マイケル・テイラー (1991年生の外野手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイケル・A・テイラー
Michael A. Taylor
ピッツバーグ・パイレーツ
ワシントン・ナショナルズ時代
(2018年4月14日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州フォートローダーデール
生年月日 (1991-03-26) 1991年3月26日(33歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2009年 MLBドラフト6巡目
初出場 2014年8月12日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マイケル・アンソニー・テイラーMichael Anthony Taylor, 1991年3月26日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州フォートローダーデール出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBピッツバーグ・パイレーツ所属。愛称はマイキー・T[1]。登録名は「マイケル・A・テイラー」。

経歴[編集]

プロ入りとナショナルズ時代[編集]

2009年のMLBドラフト6巡目(全体172位)でワシントン・ナショナルズから指名され、プロ入り。

2010年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ナショナルズに所属。遊撃手三塁手二塁手として38試合に出場して打率.195、1本塁打、12打点、1盗塁を記録した。9月にA級ヘイガーズタウン・サンズ英語版へ昇格。一塁手として5試合に出場した。

2011年はA級ヘイガーズタウンに所属。この年から外野手に転向した。126試合に出場して打率.253、13本塁打、68打点、23盗塁を記録した。

2012年はA+級ポトマック・ナショナルズに所属し、109試合に出場して打率.242、3本塁打、37打点、19盗塁を記録した。

2013年もA+級ポトマックに所属。5月28日にカロライナリーグ5月第3週(5月20日から26日)の週間最優秀選手に選出され[2]、7月23日に2度目となる7月第3週(7月15日から21日)の週間最優秀選手に選出され[3]、9月4日には3度目となる8月第4週(8月26日から9月2日)の週間最優秀選手に選出された[4]。この年は133試合に出場して打率.263、10本塁打、87打点、51盗塁を記録した。オフの11月20日にルール・ファイブ・ドラフトでの流出を防ぐために40人枠入りした[5]

2014年3月13日にAA級ハリスバーグ・セネターズへ異動し、シーズンでは98試合に出場して打率.313、22本塁打、61打点、34盗塁などを記録した。8月4日にAAA級シラキュース・チーフスに昇格して数試合に出場後、メジャー初昇格した。デビュー戦となった8月12日のニューヨーク・メッツ戦では「8番・右翼手」で先発出場してカルロス・トーレスから初本塁打を記録した。この年メジャーでは17試合に出場して打率.205、1本塁打、5打点を記録した。

2015年は中堅のレギュラーに定着した。9月4日のアトランタ・ブレーブス戦では自身初のサヨナラ安打となる本塁打をブランドン・カニフから記録した。9月8日のメッツ戦では満塁ランニング本塁打を記録した[6]。しかし、9月25日のフィラデルフィア・フィリーズ戦では自身の失策により逆にアーロン・アルテールに満塁ランニング本塁打を許すことがあった[7]。この年は138試合に出場して規定打席に届き、打率.229、158三振(ナショナルリーグワースト5位)と、ミート面では課題を残したが、14本塁打、63打点、16盗塁を記録した。

2016年は開幕から中堅のレギュラーとして固定され、主に1番打者として起用されたが、打率や出塁の面での改善は見られなかった。攻守ともに精彩を欠き、6月22日のロサンゼルス・ドジャース戦では5打席連続三振を喫し、スコア3-2で迎えた9回裏の一死一塁の場面では、ヤシエル・プイグが打った中前安打を後逸し、サヨナラ負けを許した。76試合の出場で打率.231、7本塁打、16打点、14盗塁に留まり、レギュラーに定着できなかった。

2017年も控え外野手に回ると思われていたが、トレイ・ターナーが本来の遊撃に復帰し、中堅を引き継いだアダム・イートンが4月末に怪我で離脱したことで正中堅手として起用された。レギュラー定着後は打撃成績が向上し、イートンの怪我前は打率.192、0本塁打だったが、5月からの前半戦終了までを打率.287、12本塁打とした[8]。しかし、7月7日に腹斜筋の張りで故障者リスト入りした[9]。8月13日に復帰し、後半戦は調子を落としたものの、9月8日のフィリーズ戦では満塁ランニング本塁打を記録するなどした[10]。最終成績は118試合に出場して打率.271、19本塁打、53打点で飛躍のシーズンとなった。ポストシーズンのディビジョンシリーズでは第4戦で球団史上初となるポストシーズンでの満塁本塁打を記録した[11]

2018年は開幕から正中堅手として出場したが、イートンの故障や5月中旬にメジャーデビューしたフアン・ソトの台頭と、その後のイートンの復帰により控えに回ることが多くなった。出番の減少に伴って打撃の成績も落ちていった。最終成績は134試合に出場して打率.227、6本塁打、28打点だった。前年より出場試合数は増えたが、打席数は減少した。

2019年スプリングトレーニング中に左足を故障し、故障者リスト入りして開幕を迎えた[12]。4月10日のフィリーズ戦の途中出場で復帰するも、このシーズンも新人のビクター・ロブレスの台頭により控えに回ることが多かった。6月後半にAA級ハリスバーグへ降格し、セプテンバーコールアップが起きる9月にようやくメジャーに戻った[13]。初年度以降自己最少となる53試合の出場で打率.250、1本塁打、3打点だった。ポストシーズンでは、地区シリーズ第2戦でロブレスが負傷したことで第3戦から先発出場し、チーム移転後初のシリーズ突破を決める最後のアウトをダイビングキャッチで取り、ドジャースとのリーグチャンピオンシップシリーズ第2戦では先制本塁打を記録した[14]。ロブレスの復帰後は控えに戻ったが、ヒューストン・アストロズとのワールドシリーズ第2戦で代打出場して本塁打を打った。チームも4勝3敗でアストロズを下し、自身初のワールドシリーズ優勝を経験した。

2020年10月15日に自由契約となった[15]

ロイヤルズ時代[編集]

2020年11月30日にカンザスシティ・ロイヤルズと175万ドルの単年契約を結んだ[16]。オプションとして最大100万ドルの出来高が含まれる。

2021年4月1日のテキサス・レンジャーズとのシーズン開幕戦でロイヤルズ移籍後初出場し、移籍後初本塁打も記録している[17]。この年は自身6年ぶり2度目の規定打席到達となる142試合に出場し、打率.244、12本塁打、54打点などを記録した。守備では中堅手としてゴールドグラブ賞フィールディング・バイブル・アワードを受賞した。シーズン閉幕前の9月29日にロイヤルズと2年総額900万ドルで契約延長に合意した[18]。2023年までのそれぞれの年俸は450万ドルで、自身最高額となった。

ツインズ時代[編集]

2023年1月24日にスティーブン・クルーズ、エバン・シスク英語版とのトレードで、ミネソタ・ツインズへ移籍した[19]。オフの11月3日にフリーエージェント(FA)となった[20]

パイレーツ時代[編集]

2024年3月16日にピッツバーグ・パイレーツと400万ドルの単年契約を結んだ[21]

選手としての特徴[編集]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 WSH 17 43 39 5 8 3 0 1 14 5 0 2 0 0 3 0 1 17 1 .205 .279 .359 .638
2015 138 511 472 49 108 15 2 14 169 63 16 3 1 2 35 9 1 158 5 .229 .282 .358 .640
2016 76 237 221 28 51 11 0 7 83 16 14 3 0 1 14 0 1 77 2 .231 .278 .376 .654
2017 118 432 399 55 108 23 3 19 194 53 17 7 1 2 29 3 1 137 3 .271 .320 .486 .806
2018 134 385 353 46 80 22 3 6 126 28 24 6 2 0 29 2 1 116 9 .227 .287 .357 .644
2019 53 97 88 10 22 7 0 1 32 3 6 0 2 0 7 0 0 34 0 .250 .305 .364 .669
2020 38 99 92 11 18 6 0 5 39 16 0 0 0 0 6 0 1 27 2 .196 .253 .424 .676
2021 KC 142 528 483 58 118 16 1 12 172 54 14 7 2 5 33 0 5 144 9 .244 .297 .356 .653
2022 124 456 414 49 105 10 3 9 148 43 4 2 2 3 35 0 2 109 6 .254 .313 .357 .670
2023 MIN 129 388 355 48 78 14 1 21 157 51 13 1 3 1 26 0 3 130 7 .220 .278 .442 .720
MLB:10年 969 3176 2916 359 696 127 13 95 1134 332 108 31 13 14 217 14 16 949 44 .239 .294 .389 .683
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2022 KC 1 0 2 0 0 1.000
MLB 1 0 2 0 0 1.000


中堅(CF) 左翼(LF) 右翼(RF) 一塁(1B)
















































2014 WSH 10 15 0 0 0 1.000 - 5 16 0 0 0 1.000 -
2015 96 228 3 3 1 .987 38 72 3 0 0 1.000 3 2 0 0 0 1.000 -
2016 64 121 5 1 0 .992 1 1 0 0 0 1.000 5 3 0 0 0 1.000 -
2017 111 258 8 4 1 .985 - 2 1 0 0 0 1.000 -
2018 113 232 6 1 2 .996 - - 1 0 0 0 0 ----
2019 25 29 2 1 1 .969 - 7 3 0 0 0 1.000 -
2020 11 23 0 0 0 1.000 14 25 0 0 0 1.000 11 15 0 1 0 .938 -
2021 KC 139 351 11 3 3 .992 - - -
2022 123 289 8 3 0 .990 - - -
2023 MIN 126 289 1 3 0 .990 - - -
MLB 818 1835 44 19 8 .990 53 98 3 0 0 1.000 33 40 0 1 0 .976 1 0 0 0 0 ----

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 18(2014年)
  • 3(2015年 - 2020年)
  • 2(2021年 - 2023年)

脚注[編集]

  1. ^ Explaining Nats Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月22日閲覧
  2. ^ P-Nats Center Fielder Michael Taylor Earns Carolina League's Player of the Week Award MiLB.com
  3. ^ Potomac Outfielder Michael Taylor Claims Second 2013 Carolina League Player of the Week Award MiLB.com
  4. ^ P-Nats Outfielder Michael Taylor Honored with Third Carolina League Player of the Week Award in 2013 MiLB.com
  5. ^ Nationals select Sammy Solis, Michael Taylor and Aaron Barrett MLB.com
  6. ^ “Yoenis Cespedes Misplays Ball in Center Field, Leads to Little League Grand Slam”. Bleacher Report. (2015年9月8日). http://bleacherreport.com/articles/2563408-yoenis-cespedes-misplays-ball-in-center-field-leads-to-little-league-grand-slam 2017年9月12日閲覧。 
  7. ^ Axisa, Mike (2015年9月26日). “LOOK: Phillies' Aaron Altherr hits inside-the-park grand slam”. CBS Sports. https://www.cbssports.com/mlb/news/look-phillies-aaron-altherr-hits-inside-the-park-grand-slam/ 2017年9月12日閲覧。 
  8. ^ Lebowitz, Paul (2017年6月28日). “Michael Taylor making most of opportunity after Adam Eaton injury”. FanRag Sports Network. https://www.fanragsports.com/nationals/michael-taylor-making-opportunity-adam-eaton-injury/ 2017年9月12日閲覧。 
  9. ^ Janes, Chelsea (2017年7月6日). “Michael A. Taylor is headed to the 10-day disabled list with oblique strain”. ワシントン・ポスト. https://www.washingtonpost.com/news/nationals-journal/wp/2017/07/06/michael-a-taylor-leaves-game-after-third-inning-with-apparent-injury/ 2017年9月12日閲覧。 
  10. ^ Castillo, Jorge (2017年9月8日). “Michael A. Taylor takes the inside track to a grand slam in Nationals’ victory”. ワシントン・ポスト. https://www.washingtonpost.com/sports/michael-a-taylor-takes-the-inside-track-to-a-grand-slam-in-nationals-victory/2017/09/08/c176fe46-94be-11e7-89fa-bb822a46da5b_story.html 2017年9月12日閲覧。 
  11. ^ Janes, Chelsea (2017年10月11日). “Through teeth of a Wrigley wind, Michael A. Taylor shows his power”. ワシントン・ポスト (Chicago). https://www.washingtonpost.com/sports/nationals/through-teeth-of-a-wrigley-wind-michael-a-taylor-shows-his-power/2017/10/11/55bd6e98-aeda-11e7-a908-a3470754bbb9_story.html 2017年10月13日閲覧。 
  12. ^ ナショナルズ、俊足テイラーが故障で長期離脱か”. 日刊スポーツ (2019年3月16日). 2019年10月19日閲覧。
  13. ^ Nationals add Michael A. Taylor, Wilmer Difo to active roster”. ワシントン・ポスト. 2019年10月19日閲覧。
  14. ^ Taylor 'huge part' of Nats' success thus far” (英語). MLB.com. 2019年10月19日閲覧。
  15. ^ Michael A. Taylor Clears Waivers, Elects Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年10月15日閲覧。
  16. ^ Royals Sign Michael A. Taylor” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月1日閲覧。
  17. ^ Anne Rogers (2021年4月2日). “Royals reward fans with 'one we won't forget'” (英語). MLB.com. 2021年4月9日閲覧。
  18. ^ Royals, outfielder Michael A. Taylor agree on two-year, $9 million contract extension” (英語). CBSスポーツ (2021年9月29日). 2022年4月2日閲覧。
  19. ^ Twins acquire Michael A. Taylor from Kansas City” (英語). MLB.com. 2023年1月25日閲覧。
  20. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月3日). 2023年11月9日閲覧。
  21. ^ Pirates Sign Michael A. Taylor” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年3月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]