ジェガン

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ジェガン (JEGAN) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」の一つ。初出は、1988年公開の劇場用アニメ機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。

作中の軍事勢力の一つである「地球連邦軍」の主力量産機で、従来作品に登場する「ジム」および系列機の発展型。『逆襲のシャア』劇中では配備が開始されたばかりの新型機であり、主人公「アムロ・レイ」が所属する「ロンド・ベル隊」の主力機として運用される。劇中ではジムと同じくやられ役だが、主要人物の一人ハサウェイ・ノアが搭乗して活躍する場面もある。1991年の映画『機動戦士ガンダムF91』では「最新鋭の小型MSに蹂躙される旧式機」として再登場するが、このとき「作中年代で30年以上に渡って改修を加えながら運用され続けた信頼性の高い量産機」という設定も付加され、以降の『機動戦士ガンダムUC』など、『逆襲のシャア』と『F91』の間を描く時代の作品にも、両作の過渡的なデザインと設定をもつバリエーション機が登場する。

オリジナルのメカニックデザイン出渕裕。『UC』ではカトキハジメ[1]が、『F91』では石垣純哉[2][3]が担当している。

当記事では、各作品に登場する派生機についても記述する。

設定解説

諸元
ジェガン
JEGAN
型式番号 RGM-89
全高 20.4m[4]
頭頂高 19.0m[5]
本体重量 21.3t[5]
全備重量 47.3t[5]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[5]
出力 1,870kW[5]
推力 12,700kg×1[5] / ×2[6]
9,200kg×4[5] / ×2[6]
8,800kg×2[5]
総推力:61,400kg[7] / 48,700kg[4][注釈 1]
センサー
有効半径
14,200m[5]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
バルカン・ポッド・システム
ハンド・グレネード×3
シールド(2連装ミサイルランチャー×2)
搭乗者 ケーラ・スゥ
ハサウェイ・ノア
ユウ・カジマ
ロンド・ベル隊
地球連邦軍一般兵
その他 アポジモーター×19[5]

U.C.0089年に制式採用された地球連邦軍主力量産型MS[8]。開発・生産はアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が担当した[5]。本機は一年戦争期からのジム、ジムIIジムIIIといった地球出身者が開発したジムシリーズ[8]と、エゥーゴ由来でAE社が開発・製造したネモネロ系の技術を融合させた機体であり[9]、連邦製標準MSの後継機となる[8]

頭部には固定式のメインカメラ、額部には長距離用センサーが採用されており[5]、各部の装甲は必要かつ十分な強度と、運動性を両立させた重量バランスでまとめられている[8]。胸部の排熱ダクトは小型化され、耐弾性が向上している[9]。下半身の構造はバーザムガンダムTR-1ガンダムTR-6からの技術的影響を受けており[10]、脚部は運動性向上の目的で[11]フロントスカートが省略され、その代わりとして腿部前面に増加装甲が施されている[9]。これによって関節部が露出する結果となったが、脚部の駆動抵抗の低減と軽量化に寄与している[9]

バックパックは大型1基と小型2基のメインスラスターに加え、ガンダムMk-IIのように[10]上部左右に可動式バーニアアームを装備している。加速性と機動性はグリプス戦役時の高機動機にも匹敵し、燃料搭載量も増加している。さらには、補給時に基部ごと交換することにより、迅速な戦線復帰を可能としている[8]コックピットには新型の球状操縦桿「アーム・レイカー」が採用されているが、一部の系列機ではのちに従来のスティック式へ戻されている[12][13]

本来は宇宙用に開発された機体であるが、重力下環境にもほぼ無改造で適応し、オプションの増設や換装で局地戦にも柔軟に対応できる[8]。さらに、サブフライトシステムベースジャバー」や、リゼルアンクシャといった可変MS[14]と連携することにより、長距離移動任務にも対応可能となっている。

主要な部品の製造をタキム重工サムソニ・シムモンテレー電子イオタ工業などの企業が担当しており[15]、改良を重ねたMSの設計コンセプトが統合されていることから信頼性は高く[16]、U.C.0088年のハマーン・カーンの蜂起に始まる一連の第一次ネオ・ジオン抗争以降は反地球連邦勢力の活動が鎮静化しつつあったことから新型機の開発予算が削減され、基本性能と生産性に優れる本機のマイナーチェンジが繰り返されていく[17]

U.C.0093の第二次ネオ・ジオン抗争時に80機程度が生産され[11]、ロンド・ベル隊をはじめ次第に連邦軍全体へ配備されていく。U.C.0110年代初頭には、AE社製のヘビーガンサナリィ製のFシリーズといった15メートル級の第2期MSの生産が開始されるが、配備の遅れからジェガンタイプはU.C.0120年代初頭前後まで生産と配備が継続される。しかし、クロスボーン・バンガード (CV) の小型MSにはまったく対抗できず、主力機の世代交代が加速。U.C.0120年初頭までの総生産数は、平時が続いたことから系列機を含めて3000機に満たなかったといわれる[18]

武装

ビーム・ライフル
単銃身型で出力と射程距離に劣るぶん、取り回しと速射性に優れる。銃身上部に複合センサーを装備しており、混戦時に併用することで敵機を確実に排除可能[8]
ビーム・サーベル
右腰のラックに1基を装備する。2基のビーム発生口を利用することで出力の調整を可能とし[5]、斬撃に適した扁平な刀身と、貫通力に優れる細身の刀身に切り替えることができる[8]。ラックには、急速充填が可能なキャパシター・システムが内蔵されている[8]
バルカン・ポッド・システム
左側頭部に装備される小型機関砲だが、スペック表では「×2」とされることも多い[6]ガンダムMk-II用の発展型だが、半固定式となっており、弾倉は右側頭部から頭部内に装填する[5]
ハンド・グレネード
左腰のラックに3発を装備。信管は時限式と金属反応式(センサー式)の複合型で[5]、いずれかを選択して使用する[8]
シールド
表面に耐ビームコーティングが施されており、ビーム兵器による攻撃に対して一定の耐性を持っているとされるが[19]、耐えるよりもビームを弾いたり逸したりするための構造と材質を採用している[8]。また、2連装ミサイル・ランチャーを2基装備する。搭載されるミサイルの先端には複合センサーが装備されており、ミノフスキー粒子散布下でも少ない干渉で誘導可能だが、推進剤の容量が少ないため、射程は短い[5]

劇中での活躍

初出作品である1988年のアニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、第二次ネオ・ジオン抗争時におけるロンド・ベル隊の主力MSとして活躍。同じアナハイム製であるネオ・ジオン軍の主力機ギラ・ドーガとは対等に位置する機体とされているが、映画公開当時の書籍記事の中には、ギラ・ドーガなどと比較して性能の低い機体であると紹介しているものもあり[20]、敵MSを圧倒するような活躍は少ない。

νガンダム受領のために不在のアムロ・レイ大尉に替わり、リ・ガズィのパイロットはケーラ・スゥ中尉となったが、5thルナにおけるシャア・アズナブルとの戦闘で負ったダメージによる修理が完了しておらず、ケーラはやむをえずジェガンで出撃する。ケーラはネオ・ジオンのレズン・シュナイダーが搭乗する指揮官用ギラ・ドーガに追い込まれ、ラー・カイラムとの機銃に挟まれるが、間一髪駆けつけたアムロのνガンダムに救われる。

物語後半ではハサウェイ・ノアが無断で本機に搭乗して出撃し、大型モビルアーマー (MA) 「α・アジール」に搭乗するクェス・パラヤの説得を試みる。すると戦場にチェーン・アギが搭乗したリ・ガズィが現れ、α・アジールは攻撃を行った。これに反撃する形でリ・ガズィも攻撃をおこなうが、ハサウェイのジェガンはα・アジールのメガ・ビーム砲を操作し、攻撃を阻止する。結局、ハサウェイの説得はチェーンの二度目の攻撃によって中断させられたうえ、クェスはα・アジールでハサウェイのジェガンを庇って機体を撃墜され、戦死する。クェスの死を目の当たりにしたハサウェイは逆上してビーム・ライフルを乱射し、リ・ガズィのコックピットに直撃したことによってチェーンは戦死する。小説版『ベルトーチカ・チルドレン』では、クェスがνガンダムごとアムロをα・アジールの巨躯で押しつぶそうとした際、ハサウェイがジェガンのビーム・ライフルの一撃をα・アジールのコックピット部分に誤って直撃させ、クェスを殺害してしまう。このことが、続編である小説版『閃光のハサウェイ』においてハサウェイのトラウマとなる。

物語終盤では、地球へ落下するアクシズをνガンダムの推力で押し返そうとするアムロの無謀な[21]試みに対する、予想外[21]の加勢というかたちで無数のジェガンやジムIIIが次々と駆けつけ、敵であるギラ・ドーガとともにアクシズに取り付いてアムロに協力するが、最終的には自身とシャア以外の犠牲を嫌ったアムロのνガンダムが発生させたサイコフレームの共振で発生した光により、アクシズから弾き飛ばされる。

『逆襲のシャア』と『機動戦士ガンダムUC』の間を描いた漫画『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』では、ハサウェイの搭乗機は電装系のトラブルのために帰還していたという設定が追加された。また、本機は終戦後に連邦軍へ収容され、搭乗していたハサウェイはクェスの死とチェーンを殺害したショックで立ち直れない状態となっていたことが、ブライト・ノアの回想場面で語られる。

1997年のゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』において、3部作すべてをAランクでクリアした際のエンディングでは、同作の主人公であるユウ・カジマ大佐が第二次ネオ・ジオン抗争に参加したという後日談が語られる。ゲームではユウの乗機が明言されることはなかったが、皆河有伽による同作の小説版では、アクシズの地球落下阻止に赴いたMSのうち、それを押し返そうとしている途中に弾かれたギラ・ドーガの手を掴んだジェガンがユウの乗機であったとするなど、『逆襲のシャア』のクライマックスに絡めた描写が盛り込まれている。以降のユウが登場する関連作品でも、小説版での言及を踏襲した描写がされる場合がある。2018年の映画『機動戦士ガンダムNT』では、登場人物であるイアゴ・ハーカナの回想としてアクシズの落下を阻止しようとするνガンダムと無数のジェガンの映像が挿入されているが、大森倖三による同作の漫画版では、アクシズに取り付いて押し返そうとしていたジェガンたちの1機がイアゴの乗機であったと言及されている。

1990年の漫画『機動戦士ガンダムF90』では、第二次ネオ・ジオン抗争から27年を経ても連邦軍の主力機として運用されている。第13独立機動艦隊の艦載機として多数が参戦し、初の地球外惑星の戦闘に臨んだ。敵である火星独立ジオン軍の用いるRFシリーズと激しく交戦し、しばしば苦戦するものの互角以上に渡り合い、最終的にはRFシリーズと老兵による火星独立ジオン軍を殲滅する。

1991年のアニメ映画『機動戦士ガンダムF91』では、第二次ネオ・ジオン抗争から30年後、上記の火星戦役から3年後の時代を舞台として、マイナーチェンジを重ねた最終改良型J、R、M型がフロンティアI守備隊として多数がまだ現役で稼動しているものの、立ち位置は完全にロートル機として描かれている。クロスボーン・バンガード軍の新世代MSにはまったく歯が立たないため、パイロットたちが逃げ出す相談を行なう、避難民を巻き添えにしながら逃走するなど、「この大型ジェガンタイプではだめだ」と評される。特に、開戦初期にR型が一撃で首を蹴り飛ばされるシーンは、新旧MSの性能差を象徴している場面である。

1997年の漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では、最終話において木星側MAディビニダドの破壊を行った連邦軍とスペースコロニーの連合部隊に、参戦した機体が確認できる。

2007年の小説および2010年のOVA『機動戦士ガンダムUC』には、第二次ネオ・ジオン抗争直後の時代を舞台として、D型をはじめ多数が主要キャラクターこそ搭乗しないものの、これまでの作品とは異なる勇戦ぶりを見せる。当時における最新の主力機であることが緻密な描写によって強調されており、袖付きが使用するガザDなどの旧型MS相手には性能差を見せる場面もある。当時の標準仕様であるD型だけでなく、後述のスタークジェガンエコーズ仕様などさまざまなバリエーション機や、上位機種となる[22]ジェスタおよびジェスタ・キャノンが登場する。配備先は宇宙が優先されていた模様で、地上ではepisode7の冒頭でシャイアン基地に数機配備されているのみである[注釈 2]。なお、『UC』に登場する各種バリエーション機はデザインの際に頭部や胴体を中心にパーツバランスが見直され、『逆襲のシャア』時よりも高頭身となっている。HGUCのプラモデル各種も『UC』版をベースに造形が行われているが、これはOVA版『UC』の製作開始に合わせて商品化が企画されたためである。

宇宙世紀の次の時代を描いた2014年のテレビアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』では、「前世紀のクラシック・コレクション」として本機が他の宇宙世紀時代のMSと共に展示されている場面がある[24]

バリエーション

これらの派生機と区別する場合、初期型のジェガンはジェガンA型と表記される場合もある[25]

ジェダ

諸元
ジェダ
JEDDAH[26] / JEDA[27]
型式番号 RGM-88X[28]
RGM-90[28]
全高 21.8m[27]
全備重量 50.8t[27]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[27]
出力 1,930kW[27]
武装 頭部バルカン砲
腰部ハンド・グレネード×6
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル
シールド
2連腕部グレネード×2
搭乗者 アムロ・レイ
ジョー・セイ
カニンガム・ショー
オルヤン・ブルムクイフト

『逆襲のシャア』の小説版のひとつ『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』、および『逆襲のシャア』の1年前を描いた漫画『機動戦士ムーンガンダム』に登場。ジェガンのプロトタイプに相当し、製造年度的には1、2世代前の機体であるとされている[29]

第一次ネオ・ジオン抗争時にアナハイム・エレクトロニクス社が主体となって計画され[27]、開発は同社が連邦軍から委託されている[26]。当初はジムIIIでの成功をもとに[27]、バックパックなど各部にガンダムMk-IIのパーツや技術を多用した試作機 (RGM-88X) が6機製造される[28]。しかし、連邦軍の予算削減によってさらなるコストダウンが要求され、途中から本機をベースにしたマイナーバージョンが製造される[28]

試作機のうち1機はテスト中に大破し、2機は解体され、残りの3機がロンド・ベル隊に試験配備される[28]。おもな武装は、ガンダムMk-IIのXBR-M87D並みの性能をもつ、複合センサー装備のビーム・ライフルと[注釈 3]、同じくMk-IIのスライド伸縮式シールドを発展させつつ、先端に打突用の硬質素材を採用したシールド[27][注釈 4]

実戦配備されたジェガンは装甲の脆弱性をはじめとする数々の欠陥が指摘されたため、急遽局地戦用としてRGM-88XがRGM-90の型式番号で制式採用され(ジェダ改良型とも呼ばれるが[30]、特に改修点は示されていない)、地球上の主要基地に配備される。RGM-88XからRGM-90となった機体の実数は、40機程度といわれる[28]

劇中での活躍
『ハイ・ストリーマー』では、上記設定よりも1機多い4機がクラップ級巡洋艦「ラー・ザイム」に配備されている。3番機にアムロ・レイ、4番機にジョー・セイ、5番機にカニンガム・ショー、6番機にオルヤン・ブルムクイフトが搭乗するが、5番機はサイド1のコロニー「スウィート・ウォーター」内での反地球連邦組織「エグム」のガブール・ベルグソン2式との戦闘で居住ブロックに墜落する。3番機は指に内蔵された消火剤で周囲への延焼を防ぐが、この事故により5名の市民が死亡する[31]。アムロのラー・カイラム移乗後は不明。
『ムーンガンダム』でも、上記のラー・ザイム配備機が登場。ジョー機とオルヤン機が、アムロの搭乗するリック・ディジェ改とともに所属不明機(決起前の新生ネオ・ジオンに合流しようとする反乱分子)と交戦する。
設定の変遷
1987年に『ハイ・ストリーマー』の挿絵で星野之宣が描いたMSは従来のものとデザインラインが異なっており、ジェダも映画『逆襲のシャア』のジェガンとは異質な、扁平な頭部の、両肩に円筒状のポッドを乗せ、腰部から大型のバインダーが伸びた姿で描かれた。
一方、雑誌『B-CLUB』第29号(1988年発売)では、映画『逆襲のシャア』用にジェガンの初期稿として描かれた、細部の形状が決定稿と異なる没デザインに上記の設定やRGM-88X / RGM-90の型式番号が追加されたが、この時点でRGM-88Xがジェダであるとは明言されていない。
トレーディングカードゲーム『ガンダムウォー』の2009年に発売されたカードには、星野版デザインのジェダの型式番号をRGM-88Xとしているものがある。また、『電撃ホビーマガジン』2010年2月号掲載の模型作例では、『B-CLUB』第29号に掲載されたデザインのRGM-88Xをジェダと同一視しているが、これ自体は作例記事を担当したモデラー個人の独自解釈という体裁であった[注釈 5]
その後、2018年発売のプラモデル『マスターグレード ジェガン』付属説明書や、2019年発売の雑誌『週刊モビルスーツ・バイブル』第8号のジェガンD型特集[33]でも、RGM-88Xとジェダが同一の機体であるとされた。ただし、いずれも外観はシルエットのみ(ジェガンと同一)の掲載であった。
『ムーンガンダム』第17話では、『ハイ・ストリーマー』での設定をもとに形部一平が再デザインした機体が初登場し、第18話と同時掲載の「ムーンガンダム メカニカルワークス Vol.15」でも詳細なスペック値が記載された。形部は、短期間で後継機のジェガンが配備されたことから本機を「ジェガン量産前の最終検討案のひとつ」と考え、各部のセンサーやスラスター類をジェガンよりも多く、かつ洗練されていない配置とすることで、「ジェガンのパワーアップ版」「開発技術者が予算の制限を受けず楽しんでいる」といった雰囲気を出したかったと述べている[27]

ジェガン(フレスベルク隊所属機)

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

ロック・ホーカー大佐麾下の新生「フレスベルク」隊が運用する改修機。通常型の頭部にエコーズ仕様機と同じセンサーが追加されており、紫と白を基調に塗装されている[34]

ジェガン(バーナム所属機)

矢立文庫のウェブ小説および配信アニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。

ブッホ・ジャンク社傘下の私設部隊「バーナム」が運用する独自改修機。通常型の頭部バイザーの左側にセンサー・アイが追加されており、その形状は機体によって異なる。主武装の新型ビーム・ライフルはビーム・ランスの射出機構をもち、射出後はサブマシンガンとしても使用可能[35]。塗装は薄紫色を基調とする。

ジェガン(陸戦用重装型)

近藤和久の漫画『機動戦士ガンダム ジオンの再興』が初出で、PC-98用ゲーム『機動戦士ガンダム アドバンスド・オペレーション』や『機動戦士ガンダム リターン・オブ・ジオン』にも登場(型式番号:RGM-89T)。「陸戦用重装型」の名称は『ホビージャパン別冊 機動戦士ガンダム「新世代へ捧ぐ」』より。

ジェガンの陸戦型で、腰部前面に装着された装甲が大きな特徴。バックパックもガンダムMk-IIのものを小型化したようなスラスター4発のものに換装されている。ジムII、ジムIII、ネモといった旧型機との機種転換が逐次おこなわれているが[36]、アフリカ戦線にはわずか3機しか配備されていない[37]。塗装は各戦線でさまざまなバリエーションが見られる[36]

ジェガン(装甲強化型)

雑誌『B-CLUB』29号にジェダとともに掲載された(型式番号:RGM-91S)。ジェダ同様、画稿はジェガンの初期稿のひとつである。名称は仮のものであり、設定では型式番号のみ。

生産ライン上にあったジェガンの一部を、一部ガンダリウム合金を使用して装甲強化し、メイン・エンジンにも改良をほどこした機体[28]。生産数は20機とされるが、正確な数は上層部が知るのみで定かではない[28]。原型機とはバックパックや、脚部・股間部にアポジモーターが追加されている点などが異なる。

ジェガン可変型

『B-CLUB』第29号に文字設定のみ掲載された。名称は『データガンダム』による[30]

リ・ガズィと同様に、ジェガン用のバック・ウェポン・システム (BWS) の研究も進められている[28]。しかし、リ・ガズィでもBWS離脱時の危険性がシミュレーターの結果で指摘されており、ジェガンに装備された場合は特攻兵器と言っても過言ではないとされる[28]

ジェガンA2型

諸元
ジェガンA2型
JEGAN [A2 TYPE]
型式番号 RGM-89A2
全高 22.3m
頭頂高 19.0m
本体重量 24.2t
全備重量 50.6t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 1,980kw
推力 65,800kg
センサー
有効半径
16,300m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
ハンド・グレネード×3
ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1
シールド(4連ロケット・ランチャー×2)×1
搭乗者 地球連邦軍一般兵

OVA版『機動戦士ガンダムUC』、および劇場用アニメ『機動戦士ガンダムNT』に登場。

第二次ネオ・ジオン抗争時の初期型ジェガン(A型)をベースに総合的な基本スペックの強化を目的として開発された機体で[38]、ジェガンD型とは開発経路が異なっている[39]。基本的なシルエットは初期型と変わらないが[39]、推進機能を中心に改良されており、初期型と比較して4t以上の推力向上に成功している[38]。脚部やバックパックの形状が後述のR型に似ているほか、肩部がやや大型化し、バルカンポッドがセンサー付きのものに変更されている。基本的な武装は初期型から引き継がれているが、『ガンダムF91』で登場するジェガン系の装備するものとほぼ同型の大型かつ火力が増強されたシールドを装備している[38]。この先のジェガンシリーズの行く先を示すような正常進化型で、設計的余裕があらかじめ確保されていることを証明した機体といえる[40]

地球軌道艦隊所属のゼネラル・レビルに配備された機体のカラーリングはサンドイエローとオレンジのツートンで、同艦所属を示す特有のものとなっている[38][41]。控えめな機体色とは対照的に、イジェクション・ポッドは派手なカラーリングとなっている[39]

「ラプラス事変」期における最新型[38]だが、部隊単位でもシナンジュには対抗できなかった[38]

キャノンガン

諸元
キャノンガン
CANNONGAN
型式番号 RIX-003
頭頂高 20.2m
本体重量 34.3t
全備重量 66.5t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+ガンダリウム合金
出力 2,680kw
推力 81,900kg
センサー
有効半径
22,300m
武装 ビーム・ジャック
ビーム・ライフル
スプレー・ビーム・ランチャー
(兼メガ・ビーム・キャノン)
搭乗者 ゾーイ・ヤンソン
エル・ビアンノ

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

地球連邦地上軍が「ある技術検証計画」のため、ガンダムGファーストGFタンクとともにアナハイム・エレクトロニクス社に開発を発注した機体で、ジェガンA2型をもとに中距離支援用として製作されている。サイド7でおこなわれる式典用にそのまま転用され、ガンキャノンを想起させる[42]赤を基調に塗装されている。正規パイロットはゾーイ・ヤンソン中尉だが、サイド1コロニー「シャングリラ」での非合法のMS対戦試合「バトレイヴ」に、成り行きで元ガンダム・チームエル・ビアンノと子供たちが搭乗して参加する。

頭部のバイザー・ユニットを降ろしてメイン・カメラを伸長することにより、広域モードに切り替わる。主兵装は両肩のメガ・ビーム・キャノンで、砲身を折りたたむことによってスプレー・ビーム・ランチャーとしても使用可能となる。両腕の大型マニピュレーターは人差し指と中指にビーム・ライフルを内蔵しており、左前腕部にはナイフ型の格闘戦用兵器ビーム・ジャック(柄の端部から瞬間的にビーム刃を発生可能)が装備されている。

キャノンガンDX

諸元
キャノンガンDX
CANNONGAN-DX
型式番号 RIX-003[GA]
頭頂高 20.2m
本体重量 54.1t
全備重量 91.4t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+ガンダリウム合金
出力 4,130kw
推力 141,900kg
センサー
有効半径
32,200m
武装 ビーム・ジャック
ビーム・ライフル
スプレー・ビーム・ランチャー
(兼メガ・ビーム・キャノン)
(兼ハイパー・ラッシュ・キャノン)
ミサイル・コンテナ
エクス・キャノン
搭乗者 ゾーイ・ヤンソン

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

キャノンガンとバックウェポンモードのGFタンクが合体した状態。総合性能の向上のほか、超長距離の射撃能力も向上し、圧倒的な火力を発揮する。エクス・キャノンの追加により4門の同時射撃が可能になるほか、エクス・キャノンの砲身先端(エクス・カートリッジ)をメガ・ビーム・キャノンに接続することによって、超長射程かつ長時間のビーム連続照射が可能なハイパー・ラッシュ・キャノンとなる。

ジェガン改

諸元
ジェガン改
JEGAN CUSTOM[43]
型式番号 RGM-89B
全高 22.3m
頭頂高 19.5m
本体重量 22.9t
全備重量 49.2t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,350kW
推力 52,500kg
センサー
有効半径
14,200m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
ハンド・グレネード×3
ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1
シールド(2連装ミサイルランチャー×2)×1
ニードルショットパック
背部ロケットランチャー(オプション)
搭乗者 タケシ・カザキ

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。

サラミス改級巡洋艦「アラハス」所属のファクトリーチームがジェガンのさらなる性能向上を目指し、百式の設計を取り入れてフレームから再設計した機体。機体色は白と青を基調としている。量産機へ百式のクオリティを導入することを狙って製作された実験機である。そのため「改」とは名を打っているものの、実際にはベース機とはまったく別の機体となっている。装甲材にはガンダリウム合金が使用され、ベース機よりも高出力の新型ジェネレーターを搭載している。しかし、さまざまな実験装備が取り付けられているため、コックピットにはリニアシート、全天周囲モニターが採用されていないなど、特異な点もある(作中では出撃のたびにコックピット周りに手が加えられる)。パイロットはカザキ中尉。宇宙世紀0090年、サイド6近辺のコロニー建設の護衛機として配備される。サイド6における連邦軍襲撃作戦の際にはたびたび出撃し、カラード所属のガザWやネオ・ジオン所属のヤクト・ドーガと交戦する。

ジェガンD型

諸元
ジェガンD型
JEGAN [D TYPE]
型式番号 RGM-89D
頭頂高 19.0m
本体重量 21.3t
全備重量 47.3t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 1,870kW
推力 62,000kg
センサー
有効半径
16,800m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
ハンド・グレネード×3
ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1
シールド(2連装ミサイルランチャー×2)×1
搭乗者 ロンド・ベル隊
地球連邦軍一般兵

機動戦士ガンダムUC』に登場。初期型にマイナーチェンジを施した機体で、基本的な機体構造にほとんど変更はない[44]。デザインは後年の『ガンダムF91』の時代に登場するJ・M・R型などの発展機へのつながりを意識したものとなっている。

特徴として挙げられるのはオプション装備への換装を前提とした外装や機能の更新で[44]、後述のスタークジェガンへの換装を前提として、肩部や股間部にオプション用のマウントラッチが追加され、レガース形状も初期型とはやや異なる[45]。増加装甲などの重量増加を補うための推力増強も行われた[44]。コックピットはスティックタイプの操縦系統[46]とタッチパネルを備えた『94式型コックピット』に換装された[47]ほか、センサーについてはオプション装備に対応するためデバイスがバージョンアップされ、機能性が向上している[44]。基本的な武装についても初期型から引き継がれた[48]一方で、D型専用に開発されたオプションパーツはぺーパープランを含めれば数多くにわたった[48]

劇中冒頭では、スタークジェガンの僚機である2機がネオ・ジオン残党軍「袖付き」のNT(ニュータイプ)専用MSクシャトリヤと交戦し、ほかにもロンド・ベル隊のネェル・アーガマ所属機など複数の機体が登場する。OVA版には後述のスタークジェガンのパーツのうち、胸部、脚部、バックパックを装着した状態で、両手にライフルを装備した機体が出撃するが、シナンジュに撃破される。また、シャイアン基地所属機として、グレーのスプリッター迷彩が施され、マラサイ用のビーム・ライフルを装備した機体が登場する。

ジェガン(エコーズ仕様)

諸元
ジェガン(エコーズ仕様)
JEGAN (ECOAS TYPE)
型式番号 RGM-89De
頭頂高 19.0m
本体重量 22.8t
23.0t(コンロイ機)
全備重量 49.5t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 1,870kW
推力 62,000kg
センサー
有効半径
20,160m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
ハンド・グレネード×3
ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1
シールド(2連装ミサイルランチャー×2)×1
連邦軍汎用バズーカ×1
ハンドガン×1(コンロイ機)
ダガー・ナイフ×1(コンロイ機など)
ファイア・ナッツ×3(コンロイ機)
メガ・バズーカ・ランチャー×1(コンロイ機)
搭乗者 エコーズ部隊員
コンロイ・ハーゲンセン

OVA版『機動戦士ガンダムUC』に登場。特殊部隊「エコーズ」に配備されたD型ベースの改修機。ジェガンのオプション装備案のひとつであるが、特殊部隊用途のため、本機の存在は秘匿されていた[49]。機体色は焦茶に変更されており、生存性を高めるためにセンサーと胸部装甲を追加し、頭部のバルカン・ポッドは追加センサーの替わりに除外されている。劇中で使用するバズーカは予備弾倉をグリップ前方に配したもので、この機体の専用装備ではなく、この年代の連邦製MSの汎用装備である。

episode7「虹の彼方に」では、頭部に開閉式の狙撃用バイザーユニット、左脛側面にジェガン用ビームライフルをソードオフしたハンドガン、左肩前面に実体剣のダガー・ナイフ、左腰部にファイア・ナッツ、右前腕にボックスビーム・サーベルを備えたコンロイ・ハーゲンセン機が登場する。序盤はネェル・アーガマの甲板上に設置されたメガ・バズーカ・ランチャーで支援砲撃を行い、さらに強襲してきたシュツルム・ガルスと戦闘を繰り広げる。最終局面ではユニコーンガンダムとともにメガラニカへ向かい、ネオ・ジオングと交戦する。このときはコンロイ機以外のエコーズ仕様機も、左肩にダガー・ナイフを装備している[50]

ジェガン(先行配備型)

D型の先行配備型。ゲーム版『機動戦士ガンダムUC』、および同作の特典小説を初出とする中編「戦後の戦争」にて登場。型式番号はRGM-89D。

シナンジュ・スタインを運んでいたクラップ級に配備されていた機体で、ジムと同様の赤と白で塗装されているが、目立ちすぎるとして不評を買う。

ジェガンD型 護衛隊仕様

諸元
ジェガンD型 護衛隊仕様
JEGAN TYPE-D ESCORT TYPE[51]
型式番号 RGM-89D-ESC
全高 19.0m[51]
本体重量 21.3t[51]
全備重量 47.3t[51]
出力 1,870kW[51]
推力 62,000kg[51]
センサー
有効半径
16,800m[51]
武装 90mmショート・マシンガン

劇場用アニメ『機動戦士ガンダムNT』に登場。

頭部は60ミリバルカン砲を省略した新規デザインに変更され、胸部にはエコーズ仕様機と同様に追加装甲が施されている。主武装として、90ミリショート・マシンガンを新たに装備する[52]

劇中では、拘束され護送中のマーサ・ビスト・カーバインの護衛を務めており、フェネクスの情報を欲するルオ商会のディジェと交戦し、撃破される。

スタークジェガン

諸元
スタークジェガン
STARK JEGAN
型式番号 RGM-89S
頭頂高 19.2m
本体重量 28.4t
全備重量 68.1t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 1,870kW
推力 76,600kg
センサー
有効半径
20,700m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
胸部ダミー弾発射口×2
ビーム・ライフル×1
ビーム・サーベル×4
グレネード・ランチャー×4
(サーベルとランチャーは選択式)
3連装ミサイル・ポッド×2
ハイパー・バズーカ×1
搭乗者 ヨナ・バシュタ(不死鳥狩り)
イアゴ・ハーカナ
マコ(UC原作)
本物の撃墜王(星月の欠片)

当初は『CCA-MSV』に分類される機体。再デザインされて『Gジェネレーション』シリーズなどに登場後、さらなる再デザインと再設定をされて『機動戦士ガンダムUC』に登場する。

D型をベースとした指揮官用の特務仕様機で、再設計された重装型とは異なり、ノーマル機に追加武装・装甲を施した対艦仕様機である。『シャアの反乱』以降の軍備縮小の時代的機運もあり[53]、現場からの要求に対し既存機種の仕様変更で対応する基本方針がとられたことで生まれたバリエーション機の一つである。[53]

増加装備はジェガンにジムIIIの長距離支援の運用コンセプトを取り入れることを目標として設計されているため、ジムIIIで採用されたものに近い支援用のミサイル・ランチャーユニットのほか、ハイパー・バズーカを装備している。また、使用後にデッドウェイトとなる増加装備は状況に応じて脱着・破棄が可能となっているが、それによって姿勢制御などのバランスが崩れないよう、綿密に調整されている。ライフルはジムIIの使用銃をスケールアップしたものを携行するが、通常のジェガンのライフルを携行する場合もある。腕部の追加ユニットには、ビーム・サーベルかグレネード・ランチャーのどちらかを選択して収納している。また、腰部側面の装備も選択可能となっている。

同じD型から派生したエコーズ仕様機と違い、プロト・スタークジェガンから派生して開発されたため、型式番号はプロトと同じ「RGM-89S」となっている。

劇中での活躍
原作およびOVA『機動戦士ガンダムUC』の物語冒頭にて、ロンド・ベル隊所属クラップ級巡洋艦「キャロット」所属機[54]のMS小隊長機として登場[注釈 6]。クシャトリヤとの一騎討ちではハイパー・バズーカの散弾による攪乱でファンネルを無力化し、位置取りで優位に立つなど[55][注釈 7]、善戦する。原作小説では接近したところを一刀で斬り伏せられるが、OVA版では最終的には同様に撃破されるものの増加装備を破棄して互角の格闘戦を行う。同作の原作小説ではほかにも、クラップ級巡洋艦「テネンバウム」所属機や[56]ネェル・アーガマ所属機[57][注釈 8]が登場し、戦闘の末にそれぞれ撃墜される描写があるが、OVA版ではネェル・アーガマに艦載されているのは後述のプロト・スタークジェガンであるという設定になっている。
2012年のオムニバス形式の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第1話「偽りの撃墜王」では、『ガンダムUC』本編より1年前のU.C.0095年を舞台に、同エピソードの終盤で主要登場人物らの窮地に駆けつける役回りで登場。増加装備を破棄しての格闘戦を交えつつ、リゲルグ2機、ドーベン・ウルフ3機を次々と撃墜する[注釈 9]
中編小説「不死鳥狩り」では、ユニコーンガンダム3号機「フェネクス」の捕獲任務に当たるクラップ級巡洋艦「ダマスカス」の所属機として、スタークジェガンで構成された特務部隊「シェザール隊」が登場。イアゴ・ハーカナが搭乗する隊長機はスナイパーライフルを、その他の機体はフェネクスを捕獲するための電撃兵器「海ヘビ」とハイパーバズーカを装備してフェネクス、およびヤクト・ドーガを代用コアとするネオ・ジオングと交戦する。小説では、同作の主人公であるヨナ・バシュタもスタークジェガンに搭乗し、最終的には撃破されつつもネオ・ジオング相手に善戦を繰り広げているが、同作を基にしたアニメ『機動戦士ガンダムNT』では、ヨナの搭乗機はナラティブガンダム、その他シェザール隊の機体はジェスタへと変更されている。
アニメ版『UC』と『NT』の間の出来事を描いた脚本およびドラマCD獅子の帰還』では、宇宙世紀0096年12月8日に、ゼネラル・レビル所属のMS小隊を率いるイアゴ・ハーカナ[注釈 10]が搭乗する。

プロト・スタークジェガン

諸元
プロト・スタークジェガン
(スタークジェガン〈運用試験機〉)
PROTOTYPE STARK JEGAN
型式番号 RGM-89S
頭頂高 19.2m (19.0m[58])
本体重量 29.1t (22.1t[58])
全備重量 69.8t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+一部ガンダリウム合金
(チタン合金セラミック複合材[58]
出力 1,870kw
推力 78,500kg (62,000kg[58])
武装 ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1
ハイパー・バズーカ×1
60mmバルカン砲×1
ハンドグレネード×3
大型対艦ミサイル×4
(60mm機関砲×2[58]
(対艦ミサイルランチャー (3)×2[58])/
(大型ミサイル×4(核弾頭装備可能)[58]
(マシン・キャノン)
搭乗者 アルバ・メルクルディ
メルツ・マーレス
ドリット・ドライ
ダコタ・ウィンストン
カルロス・クレイグ

OVA版『機動戦士ガンダムUC』に登場。当初のスタークジェガンのデザインをもとに再設定された機体。

初期型ジェガン(A型)を改修した対艦攻撃型で、量産性を度外視した少数生産機。胸部追加装甲は一体構造となっており、左右並列式の複座型のコックピットが導入され、左側が機体操縦、右側が火器管制用となっている。初期型(A型)がベースのため、操縦桿はアームレイカー式を採用している。上記のジェガンとは違い、作戦によっては核ミサイルの運用も可能である。

『UC』のepisode2ではネェル・アーガマへの補充機として配属され、episode3では両肩に4発の大型ミサイルを装備してパラオ攻略戦に参加する。episode7ではシールドと両肩に各3連装のミサイル・ランチャーを装備して出撃するが、原作におけるマコ中尉機と同様、冒頭の戦闘で撃墜される。

2012年の漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2話「もう一人の立役者」では、同エピソードの主要登場人物であるアルバ・メルクルディらが搭乗する主役機として登場。『UC』本編より2年前のU.C.0094時のジャブローを舞台に、運用試験を兼ねたジオン残党掃討の任務を帯びるものの、成り行きで山賊化したMSの武装集団からジオン残党の末裔たちを守って戦うというエピソードが描かれる。その結末では、『UC』本編のパラオ攻略戦に参加したプロト・スタークジェガンがアルバらの乗機であったことが明かされている。

ゲーム版『UC』、および同作の特典小説を初出とする短編小説「戦後の戦争」では、同作の登場人物であるダコタ・ウィンストンの愛機として登場。D型ベースのスタークジェガンへの更新を断り、実戦を想定して乗り慣れたプロト・スタークジェガンで出撃する。シナンジュ・スタインの引き渡しを阻止するため、裏事情を知るカルロス・クレイグを同乗させて味方への呼びかけを試みるが、フル・フロンタルが搭乗したシナンジュ・スタインに撃墜される。

設定の変遷
もともとスタークジェガンは明貴美加が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の制作当時にデザインした機体で、ジェガンにジムIIIのような追加武装を施し、核ミサイルを使用できる砲撃戦用機体と設定されていた[59]。『UC』の発表に伴い、カトキハジメによる再デザインを経てUC版と設定され[注釈 11]、明貴版は運用試験機に設定が変更された[53]。明貴版はOVA版『UC』への登場に際し、本人によって再デザインされている。明貴は当初から複座型と想定してデザインしていたが、再デザイン時まで公表していなかった[60]。また、複座は前後式と想定していたが、『星月の欠片』用のデザインで左右並列式を提案され、それを採用した[60]

ジェガン(武装強化型)

プラモデル「SDガンダム Gジェネレーション No.04 ジェガン(武装強化型)」で設定された機体。

通常のジェガンの両腕を、CCA-MSV版スタークジェガンの3連装ミサイル・ポッドを装備した腕に変更した機体。「BB戦士 010 ジェガン」に新規パーツを追加したキットであり、通常のジェガンも作成できるが、スタークジェガンのデザインとは差異が生じており、組み立て説明書においても別機体としてあつかわれている。

EWACジェガン

諸元
EWACジェガン
EWAC JEGAN
型式番号 RGM-89DEW
頭頂高 19.5m
本体重量 24.4t
全備重量 45.5t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 1,870kW
推力 62,000kg
センサー
有効半径
38,400m
武装 バルカン・ポッド・システム×1
ハンド・グレネード×3
ビーム・サーベル×1
ビーム・ライフル×1

ゲーム版『機動戦士ガンダムUC』にて設定され、『UC-MSV』として分類されている機体。もともとはゲーム内設定の機体であるが、OVA版『機動戦士ガンダムUC』episode6においてネェル・アーガマに配備される。

ジェガンD型に早期警戒ユニットを装備した機体[40]。D型のアタッチメント使用対応装備のひとつといえる[40]。通常の電子戦に対応したセンサー・ユニット[40]を内蔵する頭部は両肩部にかかるほどに大型化し、ミノフスキー粒子下の戦闘に対応するための装備として[40]右前腕部には大型カメラ・ユニット、左前腕部にはレーザー通信装置を備えたセンサー・ユニットが追加装備されている[61]。ユニットの装着位置が『UC-MSV』版とOVA版では異なり、『UC-MSV』版は肘関節側面に対して垂直[62]、OVA版は平行になっている[63]。センサーの発光色は『UC-MSV』版では緑色に統一されているが、OVA版では頭部が黄色、右腕のカメラがピンクとなっている[61]

OVA版『機動戦士ガンダムUC』episode7においては、ネオ・ジオン艦隊の位置を探り、そのデータをレーザー通信装置でネェル・アーガマに伝える。

本機の発表に先行して、漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』に、形状の異なるEWACジェガン(型式番号:RGM-89E)[64]が登場している。こちらのデザインは作者のことぶきつかさによるもので、頭部と一体化するかたちでEWACネロのものと同型のデータポッドを装備している。当時平行して進行していたゲーム版の存在がことぶきには伝わっていなかったため、別にデザインされた。

ESMジェガン

漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』に登場。

名称の「ESM」が示すような電子情報索敵機ではあるが、光学観測を重視しており、両肩にミノフスキー粒子散布下で用いられるステレオカメラを、バックパックに各種電子センサーを内蔵する有線での遠隔展開が可能な[65]円筒形のポッドを2基装備しているほか、大型の超望遠光学レンズを携行することも可能。その他、腕部は振動を抑制するタイプのものに変更されており、頭部の形状も通常のジェガンとは異なる[66][67][68]

ビッグアイ級情報収集艦の艦載機として運用されており、非戦闘時にはデブリ観測に用いられてもいる[68]。作中には環月方面軍のビッグアイ級「雷眼」所属機が登場しており、ヌーベルエゥーゴとネオ・ジオンの共同軍によって制圧された月面のシッカルド発電基地を偵察する[69]

ジェガン重装型

諸元
ジェガン重装型
JEGAN HEAVYTYPE[43]
JEGAN HEAVY ARMED TYPE[70]
(JEGAN Heavy Equipment Type[26])
型式番号 RGC-90[5]
RGM-90[70]
武装 ビーム・キャノンx2[70]
ミサイル・ポッドx2[70]

プラモデル『1/144 ジェガン』付属説明書が初出で(名称は「ジェガン重装甲またはジェガン・キャノン」、「ジェガン重装改[70]」)、その後『CCA-MSV』に分類された。

ジェガンの再設計機であるが、設計はジェダをベースとしており、型式番号も制式採用後のジェダと同じとなっている[26]。ジェガンのムーバブルフレームを流用しているが、ジェネレーターの換装によって[5]出力が大幅に向上している[71]。両肩(バックパックではなく肩アーマー側面)にビーム・キャノンを装備し、腰部前面にアーマーが追加されている[5]。宇宙戦にも対応できるが、陸戦を主眼に置いており[5]、脚部は重力下用に換装・強化されている[71]。メインカメラは固定式で、額に長距離レンジ用のセンサーを備えている[5]。専用のバックパックは推力が強化されているが、運動性は重視されておらず、バーニア・アームは短くなっている[5]。またバックパック下部には腰部後面のアーマーと側面に装備されるミサイル・ポッド(装弾数3発、使用後は排除可能)が一体になっている[5]。試作機によってデータが収集され、量産の準備が進められているとされる[5]。塗装はジム系に近い白と赤を基調に、腰部などがグレーで塗り分けられ、あたかも往年のジム・キャノンを彷彿させるカラーリングが施されている。

なお、漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』には、本機とは別の「ジェガンキャノン」が登場する。こちらは通常のジェガンの両肩にキャノン砲などを装備した機体で、海兵隊によって運用されている[72]

ジェガンJ型

諸元
ジェガンJ型(ノーマルタイプ)
型式番号 RGM-89J
頭頂高 19.0m[73]
本体重量 22.8t[73]
全備重量 49.7t[73]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[73]
出力 2,430kW[73]
推力 55,870kg×1[73]
14,290kg×4[73]
総推力:113,030kg
武装 バルカン砲×1
3連グレネード・ランチャー×2[74]
4連ロケット・ランチャー×2[73]
ビーム・サーベル×2[73]
ビーム・ライフル×1
シールド×1
その他 アポジモーター×20[73]

劇場アニメ『機動戦士ガンダムF91』および漫画『機動戦士ガンダムF90』などに登場。

宇宙世紀0110年以降に運用が開始された[17]機体。初期量産型と外観的にはバックパック、専用のビーム・ライフル[注釈 12]およびシールドがやや異なるのみで、「ノーマルタイプ」とも呼ばれる[75]。スペックが劇的に向上したうえA2型に準ずるシールドを装備[76]、さらにはセンサーや駆動系などに多少のチューン・アップがなされている[75]ものの、クロスボーン・バンガード(C・V)侵攻の宇宙世紀0123年の時点で機体設計は30年が経っており[77]、C・V軍の小型MS(第二期MS)にまったく対抗できない[75]。改良によってジェネレーター出力が向上しており、ヘビーガンも同系統のジェネレーターを搭載しているといわれる[78]。操縦方式は宇宙世紀0120年代においてはスティックタイプが主流となっているものの、本機では引き続きアーム・レイカー機構を採用しており、事実上本機構が採用された最後のMSと考えられる[13]。本機をベースにしたバリエーション機も多い[77]。フロンティア・サイドにおいては本機の配備数が圧倒的に多かった[13]

劇中での活躍
『F91』では、ヘビーガンやGキャノンとともに当時の主力機としてかなりの数が登場するが、C・V軍に一方的に撃破される。
同作の3年前を舞台とした『F90』では、第13独立機動艦隊所属機が火星独立ジオン軍「オールズモビル」の本拠地を叩くため、多数が火星に降下し戦闘をおこなっている。
『F91』の前年を舞台としたゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では、ラー・カイラム級戦艦「エイブラム」やガルダ級超大型輸送機「ガーウィッシュ」に配備され、ゲーム中では友軍機(NPC)として登場する。
デザイン
デザインはJ、M、R型ともに石垣純哉が担当した。F91のMSデザインを担当していた大河原邦男がオーバーワークだったことで、当時サンライズ企画室の若手だった石垣に依頼が来た経緯がある[79]。『逆シャア』では滑らかだったディテールについて硬質感を出して仕上げ、大河原のタッチに寄せてリメイクした[79]

ジェガンM型

諸元
ジェガンM型(Bタイプ)
型式番号 RGM-89M
頭頂高 19.0m[73]
本体重量 23.4t[73]
全備重量 51.6t[73]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[73]
出力 2,430kW[73]
推力 69,840kg×1[73]
15,290kg×2[73]
12,270kg×2[73]
総推力:124,960kg
武装 バルカン砲×1
4連ロケット・ランチャー×2
5連ロケット・パック×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル×1
シールド×1
その他 アポジモーター×22[73]

『機動戦士ガンダムF91』に登場。

「Bタイプ」とも呼ばれる[75]。火力強化型[75]あるいは接近戦型[80]とされ、近距離~中距離での戦闘用として改修されている[13]。ベース機に外装オプション武器を搭載することで火力の増強を図っており[81]、腰部武装を5連ロケット・パックに換装、ビーム・サーベルを左前腕部甲に2基装備している。ビーム・ライフル[注釈 13]や本体の一部もJ型と異なり、頭部アンテナおよび胸部のダクト(インテーク)が大型化している。スラスター配置はベース機から大きく変わっていないが、アポジモーター数は増加している。強化の大半は実弾系オプション兵器に頼ったものとなっており、機体設計そのものにはほとんど干渉していなかった[82]

劇中での活躍
C・V軍の「フロンティアIV」急襲の際に、J型やヘビーガン、Gキャノンとともに少なくとも2機が、コロニーの採光部の強化ガラスの爆破によってできた穴から内部に進入する。また、C・V軍の「フロンティアI」侵攻の際の迎撃にも、少なくとも1機が確認できる。いずれも戦闘シーンはない。

ジェガンR型

諸元
ジェガンR型(Aタイプ)
型式番号 RGM-89R
頭頂高 19.0m[73]
本体重量 23.1t[73]
全備重量 51.9t[73]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[73]
出力 2,730kw[73]
推力 57,160kg×1[73]
12,320kg×8[73]
総推力:155,720kg
武装 バルカン砲×2[73]
2連グレネード・ラック×1[73]
4連ロケット・ランチャー×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル×1
シールド×1
その他 アポジモーター×30[73]

『機動戦士ガンダムF91』に登場。

「Aタイプ」とも呼ばれる[75]。スラスターの増設された大型バックパックを採用、脚部スラスターを2基に増設し[81][77]、さらにアポジモーターも増設した高機動型[81][80]。肩部スラスターは装甲を省略したバーニア基部の露出した大型のものに換装されている[81]。頭部バルカン砲が2門になりセンサーポッドも増設、腰部にはビーム・サーベルを左右2基装備、左前腕部甲には2連グレネード・ラックが増設され、M型と同型の大型ビーム・ライフルを標準装備する。機体構造はベース機から変更されていないが、高出力ジェネレーターを搭載しており[81]、ジェガン・シリーズの最優秀機とも評される[83]。数が揃っていないFシリーズの穴を埋めるべく生産され、おもに指揮官が搭乗する[83]

劇中での活躍
劇中で最初に登場するジェガンで、1機は「フロンティアIV」内でC・V軍の攻撃を受けフロンティア総合学園の校舎の屋上に墜落し、デナン・ゲーに頭部を蹴り飛ばされる。もう1機も学園の敷地内に墜落し、パイロットは脱出する。その後も、本機の損壊した頭部のみが空から落ちてくる場面がある。「フロンティアI」でもいくつか確認でき、うち1機はガンダムF91の初出撃直前にドレル・ロナベルガ・ダラスに撃破される。
ファイアボール

漫画版『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場。

機体本体はR型とほぼ同型だが、バックパックが大型スラスター2基、中型2基、バーニア・アームもスラスターが2基ずつになっている。また、両前腕部に2連装グレネード・ランチャーと思しき装備が確認できる。宇宙世紀0112年2月、ウィリアム・C・オーランド大尉が北米でテスト・パイロットとして搭乗するが、テスト中にバックパックが暴走し大破、パイロットも死亡する。なお、小説版でのオーランド大尉は宇宙世紀0111年にMSA-0120のテスト中に事故で死亡したとされている[84]

STガン

諸元
STガン
ST-GUN[85]
(STRATEGIK-TREANER-JEGAN[43][注釈 14])
型式番号 RGM-89ST2[85]
RGM-89ST1[18]
RGM-79A[43]
全高 20.8m[85]
頭頂高 19.2m[85]
本体重量 33.5t[85]
全備重量 48.0t[85]
出力 2,440kw[85]
推力 52,500kg[85]
センサー
有効半径
68,500m[85]
武装 3連グレネード・ランチャー×2[85]
90mmマシンガン
搭乗者 ナヴィ
その他 アポジモーター×22[85]

漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場。機体デザインは中原れい

ガンダムF90のデータ収集および随伴機として、サナリィがAE社から譲渡された[87]J型をベースに改装した機体[18]フォーミュラ計画の副産物でもある[87]

頭部ゴーグルセンサーが大型化しているほか、大型のレドームや各種センサー、カメラを追加している。採用されているセンサーは電波式を中心に、諸方式のセンサーを満載しており、大容量メモリーバンクやデータ処理用の大規模プロセッサを内装している[87]。F90へ随伴するためにスラスター推力を大幅に増強し、高出力のジェネレーターに換装しているものの、ほとんどが探査機材稼働に回されるため、機体自体のパワーは低い[87]。強襲偵察機と異なり戦闘を目的としておらず、また各種センサーへの影響と戦闘に振り分けられる出力を考慮して武装は護身用のマシンガンとハンド・グレネードが採用されるにとどまっており、ジェガンに比べると火力は貧弱なものとなっている。ただしサナリィによる大改修の結果、単純なMSとしての性能で見た場合でも当時の戦闘用MSとして通じるだけの高いスペックをもつ[18]。しかしセンサーなどを満載したカスタムメイドMSのため、製造コストは通常のジェガン8機分と高価である[18]。なお、コックピットはジェガンと同一で、操縦桿もアームレイカータイプとなっている。

F90のデータの収集をおこない、その後の火星独立ジオン軍(通称:オールズモビル)によるF90 2号機強奪事件を受けて艦隊編成に組み込まれ、火星に向かうまでF90 1号機のテストデータ収集を継続する。火星圏での戦闘でF90 1号機、ギラ・ドーガ改と共に降下船で火星へと降り立つが、到着直後にRFギャンの襲撃を受け中破、拿捕される。

プラモデル「1/100 ガンダムF90II-Lタイプ」付属説明書には、F90II Lタイプのロング・ライフルの試射に随伴する本機のカラーイラスト(たけばしんご作)が掲載されている。バストアップのみであるが、機体色は青を基調に襟など一部ライト・グレーで塗り分けられている[88]

シージェガン

PCゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場したアースサイド軍所属のゲームオリジナルMS。アクアジムの上位機体である。偏向ビームライフルとビームサーベル、対艦ミサイルを装備している。

脚注

注釈

  1. ^ 12,700kg×1、9,200kg×2、8,800kg×2の場合の合計。
  2. ^ 「地上軍にはほとんど配備されていない」という資料がみられる[23]
  3. ^ 『ムーンガンダム』でメカデザインを務めている形部一平は、「νガンダムやサザビーが携行する大型ライフルに連なることを意図してデザインした」と語っている[27]
  4. ^ 『B-CLUB』第29号掲載の模型作例(出渕版)では、テレビアニメ『戦闘メカ ザブングル』に登場するウォーカー・ギャリアのライフルが流用され、シールドとビーム・サーベルはガンダムMk-IIのものが装備されていた。
  5. ^ 記事の作例を担当したモデラーによれば、先行する書籍には『B-CLUB』第29号掲載のRGM-88Xと、『ハイ・ストリーマー』に登場するジェダを同一の機体であると断定しているものはなく、TCG『ガンダムウォー』の記載があったのみであったとしている[32]
  6. ^ 原作小説のこの場面ではスタークジェガンという名称は明示されないものの、RGM-89Sという型式番号や増加装備の内容など、スタークジェガンの特徴が描写されている。OVA版では公式サイトなどで機体名が明示されている。
  7. ^ アニメ版や原作小説にはパイロットがどのような人物であるのかという描写はない。ただし、プラモデルの解説書に掲載された読み物では、このパイロットは対サイコミュMS戦についての知識があるという言及がされているうえ、アクシズを押し返したνガンダムを見た経験もあることが示唆されている[53]
  8. ^ コールサインはジュリエット6、パイロットはマコ中尉。
  9. ^ アニメ版『ガンダムUC』本編episode1冒頭でクシャトリヤと交戦したスタークジェガンの戦術や、同場面の構図をなぞる演出となっているが、パイロットの名前や所属は明かされず、『ガンダムUC』本編に登場したキャロット所属機との関連性は明かされない。エピソードの登場人物であるドゥーエ・イスナーンダニー・セケンドに労いやアドバイスの言葉を残して去り、自分を「偽りのエース」と卑下するドゥーエから「あれが本物の撃墜王」と賞賛される。
  10. ^ 小説「不死鳥狩り」では、イアゴは「ラプラス事変」の最中に戦死するが、アニメ版では時系列などが変更されており、「ラプラス事変」後や『NT』の結末でも生存している。
  11. ^ ただし、それ以前に『Gジェネレーション』シリーズなどに出演したときにも、装備を追加する仕様の機体として現在のスタークジェガンに近いかたちに再デザインされており、そちらは現在ではCCA-MSV版としてあつかわれている。分かりやすいデザインの違いとしては、CCA-MSV版は3連装ミサイル・ポッドと共に大型ミサイル2基(核弾頭装備可能)が付いており、腰に通常のジェガンと同様のグレネードが残っている。
  12. ^ このビーム・ライフルは、OVA版『UC』のepisode6の終盤(RE:0096では第18話の冒頭)にある、バンシィ・ノルンとリゼルとの対決シーンで数カットだが登場する。プレミアムバンダイ限定のプラモデル『HGUC ジェガンA2型(ゼネラル・レビル配備機)』にも、説明書に言及がないがサービスパーツ扱いで入っている。
  13. ^ 『UC』のepisode6(RE:0096の18話)にて、ネェル・アーガマから発進したリゼルの1機が、バンシィ・ノルンに斬りかかる際にこれを左腕に装備しており、銃口からビーム・サーベルのようなビームを発振する。
  14. ^ 一方で、ST(センサーターレット)ガンと記述した資料もみられる[86]

出典

  1. ^ 公式HPより
  2. ^ @gakky1967 (2012年5月25日). "で、なんでジェガンを僕が担当することになったかというと(まだ大河原さんのラフがなかったので)試しにヘビーガンをベースにしたジェガンとの間の子的ラフを描いたところ、だったら最後までやってみろ、みたいな感じだったかと。". X(旧Twitter)より。 {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
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参考文献

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    • 『講談社ヒットブックス17 機動戦士ガンダムF91 パーフェクトファイル』講談社、1991年5月。ISBN 4-06-177717-3 
    • 『ENTERTAINMENT BIBLE .35 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.5 コスモ・バビロニア建国戦争編】』バンダイ、1991年6月。ISBN 4-89189-157-2 
    • 皆河有伽『総解説 ガンダム辞典ver1.5』角川書店、2009年8月。ISBN 978-4063757958 
    • 『グレートメカニックスペシャル 機動戦士ガンダムUCメカニック&ワールド ep 4-6』双葉社、2013年5月。ISBN 978-4575464740 
  • ムック
    • 『B-CLUB SPECIAL 機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』バンダイ、1991年5月。ISBN 4-89189-155-6 
    • 『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』バンダイ、1992年9月。ISBN 4-89189-275-7 
  • プラモデル付属説明書
    • 『1/100 ガンダムF90II-Lタイプ(長射程仕様)』バンダイ、1991年11月。 
    • 『1/144 HGUC No.104 RGM-89S スタークジェガン』バンダイ、2010年2月。 

参考文献

関連項目