無量寿経
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| この項目には、JIS X 0213:2004 で規定されている文字が含まれています(詳細)。 |
浄土教 |
|---|
| 仏教 |
| 部派 |
| 大乗仏教 |
| 地域別浄土教 |
| インド 中国 日本 |
| 主な宗旨(日本) |
| 天台浄土教 融通念仏宗 浄土宗 浄土真宗 時宗 |
| 如来 菩薩 |
| 阿弥陀如来 観音菩薩 勢至菩薩 |
| 経典 |
| 「浄土三部経」 『仏説無量寿経』 曹魏康僧鎧訳 『仏説観無量寿経』 劉宋畺良耶舎訳 『仏説阿弥陀経』 姚秦鳩摩羅什訳 |
| 思想 基本教義 |
| 末法思想 称名念仏 |
| 関連人物 |
| 釈尊 十大弟子 龍樹 天親 曇鸞 道綽 善導 懷感 少康 空也 源信 良忍 源空(法然) 証空 弁長 幸西 長西 隆寛 親鸞 性信 真仏 唯円 如信 覚如 蓮如 一遍 聖戒 他阿 |
| ウィキポータル 仏教 |
『無量寿経』(むりょうじゅきょう)は、大乗仏教の経典の一つ。 原題は『スカーバティービューハ』(サンスクリット:Sukhāvatīvyūha)で、「極楽の荘厳」という意味である。サンスクリットでは同タイトルの『阿弥陀経』と区別して、『大スカーバティービューハ』とも呼ぶ。
サンスクリット原典、チベット語訳、中国語訳(下記参照)が現存する。 日本では、一般に『仏説無量寿経』(康僧鎧訳)の事をさす。詳細は下記の仏説無量寿経を参照のこと。
なお漢字制限(当用漢字・常用漢字・教育漢字)により現表記となる。
目次 |
[編集] 中国語訳
中国語訳は、12訳あったといわれ、現在に伝わっているものとして、5つの訳本が現存し、7つの訳本は、欠本になっている。五存七欠十二訳と呼ばれる。現存するうち、「漢訳」・「呉訳」・「魏訳」の訳者に関しては諸説ある。
[編集] 仏説無量清浄平等覚経
[編集] 仏説阿弥陀三耶三仏薩楼仏檀過度人道経
-
- 『大正蔵』第12巻 P300~P317。
- 原文の経題の表記は、『佛説阿彌陀三耶三佛薩樓佛檀過度人道經卷上』、『佛説阿彌陀三耶三佛薩樓佛檀過度人道經卷下』 呉月支國居士支謙譯。
- 別称には、『大阿弥陀経』がある。
- 後漢の支婁迦讖訳とする説もある。
- 阿弥陀仏の本願は、「四十八願」ではなく、「二十四願」である。
- 主な引用先…源信…『往生要集』、法然:『選択集』、親鸞:『教行信証』。
[編集] 仏説無量寿経
- 『仏説無量寿経』2巻 曹魏の康僧鎧(こうそうがい)訳…「魏訳」
-
- 中国語訳のうち日本の浄土教諸宗において主に用いられるのは、康僧鎧が訳したとされる『仏説無量寿経』2巻である。浄土教諸宗において「無量寿経」といえば、特に注意書が無い場合は、康僧鎧訳の『仏説無量寿経』を指す。
- 日本の浄土教の根本聖典の一つで、『仏説観無量寿経』(畺良耶舎訳)、『仏説阿弥陀経』(鳩摩羅什訳)とともに「浄土三部経」と総称される。
- 浄土真宗の宗祖である親鸞は、特にこの経典を重んじ、浄土真宗の最重要経典である。
- 別称に、『大無量寿経』(略して『大経』)、上下巻の2巻からなるため『双巻無量寿経』(『雙巻無量壽經』)、『双巻経』(『雙巻經』)とも呼ばれる。
- 『大正蔵』第12巻 P265~279。
- 原文の経題の表記は、『佛説無量壽經卷上』・『佛説無量壽經卷下』 曹魏天竺三藏康僧鎧譯。
- 訳者に関しては、様々な説がある。一般の経典には、「曹魏天竺三蔵康僧鎧訳」と書かれている。
- 「魏訳」の特徴として、「自然」「無為」「清浄」など、曹魏・西晋時代の老荘ないし道教と共通する用語が多く見え、それらの影響が強く反映されている。
[編集] 内容
- 上巻
序分に王舎城の耆闍崛山において、優れた比丘や菩薩たちに対して、釈尊が五徳の瑞相をあらわし説かれた。
正宗分には、ある国王が世自在王仏のもとで出家し法蔵菩薩と名乗り、偈文(「讃仏偈」)を作り師を讃嘆し、諸々の仏の国土の成り立ちを見せて欲しいと願いを述べ、その仏国土より優れた点を選び取り、発願(ほつがん)し、五劫の間思惟して行を選び取った。 願と行を選び取った法蔵菩薩は、師に向かい48の願(四十八願)を述べた。 続けてこの願の目的を述べ重ねて誓った(「重誓偈(三誓偈)」)。 そして兆戴永劫にわたり修行し、願が成就し、無量寿仏(阿弥陀仏)と成り、その仏国土の名が「極楽」であると説かれる。 願が成就してから十劫が経っていて、阿弥陀仏の徳とその国土である「極楽」の様子が説かれる。
- 下巻
極楽浄土に生まれたいと願う者は皆、仏になることが約束され、阿弥陀仏の名号を聞信し喜び、心から念ずれば往生が定まると説かれる。 その者たちは、上輩・中輩・下輩に分けられ、それぞれの往生の方法が説かれる。修行もやり遂げられない、善行も戎も守りきれない下輩の者は、たとえわずかな回数でも、一心に念ずれば往生がさだまると説かれる。 そして釈尊は、偈文(「東方偈〈往覲偈〉」)を読み、教えを聞き、阿弥陀仏を敬い、「極楽」への往生を勧める。 さらに浄土に往生した聖なる者たちの徳を説かれる。 次に釈尊は弥勒菩薩に対して、煩悩のある世界(穢土)に生きる衆生の苦しみの理由を、三毒(貪欲〈とんよく〉・瞋恚〈しんい〉・愚痴)・五悪(殺生〈せつしよう〉・偸盗〈ちゆうとう〉・邪淫〈じやいん〉・妄語〈もうご〉・飲酒〈おんじゆ〉)によると示し、誡める。 続けて弥勒菩薩に、そのままではその苦しみから逃れられない事を説き、「極楽」に往生する事が苦しみから逃れる方法であると説かれる。 それは、ただ無量寿仏の名を聞いて、たった一度でも名を称えれば(念仏)すれば、功徳を身に供える事ができると説いた。この教えを聞いたものは、後戻りする事は無い(必ず往生できる)と説かれる。
流通分には、無上功徳の名号を受持せよとすすめ、時が流れ一切の法が滅しても、この経(『無量寿経』)だけは留めおいて人々を救いつづけると説かれる。
[編集] 無量寿如来会
- 『無量寿如来会』2巻 唐の菩提流支(ぼだいるし)訳…「唐訳」
[編集] 仏説大乗無量寿荘厳経
- 『仏説大乗無量寿荘厳経』3巻 宋の法賢(ほっけん)訳…「宋訳」
-
- 『大正蔵』第12巻 P318~P326。
- 原文の経題の表記は、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷上』、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷中』、『佛説大乘無量壽莊嚴經卷下』 西天譯經三藏朝散大夫試光祿卿 明教大師臣法賢奉詔譯。
- 略称は、『荘厳経』が用いられる。
- 阿弥陀仏の本願は、「四十八願」ではなく、「三十六願」である。
[編集] 欠本とされている7つの異訳本
- 『無量寿経』2巻 後漢の安世高(あんせいこう)訳とされる。
- 『仏説無量清浄平等覚経』2巻 曹魏の白延訳とされる。
- 『仏説無量寿経』2巻 西晋の竺法護訳とされる。
- 『仏説無量寿至真等正覚経』1巻 東晋の竺法力(じくほうりき)訳とされる。
- 『新無量寿経』2巻 東晋の仏陀跋陀羅訳とされる。
- 『新無量寿経』2巻 東晋の宝雲(ほううん)訳とされる。
- 『新無量寿経』2巻 劉宋の曇摩蜜多(どんまみった)訳とされる。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 浄土真宗教学編集所 浄土真宗聖典編纂委員会 編纂 『<浄土真宗聖典>浄土三部経 -現代語版-』 本願寺出版社、1996初版刊行。ISBN 978-4-89416-601-1。
- 中村 元・早島鏡正・紀野一義 訳注 『浄土三部経(上)』 岩波書店(岩波文庫 青306-1)、1990年。ISBN 4-00-333061-7。
- 中村 元・早島鏡正・紀野一義 訳注 『浄土三部経(下)』 岩波書店(岩波文庫 青306-2)、1990年。ISBN 4-00-333062-5。
- 山口益・桜部建・森三樹三郎訳 『浄土三部経』<大乗仏典6>(中公文庫 2002年)
[編集] 外部リンク
- 本願寺派聖典
- 聖教電子化研究会 (冒頭~) ・ (第十八願の部分)
- 大正新脩大藏經…『大正新脩大藏經』のオンライン検索(テキストデータによる閲覧)
- 国立国会図書館 近代デジタルライブラリー…『大正新脩大藏經』と入力検索すると、同書が写真により閲覧ができる。
|
|||||||||||||||||||||||||||||

