて現報を得て忽ち死ぬる語 宇治拾遺物語』に同話
20:35 比叡の山の僧心懐、嫉妬に依りて現報を感ずる語 出典不明
20:36 河内守、慳貪に依りて現報を感ずる語 出典不明
20:37 財に耽りて、娘を鬼の為に噉(だん)ぜられ悔ゆる語 日本霊異記
20:38 石川の沙弥、悪業を造りて現報を得る語 日本霊異記
20:39 清滝河の奥の聖人、慢を成して悔ゆる語 宇治拾遺物語』に同話
20:40 義紹院、知らぬ化人に施を返されて悔ゆる語 出典不明
20:41 高市の中納言、正直に依りて神を感ぜしむる語 日本霊異記
20:42 女人、心の風流に依りて感応を得て仙と成る語 日本霊異記
20:43 勘文に依りて左右の大将慎むべきに、枇杷の大臣慎まざる語 宇治拾遺物語』に同話
20:44 下毛野敦行、我が門徒り死人を出だす語 宇治拾遺物語』に同話
20:45 小野篁、情けに依りて西三条の大臣を助くる語 出典不明
20:46 能登守、直しき心に依りて国を息め財を得る語 出典不明

巻第二十一[編集]

巻第二十二 本朝[編集]

番号 題名 出典等
22:01 大織冠、始めて藤原の姓を賜はる語 日本書紀』に相当記事。乙巳の変
22:02 淡海公を継ぐ四つの家の語 大鏡』に同話
22:03 房前の大臣北家を始むる語 大鏡』に関連話
22:04 内麿の大臣、悪しき馬に乗る語 大鏡』に関連話。藤原内麻呂 § 逸話を参照
22:05 閑院冬嗣の右大臣并に子息の語 大鏡』に関連話
22:06 堀河大政大臣基経の語 大鏡』に同話
22:07 高藤の内大臣の語 世継物語』に同話。 藤原高藤 § 逸話を参照
22:08 時平の大臣国経の大納言の妻を取る語 前半は『大鏡』、後半は『世継物語』に同話。末尾欠。 谷崎潤一郎少将滋幹の母』の原拠の一つ。藤原国経 § 逸話を参照

巻第二十三 本朝[編集]

番号 題名 出典等
一~十二話は欠話
23:13 平維衡同じき致頼、合戦をして咎を蒙る語 出典不明。平維衡平致頼を参照
23:14 左衛門尉平致経明尊僧正導く 出典不明
23:15 陸奥の前司橘則光、人を切り殺す語 宇治拾遺物語』11巻8話に同話。橘則光を参照
23:16 駿河の前司橘季通、構へて逃ぐる語 宇治拾遺物語』2巻9話に同話
23:17 尾張の国の女、美濃狐を伏する語 日本霊異記』中巻4話。道場法師の孫娘の話
23:18 尾張の国の女、細畳を取り返す語 日本霊異記』中巻27話。道場法師の孫娘の話
23:19 比叡の山の実因僧都の強力の語 出典不明
23:20 広沢寛朝僧正の強力の語 宇治拾遺物語』14巻2話に同話
23:21 大学の衆、相撲人成村を試むる語 宇治拾遺物語』2巻13話に同話
23:22 相撲人海恒世、蛇に会ひて力を試むる語 宇治拾遺物語』14巻3話に同話
23:23 相撲人私市宗平、を投げ上ぐる語 出典不明
23:24 相撲人大井光遠が妹の強力の語 宇治拾遺物語』13巻6話に同話
23:25 相撲人成村、常世と勝負する語 出典不明
23:26 兼時敦行競馬の勝負の語 古今著聞集』に同話

巻第二十四 本朝 付 世俗[編集]

番号 題名 出典等
24:01 北辺の大臣長谷雄の中納言の語 世継物語』に同話
24:02 高陽親王人形を造りて田の中に立つる語 出典不明
24:03 小野宮大饗九条の大臣、打衣を得る語 宇治拾遺物語』7巻6話に同話
24:04 爪の上に於て勁刷を返す男と針を返す女の語 出典不明
24:05 百済川成飛弾と挑む語 出典不明。百済河成を参照
24:06 擲の寛蓮、碁擲の女に値ふ語 前半は『古事談』に同話
24:07 典薬の寮に行きて病を治する女の語 出典不明
24:08 女、医師の家に行きてを治して逃ぐる語 出典不明
24:09 蛇に嫁ぐ女を医師治する語 日本霊異記』中巻41話
24:10 震旦の僧長秀、此の朝に来て医師に仕はるる語 出典不明
24:11 忠明、竜に値ふ者を治する語 出典不明
24:12 雅忠、人の家を見ての病有を指す語
12:13 慈岳川人、地の神に追はるる語 出典不明
24:14 天文博士弓削是雄夢を占ふ 『善家異説』
24:15 賀茂忠行を子の保憲に伝ふる語 出典不明
24:16 安倍晴明忠行に随ひてを習ふ語 後半は『宇治拾遺物語』11巻3話に同話。安倍晴明を参照
24:17 保憲晴明と共に覆ふ物を占ふ語
24:18 陰陽の術を以て人を殺す語 宇治拾遺物語』10巻9話に同話
24:19 幡磨の国陰陽師智徳法師の語 出典不明
24:20 人の妻悪霊と成り其の害を除く陰陽師の語 出典不明
24:21 僧登照、朱雀門の倒るるを相ずる 出典不明
24:22 俊平入道の弟、算の術を習ふ語 宇治拾遺物語』14巻11話に同話
24:23 源博雅の朝臣、会坂の許に行く語 江談抄』に同話。蝉丸を参照
24:24 玄象といふ琵琶、鬼の為に取らるる語 江談抄』に類話。源博雅を参照
24:25 三善清行の宰相と、紀長谷雄と口論の語 江談抄』に同話
24:26 村上天皇と、菅原文時を作り給ふ語 江談抄』に同話
24:27 大江朝綱の家の尼、読みを直す語 江談抄』に同話
24:28 天神、御製の読みを人の夢に示し給ふ語 江談抄』に同話
24:29 藤原資業の作る義忠難ずる 江談抄』に同話
24:30 藤原為時を作りて越前守に任ぜらるる語 古事談』に同話。藤原為時を参照
24:31 延喜の御屏風伊勢の御息所和歌を読む語 出典不明
24:32 敦忠の中納言南殿の桜を和歌に読む語 『宝物集』に同話
24:33 公任の大納言屏風和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:34 公任の大納言白川の家に於て和歌を読む語 冒頭は『古本説話集』に同話
24:35 在原業平の中将、東の方に行きて和歌を読む語 伊勢物語
24:36 業平、右近の馬場に於て女を見て和歌を読む語 伊勢物語
24:37 藤原実方の朝臣、陸奥の国に於て和歌を読む語 後拾遺和歌集』に同話
24:38 藤原道信の朝臣、父に送れて和歌を読む語 出典不明
24:39 藤原義孝の朝臣、死にて後和歌を読む語 後拾遺和歌集』に同話
24:40 円融院御葬送の夜、朝光の卿和歌を読む語 後拾遺和歌集』に同話
24:41 一条院の失せ給ひて後、上東門院和歌を読む語 後拾遺和歌集』に同話
24:42 朱雀院の女御失せ給ひて後、女房和歌を読む語 出典不明
24:43 土佐守紀貫之、子死にて和歌を読む語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話。『土佐日記』に類話
24:44 安陪仲麿に於て和歌を読む語 古今和歌集』に同話
24:45 小野篁隠岐の国流さるる和歌を読む語 古今和歌集』に同話
24:46 河原院に於て歌読共来たりて和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:47 伊勢の御息所、幼き時和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:48 参河守大江定基、送り来たりて和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:49 七月十五日を立つる女、和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:50 筑前守源道済の侍の妻、最後に和歌読みて死ぬる 出典不明
24:51 大江匡衡の妻赤染和歌を読む語 古本説話集』に同話
24:52 大江匡衡和琴和歌に読む語 前半は『古本説話集』に同話
24:53 祭主大中臣輔親郭公和歌に読む語 後拾遺和歌集』に同話
24:54 陽成院の御子元良親王和歌を読む度 出典不明
24:55 大隅の国郡司和歌を読む語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』に同話
24:56 播磨の国郡司の家の女、和歌を読む語 宇治拾遺物語』に同話
24:57 藤原惟規和歌を読みて免さるる語 俊頼髄脳

巻第二十五 本朝 付 世俗[編集]

番号 題名 出典等
25:01 平将門、謀反を発し誅せらるる語 将門記』。平将門の乱
25:02 藤原純友海賊に依りて誅せらるる語 出典不明。『吉記養和元年(1181年)8月20日に関連記事[7]藤原純友の乱
25:03 源充平良文と合戦する語 出典不明。平良文を参照
25:04 平維茂が郎等、殺さるる語 出典不明
25:05 平維茂、藤原諸任を罰つ語 出典不明
25:06 春宮の大進源頼光の朝臣、狐を射る語 出典不明
25:07 藤原保昌の朝臣、盗人の袴垂に値ふ語 宇治拾遺物語』2巻10話に同話
25:08 源頼親の朝臣、清原__を罰た令むる語 本文欠。清原致信殺害事件か[8]
25:09 源頼信の朝臣、平忠恒を責むる語 宇治拾遺物語』11巻4話に同話。平忠常の乱
25:10 頼信の言に依りて平貞道、人の頭を切る語 出典不明
25:11 藤原親孝、盗人の為に質に捕へられ頼信の言に依りて免す語 出典不明
25:12 源頼信の朝臣の男頼義、馬盗人を射殺す語 出典不明
25:13 源頼義の朝臣、安陪貞任等を罰つ語 陸奥話記』。前九年の役
25:14 源義家の朝臣、清原武衡等を罰つ語 本文欠。後三年の役

巻第二十六 本朝 付 宿報[編集]

番号 題名 出典等
26:01 但馬の国にして鷲、若子を爴(つか)み取る語 日本霊異記』上巻9話
26:02 東の方に行く者、蕪を娶ぎて子を生む語 出典不明
26:03 美濃の国因幡河水出でて人を流す語 出典不明
26:04 藤原明衡の朝臣、若き時女の許に行く語 宇治拾遺物語』2巻11話に同話
26:05 陸奥の国官大夫の介の子の語 出典不明
26:06 継母、悪霊託きたる人の家に継娘を将て行く語 本文欠
26:07 美作の国の神、猟師の謀に依りて生贄を止むる語 宇治拾遺物語』10巻6話に同話
26:08 飛弾の国猿神生贄を止むる語 出典不明
26:09 加賀の国と諍ふ島に行きたる人、蛇を助けて島に住む語 出典不明
26:10 土佐の国の妹兄、知らぬ島に行きて住む語 宇治拾遺物語』4巻4話に同話。 沖の島 (高知県) § 歴史を参照
26:11 参河の国に、犬頭の糸を始むる語 出典不明。犬頭神社を参照
26:12 能登の国鳳至の孫、帯を得る語 出典不明
26:13 兵衛佐の主、西の八条にして銀を見て得る語 宇治拾遺物語』13巻1話に同話
26:14 陸奥守に付きたる人、金を見付けて富を得る語 出典不明
26:15 能登の国の鉄を堀る者、佐渡の国に行きてを堀る語 宇治拾遺物語』4巻2話に同話
26:16 鎮西の貞重の従者、にして玉を買ひ得る語 宇治拾遺物語』14巻6話に同話
26:17 利仁の将軍若き時、京より敦賀五位を将て行く語 宇治拾遺物語』1巻18話に同話。芥川龍之介芋粥』の原作。
26:18 観硯聖人、在俗の時盗人に値ふ語 出典不明
26:19 東に下る者、人の家に宿りてに値ふ語 出典不明
26:20 東の小女、と咋ひ合ひて互ひに死ぬる語 出典不明
26:21 修行者、人の家に行き女主を祓へして死ぬる語 出典不明
26:22 名僧、人の家に立ち寄りて殺さるる語 出典不明
26:23 鎮西の人、双六を打ち敵を殺さむとして、下女等に打ち殺さるる語 出典不明
26:24 山城の国の人、兄を射るに、其の箭当らず命を存ふる語 出典不明

巻第二十七 本朝 付 霊鬼[編集]

番号 題名 出典等
27:01 三条東の洞院鬼殿の霊の語 出典不明
27:02 川原の院融の左大臣の霊を、宇陀院見給ふ語 古本説話集』、『宇治拾遺物語』12巻15話に同話
27:03 桃園の柱の穴より指し出づる児の手、人を招く語 出典不明
27:04 冷泉院東の洞院僧都殿の霊の語 出典不明
27:05 冷泉院水の精、人の形と成りて捕へらるる語 出典不明
27:06 東三条の銅の精、人の形と成りて堀り出ださるる語 出典不明
27:07 在原業平の中将の女、鬼に噉(く)らはるる語 伊勢物語』6段
27:08 内裏の松原にして、鬼、人の形と成りて女を噉(く)らふ語 日本三代実録仁和3年(887年)8月17日
27:09 官の朝庁に参りたる、鬼の為に噉(く)らはるる語 出典不明
27:10 仁寿殿の台代の御灯油取る物来る語 出典不明
27:11 或る所の膳部善雄伴の大納言の霊を見る語 出典不明
27:12 朱雀院にして、餌袋の菓子を取らるる語 出典不明
27:13 近江の国の安義の橋の鬼、人を噉(く)らふ語 出典不明。『平家物語』や謡曲『羅生門』などの渡辺綱の鬼退治の源話か。
27:14 東国より上る人、鬼に値ふ語 出典不明。末尾欠
27:15 産女山科に行き、鬼に値ひて逃ぐる語 出典不明
27:16 正親の大夫__、若き時鬼に値ふ語 出典不明
27:17 東人、川原の院に宿りて妻を取らるる語 出典不明
27:18 鬼、板と現じ人の家に来て人を殺す語 出典不明。板鬼を参照
27:19 鬼、油瓶の形と現じて人を殺す語 出典不明
27:20 近江の国生霊、京に来て人を殺す語 出典不明
二十一話欠。かわりに二十九話が2つある。
27:22 美濃の国の紀遠助、女の霊に値ひて遂に死ぬる語 出典不明
27:23 猟師の母、鬼と成りて子を噉(く)らはむとする語 出典不明
27:24 幡磨の国にて、鬼人の家に来て射らるる語 出典不明
27:25 人の妻、死にて後旧の夫に会ふ語 出典不明。上田秋成の『浅茅が宿』の原作かもしれない。
27:26 女、死にし夫の来たるを見る語 出典不明
27:27 河内の禅師の牛、霊の為に借らるる語 宇治拾遺物語』に同話
27:28 白井の君、銀の提を井に入れて取らるる語 出典不明
27:29 京極殿にして、古歌を詠むる音有る語 俊頼髄脳
27:29 雅通の中将の家に、同じ形の乳母二人在る語 出典不明。ただし2人の女が子を奪いあう話は「ジャータカ」にも『旧約聖書』にもある。
27:30 幼児を護らむが為に、枕上に蒔きたる米に血付く語 出典不明
27:31 三善清行の宰相家渡りする語 出典不明
27:32 民部大夫頼清の家の女の子の語 出典不明
27:33 西の京の人、応天門の上に光る物を見る語 出典不明
27:34 姓名を呼ばれて、野猪を射顕はす語 出典不明
27:35 光有りて死人の傍に来たる野猪、殺さるる語 出典不明
27:36 幡磨の国印南野にして、野猪を殺す語 出典不明
27:37 狐、大の木に変じて射殺さるる語 出典不明
27:38 狐、女の形に変じて幡磨安高に値ふ語 出典不明
27:39 狐、人の妻の形と変じて家に来る語 出典不明
27:40 狐、人に託きて取られし玉を乞ひ返して恩を報ずる語 出典不明
27:41 高陽川の狐、女に変じて馬の尻に乗る語 出典不明
27:42 左京の属邦利延、迷はし神に値ふ語 宇治拾遺物語』に同話
27:43 頼光の郎等平季武産女に値ふ語 出典不明
27:44 鈴鹿の山を通る三人、知らぬ堂に入り宿る語 出典不明
27:45 近衛舎人常陸の国山中にして歌を詠ひて死ぬる語 出典不明

巻第二十八 本朝 付 世俗[編集]

番号 題名 出典等
28:01 近衛舎人稲荷詣でして、重方に値ふ語 出典不明
28:02 頼光の郎等共、紫野に物を見る語 出典不明
28:03 円融院の御子の日に参りたる曾禰吉忠の語 小右記寛和元年(985年)2月13日に相当記事
28:04 尾張守__の五節所の語 出典不明
28:05 越前守為盛六衛府の官人を付語 出典不明
28:06 歌読元輔賀茂の祭一条の大路を渡る語 宇治拾遺物語』13巻2話に同話
28:07 近江の国矢馳郡司の堂供養田楽の語 出典不明
28:08 木寺の基僧、物咎めに依りて異名付く語 出典不明
28:09 禅林寺の上座の助泥、破子を欠く語 出典不明
28:10 近衛舎人の秦武員、を鳴らす語 出典不明
28:11 祇園別当戒秀、誦経に行なはるる語 出典不明
28:12 或る殿上人の家に忍びて名僧通ふ語 出典不明
28:13 銀の鍛冶の延正、花山院の勘当を蒙ぶる語 出典不明
28:14 導師仁浄、半物に云ひ合ひて返さるる語 出典不明
28:15 豊後講師、謀りて鎮西より上る語 出典不明
28:16 阿蘇、盗人に値ひて謀り遁るる語 出典不明
28:17 左大臣の御読経所の僧、に酔ひて死ぬる語 小右記』、『日本紀略寛弘2年(1005年)4月8日に相当記事
28:18 金峰山別当毒茸を食ひて酔はぬ語 出典不明。ヒラタケ § 食用を参照
28:19 比叡の山の横河の僧、に酔ひて誦経する語 出典不明
28:20 池の尾の禅珍内供の鼻の語 宇治拾遺物語』2巻7話に同話。芥川龍之介』の原作。
28:21 左京の大夫__、異名付く語 宇治拾遺物語』11巻1話に同話
28:22 忠輔の中納言、異名付く語 江談抄』に同話。藤原忠輔 § 逸話を参照
28:23 三条の中納言水飯を食ふ語 宇治拾遺物語』7巻3話に同話。茶漬け § 歴史を参照
28:24 穀断の聖人、米を持ちて咲はるる語 宇治拾遺物語』12巻9話に同話
28:25 弾正の弼源顕定𨳯(まら)を出だして咲はるる語 江談抄』に同話。源顕定 § 逸話を参照
28:26 安房守文室清忠、を落して咲はるる語 御堂関白記』『小記目録』寛弘4年(1007年)正月28日に相当記事
28:27 伊豆守小野五友の目代の語 出典不明
28:28 尼共、山に入り茸を食ひて舞ふ 出典不明。マイタケ § 歴史を参照
28:29 中納言紀長谷雄の家にを顕はす語 出典不明
28:30 左京の属紀茂経、鯛の荒巻を大夫に進る語 宇治拾遺物語』2巻5話に同話
28:31 大蔵の大夫藤原清廉、猫を怖るる 出典不明。藤原清廉を参照
28:32 山城介三善春家、蛇に恐づる 出典不明
28:33 大蔵の大夫紀助延の郎等、唇を亀に咋はるる 『法苑珠林』か
28:34 筑前守藤原章家の侍錯ちする語 出典不明
28:35 右近の馬場の殿上人種合せの語 出典不明
28:36 比叡の山無動寺の義清阿闍梨嗚呼絵の語 末尾欠。出典不明
28:37 東人、花山院の御門を通る語 出典不明
28:38 信濃守藤原陳忠御坂に落ち入る語 出典不明。「受領は倒るる所に土を掴め」ので有名。藤原陳忠を参照。
28:39 寸白信濃守に任じて解け失する語 出典不明
28:40 外術を以て瓜を盗み食はるる語 捜神記
28:41 近衛の御門に人を倒す蝦蟆の語 出典不明
28:42 兵立つる者、我が影を見て怖れを成す語 出典不明
28:43 傅の大納言烏帽子を得たる侍の語 出典不明
28:44 近江の国篠原墓穴に入りたる男の語 出典不明

巻第二十九 本朝 付 悪行[編集]

番号 題名 出典等
29:01 西の市の蔵に入りたる盗人の語 出典不明
29:02 多衰丸調伏丸二人の盗人の語 出典不明
29:03 人に知られぬ女盗人の語 出典不明。洗脳の話。
29:04 世に隠れたる人の聟と成りたる__語 出典不明
29:05 平貞盛の朝臣、法師の家にして盗人を射取る語 出典不明
29:06 放免共、強盗と為り人の家に入りて捕へらるる語 出典不明
29:07 大夫__の家に入りたる強盗捕へらるる語 出典不明
29:08 下野守為元の家に入りたる強盗の語 小右記万寿元年(1024年)12月8日に関連記事
29:09 阿弥陀の聖、人を殺して其の家に宿り殺さるる語 出典不明
29:10 伯耆の国府の蔵に入りたる盗人殺さるる語 出典不明
29:11 幼児、瓜を盗み父の不孝を蒙ぶる語 出典不明
29:12 筑後の前司源忠理の家に入りたる盗人の語 出典不明
29:13 民部の大夫則助が家に来たる盗人、殺害の人を告ぐる語 出典不明
29:14 九条堀河に住む女、夫を殺して哭く語 出典不明
29:15 検非違使、糸を盗みて見顕はさるる語 出典不明
29:16 或る所の女房、盗みを以て業と為し見顕はさるる語 本文欠。出典不明
29:17 摂津の国の小屋寺に来て盗む 十訓抄』に同話
29:18 羅城門の上層に登りて死人を見たる盗人の語 出典不明。芥川龍之介羅生門』の原作。
29:19 袴垂関山にして虚死にして人を殺す語 出典不明
29:20 明法博士善澄、強盗に殺さるる語 出典不明。『日本紀略』寛弘7年(1010年)6月某日に関連記事
29:21 紀伊の国の晴澄、盗人に値ふ語 出典不明
29:22 鳥部寺に詣でたる女、盗人に値ふ語 出典不明
29:23 妻を具して丹波の国に行く男、大江山にして縛らるる語 出典不明。芥川龍之介藪の中』の原作。
29:24 近江の国の主の女を美濃の国に将て行きて売りたる男の語 出典不明
29:25 丹波守平貞盛児干取る 出典不明
29:26 日向守__、書生を殺す語 出典不明
29:27 主殿の頭源章家、罪を造る 出典不明
29:28 清水の南辺に住む乞食、女を以て人を謀り入れて殺す語 出典不明
29:29 女、乞丐捕へられて子を棄てて逃ぐる語 出典不明
29:30 上総守維時の郎等、双六を打ちて突き殺さるる語 出典不明
29:31 鎮西の人、新羅渡りてに値ふ語 宇治拾遺物語』3巻7話に同話
29:32 陸奥の国の狗山の、大蛇を咋ひ殺す語 出典不明
29:33 肥後の国の鷲、蛇を咋ひ殺す語 出典不明
29:34 民部の卿忠文、本の主を知る語 江談抄
29:35 鎮西の猿、鷲を打ち殺して、恩を報ぜむが為に女に与ふる語 出典不明
29:36 鈴香の山にして、蜂、盗人を螫し殺す語 出典不明
29:37 蜂、蜘蛛に怨を報ぜむとする語 出典不明
29:38 母牛、を突き殺す語 出典不明
29:39 蛇、女陰を見て欲を発し、穴を出でて刀に当たりて死ぬる語 出典不明
29:40 蛇、僧の昼寝の𨳯(まら)を見て呑み受けて死ぬる語 出典不明

巻第三十 本朝 付 雑事[編集]

番号 題名 出典等
30:01 平定文、本院の侍従に仮借する語 『世継物語』に同話。飲尿食糞描写。次話とあわせ、谷崎潤一郎少将滋幹の母』の原拠の一つ。
30:02 平定文に会ひたる女、出家する語 大和物語
30:03 近江守の娘、浄蔵大徳と通ずる語 大和物語
30:04 中務の太輔の娘、近江郡司と成る語 出典不明。堀辰雄『曠野』の原作。
30:05 身貧しき男の去りたる妻、摂津守の妻と成る語 大和物語』。谷崎潤一郎『蘆刈』などの原拠。
30:06 大和の国の人、人の娘を得る語 末尾欠。出典不明
30:07 右近の少将__、鎮西に行く語 末尾欠。出典不明
30:08 大納言の娘、内舎人に取らるる語 大和物語
30:09 信濃の国姨棄山の語 大和物語』。うばすてやま伝説。
30:10 下野の国に住み、妻を去りて後返り棲む語 大和物語』か
30:11 品賤しからぬ人、妻を去りて後返り棲む語 出典不明
30:12 丹波の国に住む者の妻、和歌を読む語 出典不明
30:13 夫死にたる女人、後に他の夫に嫁がざる語 俊頼髄脳
30:14 人の妻、化して弓と成りて後、鳥と成りて飛び失する語 俊頼髄脳

巻第三十一 本朝 付 雑事[編集]

番号 題名 出典等
31:01 山科の藤尾寺の尼、八幡の新宮を遷し奉る語 扶桑略記』などに同話
31:02 鳥羽の郷の聖人等、大橋を造りて供養する語 後半欠。出典不明
31:03 湛慶阿闍梨還俗して、高向公輔と為る語 前半は『日本三代実録元慶4年(880年)10月19日に相当記事。高向公輔を参照
31:04 絵師巨勢広高出家して還俗する語 後半欠。出典不明
31:05 大蔵史生宗岡高助、娘を傅く語 出典不明
31:06 賀茂の祭の日、一条の大路に札を立てて見物したる翁の語 十訓抄』に同話
31:07 右少弁師家の朝臣、女の死に値ふ語 今鏡』に同話。藤原師家を参照
31:08 灯火に影移りて死にたる女の語 今鏡』に同話
31:09 常澄安永、不破の関にして夢を見る語 出典不明
31:10 尾張の国の匃経方(まがりのつねかた)、妻の事を夢に見る語 出典不明
31:11 陸奥の国安倍頼時胡国に行きて空しく返る語 宇治拾遺物語』15巻2話に同話
31:12 鎮西の人、度羅の島に至る語 出典不明
31:13 大峰を通る僧、酒泉郷に行く語 出典不明
31:14 四国辺地を通る僧、知らぬ所に行きて馬に打ち成さるる語 出典不明
31:15 北山狗、人を妻と為す 出典不明
31:16 佐渡の国の人、風の為に知らぬ島に吹き寄せらるる語 出典不明
31:17 常陸の国の__郡に寄りたる大きなる死人の語 出典不明
31:18 越後の国打ち寄せられたる小船の語 出典不明
31:19 愛宕寺の語 古事談』に同話
31:20 霊巌寺の別当、巌を砕く語 出典不明
31:21 能登の国鬼の寝屋島の語 出典不明
31:22 讃岐の国満農の池頽したる国司の語 出典不明
31:23 多武峰比叡の山末寺と成る語 出典不明
31:24 祇園比叡の山末寺と成る語 出典不明
31:25 豊前の大君、世の中の作法を知る語 宇治拾遺物語』10巻7話に同話
31:26 打臥の御子の語 大鏡』に同話
31:27 兄弟二人、萱草紫菀を殖うる語 俊頼髄脳』。石川淳『紫苑物語』の原拠。
31:28 藤原惟規越中の国にして死ぬる語 俊頼髄脳
31:29 蔵人式部の拯貞高、殿上にして俄かに死ぬる 宇治拾遺物語』10巻8話に同話
31:30 尾張守__、鳥部野に人を出だす語 出典不明
31:31 太刀帯の陣に魚を売る嫗の語 出典不明。芥川龍之介羅生門』の原作。
31:32 人、酒に酔ひたる販婦の所行を見る語 出典不明
31:33 竹取の翁、女児を見付けて養ふ語 出典不明[9]。『竹取物語』の類話
31:34 大和の国箸の墓の語 日本書紀』。倭迹迹日百襲姫命の話。
31:35 元明天皇を点じたる定恵和尚の語 出典不明。なお、元明天皇陵を檜前陵とするが、史実と異なる[10]
31:36 近江と戦ふ語 出典不明
31:37 近江の国栗太の郡大柞の語 出典不明。巨樹 § 伝説上の巨樹を参照

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ やたがらすナビ
  2. ^ 正確には牛偏
  3. ^ 法華経
  4. ^ 正確には貝偏
  5. ^ 正確にはあしは債
  6. ^ 正確にはつくりは耒
  7. ^ 戸川点『平安時代の死刑』吉川弘文館、2015。pp.171-172
  8. ^ 今昔物語集 現代語訳
  9. ^ 武石訳:「本朝世俗篇(下)」p.620
  10. ^ 武石訳:「本朝世俗篇(下)」p.625

外部リンク[編集]