「神戸市交通局1000形電車 (鉄道)」の版間の差分
128.53.43.65 (会話) による ID:73328027 の版を取り消し タグ: 取り消し |
|||
116行目: | 116行目: | ||
==置き換え== |
==置き換え== |
||
*1次車は1976年に竣工して以来40年以上経過しており老朽化が著しいため、2018年度より新型車両 ([[神戸市交通局6000形電車|6000形]]) を投入して全車両を置き換える予定で、それに先立つ形で第1編成が2018年7月に営業運転を終了している<ref>https://railf.jp/news/2018/07/02/194500.html</ref>。その後、2019年2月に西神側先頭車1101号車を保存車両として残し、後部の5両は |
*1次車は1976年に竣工して以来40年以上経過しており老朽化が著しいため、2018年度より新型車両 ([[神戸市交通局6000形電車|6000形]]) を投入して全車両を置き換える予定で、それに先立つ形で第1編成が2018年7月に営業運転を終了している<ref>https://railf.jp/news/2018/07/02/194500.html</ref>。その後、2019年2月に西神側先頭車1101号車を保存車両として残し、後部の5両は奈良県のリサイクル工場に陸送して解体された。 |
||
*2019年度には第15、9、2、11編成(廃車予定順)が廃車される予定である<ref>[http://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/subway/haisya_2_siyou.pdf 地下鉄車両廃車処理業務委託に関する事業者の募集について(仕様書)] - 神戸市交通局 2019年2月12日</ref>。 |
*2019年度には第15、9、2、11編成(廃車予定順)が廃車される予定である<ref>[http://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/subway/haisya_2_siyou.pdf 地下鉄車両廃車処理業務委託に関する事業者の募集について(仕様書)] - 神戸市交通局 2019年2月12日</ref>。 |
||
2019年7月2日 (火) 20:36時点における版
神戸市営地下鉄1000形電車 | |
---|---|
ファイル:Kobesubway1000ass 047.jpg 神戸市交通局1000形電車第17編成(2005年11月、名谷駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 神戸市交通局 |
製造所 | 川崎重工業 |
製造年 | 1976年 - 1989年 |
製造数 | 18編成108両 |
運用開始 | 1977年3月13日 |
投入先 | 西神・山手線 |
主要諸元 | |
編成 | 6両編成[2] |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 架空単線式直流1,500V |
最高運転速度 | 90 km/h |
設計最高速度 | 100 km/h |
起動加速度 | 3.3 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 872名 |
編成重量 | 188.0 t |
全長 | 19,000 mm |
全幅 | 2,790 mm |
全高 | 4,010 mm |
車体 | アルミニウム合金 |
台車 |
S型ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車 FS393 |
主電動機 |
直流直巻電動機(登場当初) かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 130 kW / 基 |
駆動方式 | WN駆動方式[3] |
歯車比 | 98:15[3] |
制御方式 |
電機子チョッパ制御(登場当初) GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御(1101~1107F) 2レベルIGBT素子VVVFインバータ制御(1108F以降) いずれも日立製作所製 |
制動装置 |
回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(補足ブレーキ付) 抑速ブレーキ |
保安装置 |
自動列車制御装置 (CS-ATC) 自動列車運転装置 (ATO) |
備考 | 車内信号は0、15、25、45、60、75、90km/hで設定 |
神戸市交通局1000形電車(こうべしこうつうきょく1000がたでんしゃ)は、1976年(昭和51年)に神戸市営地下鉄の西神・山手線用として登場した神戸市交通局の通勤形電車である。1977年(昭和52年)から営業運転を開始した。
車両概要
アルミ製全長19メートルの車両で、片側に3つの客用扉を持つ。窓配置は扉間に3枚、車端部に1枚(先頭車の最前部はなし)である。内装も、よろい戸式日除けやカバー付照明、木目柄の化粧板(阪急と柄は異なる)など、関西色が強い。当初から冷房装置を搭載して落成されており、これは同年登場の名古屋市営地下鉄3000形と並んで、日本の地下鉄車両では初めての事例である。
現在は6両編成を組成し、編成中の電動車 (M) と付随車 (T) の構成は(MT比)4M2Tで、パンタグラフは下枠交差式を2、5両目に2基ずつ計4基搭載する。空気圧縮機は両先頭車に、制御装置は2、5両目に搭載する。落成当時は全編成が1C8M(1つの制御器で2両分8台のモーターを制御)自動可変界磁式電機子チョッパ制御(1,500V、1,400A、2100kW、合成周波数350Hz)であった。主電動機の出力は130kW(電圧375V、電流385A、85%界磁時定格回転数2,050rpm、最弱め界磁率50%)である。定格速度は35km/hである。回生ブレーキ、抑速ブレーキにも対応している。回生ブレーキは55%界磁から使用する。
前面は微妙に湾曲しているものの切妻に近いが、天井近くまである大きな窓と縦方向に丸型の前照灯・尾灯を配しており、他に類を見ない独特の形態となっている。貫通路は2-3両目、4-5両目の間のみ扉付きの狭幅で、3-4両目は扉なしの狭幅、他は扉なしの広幅という特殊な形態となっているが、これは検査時に2両ごとに分割する必要性から来ている。
外部塗色は神戸市電にちなみ、上半分を淡いグリーン、下半分を濃いグリーンとされた。また、窓上にも細い濃緑帯が巻かれるが、これは乗務員扉後部で窓下まで降りてくる。帯部分には1両あたり2箇所(先頭車は前面を含め3箇所)にシンボルマークであるUラインマークが描かれているため、該当部分では帯が途切れる[4]。
正面の非常用貫通扉は外側への開き戸を採用しており、これはのちの西神・山手線の車両や北神急行電鉄7000系電車にも受け継がれている。
個別分類
1次車
神戸市営地下鉄の開通に備えて製造された4両編成で、1101F~1106F(F=Formation=編成の頭文字。第1~6編成のことを表す。以後も同様)がこれに該当する。方向幕は当初前面のみであったが、2次車の導入後に側面にも取り付けられた。
2次車
状況に合わせて数回に分けて製造され、製造両数が最も多いグループである。
まずは輸送力増強のために4両編成である1107Fと1108Fが製造された。
続いて大倉山延伸に備え、4両編成に組み込む付随車8両と1109F~1111Fの3編成(当初より5両編成)が製造された。
そのあと新神戸および学園都市延伸に伴い、1112F~1115Fが追加製造された。
1次車の相違点は当初から側面に方向幕が設置されているほか、ホームからの扉の引き込まれ事故による怪我対策のため、車外の戸袋部の隙間が拡大されている点である。現在は1次車にも側面方向幕が追加されているため、車外の戸袋部の隙間にグレーのゴムが設けられているところが識別点である。
3次車
西神中央までの延伸による車両増のために製造されたグループで、1116F~1118Fがこれに該当する。
2次車までとは大きく異なっており、外見では冷房装置は中型3台から大型2台(その後の2000形などと同等のもの)へ変更されたほか、客用扉の窓の下にあるステンレスのラインがなくなっている。その他、前面外部にもステップが追加された。内装面では妻面の貫通扉の窓が拡大されたこと以外は2次車以前とほとんど変わっていないが、天井を見ると風洞形状が大きく異なっており、扉付近には補助送風機であるラインデリアが設置されている。また、先頭車では運転台の仕様が変わり、助士席(車掌台)側の仕切り部に窓が設置された[5]。そのあと1989年に6連化に伴い1400形が製造された。1416~1418はすでに製造された3次車編成と同一であるが、2次車以前の編成に組み込むために製造された1401~1415では編成美を統一させるため客用ドアの窓の下に再びステンレスのラインが入っている。ただし、既存の2次車以前とは異なり室内側にはステンレスのラインがない。また、2次車以前の編成は6連化を機に妻面貫通扉が2000形と同一のものに交換され、当該編成に組み込まれる1401~1415の妻面貫通扉は製造時からその仕様になっている[6]。これによって、本系列の製造は終了された。
リニューアル
1997年(平成9年)から、製造元の川崎重工業で毎年1編成ずつリニューアル改造が施工されており、この際に制御方式は3000形と同一のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御に変更された。また座席や化粧板も同時に交換されたほか、座席端部のパイプ形状も一部に変更がある。その後、座席はリニューアルと関係なく交換されるようになった。また、リニューアルに並行してドアエンジンが従来の電磁空気式から、3000形と同様のベルト連動両開式電磁弁一体式に更新された。
リニューアル車は1000-01形に形式変更されているが、これは書類上のことであり、通常は区別なく1000形と呼ばれている。車体に取り付けられている車両番号プレート類も変更は無い。
基本的に編成番号が若い順(古い順)にリニューアルされているが、2000年(平成12年)に実施予定だった1104Fは当時国民年金40周年記念のPRラッピング車に指定されていたため、順番が1106Fと入れ替えられ、同編成のリニューアルは2002年(平成14年)に施工され、同時にラッピングも解除されている。同編成のラッピングは2001年(平成13年)以降は41年目になるため、「40周年」の文字は消されていた。
- 1108Fでは電機子チョッパ装置から交換されるVVVFインバータの使用素子がIGBTに変更され[7]、形式も1000-02形となった。以後1109F以降も同じメニューで施工され2012年の1117F(1118Fは2011年に竣工済み)を以って全編成リニューアル工事終了となった。
- 2006年(平成18年)は川崎重工のラインに余裕があったことから、10月に1111F、12月に1110Fと2編成同時更新となった。2010年(平成22年)にも1115Fと1116Fの2編成が更新された。1116F以降は補助電源装置が静止形インバータに変更された。
営業区間
通常は通し運転される。他形式と共通運用。
歴史
1977年の開業当初は現行の両端4両にあたる全電動車の4両編成で登場した。1983年(昭和58年)の延伸時に乗客増加を見越して1300形付随車を増結し5両編成となる。さらに、1985年(昭和60年)に西区の市街地まで延伸されたことやユニバーシアードの開催等で多客時の積み残し客(特に妙法寺駅)が恒常的に発生したことから、1989年(平成元年)に1400形付随車を増結し、現行のMT比4M2Tの6両編成となった。全編成ともさらに電動車2両を追加しての8両編成化(MT比6M2T)が無改造で可能となっている。
- 1976年(昭和51年)2月23日 第1編成登場。
- 1977年(昭和52年)3月13日 第1 - 第6編成運用開始。
- 1978年(昭和53年)7月15日 第1編成にローレル賞の受賞プレートが取り付けられる。
- 1981年(昭和56年)4月5日 第7、8編成運用開始。
- 1983年(昭和58年)3月1日 1300形増結、5両編成化。
- 1983年(昭和58年)6月17日 第9 - 11編成運用開始。
- 1984年(昭和59年)9月29日 ATC更新開始。
- 1985年(昭和60年)6月18日 第12 - 15編成運用開始。
- 1987年(昭和62年)3月18日 第16 - 18編成運用開始。
- 1989年(平成元年)11月6日 1400形増結、6両編成化。製造終了。
- 1994年(平成6年)1月23日 快速運転開始に伴い、正面上部両サイドに種別表示灯を設置。
- 1998年(平成10年)3月11日 リニューアル第1編成運用開始。
- 2002年(平成14年)2月12日 転落防止幌設置開始。
- 2002年(平成14年)12月16日 西神中央方前から4両目に日本初の毎日実施の終日女性専用車両を設置。
- 2007年(平成19年)3月18日 開業30周年記念、開業式典列車の復元列車を運行。
その他
- 鉄道友の会の1978年度ローレル賞を受賞している。
- 1977年12月に日本の地下鉄開通50周年を記念して郵政省が発行した記念切手には、当形式と東京地下鉄道(→帝都高速度交通営団→現・東京地下鉄)1000形が採用された。これは、東京地下鉄道1000形が日本初の地下鉄車両であり、当形式が当時日本最新鋭の地下鉄車両であったためである。
置き換え
- 1次車は1976年に竣工して以来40年以上経過しており老朽化が著しいため、2018年度より新型車両 (6000形) を投入して全車両を置き換える予定で、それに先立つ形で第1編成が2018年7月に営業運転を終了している[8]。その後、2019年2月に西神側先頭車1101号車を保存車両として残し、後部の5両は奈良県のリサイクル工場に陸送して解体された。
- 2019年度には第15、9、2、11編成(廃車予定順)が廃車される予定である[9]。
編成表
2017年4月1日現在[10]。4号車・1400形は女性専用車両。
← 西神中央
|
運用開始 | 現3号車 増結 |
現4号車 増結 |
リニューアル | 廃車 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | ||||||
車種 | Mc2 | M1 | T | T' | M1' | Mc2' | ||||||
編成 番号 |
1 | 1101 | 1201 | 1301 | 1401 | 1501 | 1601 | 1976年 | 1983年 | 1989年 | 1997年 | 2018年 |
2 | 1102 | 1202 | 1302 | 1402 | 1502 | 1602 | 1998年 | |||||
3 | 1103 | 1203 | 1303 | 1403 | 1503 | 1603 | 1999年 | |||||
4 | 1104 | 1204 | 1304 | 1404 | 1504 | 1604 | 2002年 | |||||
5 | 1105 | 1205 | 1305 | 1405 | 1505 | 1605 | 2001年 | |||||
6 | 1106 | 1206 | 1306 | 1406 | 1506 | 1606 | 2000年 | |||||
7 | 1107 | 1207 | 1307 | 1407 | 1507 | 1607 | 1981年 | 2003年 | ||||
8 | 1108 | 1208 | 1308 | 1408 | 1508 | 1608 | 2004年 | |||||
9 | 1109 | 1209 | 1309 | 1409 | 1509 | 1609 | 1983年 | 当初より | 2005年 | 2019年 | ||
10 | 1110 | 1210 | 1310 | 1410 | 1510 | 1610 | 2006年 | |||||
11 | 1111 | 1211 | 1311 | 1411 | 1511 | 1611 | ||||||
12 | 1112 | 1212 | 1312 | 1412 | 1512 | 1612 | 1985年 | 2009年 | ||||
13 | 1113 | 1213 | 1313 | 1413 | 1513 | 1613 | 2007年 | |||||
14 | 1114 | 1214 | 1314 | 1414 | 1514 | 1614 | 2008年 | |||||
15 | 1115 | 1215 | 1315 | 1415 | 1515 | 1615 | 1990年 | 2010年 | 2019年 | |||
16 | 1116 | 1216 | 1316 | 1416 | 1516 | 1616 | 1987年 | |||||
17 | 1117 | 1217 | 1317 | 1417 | 1517 | 1617 | 2012年 | |||||
18 | 1118 | 1218 | 1318 | 1418 | 1518 | 1618 | 2011年 |
-
1100形
(中型クーラー車) -
1200形
(中型クーラー車) -
1300形
(中型クーラー車) -
1400形
(大型クーラー車) -
1500形
(大型クーラー車) -
1600形
(大型クーラー車)
ギャラリー
-
車内の様子
-
1次車
-
トップナンバー編成に付いているローレル賞のプレート
脚注
- ^ 『私鉄電車ガイドブック7』242頁
- ^ 登場時は4両編成[1]。
- ^ a b 『私鉄電車ガイドブック7』276-277頁
- ^ この位置にUラインマークが入ったのは後年のことで、当初はUラインマークはどこにも入っていなかったうえ、Uラインマークが入った当初は、先頭車前面に向かって左側の妻面窓上部にあった。
- ^ 運転中は先頭車の仕切り窓は遮光幕で塞がれる。
- ^ 3次車と2000形の妻面貫通扉の相違点は、2000形のほうが窓の幅が広くなっている。
- ^ 磁励音は名鉄4000系電車や、同じ日立製の機器を搭載する東武50000系電車に類似する。
- ^ https://railf.jp/news/2018/07/02/194500.html
- ^ 地下鉄車両廃車処理業務委託に関する事業者の募集について(仕様書) - 神戸市交通局 2019年2月12日
- ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2017』交通新聞社、2017年、168頁。
参考文献
- 電気学会『チョッパ制御ハンドブック(第2版)』1980年1月15日発行
- 東京工業大学鉄道研究部『私鉄電車ガイドブック 7 南海・泉北・神鉄・神戸市』誠文堂新光社、1978年。
外部リンク
- “1000形車両”. 神戸市交通局. 2015年3月21日閲覧。