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田宮裕涼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
田宮 裕涼
北海道日本ハムファイターズ #64
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 千葉県山武市
生年月日 (2000-06-13) 2000年6月13日(24歳)
身長
体重
175 cm
79 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手外野手
プロ入り 2018年 ドラフト6位
初出場 2020年9月27日
年俸 700万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

田宮 裕涼(たみや ゆあ、2000年6月13日 - )は、千葉県山武市出身のプロ野球選手捕手外野手)。右投左打。北海道日本ハムファイターズ所属。

経歴

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プロ入り前

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小学1年生から山武ブリスキーボーイズで野球を始め、6年生の頃に千葉ロッテマリーンズジュニアに選出[2]。中学時代は佐倉シニアでプレーし、3年春には、日本リトルシニア全国選抜大会で優勝し、自身も捕手としてベストナインに選ばれた[3]

成田高等学校では1年秋からレギュラーを獲得。2年夏の千葉大会では、打率.316を記録するも、ベスト16に終わった。2年秋からはキャプテンに就任。3年夏の東千葉県大会では、全6試合に「3番・捕手」で先発出場し、好調だったものの決勝で木更津総合高等学校に敗れ、準優勝。

2018年10月25日に行われたドラフト会議では、北海道日本ハムファイターズから6位指名を受け、契約金2000万円、年俸480万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ[4]。背番号は64

日本ハム時代

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2024年7月23日、オールスターゲーム第1戦でのブルーカーペットイベントにて

2019年は、同期入団の吉田輝星野村佑希柿木蓮万波中正と揃って、春季キャンプを二軍で迎えた[5]オープン戦期間中の3月3日に1日限定で一軍へ昇格すると、本拠地・札幌ドームでの対横浜DeNAベイスターズ戦に7回の守備から石川亮に代わり途中出場を果たした。レギュラーシーズンでは一軍へ昇格することはなく、イースタン・リーグ73試合に出場し、打率.221、16打点、11盗塁の成績を残した[6]

2020年も二軍での出場を続け、脳震盪特例措置で出場選手登録を外れたクリスチャン・ビヤヌエバの代替選手として、9月26日に初昇格[7]。翌27日の対オリックス・バファローズ戦で8回の守備からプロ初出場し、金子弌大とバッテリーを組み、その回を0点に抑えた。そして9回に漆原大晟からプロ初打席で初安打を記録した[8]。イースタン・リーグでは41試合に出場し打率.202、11打点、1本塁打という成績だった[9]

2021年は、一軍への出場は3試合で無安打に終わるが、イースタン・リーグでは61試合に出場し打率.253で14盗塁と俊足ぶりもアピールした[10]

2022年は、3月2日の東京ヤクルトスワローズとのオープン戦で初めて左翼の守備にも挑戦する[11]。4月17日に怪我で離脱した郡拓也に代わり一軍登録されると[12]、4月20日の東北楽天ゴールデンイーグルスとの試合でシーズン初スタメンを任され7回には同学年で同期入団の吉田輝星とバッテリーを組み無失点に抑えた[13]。最終的に一軍では11試合の出場で打率.111と結果が残せず、イースタン・リーグの試合では49試合に出場し、打率.219、1本塁打、8盗塁という成績だった[9]

2023年は、主にイースタン・リーグの試合に出場し、91試合で打率.220、1本塁打、22打点という成績を残し[14]、シーズン終盤まで一軍での出場機会を得られなかったが、9月22日に初昇格。24日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦では1試合に3つの盗塁を阻止する強肩ぶりをアピールし、"ゆあビーム"として話題となった[15]。翌日の同カードでは1点ビハインドで迎えた7回に田中将大からプロ初本塁打を放った。一時は二塁打判定となったが、リプレイ検証の末判定が覆った[16]。本拠地最終戦となった28日の対千葉ロッテマリーンズ戦では勝ち越しとなるプロ初適時打を放つ[17]。10月1日の対福岡ソフトバンクホークス戦では石川柊太から逆転の2号3点本塁打を放つなど打撃面でも猛アピール[18]。レギュラーシーズンでは10試合に出場し、打率.258、2本塁打、9打点、2盗塁の成績を残した。オフシーズンには130万円増となる年俸700万円で契約を更改した[19]

2024年は自身初の開幕スタメンを勝ち取ると[20]、開幕戦でいきなり適時打を含む2安打を記録し、2019年以来5年ぶりとなるチームの開幕戦白星に貢献した[21]。4月5日に行われた埼玉西武ライオンズ戦では、プロ初となる猛打賞を記録した[22]。6月6日の広島東洋カープ戦では、プロ初の4番打者としてスタメン起用された[23]。交流戦後は調子を落としていたが、7月16日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦にて10回裏一死の打席で則本昂大から中越サヨナラ適時二塁打を放ち、これがプロ入り初のサヨナラ打となった[24]

選手としての特徴・人物

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巧みなバットコントロールで広角に打ち分ける打撃や「ゆあビーム」「ゆあキャノン」と呼ばれる強肩(二塁送球タイム1秒84を記録)[25][26][27][28]、50m6秒0を生かした俊足が武器の捕手[29][30]

愛称は「ゆあたそ」で[31]、チーム内では「たみちゃん」とも呼ばれる[32]

甘いマスクの持ち主で、女性ファンの人気を集めている[26]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2020 日本ハム 4 7 7 1 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 0 0 0 2 0 .429 .429 .429 .857
2021 3 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
2022 14 21 18 1 2 1 0 0 3 0 0 0 2 0 1 0 0 4 0 .111 .158 .167 .325
2023 10 31 31 4 8 1 0 2 15 9 2 0 0 0 0 0 0 7 0 .258 .258 .484 .742
通算:4年 31 60 57 6 13 2 0 2 21 9 3 0 2 0 1 0 0 13 0 .228 .241 .368 .610
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

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捕手守備


捕手






















2020 日本ハム 4 9 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ----
2021 1 0 0 0 0 ---- 0 0 0 0 ----
2022 7 26 5 2 1 .939 1 8 7 1 .125
2023 6 29 4 1 1 .971 0 8 4 4 .500
通算 18 64 9 3 2 .961 1 16 11 5 .313
外野守備


外野












2022 日本ハム 3 1 0 0 0 1.000
2023 3 2 0 0 0 1.000
通算 6 3 0 0 0 1.000
  • 2023年度シーズン終了時[注 1]

記録

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初記録
その他の記録

背番号

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  • 64(2019年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2021年以降の捕手成績における企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照。

出典

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  1. ^ 日本ハム - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2023年11月23日閲覧
  2. ^ 【2度目の田宮裕涼】捕手と外野手のはざまで…どうしても後手後手になる5年目の苦悩」『日刊スポーツ・プレミアム』2023年8月12日。2024年7月26日閲覧
  3. ^ 〈球宴出場〉大ブレークの“愛され捕手”日本ハム・田宮裕涼が涙した日「たとえ二塁に届かなくても…」あえて直さなかった「ゆあビーム」の原点」『Number Web』2024年7月23日。2024年7月26日閲覧
  4. ^ 根岸敦生「千葉)日ハム指名の成田・田宮捕手、新勝寺で仮契約」『朝日新聞DIGITAL』2018年11月20日。2021年3月28日閲覧
  5. ^ 2019年春季キャンプメンバーのお知らせ」『北海道日本ハムファイターズ』2019年1月17日。2019年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月29日閲覧
  6. ^ 2019年度 北海道日本ハムファイターズ 個人打撃成績(イースタン・リーグ)」『NPB.jp 日本野球機構』。2021年3月28日閲覧
  7. ^ 【日本ハム】ビヤヌエバが登録抹消 脳震とう特例措置で 代替選手で田宮裕涼がプロ初昇格」『スポーツ報知』2020年9月26日。2024年7月27日閲覧
  8. ^ 日本ハム田宮が初打席初安打「ゆあスマイル」」『日刊スポーツ』2020年9月27日。2021年3月28日閲覧
  9. ^ a b 田宮裕涼(北海道日本ハムファイターズ)」『週刊ベースボールONLINE』。2024年7月27日閲覧
  10. ^ 次世代スターは誰だ! パリーグの若手有望株野手6人」『ベースボールチャンネル』2024年1月24日。2024年7月26日閲覧
  11. ^ 捕手登録の日本ハム田宮裕涼プロ初の左翼守備で好守「本当にびっくり」場内アナウンスで知る」『日刊スポーツ』2024年3月2日。2024年7月27日閲覧
  12. ^ 日本ハム・郡拓也が右手母指末節骨骨折のため登録抹消 復帰まで約4週間」『サンスポ』2022年4月17日。2024年7月27日閲覧
  13. ^ 【日本ハム】田宮裕涼が初の完封リード「1-0だったんでずっとプレッシャーしかなかったっす」」『日刊スポーツ』2022年4月20日。2024年7月27日閲覧
  14. ^ 田宮裕涼が2軍優秀選手賞 吉田輝星からの〝死球予告〟に「ストレートを狙い打ちする」」『道新スポーツ』2023年11月28日。2024年7月24日閲覧
  15. ^ 木下大輔「【日本ハム】田宮裕涼、強肩「ゆあビーム」で1試合3盗塁刺「いい結果」先発加藤貴之好リードも」『日刊スポーツ』2023年9月24日。2024年3月27日閲覧
  16. ^ 日本ハムの5年目、田宮裕涼がうれしいプロ初アーチ リプレー検証で本塁打判定に覆る」『スポニチ Sponichi Annex』2023年9月25日。2024年3月27日閲覧
  17. ^ 【日本ハム】田宮裕涼がプロ初適時打!ロッテ・種市のフォークを中前へ」『スポーツ報知』2023年9月28日。2024年3月27日閲覧
  18. ^ 田宮裕涼が逆転の2号3ラン! 打撃で存在感を示す」『スポーツナビ』2023年10月1日。2024年3月27日閲覧
  19. ^ 【日本ハム】田宮裕涼 来季の目標は正捕手取り…130万円アップで契約更改」『スポーツ報知』2023年11月23日。2024年3月27日閲覧
  20. ^ 日本ハムの開幕スタメン発表 田宮、奈良間が初の開幕スタメン入り」『Sponichi Annex』2024年3月29日。2024年4月7日閲覧
  21. ^ 【日本ハム】初開幕スタメン・田宮裕涼捕手が先制V打&大海好リード「マリンだったのであんまり緊張せずにできた」」『スポーツ報知』2024年3月30日。2024年4月7日閲覧
  22. ^ 【日本ハム】田宮裕涼が首位打者 プロ初猛打賞で打率.529も「守備のことばかり考えてた」」『日刊スポーツ』2024年4月6日。2024年4月7日閲覧
  23. ^ 【日本ハム】プロ初4番で2安打の田宮裕涼「僕のやることは変わらない」 侍・井端監督から激励も」『スポーツ報知』2024年6月6日。2024年6月7日閲覧
  24. ^ 【日本ハム】「ちょっと寝不足気味」だった悩める田宮裕涼がサヨナラ打 ゆあスマイルも復活!」『日刊スポーツ』2024年7月17日。2024年9月28日閲覧
  25. ^ 日本ハム・田宮、剛腕を苦しめる粘り強さでブレイクへ 守備では「ゆあビーム」を発動」『読売新聞オンライン』読売新聞社、2024年4月23日。2024年6月3日閲覧
  26. ^ a b 愛くるしい笑顔がトレードマーク!日本ハム次世代のスター候補生・田宮裕涼への期待 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2020年10月1日。2022年5月21日閲覧
  27. ^ 君は「ユアキャノン」を知っているか? | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2019年11月10日。2022年5月21日閲覧
  28. ^ 田宮裕涼 北海道日本ハムファイターズ」『週刊ベースボールONLINE』。2024年4月17日閲覧
  29. ^ 【日本ハム】ドラ6田宮「西川塾」熱望 50メートル6秒の「走れる捕手」へ」『スポーツ報知』2019年1月11日。2024年4月17日閲覧
  30. ^ 【田村藤夫】日本ハム4年目田宮裕涼の魅力は捕手としては意外性のある俊足 - 田村藤夫のファームリポート」『日刊スポーツ』2022年4月12日。2022年5月21日閲覧
  31. ^ 「ゆあたそ」もはや隙なし 日本ハム6年目ブレイク捕手が今季1号 ファン「このまま一気にスター選手まで上り詰めそう」」『西日本スポーツ』2024年5月22日。2024年6月14日閲覧
  32. ^ 64 田宮 裕涼 選手名鑑2024」『北海道日本ハムファイターズ』。2024年4月17日閲覧
  33. ^ 【日本ハム】田宮裕涼、田中将大からプロ1号「エスコンで打ててうれしいです」球場ルールで本塁打に」『日刊スポーツ』2023年9月25日。2023年9月26日閲覧

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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