IMI ガリル
ガリルARM 5.56mm NATO弾仕様
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| IMI ガリル | |
|---|---|
| 種類 | 軍用小銃 |
| 製造国 | |
| 設計・製造 | イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ |
| 仕様 | |
| 種別 | アサルトライフル |
| 口径 | 5.56mm NATO |
| 銃身長 | 460mm (AR, ARM) |
| ライフリング | 6条右転 |
| 使用弾薬 | 5.56mm NATO弾 (7.62mm NATO弾) |
| 装弾数 | 30発/35発/50発 (箱形弾倉) |
| 作動方式 | ロングストロークガスピストン ロータリーボルト閉鎖方式 |
| 全長 | 979mm (銃床展開時) 742mm (銃床折畳時) |
| 重量 | 4325g |
| 発射速度 | 650~700発/分 |
| 銃口初速 | 950m/秒 |
| 有効射程 | 200~300m |
| 歴史 | |
| 配備期間 | 1972年 - |
| バリエーション | バリエーションの節を参照 |
IMI ガリル (Galil ) は、イスラエルのIMI製の歩兵用小銃 (アサルトライフル・システム) 。2005年以降は同社小火器部門が独立状態となり設立されたイスラエル・ウェポン・インダストリーズ (IWI) 社が生産・プロモーションする。
名前は開発者の一人、ロシア出身のイスラエル・ガリリ (Israel Galili) 及びガリラヤ地方に由来する。
目次 |
概要 [編集]
イスラエル軍は1950年代までFN FALを採用していたが、1967年の六日間戦争によって、イスラエル軍首脳部はFN FALより軽量且つ丈夫で、更に命中精度の高いライフルの必要性を実感した。そこで軍首脳部は以上の条件を満たした上で、NATO標準の5.56 ×45mm (M193) を使用するアサルトライフルの開発を決定した。
このトライアルにはM16A1、H&K HK33 (G3の小口径版) 、ストーナーMk63、ウージーの開発者ウジール・ガル設計の試作ライフル、そしてイスラエル・ガリリとその補佐役であるヤコブ・リオール (Yaacov Lior) が共同開発したライフルが提出される。ウジール・ガル、ガリリ&リオールのライフルが最終選考に残り、後者が採用された。これが後にガリル・ライフル・システムの基礎となる。
試作段階に於いては、フィンランドで製作されるカラシニコフ・コピーのバルメ社製RKm62のレシーバーを輸入、アメリカのコルト社とキャデラックゲージ社それぞれに口径5.56mm×45仕様のバレル素材とマガジン、ボルトを発注、ストックはFN FALのそれを流用し開発された。
自国生産能力が低かったイスラエル建国初期は、工作機械の不足からバルメ社より引き続きレシーバーの輸入を行い製造していたが、生産ラインを確保すると純国産ライフルとして量産された。量産体制が整ってからはイスラエル国防軍の一部に先行配備されていたが、アメリカ製のM16が安価に輸入出来るようになると他の部隊にはそれらが支給され、ガリルの方は主に国外輸出や製造ライセンスの売却で外貨を稼ぐために使われた。その国外輸出もまた、後継であるブルパップ式のタボールに取って代わられつつある。
特に苛酷な環境にある国に多く採用され、南アフリカを始めとしてクロアチア、エルサルバドル、グァテマラ、コスタリカ、コロンビア、コンゴ、トリニダード・トバゴ、ジンバブエ、ニカラグア、フィリピン、ボリビア、ボツワナ、ホンジュラス、トンガ、ミャンマー等で採用されている。
特徴 [編集]
設計者のガリリはイスラエルの過酷な環境において、M16よりもAK-47の構造の方がより適していると考えており、ガリリとリオールの二人が提出したライフルはAK系ライフルから欠点を排斥するという作業によって開発されたといえる。機関部はほぼAK-47からのコピーであり、同じく部品点数の簡素化による兵士の負担減少や訓練時間の短縮などの効果がある。西側 (NATO) に合わせ7.62mm × 39弾より小口径で反動の少ない5.56mm NATO系列を採用する事やアイアンサイトの照門と照星の距離を長くとる事でAK-47の欠点だった連射時における命中率の低下も抑制された。
主要外部パーツの形状の差異から全く異なったライフルであるように見えるが、基本的にはAK-47の機関部を5.56mm NATO系列の弾薬に対応させたライフルである。前制式小銃がFN FALであったためか、ストックがFN FALのサイドスイングストックと同じ形状になっているなど、他国製のライフルから流用された部分がある。さらにバイポッドやキャリングハンドルが標準装備されている。
弾薬として5.56mm NATO弾を選択したのは、イスラエル軍首脳部が西側諸国に合わせる為 (輸出に際しての近代兵器マーケットへの対応) にトライアルの条件としてそう提示したためという他に、ガリル自身7.62mm × 39弾によって命中精度の低下を招くと考えていたためでもある。マガジンは専用の装弾数35発・50発のバナナ型弾倉が用意されており、アダプターを使えばNATO標準の30連弾倉も使用出来る。50発マガジンは主に簡易軽機関銃としての用途に使われる。R4(5・6)としてライセンス生産する南アフリカのデネル・グループ・ベクター社では、センサテック (ポリマー樹脂) 採用のより耐久性の高いマガジンを開発している。こちらは上記に加えて5発・20発・30発等、バリエーションは本家よりも幅広い。
当時のAK-47派生ライフルとしては珍しく、セーフティスイッチ (安全装置) が両側についている。銃の左側面のセーフティは小型でグリップに近い位置に付けられており、親指だけで快適に切り替える事が出来る様に設計されている。銃の右側面のセーフティはAK-47と同じデザインで、安全位置では機関部カバーを兼ねる大型のものである。
栓抜き・ワイヤーカッター [編集]
本銃特有の装備として、バイポッドの固定具に栓抜きを装備している事が挙げられる。これはイスラエル軍が導入を始めた初期段階に、前線から装弾不良の報告が続出したため原因を調査してみたところ、兵士達が瓶の王冠を外す際、手元に栓抜きが無いため、適当な代用品として身近にある弾倉の給弾口部分の上段を使った結果、これを変形させてしまったのが原因と判明した。
通常ならばその様な用途には使用しないよう通達され、部隊側も兵士に栓抜きを支給するものだが、設計者はこれを聞いてハンドガード部のバイポッド固定器具 (ハンドガードを握る際、小指付近の位置) に栓抜き用の金具を追加した上、バイポッドと銃本体の接続基部にワイヤーカッター (ヒンジ部に針金をあてがい、バイポッドを格納状態から展張した状態にして切断する構造) まで付与している。
性能に直結しないこの様な機能をライフル自体に付与する事は世界的に見ても珍しい。これらの機能はガリルARMモデルにのみ備えられており、後に製造された簡略型のARではバイポッドと共に省略されている。また、簡易的ながらARMモデルが本来持っていた軽機関銃としての役割がネゲヴ軽機関銃に引き継がれることとなり、ARM自体の生産も狙撃向け口径7.62×51mmセミ・オートモデル“ガラッツ”のみに縮小され、現行型では更なる改良によりこれらの機能は完全に省略された。
バリエーション [編集]
- ARM (アサルト・ライフル/マシンガン)
- 前述の栓抜き付ハンドガードとバイポッドを装備、簡易的な軽機関銃 (ライト・マシンガン、LMG) としての用途も考慮した基礎モデル。現在、IWI社での生産は後述の口径7.62×51mm狙撃用途モデル・ガラッツ限定となっている。
- AR (アサルト・ライフル)
- キャリングハンドルとバイポッドを省略、それに連なる栓抜き付ハンドガードから栓抜きを省略した別設計のセンサテック・ポリマー樹脂製ハンド・ガードを装着するモデル。現行イスラエル国防軍や国外輸出・ライセンス生産品では、ARMよりもこのモデルの方が一般的である。
- SAR (ショート・アサルト・ライフル)
- 全長を短く切り詰めたカービン (騎兵銃) タイプ。
- マイクロ・ガリル
- 旧称、MAR (マイクロ・アサルト・ライフル) 。SARより更にバレル長を短縮しサブマシンガン並の長さとしたモデルである。ハンド・ガードには前期型と後期型の二種があり、後者には照準器装着を考慮しピカティニー・レールが加工されている。公的機関向けの機種として、改良型のマイクロ・ガリル・ポリスが存在する。安全性考慮のため普段はチャンバーを空にして携帯する警官の要望に応えるべく、新たにコッキングハンドルを左側面へ移しており、要事の際には素早い装填・射撃準備の完了が出来るよう改良されている。この特徴は最新型のエース・シリーズにも反映されている。
- 7.62×51mm弾対応型
- 狙撃用途重視としてARM、AR、SARそれぞれに口径7.62×51mm仕様が存在する。5.56mm弾用マガジンが湾曲した細長い物なのに対し、7.62mm弾用マガジンは直線的で前後に幅広い形状をしていることから識別できる。かつてはフルオートマチック対応モデルも存在していたが、連射時の反動が制御し辛い等の理由から現在はセミオートマチックのみとなっている (ガリル・エース・シリーズでは復活している) 。
- 特にARMの狙撃用7.62×51mmガリル・スナイパー・モデルは“ガラッツ (Galat'z)” と言うニックネームが付けられ、その改良型としてセンサテック製ストックやハンドガードを装備するSR-99が存在する (現在はガラッツと統合され生産完了) 。ガラッツでのハンドガードは通常のガリル同様木製で、FALタイプの折りたたみ式ストックを採用していたが、一時期ストックを固定式としたこともある。現在ARMモデルの生産はガラッツのみに縮小されている。
- 改良型ガラッツでは、SR-99及びガリル・エース・シリーズの仕様を反映させ、木製からセンサテックのハンドガードに更新されている。固定式ストックは従来のFALタイプの折りたたみ式ストックへ戻され、そのストックも一部をラバーで覆い、使い易さを改善した物となった。グリップも同じく狙撃向けのアナトミー・バーティカルグリップに交換されている。なお、これらの改良と共に栓抜き・ワイヤーカッター機能は完全に排除されている。
派生モデル [編集]
- マガル (Magal)
- マイクロ・ガリルをベースに.30カービン弾を使用する派生モデル。マガジンは本家ガリルと同様にM1カービンの物を流用する。イスラエル警察は都市戦闘で使ったM1カービンの代替として採用している。
- ガリル・エース (Galil ACE)
- 2009年に発表された、近代化改良したガリルの新規シリーズ名。新たに口径7.62mm×39仕様が加わり、AK-47系マガジンも流用可能となった事が最大の特徴であるが、マイクロ・ガリル・ポリスからのフィードバックとして、操作しやすいようレシーバー左側面にコッキングハンドルを移動させると共にセレクターレバーも小型の物に変わり、レシーバー上部やハンドガードに多数のピカティニー・レールを標準装備し、ショルダーストックも折りたたみ可能なFALタイプからM4系に準じたポリマー製テレスコピック (伸縮式)・ストックに変更されるなど、近代マーケットの要求に最大限応えた仕様となっている。
- レシーバー下側はグリップから円形ハンドガードまで一体化し、センサテックで製作される新規デザインとなりコストダウンも図られている。口径7.62×51mm仕様では従来反動等の問題から外されていたフルオートマチック射撃が可能となっている。
- 個別バリエーション名も口径別に変更されている。口径5.56×45mm仕様はエース21・22・23 (それぞれ左からMAR・SAR・ARに相当) 、7.62mm×39仕様はエース31・32 (MAR・ARに相当。SARは無し) 、7.62×51mm仕様はエース52・53 (SAR・ARに相当。MARは無し) となっている。また、各モデルに汎用バイポッドを取り付ければ短機関銃や狙撃銃としても流用出来る (エース53ではガラッツと同等のARM狙撃仕様となる) 。
- 2012年、エース22のマガジン挿入口を改良し、従来のガリル専用マガジンとの互換性を無くした代わりにアダプター無しでSTANAG マガジンを使用可能としたエース22Nが発表された。
ライセンス生産 [編集]
南アフリカ共和国 - バットストックを延長したものをR4 (ARに相当。SARに相当するR5、MARのR6も生産していた) として使用している。生産はデネル・グループ・ベクター社。更に機関部をそのまま流用した次世代型CR21と言うブルパップ方式のアサルトライフルも存在する。なお、現在のベクターはR4シリーズの生産を中止しており、代替品として同国のツルベロ・アーモリー社がガリルをベースとしたラプター・アサルトライフルを開発した。
クロアチア - ハンドガードの変更やスコープの標準装備など大幅に手を加えたAPS 95という銃を使用している。
オランダ - NMW社がNM-1として5.56ARMをライセンス生産し、これを元にオリジナルのD.NM-1・M2を開発した。
スウェーデン - ハンドガードを変更したFFV-890C (5.56AR) が生産されている。
イタリア - ベルナルデリ社が少し手を加えM16のマガジンを使用できるようにしたVB-STD (5.56AR) とVB-SR (5.56SAR) や外観が異なり射撃競技などに使用される威力の弱い.22LR弾を使用するイエーガーAP84 (AR) が存在する。
ミャンマー - ガリルにミャンマー独自の改良を施したEMERK-3がライセンス生産されている。ミャンマー国軍はこれをMA-1ライフルと称して採用している。2002年からそれまでの主力小銃であったH&K G3のライセンス生産品であるBA-63の置き換えが進んでいる。また、カービンタイプのMA-1(正式名称不明)も開発されており、こちらもミャンマー軍で採用されている。
アメリカ合衆国 - バルカンアーマメント社がV73としてライセンス生産している。バリエーションとしてサイズではマイクロ、SAR、AR、ARMが、使用弾では5.56mm×45、7.62mm×39、7.62mm×51が存在する。
カスタムモデル [編集]
- Elite Firearms Galil
- アメリカのElite Firearms社が製造するガリル。7.62mm×39仕様 (AKのマガジンを使用) になっている。バリエーションとしてSAR、AR、ARMが存在する。本家IWIのACEより先に7.62mm×39のガリルを製造した。また5.45mm弾を使用するARMも製造する。
登場作品 [編集]
映画 [編集]
- デルタ・フォース (映画) - アルジェ国際空港での奪還作戦でデルタフォースが使用。
- デルタフォース3 - デルタフォース隊員がSAR5.56mm仕様を使用。一部M203 グレネードランチャーを装備。
- ヒート (映画) - 銀行襲撃時にマイケル・チェリトがARM5.56mm仕様を使用している。
- バイオハザードII アポカリプス - アンブレラの傭兵部隊U.B.C.S.の隊長カルロス・オリヴェイラがマイクロ・ガリル・ポリスを使用する。仲間のユーリ・ロギーノワとニコライ・ジノフェフは、同じIMIのタボール CTAR-21を使用。
- 第9地区 - クーバス大佐が使用。
- 裸の銃を持つ男
- レバノン (映画)
漫画・アニメ [編集]
- On Your Mark - カルト教団の拠点を強襲した武装警官隊が使用。弾倉の形状や銃身及びガスピストンシリンダーの長さ、バイポッドとキャリングハンドルが無いことからAR5.56mmと思われる。
- うぽって!! - ガリルちゃんが、GALIL ARを使用。(ガリルちゃん自身がGALIL ARの擬人化キャラでもある)
- これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド - 第3話に於いて名称のみ登場。
ゲーム [編集]
- SPECIAL FORCE - Galilとして登場。また、EVL_Galilという名称のオリジナル版も登場する。
- カウンターストライク - テロリスト側のみ購入可能。
- サドンアタック - GAL-1という名称で登場。
- スパイフィクション - 敵の装備として登場。
- クロスファイア - Micro Galilという名称で登場。
- メタルギア ゴーストバベル/アシッド/アシッド2 - “ゴーストバベル”、“アシッド”ではR5、“アシッド2”ではR5およびGALIL SARという名称で登場。
- Alliance of Valiant Arms - ガラッツ仕様がGalil Sniperと改良版のMad Galilとして、またSR-99が99SRという名称で登場。ゲーム内兵科「スナイパー」のメイン武器。また、マイクロガリルがGalil MARという名称で登場。ゲーム内兵科「ポイントマン」のメイン武器。
- ブラックショット - GALILという名で登場。装弾数が150発ある。
- コール オブ デューティ ブラックオプス - 舞台設定は60年代で本銃完成前だが、GALILという名で登場。アタッチメントが付けられる。
小説 [編集]
- Op.ローズダスト - テロリストらが特殊部隊を迎撃する際に使用。
- ヤングガン・カルナバル - 木暮塵八がマイクロ・ガリルを使用。
- SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録 - SASが訓練を施す「南アメリカのある国」の警察が7.62mmタイプを使用。
- 極大射程 - パンサー大隊の兵士達が使用。
関連項目 [編集]
- 小銃・自動小銃等一覧
- AK-47
- IMI ネゲヴ - バットストックやハンドガードはARモデルの物を流用している。
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