北海道電力

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北海道電力株式会社
Hokkaido Electric Power Co., Inc.

北海道電力本店
種類 株式会社
市場情報
略称 ほくでん、北電、HEPCO、道電、北海電
本社所在地 日本の旗 日本
060-8677
北海道札幌市中央区大通東1丁目2
設立 1951年5月1日
業種 電気・ガス業
法人番号 4430001022351 ウィキデータを編集
事業内容 電気事業、熱供給事業など
代表者 取締役社長 川合克彦
資本金 1142億9100万円(2011年3月31日現在)
売上高 連結 5662億7200万円
単体 5460億8000万円
営業利益 連結 431億9800万円
単体 385億5300万円
純利益 連結 119億8200万円
単体 93億7900万円
純資産 連結 4107億4100万円
単体 3659億3700万円
総資産 連結 1兆6415億6100万円
単体 1兆5762億円
従業員数 連結 8130人、単体 4999人
(2011年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行 5.97%
日本生命保険 5.25%
北洋銀行 4.74%
主要子会社 北海電気工事北海道総合通信網
外部リンク http://www.hepco.co.jp/
特記事項:財務諸表等は2011年3月期のもの。
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北海道電力株式会社(ほっかいどうでんりょく)は、北海道を営業地域とする電力会社。略称として、北電(ほくでん)あるいは、HEPCO(ヘプコ)が使われる。また、北陸電力と区別するため、道電(どうでん)や、株式市場などでは北海電(ほっかいでん)と呼ばれることもある。

沿革

発電施設

合計 67箇所、742万2,085kW(2011年6月2日現在)[3]

水力発電所

53箇所(建設中1箇所)、123万5,625kW

  • 主な水力発電所(5万kW以上の発電所)
発電所名 水系名 方式 総出力 所在地 備考
高見発電所 静内川 ダム水路式(揚水式 20万kW 北海道日高郡新ひだか町
新冠発電所 新冠川 ダム水路式(揚水式) 20万kW 北海道新冠郡新冠町
京極発電所 尻別川 ダム式(揚水式) kW 北海道虻田郡京極町 建設中、60万kW予定。
滝里発電所 石狩川 ダム水路式 5.7万kW 北海道芦別市
豊平峡発電所 ダム水路式 5万kW 北海道札幌市
雨竜発電所 ダム水路式 5.1万kW 北海道名寄市

火力発電所

11箇所(計画中1箇所)、406万5,460kW(関連会社経営の発電所除く)

発電所名 使用燃料 総出力 所在地 備考
砂川発電所 石炭 25万kW 北海道砂川市 1・2号機は廃止。
奈井江発電所 石炭 35万kW 北海道空知郡奈井江町
苫小牧発電所 重油 25万kW 北海道苫小牧市 北海道パワーエンジニアリングが運営。
伊達発電所 重油 70万kW 北海道伊達市
苫東厚真発電所 石炭 165万kW 北海道勇払郡厚真町 3号機は廃止。
知内発電所 重油、オリマルジョン 70万kW 北海道上磯郡知内町
石狩湾新港発電所 LNG kW 北海道小樽市 建設計画中、160万kW級予定。
音別発電所 軽油 14.8万kW 北海道釧路市 ガスタービン発電方式。
礼文発電所 重油 4,450kW 北海道礼文郡礼文町 内燃力発電方式。北海道パワーエンジニアリングが運営。
沓形発電所 重油 7,650kW 北海道利尻郡利尻町 内燃力発電方式。北海道パワーエンジニアリングが運営。
焼尻発電所 重油 1,110kW 北海道苫前郡羽幌町 内燃力発電方式。北海道パワーエンジニアリングが運営。
奥尻発電所 重油 4,250kW 北海道奥尻郡奥尻町 内燃力発電方式。北海道パワーエンジニアリングが運営。

関連会社運営

発電所名 使用燃料 総出力 所在地 運営会社 備考
苫小牧共同火力発電所 重油 25万kW 北海道苫小牧市 北海道パワーエンジニアリング 1・2号機は廃止。

原子力発電所

1箇所、207万kW

発電所名 原子炉型式 総出力 所在地 備考
泊発電所 加圧水型軽水炉 207万kW 北海道古宇郡泊村 全号機定期点検中。

新エネルギー

2箇所、5万1,000kW

発電所名 方式 総出力 所在地 備考
森発電所 地熱発電 5万kW 北海道茅部郡森町 北海道パワーエンジニアリングが運営。
伊達ソーラー発電所 太陽光発電 0.1万kW 北海道伊達市 伊達発電所構内。

実証試験用設備

  • 風力発電所 - 2箇所、730kW(サロベツ発電所、利尻カムイ発電所)
  • 太陽光発電設備 - 9箇所、146kW(滝川テクニカルセンターほか)

過去に存在した発電施設

火力発電所

発電所名 使用燃料 総出力 所在地 備考
豊富発電所 天然ガス 0.2万kW 北海道豊富町 ガスタービン発電方式。1977年廃止。
滝川発電所 石炭 22.5万kW 北海道滝川市 1989年廃止。
江別発電所 石炭 37.5万kW 北海道江別市 1991年廃止。

事業所

子会社・関連会社

子会社

太字連結子会社(2011年3月31日現在)。

関連会社

太字持分法適用会社(2011年3月31日現在、非連結子会社を含む)。

その他

  • コーポレートスローガン ともに輝く明日のために。Light up your future.
  • コーポレートキャラクター エネモ

主な提供番組

現在

※テレビ放送のクレジット表記では「ほくでん」と表示している。

過去

CMキャラクター

天下り問題

  • 福島第一原子力発電所事故以降、経済産業省と電力会社の天下り問題が監督官庁である経産省の原子力発電所の安全基準のチェックを甘くさせる構造として批判が集まった。

泊発電所関連シンポジウムでのやらせ事件

3号機建設計画に関する会合でのやらせ事件

北海道電力(以下、北電)は泊発電所(原子力発電所)3号機の建設計画を1998年に北海道(以下、道)と地元町村に申し入れた[4]。その後、手続きを踏んでいる間に、1999年7月に敦賀発電所2号機一次冷却材漏洩事故、9月に東海村JCO臨界事故が発生し、原子力の安全性に対する世論が一段と激しさを増した[4]

この計画について、2000年3月に道は道内のエネルギー施策をテーマとする「道民のご意見を聴く会」を主催した[5]3月30日泊村公民館で開かれた会合には295人が出席して26人が意見を述べたが、意見は泊3号機の建設計画に集中した[5]。この会合に対し、北電が複数の周辺住民に出席して計画に賛成する意見を表明するよう要請していたことが明らかになった[5]。26人の意見の内訳は計画への賛否が13人ずつであった[5]

この「道民のご意見を聴く会」は同月に札幌市旭川市函館市帯広市でも開かれたが、2011年の道の調査によるとこの内、帯広市以外の3会場で北電が住民に参加や意見提出を求め、旭川市と函館市の会場では依頼を受けた住民が出席していた[6]。泊村を合わせて延べ計1356人が参加したが、その内、意見を述べたりアンケートで意見提出したりした389人に北電からの働きかけを調査したところ、181人から回答があった[6]。10人が依頼があったと回答しており、その内5人は北電社員や取引業者など北電関係者だった[6]。5会場で北電関係者は計34人が出席、25人が意見を述べていた[6]

プルサーマル計画導入に関するシンポジウムでのやらせ事件

また、北電は泊発電所3号機にプルサーマル発電を導入する計画を立て、2008年4月に北海道と地元4町村に申し入れを行った[4]。これを受けて、道と地元4町村は同年10月12日に、岩内町札幌市の2会場で「プルサーマル計画に関する公開シンポジウム」を主催した[7]。このシンポジウムでは、プルサーマル計画の安全性や必要性に関する質疑が行われ、参加者へのアンケートも実施された[7]

このシンポジウムの前の10月3日、北電泊事務所渉外課が同事務所PRセンターなど21か所に「計画を確実に進めるためにも、数多くの方にご参加いただき推進意見を提出していただければと思っております」などと書かれた、社員に計画推進の意見を出すように呼びかけるメールを送っていた[7]2011年8月に日本共産党北海道委員会が北電関係者からメールを入手し、記者会見で公表したため、北電が社内調査して判明した[7]

事件の発覚と社長の道議会への参考人出席

時間系列としては、2000年の「道民のご意見を聴く会」での3号機の建設計画についての意見表明要請があり、2008年の「プルサーマル計画に関する公開シンポジウム」での社員への意見提出要請であるが、発覚順序は逆であった。2011年8月に共産党道委員会が「プルサーマル計画」事件を公表し、9月に泊村の「ご意見を聴く会」事件が明らかになった。さらに道の調査により、11月には泊村以外での「ご意見を聴く会」事件が明らかになった。

「プルサーマル計画」事件を受け、2011年10月に北電は、道議会の産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会に佐藤佳孝社長の出席を求められるが、拒否した[8]。しかし、道議会が、社長本人が説明責任を果たさなければ泊発電所1,2号機の再稼働にも影響が出ると反発し、北電は自社が設けた、特別委を非公開とする条件を撤回し、参考人として佐藤社長が出席することを了解した[8]

特別委員会の場で佐藤社長は、自身を含む上層部の関与については「承知しておりません」と述べ、辞任も否定した[9]。北電の組織的関与を認めた第三者委員会の報告書については「全面的に受け入れる」とした[9]。しかし、やらせ問題についての北電による再調査は拒んだ[9]読売新聞は、「北電側は佐藤社長の出席によって道議会の理解を求め、定期検査中の泊1,2号機の再稼働に向けた一歩を踏み出したい考えだったが、役員の責任問題などで強い反発にあい、信頼の回復が難しいことを印象づけた」と報道している[9]

関連項目

脚注

  1. ^ 泊3号機、営業運転を再開 再稼動問題、波及限定的か - 47NEWS 2011年8月17日
  2. ^ 定期検査中の泊原発3号機、営業運転再開 - 日テレNEWS24 2011年8月17日
  3. ^ ほくでん:発電・送配電設備
  4. ^ a b c 泊村 原子力発電所
  5. ^ a b c d 北電また「やらせ」…ご意見聴く会へ賛成要請”. 読売新聞 (2011年9月10日). 2012年5月23日閲覧。
  6. ^ a b c d 北電「やらせ」依頼、泊村以外でも…社員ら出席”. 読売新聞 (2011年11月24日). 2012年5月23日閲覧。
  7. ^ a b c d 北電「やらせ」認める、プルサーマル推進依頼”. 読売新聞 (2011年8月27日). 2012年5月23日閲覧。
  8. ^ a b 道議会出席拒否の北電社長、反発受け出席へ”. 読売新聞 (2011年10月22日). 2012年5月23日閲覧。
  9. ^ a b c d 北電社長、やらせ関与否定…再調査は拒否”. 読売新聞 (2011年10月27日). 2012年5月23日閲覧。

外部リンク