感染拡大防止特例2021
感染拡大防止特例2021(かんせんかくだいぼうしとくれい2021 通称「特例2021」)は 日本野球機構(NPB)が2021年の日本プロ野球で運用した 新型コロナウイルス感染症に伴う出場選手登録および登録抹消の特例措置である
選手本人や家族に感染の疑い 濃厚接触の可能性 体調不良などが生じた場合に出場選手登録を抹消し 代替選手を登録できる制度であった 特例によって抹消された選手は 通常必要となる10日間を経過していなくても再登録できた
2020年に導入された「感染拡大防止特例2020」を改定した制度で 2022年は「感染拡大防止特例2022」 2023年は「感染拡大防止特例2023」として継続された 新型コロナウイルス感染症に限定した特例は2023年限りで終了し 2024年からは対象を感染症全般へ広げた「NPB感染症特例」へ移行した[1]
経緯
[編集]2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により プロ野球の開幕が約3か月延期された NPBはシーズンを継続するため 同年6月に「感染拡大防止特例2020」を新設した[2]
この制度では 選手本人や家族に感染の疑いまたは体調不良が生じた場合 通常とは異なる出場選手登録および登録抹消の手続きを適用できることとされた[2]
2021年には制度の一部を改定し「感染拡大防止特例2021」として継続した NPBが公表した新型コロナウイルス対応の総括によると 感染防止に関する登録抹消特例は2020年6月17日に制定され 2021年1月19日および2022年3月7日に改定された[3]
規定
[編集]対象選手
[編集]特例の対象には主に次のような選手が含まれた
- 新型コロナウイルスの検査で陽性となった選手
- 濃厚接触者またはその可能性があると判断された選手
- 選手本人や家族に感染の疑いまたは体調不良が生じた選手
- 球団が感染拡大防止のため登録抹消が必要と判断した選手
代替指名選手
[編集]対象選手を登録抹消する際 球団は代わって出場選手登録する選手を「代替指名選手」として指定できた
対象選手は 通常の登録抹消後に必要となる10日間を待たずに再登録することができた その場合は原則として代替指名選手との入れ替えとなった[3]
代替指名選手も 対象選手の復帰に伴って登録を抹消された場合には 10日間を経過せず再登録することが認められた[4]
登録人数に関する特例
[編集]感染拡大防止特例に伴い 2020年から次の登録人数が採用された[2]
| 項目 | 通常の規定 | 特例による人数 |
|---|---|---|
| 出場選手登録 | 29人 | 31人 |
| ベンチ入り | 25人 | 26人 |
| 外国人選手の出場選手登録 | 4人 | 5人 |
| 外国人選手のベンチ入り | 4人 | 4人 |
外国人選手は出場選手登録を5人まで行うことができたが 同時にベンチ入りできる人数は4人までとされた
この登録枠は2021年から2023年まで継続され 2024年に導入されたNPB感染症特例でも維持された[1]
2026年についても 出場選手登録31人 ベンチ入り26人 外国人選手の出場選手登録5人 外国人選手のベンチ入り4人で運用されている[5]
主な適用事例
[編集]2021年
[編集]2021年3月27日 東北楽天ゴールデンイーグルスは 近親者が濃厚接触者と判断された福山博之を特例2021の対象として登録抹消した[6]
同年3月31日 東京ヤクルトスワローズは西田明央と球団スタッフの感染を受け 山田哲人 内川聖一 青木宣親ら複数の選手を特例2021の対象として登録抹消した[7]
同年4月30日 北海道日本ハムファイターズは西川遥輝 中島卓也 清水優心の陽性判定を受け 淺間大基を含む4選手を登録抹消した[8]
同年5月には 広島東洋カープで複数の選手に陽性判定が出たことから 菊池涼介 小園海斗 鈴木誠也 森下暢仁ら多数の選手に特例2021が適用された[9]
特例は感染者や濃厚接触者だけでなく ワクチン接種後の副反応にも適用された 2021年9月には オリックス・バファローズのアダム・ジョーンズがワクチン接種後の体調不良により登録抹消された[10]
2023年
[編集]2023年には中村悠平 青木宣親 ロベルト・オスナらが体調不良などを理由に特例2023の対象として登録抹消された
同年7月 NPBは新型コロナウイルス感染症に限定した登録抹消特例を同年限りで終了する方針を決めた[11]
NPB感染症特例への移行
[編集]2024年からは 新型コロナウイルス感染症に限定せず 感染症の疑いがある選手を対象とする「NPB感染症特例」が導入された[1]
感染症の疑いで登録抹消された選手について 感染していないことが判明した場合などには 従来と同様に10日間を経過せず再登録できる
2026年にも同特例は運用されており 同年4月には横浜DeNAベイスターズの深沢鳳介がNPB感染症特例により 登録抹消から10日間を経ずに再登録された[12]
脚注
[編集]- 1 2 3 “【NPB】今季も登録枠拡大 コロナ特例に代わる感染症特例で出場登録31人 外国人5人など”. 日刊スポーツ. 2024年1月22日. 2026年8月5日閲覧.
- 1 2 3 “2020年シーズンの特例事項について”. NPB.jp 日本野球機構. 日本野球機構 (2020年6月17日). 2026年8月5日閲覧。
- 1 2 “NPB 新型コロナウイルス対応総括” (PDF). NPB.jp 日本野球機構. 日本野球機構. 2026年8月5日閲覧。
- ↑ “日本ハム「特例2021」で西川 中島 清水 浅間の4選手を抹消”. スポーツニッポン. 2021年4月30日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “NPB 来季登録枠は今季と同じ運用 コロナ 感染症特例を経て増員も「定着している」と維持”. 日刊スポーツ. 2025年11月11日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “楽天福山が特例2021で抹消 近親者に濃厚接触者”. 日刊スポーツ. 2021年3月27日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “青木 内川は濃厚接触者 西田 スタッフのコロナ陽性で”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2021年3月31日). 2021年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年8月5日閲覧。
- ↑ “日本ハム西川遥輝 中島卓也 清水優心コロナ陽性 特例2021で入れ替え”. 日刊スポーツ. 2021年4月30日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “広島 一気に計17選手が入れ替え 菊池涼らコロナ陽性で16選手はコロナ特例”. デイリースポーツ. 2021年5月18日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “オリックス ジョーンズ抹消 コロナワクチン接種で副反応の症状出る”. スポーツニッポン. 2021年9月7日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “プロ野球の新型コロナ「特例抹消」は今季限りで廃止へ”. 中日スポーツ. 中日新聞社. 2023年7月3日. 2026年8月5日閲覧.
- ↑ “2026年4月21日の出場選手登録 登録抹消”. NPB.jp 日本野球機構. 日本野球機構 (2026年4月21日). 2026年8月5日閲覧。