ジョー・ロス (野球)

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ジョー・ロス
Joe Ross
ミルウォーキー・ブルワーズ #41
ワシントン・ナショナルズ時代
(2021年7月4日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州アラメダ郡バークレー
生年月日 (1993-05-21) 1993年5月21日(30歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト1巡目(全体25位)
初出場 2015年6月6日
年俸 $1,750,000(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジョー・ロス英語: Joe Ross, 本名:ジョゼフ・アンドリュー・ロスJoseph Andrew Ross, 1993年5月21日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アラメダ郡バークレー出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBのミルウォーキー・ブルワーズ所属。

兄はプロ野球選手のタイソン・ロス

経歴[編集]

プロ入りとパドレス傘下時代[編集]

2011年MLBドラフト1巡目(全体25位)でサンディエゴ・パドレスから指名され[2]、8月15日に275万ドルで契約[3][4]。この年はルーキー級アリゾナリーグ・パドレスで1試合に登板した。

2012年はA級フォートウェイン・ティンキャップスで開幕を迎え、6試合に登板したが、0勝2敗、防御率6.26と結果を残せず、8月24日にA-級ユージーン・エメラルズへ降格。A-級では8試合に登板し、0勝2敗、防御率2.02だった。

2013年はA級フォートウェインで23試合に登板し、5勝8敗、防御率3.75だった。

2014年はA+級レイクエルシノア・ストームで開幕を迎え、19試合に登板。8勝6敗、防御率3.98の成績で、7月16日にAA級サンアントニオ・ミッションズへ昇格。AA級では4試合に登板し、2勝0敗、防御率3.60だった。

ナショナルズ時代[編集]

2014年12月19日に後日発表選手とのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[5]

2015年はAA級ハリスバーグ・セネターズで開幕を迎え、9試合に登板。2勝2敗、防御率2.81の成績で、6月6日にナショナルズとメジャー契約を結んだ[6]。同日のシカゴ・カブス戦で先発起用されメジャーデビュー。5回を投げ、6安打3失点4奪三振だったが、打線の援護がなくメジャー初黒星を喫した[7]。2試合目の登板となった6月13日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では、8回を7安打2失点8奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた[8]。昇格後は3試合の登板で、2勝1敗、防御率2.66と好投していたが、6月23日にスティーブン・ストラスバーグが故障者リストから復帰したため、AAA級シラキュース・チーフスへ降格[9]。7月21日に再昇格した[10]。再昇格後は先発ローテーションに定着したが、9月中旬からはリリーフとして3試合に登板した。この年は16試合に登板し、5勝5敗、防御率3.64だった。

2016年は19試合に登板し、全てで先発として投げた。7勝5敗・防御率3.43・FIP3.49・WHIP1.31を記録。

2017年は13試合に先発したが5勝3敗・防御率5.01と振るわず、7月にトミー・ジョン手術を受けることとなり[11]シーズン終了となった。

2019年は27試合の登板(うち先発9試合)で4勝4敗、防御率5.48という成績で、チームはワールドシリーズに初出場。第5戦で先発するもヨルダン・アルバレスカルロス・コレアにそれぞれ2点本塁打を打たれるなどで敗戦投手となるが、チームはワールドシリーズ初優勝を成し遂げた。

2020年はオープン戦で好投したため、先発5番手を務めることが有力視されていたが、COVID-19の影響で出場辞退を表明した。2020年シーズンは健康面の問題などから「ハイリスク」のカテゴリーに分類された選手がプレーしないことを選択した場合、サラリーとサービスタイムが保証されることになっているが、ロスはこれに該当しないため、60試合分(年俸150万ドル)の日割り給与を放棄することになった[12]。12月1日にナショナルズと新たに1年150万ドルで再契約した[13]

2021年に2シーズンぶりに復帰。しかし、8月17日に右肘尺骨側副靱帯の部分断裂を負い、故障者リストに入った[14]。2022年5月31日にトミー・ジョン手術を受け、2022年シーズンは全休となることが発表された[15]。オフの11月6日にFAとなった[16]

ブルワーズ時代[編集]

2023年1月30日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだが[17]、メジャーでの登板は無かった。

2023年12月12日にミルウォーキー・ブルワーズと1年175万ドルでメジャー契約を結んだ[1]

選手としての特徴[編集]

スリークォーターから、最速97.5mph(約157km/h)・平均93mph(約150km/h)の速球(主にシンカー、稀にフォーシーム)と、平均84mph(約135km/h)のスライダーを主に使用し、その他に平均87mph(約140km/h)のチェンジアップも使う。
メジャー通算対右被OPSは.549なのに対し、対左被OPSは.818と左打者を苦手としている[18]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2015 WSH 16 13 0 0 0 5 5 0 0 .500 314 76.2 64 7 21 0 2 69 1 0 33 31 3.64 1.11
2016 19 19 0 0 0 7 5 0 0 .583 447 105.0 108 9 29 3 6 93 2 0 43 40 3.43 1.31
2017 13 13 0 0 0 5 3 0 0 .625 323 73.2 88 16 20 2 1 68 2 0 44 41 5.01 1.47
2018 3 3 0 0 0 0 2 0 0 .000 68 16.0 17 3 4 0 2 7 0 0 10 9 5.06 1.31
2019 27 9 0 0 0 4 4 0 2 .500 295 64.0 74 7 33 1 4 57 2 0 41 39 5.48 1.67
2021 20 19 0 0 0 5 9 0 0 .357 460 108.0 98 17 34 4 8 109 0 0 57 50 4.17 1.22
MLB:6年 98 76 0 0 0 26 28 0 2 .481 1907 443.1 449 59 141 10 23 403 7 0 228 210 4.26 1.33
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2015 WSH 16 6 13 1 1 .950
2016 19 4 13 1 0 .944
2017 13 1 8 0 0 1.000
2018 3 3 2 0 1 1.000
2019 27 4 11 1 0 .938
2021 20 4 14 0 2 1.000
MLB 98 22 61 3 4 .965
  • 2023年度シーズン終了時

背番号[編集]

  • 41(2015年 - 2019年、2021年、2024年 - )

脚注[編集]

  1. ^ a b Brewers add another arm in RHP Joe Ross”. MLB.com (2023年12月23日). 2024年2月27日閲覧。
  2. ^ "Padres Select RHP Ross With 25th Overall Pick" (Press release) (英語). MLB.com (San Diego Padres). 7 June 2011. 2015年11月30日閲覧
  3. ^ "Padres agree to terms with four Draft picks" (Press release) (英語). MLB.com (San Diego Padres). 16 August 2011. 2015年11月30日閲覧
  4. ^ Corey Brock (2011年8月16日). “Padres sign three top Draft picks”. MLB.com. 2015年11月30日閲覧。
  5. ^ "Washington Nationals acquire RHP Joe Ross and player to be named" (Press release) (英語). MLB.com (Washington Nationals). 19 December 2014. 2015年11月30日閲覧
  6. ^ "Nationals select contract of RHP Joe Ross" (Press release) (英語). MLB.com (Washington Nationals). 6 June 2015. 2015年11月30日閲覧
  7. ^ Scores for Jun 6, 2015” (英語). ESPN (2015年6月6日). 2015年11月30日閲覧。
  8. ^ Scores for Jun 13, 2015” (英語). ESPN (2015年6月13日). 2015年11月30日閲覧。
  9. ^ "Nationals Reinstate RHP Stephen Strasburg, Option RHP Joe Ross to Triple-A" (Press release) (英語). MLB.com (Washington Nationals). 23 June 2015. 2015年11月30日閲覧
  10. ^ "Nationals recall RHP Joe Ross, option INF Wilmer Difo to Double-A Harrisburg" (Press release) (英語). MLB.com (Washington Nationals). 21 July 2015. 2015年11月30日閲覧
  11. ^ "Tommy John surgery to end Ross' season" (Press release) (英語). MLB.com. 15 July 2017. 2017年11月1日閲覧
  12. ^ 【MLB】ナショナルズ・ジマーマンなど3選手 今年はプレーせず(MLB.jp)”. Yahoo!ニュース. 2020年12月10日閲覧。
  13. ^ ナショナルズ、今季全休の右腕ロスと1年契約 - MLB : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年12月10日閲覧。
  14. ^ Joe Ross to injured list with partial UCL tear”. MLB.com (2021年8月18日). 2024年2月27日閲覧。
  15. ^ Nationals' Joe Ross: Set for Tommy John surgery” (英語). cbssports.com (2022年5月31日). 2024年2月27日閲覧。
  16. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年12月7日閲覧。
  17. ^ Giants' Joe Ross: Signs NRI deal with San Francisco” (英語). cbssports.com (2023年1月30日). 2024年2月27日閲覧。
  18. ^ FanGraphs

関連項目[編集]

外部リンク[編集]