ベクター CR21

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Vector CR-21

ベクター(Vektor)CR21とは、南アフリカデネル・グループのベクター(ヴェクター)小火器事業部が開発、生産するブルパップ方式アサルトライフルである。

「CR21」とは「21世紀のコンパクト・ライフル」の略称である。

概要[編集]

ベクター小火器(銃器)事業部の前身である、南アフリカ国営銃器メーカーのリッテルトン・エンジニアリング・ワークス社(略称LIW。現在はデネル・グループに吸収合併されベクターとなる)時代から、イスラエルIMI社よりライセンス権を購入し生産、南アフリカ軍正式装備としていたガリル・アサルトライフル(製品名・R4)の旧式化、及び現代兵器マーケットへの対応を目的として開発設計されたブルパップ・スタイルのアサルトライフルである。

経済性向上の為にそれまでの製造コンポーネントを極力活用する事として、内部機器に関してはR4(ガリル)のシステムをほぼそのまま流用され、コストダウンが計られている。

後述する独特な形状を持つストックのデザインは、南アフリカの工業向けデザイニングを主とするペンタグラフ社とベクターの共同開発によって完成した。

完成品は1998年度のユーロ・サトリで初公開された。尚、同時期に発表・公開されたIMI社のタボールやSTK社のSAR21と比べると、バリエーションは少ない。

特徴・基本仕様[編集]

使用弾薬(口径)は5.56x45mm NATO弾系。全長は760mm、重量は3.8kgである。

バレルの長さは460mmで、9インチ一回転・6条のライフリングを持ち、NATO制式のSS109弾薬にも対応する。装着されたマズル・ブレーキは消炎器の役目も果たし、ライフル・グレネードも射撃可能である。

前述通り、内部機器はガリルのそれと全く同じで、カラシニコフ・デザインのガス・オペレーテッド・ロング・ストローク・ピストン/ロテイティング・ボルトのシステムであり、過酷な南アフリカの環境に十分対応する。後述する様に、外装にはセンサテック(ポリマー、合成樹脂)を多用したアサルトライフルではあるものの、内部機器はガリルそのままである為、ほぼセンサテックは用いられていない。その為にブルパップ方式を採用したアサルトライフルの中では、やや重量のあるモデルに分類される。

黒色のセンサテック製ストックは人間工学に基づき、曲線を駆使したデザインとなっているが、数多いブルパップ・スタイルのアサルトライフルの中でも際立って異彩で、グロテスクとさえ言われる程の形状を誇る。[要出典]このセンサテックのストックは熱を溜めやすい為、先端上部及び下部に通風口が開けられている。

ストック上部の後方にはセレクターレバーが装備され、セミオートかフルオート射撃のいずれかを選ぶ事が出来るものの安全装置は兼用されておらず、こちらはトリガー前方にあるクロスボルト式の手動スイッチでトリガーをロックし、射撃不可とする。バットストックに滑り止めの溝が大きく成型されており、射撃時の安定性に貢献している。このストック後方部分は取り外しが可能で、クリーニングの際は取り外した後に剥き出しとなった機関部を外し、清掃する。

スライド式のトリガー(引き金)も同様にセンサテック製である。

ストックとデザインを合わせた独自開発のドットサイトは、内部に円と逆V字、平行線を組み合わせた独特なデザインのトリチウム光点(照準)を持つ。昼間は外部ファイバーから光を供給し、夜間には光点自身が発光する。ドットサイトは一体の様にも見えるが取り外し可能で、その他夜間サイトなどと交換する事も出来る。

サイトベースの下部にはコッキング・レバーが装備され、その下に「Vektor CR21」の刻印が打たれている。このコッキング・レバーは射撃中に動く事のない独立式となっている。

マガジン(弾倉)は、ベクター独自開発のガリル用マガジンと互換性のあるセンサテック製マガジンを標準装備とする。このマガジンは本来のガリル用金属製マガジンよりも耐久性に優れ、装弾数のバリエーションも5発・10発・15発・20発・25発・30発・35発と本家より幅広い(20発マガジンを標準とする)。

オプションとして、デザインを合わせたCR21専用のセンサテック製40mmグレネードランチャー及び専用照準器が存在する。M203 グレネードランチャーも取り付け可能である。

CR21の採用状況[編集]

南アフリカ軍に於いて制式採用(主に特殊部隊へ供給)となったものの、軍事予算の都合や操作感の違い等の理由から軍全体への普及は停滞しており、旧来のR4やR5、ツルベロ社開発のラプター・アサルトライフル等と混在した状況となっている。

登場作品[編集]

白いものがMNUの一般装備として登場。

外部リンク[編集]