フェルナンド・ロドニー

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フェルナンド・ロドニー
Fernando Rodney
ワシントン・ナショナルズ時代
(2019年9月28日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
(二重国籍)
出身地 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
サマナ州サマナ英語版
生年月日 (1977-03-18) 1977年3月18日(47歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
220 lb =約99.8 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1997年 アマチュアFA
初出場 2002年5月4日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2006年2013年2017年
獲得メダル
男子 野球
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
ワールド・ベースボール・クラシック
2013 野球

フェルナンド・ロドニーFernando Rodney, 1977年3月18日 - )は、ドミニカ共和国サマナ州サマナ英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はベンジャミン

同じく元プロ野球選手のアルフレッド・フィガロは従兄弟である。

経歴[編集]

プロ入りとタイガース時代[編集]

1997年11月1日にアマチュアFA選手としてデトロイト・タイガースと契約を結んだ。

2002年5月4日のミネソタ・ツインズ戦でメジャーデビューを果たす。

2003年トミー・ジョン手術を行い、その影響で2004年は全休した。

2005年も術後の影響でリハビリを続けたが、6月4日にAAA級トレド・マッドヘンズで戦列復帰。間もなくカイル・ファーンズワーストレードアトランタ・ブレーブスへ放出されたことに伴い、昇格を果たす。この年は39試合に登板、トロイ・パーシバルが故障離脱したこともあり9セーブをあげクローザーとしての役割を担った。

2006年はシーズン開幕前の3月に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ドミニカ共和国代表に選出された[1]。シーズンでは2005年オフにクローザーとしてトッド・ジョーンズと契約したため、ジョエル・ズマヤと共にセットアップマンとして起用された。

2007年は6月途中までに1勝5敗、防御率5.68と不振を極め、結局6月20日に右肩痛で故障者リスト入りする。8月5日に復帰して以降は12イニング連続無失点と復活の兆しを見せたが、9月には月間防御率6点台と再び不振に陥った。

2008年は肩の故障から開幕は故障者リストからスタートした。6月中旬にメジャーに復帰すると、7月27日に不調のトッド・ジョーンズに代わり新しい抑え投手となった。

デトロイト・タイガース時代
(2009年5月31日)

2009年、タイガースは複数年契約を求めたが、ロドニーはこの申し出を拒否し、年俸調停を申請。11月5日にノンテンダーFAとなった。

エンゼルス時代[編集]

2009年12月24日にロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと1100万ドルで2年契約を結んだ[2]

2010年はセットアッパーとしてつとめていたが、シーズン途中でブライアン・フエンテスがツインズに移籍したため、クローザーを任された。

ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2011年7月24日)

2011年ジョーダン・ウォルデンにクローザーを譲り、セットアッパーに回った。10月30日にノンテンダーFAとなった。

レイズ時代[編集]

タンパベイ・レイズ時代
(2012年5月11日)

2012年1月4日にタンパベイ・レイズと1年175万ドル(約1億3000万円)で契約[3]。与四球が大幅に減少し、それまでの4年間1.5前後だったWHIPがほぼ半分になり、4点台だった防御率が0点台と投球内容が大幅に改善。クローザーとして最終的に48セーブを挙げた。また、初めてオールスターゲームにも選出され、1回を無安打に抑えた。10月19日に最優秀救援賞カムバック賞を受賞した[4]

2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回WBCドミニカ共和国代表に選出され[5]、2大会ぶり2度目の選出を果たした。同大会では抑えとして大会最多の8試合に登板し、全てを無失点に抑え、大会最多7セーブを挙げる。ドミニカ共和国の大会史上初全勝優勝に貢献した。また、投手として今大会のベストナインにも選出された。オフの10月31日にFAとなった。

マリナーズ時代[編集]

シアトル・マリナーズ時代
(2014年5月5日)

2014年2月6日にシアトル・マリナーズと総額1400万ドルの2年契約に合意したことが報道され[6]、13日に球団が発表した[7]。開幕からクローザーを任され、自身初めて最多セーブのタイトルを獲得した。

2015年は54試合で5勝5敗16セーブ、防御率5.68と不安定で、8月22日にDFAとなった[8]

カブス時代[編集]

2015年8月27日にウェイバー公示を経てシカゴ・カブスに金銭トレードされた[9]。オフの11月2日にFAとなった[10]

パドレス時代[編集]

サンディエゴ・パドレス時代
(2016年6月22日)

2016年2月4日にサンディエゴ・パドレスと1年160万ドル(2017年は200万ドルの球団オプション付)の契約を結んだ[11]。パドレスでは28試合に登板して0勝1敗17セーブ、防御率0.31の成績を残した。

マーリンズ時代[編集]

マイアミ・マーリンズ時代
(2016年7月11日)

2016年6月30日にクリス・パダックとのトレードで、マイアミ・マーリンズへ移籍した[12]。11月3日にFAとなった[10]

ダイヤモンドバックス時代[編集]

2016年12月9日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと1年275万ドルで契約を結んだ[13]

2017年はシーズン開幕前の2月8日に第4回WBCドミニカ共和国代表に選出され、2大会連続3度目の選出を果たした[14]。同大会では3試合に登板し、1失点(防御率2.70)、4奪三振と好投した。

シーズンでは4月に10イニングで15失点を喫したが、5月および6月で防御率0.00を記録するなど徐々に調子を上げ、9月23日のマーリンズ戦で通算300セーブを達成した[15]。オフの11月2日にFAとなった[16]

ツインズ時代[編集]

ミネソタ・ツインズ時代
(2018年3月29日)

2017年12月15日にツインズと1年450万ドル(球団側オプション付)で契約を結んだ[17]2018年は移籍までに46試合に投げ、3勝2敗25セーブ、防御率3.09であった。また、ツインズ在籍中の2018年7月18日にミズーリ州カンザスシティでアメリカ合衆国籍を取得した。

アスレチックス時代[編集]

2018年8月9日にダコタ・チャルマーズ英語版とのトレードで、オークランド・アスレチックスへ移籍した[18]。移籍後はセットアッパーとして22試合に投げ、防御率3.92であった。

2019年は日本開催の開幕戦にも出場したが[19]、17試合に登板して防御率9.47と結果を残せず、5月25日にDFAとなり[20]、28日にFAとなった[10]

ナショナルズ時代[編集]

2019年6月1日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約で合意した[21]。6月25日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[22]イチローが引退したことで、現役最年長選手となった。移籍後は中継ぎとして38試合に投げ、0勝3敗、防御率4.05だった。ポストシーズンでは5登板連続で無失点に抑えていたが、ワールドシリーズ第4戦では満塁本塁打を浴びた[23]。なお、このポストシーズンで史上4人目の両リーグでポストシーズンの全ラウンドに出場した選手になり[24]、初の優勝も経験した。オフの10月31日にFAとなった[25]

ナショナルズ退団後[編集]

2020年7月18日に独立リーグ・アトランティックリーグシュガーランド・スキーターズと契約。7月31日にヒューストン・アストロズとマイナー契約を結んだ[26]。9月2日にFAとなった[27]

2021年3月17日にリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルティフアナ・ブルズと契約[10]。2021年は28試合に登板して3勝0敗16セーブ、防御率1.80、2022年は39試合に登板して6勝1敗22セーブ、防御率3.00と、チームの守護神として結果を残した[28]

2022年12月29日にメキシコシティ・レッドデビルズに入団した[29]

2023年5月7日にメキシコシティ・レッドデビルズを自由契約となった[10]。5月12日に同リーグのユカタン・ライオンズと契約[10]。7月4日に自由契約となった[10]

投球スタイル[編集]

弓を引くポーズ

平均球速153km/h、最速160.9km/hの速球フォーシームツーシーム)と、平均球速132km/hのチェンジアップを持ち球とする。かつてはフォーシームを基本球種としていたが、2014年以降はツーシームを基本球種とし、チェンジアップと合わせて投球全体の約90%以上を占める。また、2012年まではスライダーも投げていた。チェンジアップの精度は高く、コントロール・空振り率ともに良い。その反面、ツーシームはコントロール・空振り率ともに悪く、速球系でありながらストライク率が60%を下回ることもある[30]

クローザーとして試合終了を決めると、勝利のポーズとして天に弓を引くようなポーズを披露する。

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2002 DET 20 0 0 0 0 1 3 0 0 .250 89 18.0 25 2 10 2 0 10 0 1 15 12 6.00 1.94
2003 27 0 0 0 0 1 3 3 3 .250 143 29.2 35 2 17 1 1 33 0 0 20 20 6.07 1.75
2005 39 0 0 0 0 2 3 9 3 .400 185 44.0 39 5 17 3 2 42 2 0 14 14 2.86 1.27
2006 63 0 0 0 0 7 4 7 18 .636 304 71.2 51 6 34 4 8 65 3 0 36 28 3.52 1.19
2007 48 0 0 0 0 2 6 1 12 .250 223 50.2 46 5 21 0 3 54 4 0 27 24 4.26 1.32
2008 38 0 0 0 0 0 6 13 5 .000 188 40.1 34 3 30 5 3 49 3 0 22 22 4.91 1.59
2009 73 0 0 0 0 2 5 37 0 .286 330 75.2 70 8 41 4 2 61 5 0 38 37 4.40 1.47
2010 LAA 72 0 0 0 0 4 3 14 21 .571 308 68.0 70 4 35 1 5 53 4 0 33 32 4.24 1.54
2011 39 0 0 0 0 3 5 3 10 .375 150 32.0 26 1 28 0 3 26 2 0 18 16 4.50 1.69
2012 TB 76 0 0 0 0 2 2 48 0 .500 282 74.2 43 2 15 1 3 76 4 0 9 5 0.60 0.78
2013 68 0 0 0 0 5 4 37 0 .556 290 66.2 53 3 36 3 1 82 4 1 27 25 3.38 1.34
2014 SEA 69 0 0 0 0 1 6 48 0 .143 286 66.1 61 3 28 3 3 78 4 1 24 21 2.85 1.34
2015 54 0 0 0 0 5 5 16 7 .500 227 50.2 51 8 25 3 5 43 5 0 32 32 5.68 1.50
CHC 14 0 0 0 0 2 0 0 2 .1000 50 12.0 8 1 4 0 3 15 1 0 4 1 0.75 1.00
'15計 68 0 0 0 0 7 5 16 9 .583 277 62.2 59 9 29 3 8 58 6 0 36 33 4.74 1.40
2016 SD 28 0 0 0 0 0 1 17 0 .000 109 28.2 13 0 12 0 2 33 1 1 2 1 0.31 0.87
MIA 39 0 0 0 0 2 3 8 8 .400 174 36.2 41 5 25 3 3 41 4 0 25 24 5.89 1.80
'16計 67 0 0 0 0 2 4 25 8 .333 283 65.1 54 5 37 3 5 74 5 1 27 25 3.44 1.39
2017 ARI 61 0 0 0 0 5 4 39 0 .556 231 55.1 40 3 26 3 2 65 7 0 29 26 4.23 1.19
2018 MIN 46 0 0 0 0 3 2 25 0 .600 192 43.2 42 3 19 1 2 50 2 0 18 15 3.09 1.40
OAK 22 0 0 0 0 1 1 0 7 .500 108 20.2 20 2 13 0 1 20 4 0 9 9 3.92 1.59
'18計 68 0 0 0 0 4 3 25 7 .571 285 64.1 62 7 32 1 3 70 6 0 27 24 3.36 1.46
2019 17 0 0 0 0 0 2 0 0 .000 70 14.1 20 2 12 0 0 14 2 0 15 15 9.42 2.23
WSH 38 0 0 0 0 0 3 2 17 .000 140 33.1 29 3 16 1 0 35 4 0 16 15 4.05 1.35
'19計 55 0 0 0 0 0 5 2 17 .000 210 47.2 49 5 28 1 0 49 6 0 31 30 5.66 1.62
MLB:17年 951 0 0 0 0 48 71 327 113 .403 4064 933.0 817 73 464 38 52 943 65 3 433 394 3.80 1.37
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 56(2002年 - 2003年、2005年 - 2015年途中、2016年 - 2019年)
  • 57(2015年途中 - 同年終了)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2006 Tournament Roster” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月12日閲覧。
  2. ^ "Angels agree to terms on two-year deal with RHP Fernando Rodney" (Press release) (英語). MLB.com (Los Angeles Angels). 24 December 2009. 2016年3月3日閲覧
  3. ^ "Rays sign Fernando Rodney to one-year contract" (Press release). MLB.com (Tampa Bay Rays)language=英語. 4 January 2012. 2016年3月3日閲覧
  4. ^ “カムバック賞にロドニーとポージー=米大リーグ”. 時事通信社. (2012年10月20日). http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2012102000015 2012年10月22日閲覧。 
  5. ^ 2013 Tournament Roster” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月12日閲覧。
  6. ^ Greg Johns (2014年2月6日). “Mariners reportedly add Rodney to bolster back of 'pen”. MLB.com. 2016年3月3日閲覧。
  7. ^ "Mariners sign free agent relief pitcher Fernando Rodney" (Press release) (英語). MLB.com (Seattle Mariners). 13 February 2014. 2016年3月3日閲覧
  8. ^ マリナーズ 抑えのロドニー戦力外に、昨季のセーブ王”. スポニチSponichi Annex. スポーツニッポン (2015年8月23日). 2015年8月24日閲覧。
  9. ^ Mike Axisa (2015年8月27日). “Mariners trade Fernando Rodney to Cubs: Three things to know” (英語). 2015年8月28日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g MLB公式プロフィール参照。2023年9月3日閲覧。
  11. ^ "Padres sign RHP Fernando Rodney to one-year contract for 2016 season with club option for 2017" (Press release) (英語). MLB.com (San Diego Padres). 4 February 2015. 2016年3月3日閲覧
  12. ^ http://espn.go.com/mlb/story/_/id/16649700/miami-marlins-acquire-san-diego-padres-closer-fernando-rodney
  13. ^ Jesse Sanchez (2016年12月9日). “Rodney excited to start anew with D-backs” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  14. ^ DR aims to defend title as WBC '17 roster set MLB.com (英語) (2017年2月15日) 2017年3月16日閲覧
  15. ^ Rodney joins rare company with 300th save”. MLB.com. 2017年9月24日閲覧。
  16. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月28日閲覧
  17. ^ Fernando Rodney, Twins finalize $4.5M, 1-year contract” (英語). ESPN.com (2017年12月16日). 2017年12月19日閲覧。
  18. ^ Manny Randhawa (2018年8月9日). “A's acquire reliever Rodney from Twins” (英語). MLB.com. 2018年8月10日閲覧。
  19. ^ イチロー1四球、マリナーズ白星/MLB開幕戦詳細”. nikkansports.com. 2019年10月31日閲覧。
  20. ^ Martin Gallegos (2019年5月25日). “A's designate Fernando Rodney, call up Wang” (英語). MLB.com. 2019年5月26日閲覧。
  21. ^ Source: Rodney signs Minors deal with Nationals”. MLB.com. 2019年6月2日閲覧。
  22. ^ Christina De Nicola (2019年6月25日). “Nats call up veteran relievers Venters, Rodney” (英語). MLB.com. 2019年6月26日閲覧。
  23. ^ アストロズ・ブレグマン満塁弾「すごく大きかった」”. nikkansports.com. 2019年10月31日閲覧。
  24. ^ 現役最年長の42歳が達成したポストシーズン記録。両リーグでポストシーズンの全ラウンドに出場”. Yahoo!ニュース 個人. 2019年10月31日閲覧。
  25. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  26. ^ Rodney joins Astros on Minors deal” (英語). MLB.com (2020年7月31日). 2020年8月2日閲覧。
  27. ^ Astros Release Fernando Rodney” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年9月3日閲覧。
  28. ^ Fernando Rodney Minor, Winter, Independent & Mexican Leagues Statistics”. Baseball-Reference.com. 2023年1月14日閲覧。
  29. ^ Diablos Rojos: Fernando Rodney llega a la Pandilla Escarlata” (スペイン語). MiLB.com (2022年12月29日). 2023年1月14日閲覧。
  30. ^ Fernando Rodney > Pitch Data” (英語). The Baseball Cube (2016年7月3日). 2016年7月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]