穀断ち

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穀断ち(こくだち)は、修験道のひとつ。穀物を食べずに修行すること。別称を木食戒、断穀行。具体的には五穀または十穀を食べないことをさす。五穀・十穀の名をとって五穀断ち十穀断ちともいう。人間の消化能力では木の実や草木から十分なカロリーを得ることは難しく、穀物を絶つことは実質的に減量を行うことを意味した。

穀物を人間穢れにまみれた俗世の物と考え、それを食さないことで修行者の身を清廉にする行。修行者は修験者に多く、苦行形式である。穀物以外の木の実や草根を主として食べたというが、五穀・十穀とされる穀物に諸説あるなどの理由から、やり方に決まった方法はない。禁止する穀物によって修行の困難さにも差が出てしまうものとなっている。また即身仏になるための修行・入定において、体脂肪を落とすためにその最初の段階で行われる修行方法でもある。

この修行を行った者を、古代では「穀断聖」、中世以降は「十穀聖」や「木食」と称した。「十穀」と言う場合もある。木食戒を守ったものという意味で「木食上人」とも言われる。中世後期以後は勧進聖として活躍するものが多くなった。

また道教にも「断穀(辟穀)」といって同様に穀物を食べない修行があるが[1]、こちらは断食に近い。

脚注[編集]

  1. ^ 窪徳忠 『道教百話』 講談社学術文庫 第18刷1999年(第1刷1989年) ISBN 4-06-158875-3 p.45.何も食べないわけではないと記す。

関連項目[編集]

  • 文徳天皇実録 - 9世紀に穀断ちに関する話が記述されているが、実は密かに米を食していて、バレるという内容である