金剛頂経

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Dharma Wheel
密教
仏教
金剛乗仏教
時代・地域
初期 中期 後期
インド チベット 中国 日本
主な宗派(日本)
東密
※は、「真言宗各山会」加入
- 古義真言宗系 -
高野山真言宗
東寺真言宗
真言宗善通寺派
真言宗醍醐派
真言宗御室派
真言宗大覚寺派
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- 新義真言宗系 -
真言宗智山派
真言宗豊山派
新義真言宗
真言宗室生寺派
- 真言律 -
真言律宗
台密
〈日本〉天台宗
信仰対象
如来 菩薩 明王
経典
大日経 金剛頂経
蘇悉地経 理趣経
思想 基本教義
即身成仏 三密 入我我入
曼荼羅 護摩
東密
古義広沢流 小野流新義
関連人物
東密
金剛薩埵 龍樹
龍智 金剛智 不空 恵果
空海
真言律
叡尊 忍性 信空
台密
最澄 順暁 円仁 円珍
ウィキポータル 仏教

金剛頂経』(こんごうちょうきょう)は、『初会金剛頂経』(sarvatathāgatatattvasaṃgrahaṃ nāma mahāyānasūtraṃ:『一切如来の真実を集めたものと名付ける大乗経典』略して『真実摂経』(しんじつしょうきょう)ともいう)を編纂したグループが次々と生み出していった「金剛頂経」系テキストの総称である。「金剛頂」(vajraśekara)という名前の由来は、『金剛頂タントラ』(vajraśekharatantra)にあるといわれている。

概要[編集]

日本では、普通に「金剛頂経」と言う時は『初会金剛頂経』のことを指す。

『初会金剛頂経』は金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)の典拠となる経典で、真言宗天台宗では密教の「即身成仏」の原理を明確に説いているとしている。

真言宗(東密)では特に根本経典(最も重要な経典)とされ、「金剛頂経」と『大日経』の2つの密教経典を「両部の大経」という。真言宗で唱えられている『理趣経』(Adhyardhaśatikā prajñāpāramitā: 『百五十頌般若』)は、「金剛頂経」系テキストのうち『理趣広経』とよばれるものの略本である。

空海774年835年)は、長安において青龍寺の恵果746年805年)の弟子となり、密教の伝法潅頂を授かり、『初会金剛頂経』の教理と実践方法を伝授(大日如来―金剛薩埵―龍猛―龍智―金剛智―不空―恵果―空海と付法)される。806年に日本に初めて、『初会金剛頂経』に基づく実践体系を伝えている。

「金剛頂経」は龍猛が南天竺の鉄塔のなかで感得したという伝説がある。この経典は大日如来が18の異なる場所で別々の機会に説いた10万(じゅ)に及ぶ大部の経典の総称であり、単一の経典ではない。

漢訳経典[編集]

金剛智三蔵(ヴァジュラボーディー/670年頃~741年)がサンスクリット語から漢訳した『金剛頂瑜伽中略出念誦経(略出念誦経)』4巻、不空三蔵(ア-モガヴァジュラ/705年~774年)が漢訳した『金剛頂一切如来真実摂大乗現証三昧大教王経(金剛頂大教王経)』3巻、施護(せご)が漢訳した『一切如来真実摂経』30巻がある。

サンスクリット原典、チベット語訳も現存し、それらは漢訳では施護訳と対応する。7世紀中頃から終わりにかけて、南インドでその基本形が成立し、次第に施護訳にみられるような完成形態に移行したとされる。

内容[編集]

大日如来が一切義成就菩薩(いっさいぎじょうじゅぼさつ)(釈尊(しゃくそん))の問いに対して、自らの悟りの内容を明かし、それを得るための実践法が主となっている。その悟りの内容を具体的に示したのが金剛界曼荼羅であり、その実践法の中心となるのが五相成身(ごそうじょうじん)観である。五相成身観とは、行者の汚れた心を、瑜伽の観法を通じて見きわめ、その清浄な姿がそのまま如来の智慧(ちえ)に他ならないことを知り、如来と行者が一体化して、行者に本来そなわる如来の智慧を発見するための実践法である。

注釈書[編集]

8世紀の瑜伽部密教の三大学匠といわれるブッダグヒヤ、アーナンダガルバ、シャーキヤミトラなどの注釈書がチベット訳として残る。

『金剛頂経(真実摂経)』のチベット語訳には注釈書が付随し、現存するものを挙げると、

  • ブッダグヒヤ(Buddhaguhya)撰 『タントラ義入』
  • シャーキャミトラ(Sakyamitra)撰 『コーサラの荘厳という真実の集成に対する注釈』
  • アーナンダガルバ(Anandagarbha)撰 『一切如来の真実の集成である大乗の現観と名づけるタントラの注・真実の燈明』
  • プトゥン(Bu ston rin chen grub)撰 『瑜伽タントラの海に入る船』

の四つがある。

また、ブッダグヒヤの『タントラ義入』にはパドマヴァジュラによる再注釈書『タントラ義入釈』がある。

関連項目[編集]