豊平峡ダム
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| 豊平峡ダム | |
|---|---|
| 所在地 | 左岸:北海道札幌市南区定山渓国有林84林班 (石狩支庁) 右岸:北海道札幌市南区定山渓国有林84林班 |
| 位置 | 北緯42度54分57秒 東経141度09分13秒 |
| 河川 | 石狩川水系豊平川 |
| ダム湖 | 定山湖 (ダム湖百選) |
| ダム諸元 | |
| ダム型式 | アーチ式コンクリートダム |
| 堤高 | 102.5 m |
| 堤頂長 | 305.0 m |
| 堤体積 | 285,000 m³ |
| 流域面積 | 184.0 km² |
| 湛水面積 | 150.0 ha |
| 総貯水容量 | 47,100,000 m³ |
| 有効貯水容量 | 37,100,000 m³ |
| 利用目的 | 洪水調節・上水道・発電 |
| 事業主体 | 国土交通省北海道開発局 (石狩川開発建設部) |
| 電気事業者 | 北海道電力 |
| 発電所名 (認可出力) |
豊平峡発電所 (50,000kW) |
| 施工業者 | 大成建設・地崎工業 |
| 着工年/竣工年 | 1965年/1972年 |
豊平峡ダム(ほうへいきょうダム)は札幌市南区定山渓、一級河川・石狩川水系豊平川の上流部に建設されたダムである。
国土交通省北海道開発局石狩川開発建設部が管理する特定多目的ダムで、豊平川の治水、また札幌市の水がめとして定山渓ダム(小樽内川)と共に豊平川ダム統合管理事務所によって総合的に運用されている。高さ102.5mのアーチ式コンクリートダムで、道内では奥新冠ダム(新冠川)とこのダムの2基しかアーチダムは存在しない。ダム湖は定山湖(じょうざんこ)と呼ばれ、支笏洞爺国立公園内にあり紅葉の名所としても著名である。
目次 |
[編集] 地理
豊平川は石狩川水系下流部の主要河川の一つである。フレ岳付近を水源として北に流路を取り、途中ダム地点を通過後薄別川を併せ定山渓温泉街を流れる。小樽内川を併せると東に流路を変え、途中北海道電力の水力発電所(一の沢ダム・砥山ダム・藻岩ダム)を経て石山大橋付近で札幌市中心部に入る。その後は札幌市中心街を貫流しながら概ね北東に流路を変え、札幌市と江別市の境を流れて石狩川へと注ぐ。かつては旧豊平川として江別市内を流れていたが、流路を直線化するショートカット(捷水路・しょうすいろ)によって現在の流路となった。ダムは豊平川の最上流部に建設された。
なお「豊平」の読み方についてであるが、川の名前は「とよひら」と読むが、ダムの名前は「ほうへい」と読む。従って「とよひらきょうダム」とは呼ばない。
[編集] 沿革
札幌市は明治時代に開拓使が設置されて以降、北海道の中心であった。だが、市内を貫流する豊平川は蛇行を繰り返していたことから度々氾濫を繰り返し、大きな被害をもたらした。これに対し沖野忠雄による石狩川改修事業の一環として豊平川の流路を直線化する工事が行われ、蛇行は修正された。だが戦後になると人口は急速に増加の一途を辿り、水需要・電力需要は次第にひっ迫。大雨や融雪による洪水の被害も後を絶たなかった。こうした中で、豊平川にダムを建設し札幌市と石狩川下流域を洪水から守り、併せて上水道と水力発電による電力を札幌市に供給すべく北海道開発局石狩川開発建設部は「豊平川総合開発事業」を策定。その中心として古くから険阻な峡谷として知られていた豊平峡地点にダム建設を計画した。
ダムは1965年(昭和40年)より建設が開始され、7年の歳月を掛け1972年(昭和47年)、札幌冬季オリンピックの開催年に完成した。豊平川及び石狩川下流の洪水調節、札幌市100万人への上水道供給、北海道電力・豊平峡発電所による認可出力50,000kWの水力発電が目的である。特に上水道については札幌市の水道需要の98パーセントを供給しており、100万都市を支える重要な水源となっている。
その後も札幌市の人口は増え続け、住宅地増加による治水安全度の低下と上水道需要の増大が懸念されたことから1989年(平成元年)には、ダムから定山渓温泉を挟んで北側の左支川・小樽内川に高さ117.5mの重力式コンクリートダムである定山渓ダムが完成している。この二つのダムは札幌市民の日常生活を影から支えている。
[編集] 温泉と紅葉の名所
下流には「札幌の奥座敷」と呼ばれる定山渓温泉があり、ダム湖である定山湖の名は定山渓観光協会が観光の発展の為に建設省に要望して命名された経緯がある。2005年(平成17年)には財団法人ダム水源地環境整備センター選定の「ダム湖百選」に札幌市の推薦により選ばれた。また、林野庁が選定する水源の森百選に選ばれている。定山渓・定山湖・豊平峡は秋には紅葉が美しく、北海道屈指の紅葉の名所として札幌市民や観光客が大勢訪れる。現在、豊平峡ダムの近くには、ダムに関する資料館の豊平峡ダムミュージアム「ひふみみはなめ」が建っている。
ダムも毎年4月から10月に掛けては観光放流を実施し、観光客の目を楽しませている。また、ダム天端(てんば)から見下ろす豊平峡の絶景(右写真)も訪れた観光客の目をひきつけている。かつては下流から豊平峡を散策できる豊平峡ハイキングコースもあったが、落石の危険性が高いという理由で現在は閉鎖されている。下流には定山渓温泉のほか豊平峡温泉もあり、入浴とセットで訪れる観光客も多い。だが、支笏洞爺国立公園内にあることから、環境保護のためにダム入口の冷水トンネルからダムサイトまで一般車両・バイク・自転車の乗り入れは通年禁止となっている。従って、ダムに行くにはトンネル入口にある冷水駐車場より電気バスに乗って行くか、徒歩で行くことになる。
電気バスの運行は1976年(昭和51年)より始まったが、当時は連結式のバスであった。その後1982年(昭和57年)よりダイハツ・デルタが二代目となり、現在はトヨタ・コースターハイブリッドが三代目として運行されている。同車は北海道内では寒さによる蓄電池の出力減衰の問題から市販車としては発売されておらず、北海道内では唯一、冬期間に運行を休止するこのバスにのみ運用されている。運行は8:45~16:30までとなっており、トンネルの幅員が狭くすれ違い不可能であることから、バスが駐車場・ダム両方の停留所に到着すると出発する。途中では九段の滝などの好景観があり、あえて徒歩(片道30分程度)で向かう観光客も少なくない。
環境保護を目的にダムまでの道路を一般車両通行止めとしているのは日本一の高さを誇る黒部ダム、日本第二位の高さを誇る高瀬ダムで見られるが、豊平峡ダムもこの方法を採っている。こうした取り組みによってダム周辺の環境は美しいまま守られている。
[編集] アクセス
豊平峡ダムへは国道230号を定山渓温泉・中山峠方面へと進み、ダム入口の看板が見えたら、豊平峡温泉入口の交差点を曲がる。その後直進して冷水駐車場で車を停めて電気バスに乗車する。定山渓温泉からのシャトルバスも一日5往復運行している。
車の場合、通常ダムへは札幌駅・小樽駅より約1時間で到着できるほか、洞爺湖・ニセコから約70分、支笏湖・羊蹄山から約50分で到着できるため、観光ルートのひとつとして組みやすい。ただし連休中や紅葉の時期はしばしば定山渓温泉まで国道230号は上下線双方が行き帰りで大渋滞をひきおこす。このため休日や紅葉シーズンでは時間に余裕を持つことも重要である。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 国土交通省河川局 『石狩川水系河川整備基本方針』、2006年
- 建設省河川局監修・全国河川総合開発促進期成同盟会編 『日本の多目的ダム』1972年版、山海堂、1972年
- 建設省河川局監修・全国河川総合開発促進期成同盟会編 『日本の多目的ダム 直轄編』 1980年版、山海堂、1980年
- 株式会社札幌リゾート開発公社 「紅葉と湖の豊平峡」 観光パンフレット

