栓抜き

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栓抜き(せんぬき、: bottle opener)は、主として飲料用のに封をしている王冠を開けるための道具[1]。広義には瓶の王冠を取ったりコルク栓を取る道具[2][3]を指すが、一般には後者はコルク抜きとして区別される[3][2]

種類[編集]

王冠抜き[編集]

栓抜き
アーミーナイフの栓抜き

王冠を取る道具。ボトルオープナー。これを使って瓶を開けることで、中身の飲料を飲むことができる。なお、JIS S 9023(1981年2月15日制定・1994年8月1日廃止)では「王冠抜き」と規定されていた。

ビールなど、王冠で栓をされた瓶用の栓抜きは、持ち手の先にちょうど王冠に引っ掛かるような形で金具が取り付けられている。もともと王冠は化学的に瓶と結合されているものではなく、一定以上の物理的な力で引き剥がそうとすればはがれるものであるが、実際には素手で金属の王冠を引き剥がす行為は、過重な負担を手に強いるものであることから、てこの原理を利用することで王冠を容易に持ち上げて外すことができるようにするものである。通常は、金属片の一部に王冠の辺縁部を引っ掛けるための切り欠きがあり、王冠上部を支持しつつ、辺縁部を持ち上げることにより、王冠を半ばより折り曲げることにより開栓する。通常は、電気的・機械的構造を有するものではなく、特定の形に切断した金属片であることから、高価なものではない。

なお、多数の機能を持った家庭用品・アウトドア用品、いわゆるマルチツールには、栓抜きの機能を持ったものが多い。特に台所用のはさみ缶切りアーミーナイフ等にこれらの機能がつけられている事も少なくない。また、コルク抜きの機能を併せ持ったものもある[2]

コルク抜き[編集]

ワインなど、コルク栓で口を塞がれている瓶用の栓抜きは、持ち手に螺旋状の針金が取り付けられており、持ち手を捻り針金をコルクに差してから引き抜く。→コルクスクリュー

その他[編集]

ラムネにはガラス玉を押しこみ開栓する専用の「ラムネ開け」が存在する。リユースを目的とした瓶のガラス玉を傷つけないよう、先端はコルク製のものが多い。近年発売されているペットボトル入りのラムネは個々のボトルにラムネ開けが付属している場合が多い。


歴史[編集]

飲料の容器として、瓶に替わってペットボトルなどが普及して、王冠に替えて、栓の部分をひねることにより栓を開けることができるスクリューキャップ式(: Screw cap)の栓が増えていることから、次第にその存在意義が薄れている。しかし現在でもビールの瓶の栓は大多数が王冠であるなど、特定の飲料においては種々の理由から、根強く旧来の王冠が使い続けられている。このため、飲食店では必需品であり、常備している一般家庭も多い。

固定式栓抜き[編集]

旧型の客車に設けられた固定式栓抜き(大井川鐵道スハフ42形、2007年8月)

国鉄時代の横座席型車輌には、窓の下の小さなテーブルに栓抜きが常備されているものが多かった。逆ユの字型の金具であり、金具に王冠を引っ掛けてこじると簡単に外すことができた。この栓抜き金具は、現在ではほとんど取り外されている。

小田急ロマンスカーSSENSELSEHiSE西武鉄道4000系には座席の壁面テーブルの下に栓抜きが設けられている。特にHiSEや西武4000系は昭和末期~平成初期に作られた車両ではあるが珍しく栓抜きが設けられている。

瓶入り清涼飲料水自動販売機には筐体前面に固定式の栓抜きを備えていた。開栓する際に落下する王冠を受け止める回収箱がついたものも多い。

備考[編集]

イスラエルガリル小銃は、栓抜きを装備した世界唯一の軍用小銃である。これは兵士達が銃の角をビンの王冠を開けるのに用いたり、銃剣を無理矢理栓抜き代わりとして使用した結果、銃の破損、刃こぼれ、怪我が多発してトラブルとなった教訓を反映したものである。

また、一般的にプロレスにおける凶器といえば、真っ先に連想されるものが栓抜きである。かつて、プロレスゲームファイヤープロレスリングZPlayStation 2用、2003年)の限定版特典として、血糊つきの栓抜きが添付されたことがある。

脚注[編集]

  1. ^ 意匠分類定義カード(C6) 特許庁
  2. ^ a b c 『料理食材大事典』主婦の友社 p.462 1996年
  3. ^ a b 『丸善食品総合辞典』丸善 p.618 1998年

関連項目[編集]